面接に持っていく荷物の大前提
まずは、面接に持っていく荷物についての「大前提」を確認しましょう。就活のスタートセミナーなどでは、面接に持っていくべき荷物についての解説は必ずと言っていいほどありますが、当たり前すぎて説明が割愛されがちなポイントもいくつかあります。基本中の基本ですが、認識から抜け落ちていないか再確認してみてください。
面接には最小限の荷物で臨む
面接には、最小限の荷物で臨むのが常識です。つまり、面接に必要なものだけを持参するということです。自分が面接官であると想像してみてください。面接をする部屋に、就活用のバッグ以外に紙袋などの荷物を持った応募者が入ってきた場合、よい第一印象を持つことができるでしょうか。
応募者が面接時に紙袋やビニール袋を抱えていたら、「この応募者は面接前にショッピングをしていたのか?」や「街へ出るついでに面接を受けに来ているのか?」といった疑念を面接官が持ってしまっても仕方がありません。面接に対する本気度、入社への強い意志を疑われてしまうということです。
いらない荷物を持っていたり、就活バッグがパンパンになって荷物がはみ出して見えていたりすると、整理整頓や自己管理ができない人のように見られてしまう恐れがあります。そのような人を採用したいと考える面接官はいません。
入社した後の姿を想像すると、取引先を訪問した時に、肝心の書類をすぐにカバンから取り出すことができずにガサゴソと荷物をあさっている姿や、忘れ物をして平謝りをしている姿が目に浮かぶからです。
仕事ができる人のバッグやオフィスのデスクは整理整頓されているとよく言われています。身軽な荷物と清潔感のある格好で面接に臨むことで、「スマートな身のこなしと対応ができる人物」と評価してもらえるようにしましょう。
駅のコインロッカーを利用する
現在住んでいる地域だけで就活をしている人は少ないことでしょう。遠方にある会社へ面接に行く際は、泊りがけで行く必要がある場合もあります。そのようなときは、着替えの荷物まですべて就活バッグに入れるのは厳しく、別途バッグを持つ必要があるでしょう。
就活バッグ以外に大きなバッグを抱えて企業を訪問するのはスマートではありません。最寄り駅のコインロッカーに入れておいたり、宿泊する(した)ホテルに一時預かりをお願いしたりすることで、面接会場に持参することがないようにしましょう。
これは、就活のための宿泊の荷物だけではありません。やむを得ず面接と関係のない荷物や買い物袋を持っている場合なども、コインロッカーに預けて身軽になることをおすすめします。
サブバッグを持つ場合はシンプルなものにする
就活の際は、就活バッグ以外にサブバッグを持っていると便利です。企業説明会やセミナーなどで、多くのパンフレットなどをもらうことがあります。A4サイズの紙が折らずに入るぐらいの大きさで、黒や紺の生地でできたシンプルな薄いバッグを常に就活バッグに畳んで忍ばせておくとよいでしょう。ただ、このサブバッグも、面接時には就活バッグの中に入れておくようにしてください。
面接時の荷物はどこに置けばよい?
