結婚を機に転職を決意する女性は多い
女性の場合、旦那さんの勤務地について行ったり出産の予定等を考慮して、結婚を機に転職せざるを得なくなることは珍しいことではありません。
とはいえ、実際に転職するとなると、その後の仕事がすぐに見つかるかどうか、希望の仕事に就けるかどうかなど様々なハードルがあるもの。15名の女性の体験談を参考に、結婚を機に転職する場合の注意点や転職活動を成功させるポイントを押さえましょう。
結婚を機に転職して雇用形態はどう変わった?
結婚を機に転職した女性のその後の雇用形態については、最も多かったのが「パートタイマー(15名)」という回答です。次いで「派遣社員(2名)」「準正社員(1名)」「契約社員(1名)」「前職と変わらず正社員(1名)」という結果となりました。
やはりこれから迎える新婚生活や出産などの予定を考慮し、時間に融通の利くパートタイマーという雇用形態を選ぶ女性が圧倒的に多いことがわかります。
結婚を理由に転職活動をしていて大変だったことは?
結婚を機に転職する場合、面接で聞かれる質問も通常の転職活動とは違ってきます。
特に新婚の女性であれば聞かれる確率が高いのは「失礼ですが、出産のご予定はありますか?」「旦那さんの転勤はありますか?」といった質問です。企業としても、せっかく雇ってもすぐに辞められる可能性の高い人材よりも、長く働いてくれる人材を求めるのは当然ですから、フルタイムかパートかに関わらず、この質問に対する回答次第では不採用となる可能性が高いというのが実情です。
前職の経験を活かせる仕事や資格ありきの仕事であれば、あっさり次の就職先が決まることもありますが、一方で希望する職種に就けるかどうかはもちろん、応募可能な求人の数も限られるためになかなか転職活動が上手く行かずに悩む方も少なくありません。
女性15名に質問!結婚を機に転職したときのエピソードを教えて!
結婚を機に転職活動を経験した15名の女性から、当時のエピソードを伺いました。「正社員として転職」「正社員から契約社員として転職」「正社員から派遣社員として転職」「正社員から準正社員として転職」「正社員からパートタイマーとして転職」のパターンに分けて紹介していきます。
前職と変わらず正社員として転職
「お子さんの予定は?」と必ず聞かれる
けんけん(32歳 事務職)
私が結婚を機に転職しようと思った理由は、夫の勤務地についていくためです。転職活動は、プロポーズをされたときから結婚後に新しい勤務地に移り住んで1ヶ月後に終了しました。
前職の勤務形態は正社員で、転職後の勤務形態も正社員です。夫の新しい勤務地がそれまで住んでいた土地よりも都会だったせいか、給料は月2万円ほど上がりました。
結婚を機に転職活動を始めると、会社の人事担当者には必ず「申し訳ないのだけど、新婚さんということでお伺いしますが、お子さんの予定は?」と尋ねられました。実際に最低でも3年は働こうと思っていたのでそのように伝えましたが、やんわりと断られた会社もありました。
これから結婚を機に転職しようと考えている女性は、私と同じような質問をされると思いますが、弱気にならずに「本当に働きたい」という意思を存分にアピールしてください。
正社員から契約社員として転職
正社員から契約社員に変わりました
みな(28歳 技術職)
前職は転勤が多く1年に1回は引越しが発生し、結婚しても別居状態が続くので転職するしか選択肢はありませんでした。また、社内でも子供ができて続けられたという女性が一人もいなかったので、結局は私も辞めないといけないなと思っていました。
結婚しようかという話が出始めた頃にまずは退職を決意。前職が激務だったので有休消化中は少し実家で身体を休ませて、有休消化が終わる1か月前くらいから転職活動を開始し、有休中には転職先を決めました。
転職後は正社員から契約社員に変わりましたが、前職の基本給がブラック企業並みに低かったので、給与自体は5万円ほど上がりました。転職の条件として、相手の勤務先の近くにオフィスがあることを重要視して探さないといけないので、「いいな」と思う求人情報でも断念しないといけないところが多かったです。
また、転職した後に婚姻届けを提出したので、入社後すぐに保険証などの変更手続きが発生し、人事部の人にお願いするのがとても気が引けました。
転職して新しい環境で働くことで視野も広がりますし、社会人として一回り成長できます。諦めなければフルタイムで働くことも可能ですので頑張ってください。
正社員から派遣社員として転職
転職してプライベートが充実しました
みっきー(38歳)
私が結婚する前に働いていた職種は販売でした。夜11時まで営業していたので、毎日帰宅は終電。休みも決まっておらず、バイトの人数が少ないときは休み返上で店頭に立っていました。もちろん産休・育休もなく、将来子供が欲しいと思っていた私は長く続けるつもりはなく、結婚を機に転職しました。
