面接のお礼状の書き方マナー
面接試験のお礼状は必要か不必要か結論からいうと必要です。企業が忙しい中、面接に割いてくれたお礼をするのはマナーと言えます。これから転職される方、大学生で就活を始める方に参考になる就職に有利になる書き方マナーを紹介します。
面接のお礼状の書き方を解説
結論から言うと、お礼状は「絶対に書かなければいけない」というものではありません。あくまでも礼儀正しさや丁寧さをアピールできるという点でプラスに働くこともあるというくらいです。例外を除いてほとんどの場合、お礼状を出したからといって面接の結果に影響が出ることはありません。
では、どういった場合にお礼状が選考に有利に働くことがあるのでしょうか?どんな場合にお礼状を出すべきか、また出す場合はどのように書けばいいのかを説明します。
面接のお礼状は出した方がいい
お礼状が選考に有利に働き、面接の合否に影響をもたらす場合は大きく分けて2通りあります。 一つは、合否の判断がつけにくく微妙なラインで、採用担当者が迷っている場合。もう一つは、一つの採用枠に対して同じ条件の候補者が複数人いる場合です。
もちろん手ごたえとしてまったく検討の余地のない「不採用」だと思われる場合にはお礼状を出したからといってその合否が覆ることはありませんが、もしあなたが上記に挙げたどちらかの状況にあると予想できるなら、お礼状を出すことで結果に有利に働くこともあります。
面接のお礼状を書くのに必要なもの
面接のお礼状を書くにあたって、必要なものは以下の3点です。
準備するもの
・白無地の封筒と便箋(縦書きのものが好ましい)
・黒または青の万年筆、もしくはインクペン ※ボールペンはNG
・採用担当者への感謝の気持ち
お礼状を書く一番の目的は「純粋な感謝の気持ちを伝える」ことです。忙しい中時間を作ってくださった採用担当者の方へ感謝の気持ちを言葉で表しましょう。
面接のお礼状の書き方のルールを例文
お礼状を書くことにした場合、どんなことに気をつけて書けばいいでしょうか?まず重要なのが出すタイミングです。面接終了後、なるべく速やかに送るようにしましょう。
やむを得ない理由で遅くなってしまった場合には速達郵便を利用するか、メールにしましょう。手書きのほうが感謝の気持ちは伝わりますが、出すのが遅れてしまっては企業にあまり良くない印象を与えてしまうかもしれません。お礼状を手書きで出すのならなるべく当日か遅くても翌日には出せるように準備しましょう。
手書きの場合の書き方ルールと例文
書き方の一番のポイントは、ビジネスマナーを守ることです。感謝の気持ちを込めて書いたとしても書き方や文章に不備があれば相手に悪い印象を与えてしまうかもしれません。書く前には改めて確認しましょう。書く内容と手順としては以下のようになります。
内容と手順
1.ビジネスマナーとしての文頭の挨拶を忘れずにする
2.面接を行ってくれたことに対しての感謝の気持ちを述べる
3.面接の内容を盛り込んで働きたいという意欲を改めて示す
4.ビジネスマナーとしての結びの言葉で締める
注意すべき点は、意欲を示すところで過度な自己PRをしないことです。選考を有利に働かせようとするあまり、お礼状で自己PRに必死になってしまうと「それは面接の時に言ってよ…」と相手に思われてしまい、肝心の感謝の気持ちがちっとも伝わらないお礼状になってしまいます。
それから、なるべく簡潔な文章にしましょう。何度も言うように、お礼状を書く目的は感謝の気持ちを伝えることです。本来の目的を見失わないように気をつけてください。手順を参考にして書いたお礼状の例文が以下になります。
例文
拝啓
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
先日はお忙しいところ、面接のために貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
面接では貴社の事業内容に関するご説明だけでなく、業界においての今後のニーズ、展望までご解説いただき、大変感謝しております。
ご説明をお聞きし、ますます貴社で働きたいという気持ちが強くなりました。特に今後の展望についてのお話は大変興味深く、印象に残っております。僭越ながら私もこれまでの経験を活かし、貴社に貢献したいと考えております。
取り急ぎお礼を申し上げたく、お便りを差し上げました。
末筆ながら貴社のご発展と社員皆様のご多幸をお祈り致します。
敬具
平成○○年○月○日 自分の氏名
○○株式会社採用ご担当○○様
メールの場合の書き方ルールと例文
メールの場合もビジネスメールのマナーを守ることが大前提です。簡潔な件名にする、相手の企業名を省略しない、メール本文の末尾には署名を入れるなど、基本的なマナーは忘れないようにしてください。そして次に大事なのが、自分の言葉で書くことです。
文頭の挨拶や文末の結びなどは決まった言い方がありますが、面接の感想や意欲を再度示す部分についてはコピペしたりせず、必ず自分の言葉で書きましょう。
お礼メールの例文は以下になります。
例文
【件名】○月○日の面接のお礼 自分の氏名
○○株式会社
採用ご担当○○様
△△(自分の氏名)と申します。
先日はご多忙のところ、面接の機会を作っていただき、誠にありがとうございました。
○○様には面接にて貴社の事業内容に関するご説明だけでなく、業界においての今後のニーズ、展望までご解説いただき、大変感謝しております。
ご説明をお聞きし、ますます貴社で働きたいという気持ちが強くなりました。特に今後の展望についてのお話は大変興味深く、印象に残っております。僭越ながら私もこれまでの経験を活かし、貴社に貢献したいと考えております。
末筆ながら面接のお礼を申し上げますとともに、貴社のご発展と社員皆様のご多幸をお祈り致します。
署名
自分の氏名:△△△△(学生の場合は大学名、学部名も)
自分のメールアドレス:○○@○○
自分の電話番号:×××‐××××-××××
自分の住所:〒○○○-○○○○
(都道府県から町名、番地、建物名、部屋番号まで正確に)
手書きでもメールでも、自分の言葉で気持ちが綴られていることが大切です。拙くてもいいので相手に伝わるようにしっかり感謝の気持ちを伝えましょう。
面接のお礼状を書く時のQ&A
忙しい中をぬって面接をしてくれた企業にお礼状を書く時に生じる可能性がある困った問題をQ&Aで解決します。
Q.面接を担当してくださったのが社長と副社長だったのですが、名前が分かりません。
A.総括して採用担当宛に送り、「面接に関わってくださった皆様へ」感謝の気持ちを述べましょう。
Q.採用担当者様のメールアドレスが分かりません。
A.企業のホームページや資料に書かれている採用窓口宛にお礼メールを出しましょう。採用窓口のメールアドレスも分からない場合、メールでのお礼は諦めてください。勝手に面接官個人の連絡先を探してきて連絡するなどは絶対にしてはいけません。
面接のお礼状を書いて最後の一押しを!
面接官も人です。やはりお礼状をもらうと、こちらに対して少なからず好印象を抱くでしょう。繰り返しになりますがほとんどの場合、お礼状は合否に影響はありません。しかし、もし採用に迷っていた場合、そのお礼状は最後の押しの一手になります。
ですが、お礼状の目的は自己PRでも志望動機を語るためでもありません。あなたのために時間を割いてくれた方々への感謝を伝えることが最大の目的です。ですから、お礼状を書く時は何をおいてもそれを一番に伝えるつもりで丁寧に書いてください。そうすればきっと、あなたの気持ちが面接官にも届くはずです。