それでは実際に面接室に入ってから、持っている荷物をどのようなタイミングでどこに置くのが正解でしょうか。臨機応変な対応が必要になりますが、基本を押さえておけば焦ってしまうことがなくなります。
持っている荷物が多ければ多いほど、面接時に「この荷物はどこに置けばよいだろうか?」といった悩みや迷いは増えます。無駄な心配事項を増やすことなく、面接に集中できるように準備を整えることも、大切な自己管理の能力の一つです。
1.就活バッグは椅子の横に置く
基本的に、就活バッグは着席前に椅子の横に置きます。床に置く際に倒れないような底面が広い構造になっているバッグを選ぶ必要があります。
バッグが頼りなく、物を入れた際に形状がゆがんで倒れやすくなるような場合は、バッグの底面に厚紙を切って敷いておくと安定しやすくてよいでしょう。
集団面接の場合は、隣の人の足がひっかかったり、邪魔になったりするようなことのないような場所に、気を付けて置きましょう。隣の人との椅子の間隔がないようなときは、椅子の下に置いてしまってもよいです。臨機応変に考えて対応しましょう。
2.ソファの場合は足元に就活バッグを置く
企業によっては、ソファに応募者を座らせて面接を実施することがあります。椅子ではないからといって、焦る必要はありません。ソファであっても椅子のときと同様です。何人も掛けられるような長いソファであっても、バッグはソファの上に置かずに、座ったときの足元に置きましょう。
3.コートを持っている場合
秋から冬の間の就活では、コートなどの上着を着ていることが多いでしょう。コートは訪問先の企業の建物に入る前に脱ぎ、たたんで手に持ちます。たたみ方は、コートの裏地が表面になるように三つ折りか四つ折りにします。見苦しくないよう、さっときれいにたたむ練習をしておくと安心でしょう。
面接をする部屋には、たたんだコートを片腕にかけた状態で入室します。コートは椅子にかけず、足元や椅子の横に置いたバッグの上にたたんだ状態で置きます。面接官の目に入りやすいので、たたみ方が雑で見苦しく崩れたりすることがないように気を付けましょう。
慎重になりすぎて、時間がかかってしまっては元も子もありません。神経質になる必要は全くないので、自然に一連の動作ができれば問題ないでしょう。
面接時の荷物の持ち方や置き方で注意すべきポイント
面接時における荷物の一般的な扱い方について覚えられたかと思いますが、ここでは注意すべきポイントをまとめます。
基本は面接官たちの指示に従う
面接の際は、採用担当者や受付担当者、面接官の指示に従うということが何よりも基本となります。クロークを設けている場合や、コートなどを預かると言ってくれた場合は、その指示に素直に従ってください。
企業によって、面接のやり方や会場の事情は異なります。その場にとって最善の対応を企業側から指示してもらえるパターンも多いので、頑固にあらがうことなく従うことが大切です。
ただ、預ける荷物を汚い状態で渡すようなことがないよう注意してください。コートをたたまないで渡したり、カバンのファスナーを開けたまま渡して困らせたりするような対応はよいとは言えません。雨の日などはカバンについた水滴をハンカチでぬぐっておきましょう。
肩に就活バッグをかけたまま入室しない
女性の就活バッグは、持ち手が肩にかけられる長さであることが多いです。移動する際には、肩に就活バッグをかけて歩く人がほとんどでしょう。
バッグを肩にかけていると、スーツのすそが上がったり、しわになったりしていて、あまりきれいなスタイルに見えません。そのため、面接室へ入る前に肩からバッグを下ろし、片手で持つことをおすすめします。
肩にバッグをかけた状態で一礼をするのは、肩からバッグがずれ落ちたりして雑なふるまいに見えてしまう恐れがあります。入室後の一礼は、肩から下ろしたバッグの持ち手を両手で持った状態で行うと丁寧な印象を与えられてよいでしょう。
雨の日の傘の扱いに注意する
特に中小企業では、玄関で靴を脱いで上がるようなオフィスも存在します。そのようなオフィスを訪問した際に、雨に濡れた傘をうっかりそのまま持って上がらないように気を付けましょう。
玄関に傘立てが見当たらない場合は、その場で担当者に「傘はどこに置かせていただけばよろしいでしょうか?」と質問するようにしてください。そしてそのまま傘を忘れて帰宅してしまうことがないよう、注意しましょう。「傘を取りに行ったほうがよいのか、忘れたままにしておいたほうがよいのか?」といった、余計な悩みを作り出してしまいます。
就活中におすすめなのは、就活バッグに難なく入るようなスリムな折り畳み傘を使用することです。いちいち傘の置き場に困ることもなく、企業の建物に入る前に、バッグの中にしまうことができます。いつもバッグに入れておけば、急な雨でスーツを濡らすこともありません。余程の大雨でない限りは、折り畳み傘で十分です。
面接には最小限の荷物で身も心も軽くして臨もう
社会人になってからも、取引先企業のオフィスを訪問したりする機会はもちろんあります。就活の面接時の荷物の扱い方は、ビジネスシーンにおけるそれに通じる基本となるので、経験を積んで慣れてしまいましょう。
「商談の際に必要な書類をさっと取り出せるようなバッグ」を意識して、就活バッグの中身を厳選するのがおすすめです。無駄な化粧品が入ったポーチなどは、バッグを重くするだけです。就活は一日中歩き回って体力勝負の側面があるので、荷物は少しでも軽いほうがよいです。
よく整理された軽いバッグを持って、軽やかな気持ちで面接を受けて、満足のいく自己アピールができるようにしましょう。