結婚後に派遣登録し、すぐ仕事を紹介していただき即採用になりました。新しい仕事をまた一から覚えるのは大変でしたが、9時から17時までの仕事で土日祝日休みになり、仕事もプライベートも充実したものになりました。ただ、お給料は固定給から時給になりボーナスも交通費もなくなったので、年収は下がりなかなか貯金もできなくなりましたが、子供にも恵まれたので転職して良かったと思っています。
結婚を機に転職を考えている方は、何を第一に希望するかを決めておくことが大切です。子供が欲しいと思っているなら、今のままの雇用条件で働き続けられるか、歳をとっても続けられるかなど、これからを見据えて動くのがいいと思います。
正社員から派遣になりました
ぽん(27歳 事務)
とても激務な職場で仕事終わるのはいつも22時くらいの職場でした。結婚しても旦那より帰るのが遅く、ご飯も中々作れないというのは避けたいと思い、結婚を機に転職しました。
それまでの雇用形態は正社員でしたが、今後妊活したいということもあり派遣で探すことにしたため、派遣登録をして2週間くらいで新しく仕事は見つかりました。派遣になったのでボーナスがなくなって年収はその分下がってしまいましたが、月給は正社員の頃とあまり変わりませんでした。
派遣だったのですんなり決まりましたが、もしまた正社員を希望していたら、面接時は子どもを今後考えているのか、旦那の転勤はあるのかなど、きっと結婚したからこそ色々と聞かれることは増えていたと思います。
結婚を機に転職を希望される方は、子供の予定などは必ず聞かれると思うのでしっかり準備をしておいたほうがいいです。ワークライフバランスを意識するのはなかなか難しいですが、両立できる合った職場を頑張って見つけてください。
正社員から準正社員として転職
準社員という形態になりました
とみ(30歳 事務職)
遠距離恋愛だったため、結婚を機に勤めていた会社を退職、県外に嫁ぎました。また営業職で、朝7時過ぎには家を出て、21時過ぎに帰宅という毎日だったため、主婦業や今後の妊活を踏まえても体力精神的にきついと思い、転勤ではなく退職という道を選びました。
転職活動は退職後1ヶ月経ってから開始し、1ヶ月半程で次の就職先が決定しました。転職後は準正社員という形態になりました。
時給制、ボーナスはなしのため、以前の年収より200万ほど下がりましたが、17時には退社できるので、帰宅後の主婦業にしっかりと取り組むことができました。年収は転職によって下がりましたが、それよりも主婦業がしっかりできて、また子供も産まれ、家庭と仕事の両立ができてよかったと思っています。
結婚後の転職で一番大変だったことは、「いずれ子供ができるから長く勤めてもらえない」と言われ、なかなか仕事が決まらなかったことです。
結婚を機に転職となると、以前の働き方とはかなり変わってくる方もいるでしょうが、お金や子供など、自分の中で何を一番にするのか優先順位を決めて転職活動をすると、どんな仕事でも納得してできると思います。
正社員からパートタイマーとして転職
パートタイムへの転職のおかげで毎日が充実
らんまる(33歳 事務職)
結婚をする前は企業の受付をしていました。とても楽しい職場でずっと働きたかったのですがフルタイムでしか働けない職場でした。夫から結婚をしたら夕方までには家に帰っていてほしいと言われ、パートの仕事に転職することにしました。
最初は派遣に登録して同じ様な受付の仕事を探したのですが、帰りの時間がどうしても遅くなるので諦めました。ハローワークに行ったりネットなどで調べたのですが、なかなか思うような条件の仕事は見つからず…。そんな時、たまたま弟が経営している会社で事務員を募集していました。良いチャンスだと思い、弟にお願いをしてパートの事務員として働くことになりました。
お給料は扶養の範囲内なのでかなり減りましたが、弟の会社という事もあり時間も自由に働けて融通が利くのでとても良かったです。転職をしたおかげで家事もしっかりでき、自分の時間も持てたので、思い切ってパートで働くのも良いかと思います。
結婚を機にパートへ
りい子(22歳 主婦)
私は結婚を機に正社員から別の会社でパートタイマーに転職しました。理由としては、主人の仕事が日勤だけでなく早朝や夜勤もあり、生活時間がバラついてしまうことが嫌で、収入面より2人でいる時間を優先したからです。
正社員で働いていた会社はキリよく12月いっぱいで辞め、年明けにたまたまオープニングスタッフとして近所でパートを募集していた会社があったのでそちらに応募し、すぐに働き始めました。
収入面は、元々私の稼ぎはあまり良くなかったため、パートになっても頑張って働けば正社員のときと変わらない額がいただけました。主人の生活に合わせるために、午後出勤を希望して、一日5時間を週に3回のペースで働いています。
結婚を機に転職をして特に大変だと感じたことはありませんが、周囲からパートだということをあまり良く思われませんでした。少し見下されたように感じてしまっている自分もいたからだと思います。
これから結婚を機に転職する方は、収入を大事にするか、2人の時間を大切にするかをご主人とよく話し合うのが大切だと思います。
結婚を機に転職して1日が充実
ぺんぺんぴ(26歳 事務員)
私が結婚を機に転職しようと思ったのは職場恋愛だったからです。私自身の体調もあまり良くなかったこともあり、フルタイムのお仕事から扶養内のパートへ転職しました。結婚をする一ヶ月前に退職し、一ヶ月間は面接や休養を兼ねて転職活動していました。
時給が下がり給料も半分くらいに下がりましたが、家事を疎かにすることなくしっかり両立ができるようになり、主人が帰宅してからはゆっくり夫婦の時間を過ごすことができようになりました。
転職活動をしていた時、面接で必ず聞かれていたのは土日祝日の出勤が可能か、すぐに産休をとることになるかということでした。土日祝日は主人の仕事が休みなので勤務できないことや、お正月やお盆に連休取ることは伝えていました。シフト制の会社を選んで面接に行っていたので、その面では特に問題はありませんでした。子供の予定は未定のため、その点も結婚をしたからこそ聞かれる質問なのだなあと思いました。
働きたいという気持ちをしっかりと伝えれば、パートタイムであれば受け入れてくれる会社は多いです。家事との両立で休む暇がないと感じることもありますが、仕事が気晴らしになり充実すると思います。
給料が減りました
ぽんきち(30歳 サービス業)
私は地元で働いていましたが、結婚を機に引っ越しをしたため転職活動をしました。転職活動は以前勤めていた図書館関係がいいと思い、始めは近くの図書館に電話をして委託をしている会社のことを教えてもらい、そこに電話をして面接をしに行きました。
引っ越しをしてから一か月たたないうちに転職が決まり、勤務形態は以前と変わってパートタイマーになりました。ただ、私の生活には合っている仕事だったので給料は減りましたが総合的に良かったと思っています。同じ職種を探したという事が一番いいことで、今までやってきたことが今の仕事に行かせているので良かったです。
引っ越しをしてから無事に仕事が見つかるか不安でしたが、あっさり見つかったのであまり苦労はしませんでした。
気持ちに余裕が持てるようになりました
キティ(25歳)
私は結婚前、不規則な時間の仕事に就いていました。結婚後も続けるとなると、相手との時間も合わずせっかくの新婚生活が台無しになるのではないかと思い、転職を考え始めました。
結婚1年前くらいから転職活動を始めました。雇用形態は正社員からパートとなりました。時間は規則的になる代わりに給料が以前より減りましたが、家事に費やす時間も十分にとれ、気持ちに余裕も持ててよかったです。以前の会社に入って日も浅かったので辞めることの罪悪感はありましたが、ハローワークの方の支えもあり前向きに転職活動を行うことができました。
もし結婚前に転職を考えている方がいらっしゃるのであれば、早めに踏み切る勇気も大事だと思います。結婚してからの転職活動の方がよほど大変です。給料は減りましたがその分幸せを感じることは増えました。
毎日楽しく働いています
みんと(25歳)
私が結婚を機に転職しようと思った理由は、まず県外へ引越しをしなければいけなかったためです。結婚しなければきっと今もその職場で働いていたと思います。
勤続年数3年目で、上司には辞めないでほしいと何度も話されました。しかし結婚は先延ばしにはできませんでしたし、人生の転機として受け入れてもらいました。退職願を出してから転職活動をするというゆっくりのペースでしたが、介護職ということもあり、すぐに転職先は見つかりました。
雇用形態はパートですので、以前は夜勤のある仕事をしていたことから給料面では少々マイナスにはなるものの、即戦力として採用していただき無事に働き出すことができました。面接の際には「人間関係が難しい部分がある」と担当者に告げられていましたが、いざ働いてみるとそれほどの問題はなく、毎日楽しく働かせていただいております。
転職を後悔しています
eminba(31歳)
私が結婚を機に転職を考えたのは、以前の仕事だと忙しくて家事をする時間がきちんと確保できなかったからです。あとは主人の収入があるので、パートになってもいいから新しい環境で働いてみたいという気持ちが高まったからです。
仕事を辞めてから3か月ほどは主婦業に専念させてもらい、その後求人情報誌に載っていたものに応募し即採用が決まりました。
前職と比べて就労時間自体はあまり変わりませんでしたが、通勤時間がかなり短縮されたので家事をしてから出勤できるようになりました。パートだったので残業もほとんどない代わりに、給与は以前の半分ほどになってしまいました。
結婚を機に転職をするにあたって、私自身はそんなに大変なことはありませんでしたが、転職してから収入がかなり減ってしまった不安から「転職しなければよかったかな…」と思ってしまうこともありました。
結婚を理由に転職をするにあたっては自分が何を一番優先したいのかをよく考え、家族ともよく話し合って進めていくべきだと思います。
理想は結婚しても同じ会社に勤め続けることだと思いました
かおん(37歳)
勤務時間が不規則なことや、勤務地が遠く通勤に時間がかかることなどが気になり、結婚を機に退職することを決意しました。
結婚後は比較的時間に余裕があるパート勤務を希望し、結婚して2カ月程経った3月初め頃から何となく就職活動を行い、5月半ばには新しい職場で働き始めました。
10時~17時の勤務で、もちろん時給制だったので手取り額は正社員勤務時の半分以下になりましたが、時間と気持ちに余裕ができたので満足しています。
転職活動中は「結婚して退職した」ということを履歴書に書いていたせいか、書類選考がなかなか通らないように感じました。面接でも出産の予定を聞かれることが多かったように思います。私自身、パートを希望したのは子どもを授かった時のことを考えたからでした。
企業側としても入社後すぐに産休に入られると困ると考えるのは当然だと思うので、結婚退職後にすぐに別の会社で正社員に就くのはなかなか難しいと思います。さらに子どもが生まれると、保育園の送迎等で時間の制約があったり、転職するには不利な条件がどんどん増えていきます。やはり、同じ会社に勤めながら結婚出産育児までできれば理想だなと実感しています。
転職して自分の時間が増えました
tumorinn(30歳)
私が結婚を機に転職をした一番の理由ですが、結婚前は神奈川に住んでいましたが、結婚後は主人の会社がある他県に引っ越すことが決まっており、今まで勤めていたところに通えなくなってしまったことです。
転職活動は辞める日から大体3ヶ月前からだったと思います。それ以前からなんとなくその土地や地域を調べ始めていましたが、あまり早く動いていても直近になると求人情報も変わっていることも多いので、本格的に動いたのは3ヶ月前からです。転職前と後では同じ職業に就職しました。
勤務形態は正社員からパートに変わり、月給制から時給制になったので給与は減りましたが、その分自分の時間が増えました。結婚を機に引っ越しが決まっており、引っ越し先のことが全く分からなかったので、様々な面で不安がありました。
これから転職する人の中には結婚を機に新しい会社に就職することに不安を抱えている方もいらっしゃると思いますが、気持ちを新たに頑張ってください。
子どもと過ごせる時間ができた
しほ(32歳)
正社員として10年程働いていましたが、結婚と同時に妊娠が発覚し転職をしようと考え始めました。
育児休暇を取得し、そのまま復帰しようとも考えたのですが初めての子育てで、社員としての仕事と子育ての両立をする自信がなく、パートに転職することに決めました。もちろん正社員でいた方が収入は安定しますが、その分忙しくなり育児が中途半端になってしまうと思ったからです。
とても勇気がいる決断でしたが、お金は努力次第でいくらでも稼げますが、「子供と過ごせる時間は決まっているし一瞬で終わってしまう」と考え、子供が3歳になるまでは子供優先の生活を送りました。
短縮勤務のパートを探して自宅から近いところを探しました。正社員時代と比べ給料は大幅に減りましたが、時間にゆとりが持てる分、子供と一緒に過ごせる時間が確保出来ているので転職して良かったと思いました。
何かを捨てるということはとても勇気がいりますが、その分新しい幸せや出会いが待っているので一歩踏み出す勇気を出してみてほしいです。
結婚を機に転職を希望する人は次の職場で何を優先して働くかを明確に
結婚を機に転職して新しい職場で働く場合、採用が決まるまでの期間は人それぞれですが、すぐに決まるという保証はどこにもありません。結婚が決まり次第、できるだけ早い段階で転職先を探した方が無難なのは言うまでもありません。
また、転職活動を進める上で特に重要なのは、自分が何を優先して働きたいのかを明確にしておくことです。今後の生活のために最も大切にしたいことがブレていると、納得のいく職場はなかなか見つからないでしょう。夫や子供との時間を優先するのか、しっかり働いて生活基盤を整えたいのか、自分の中での優先順位をしっかりと決めた上で転職先を探してください。