内定辞退の手紙は気持ちを込めて書くのがマナー
内定をもらっている会社を何らかの事態でお断りしなくてはならないこと、誰にでも起こり得ることではないでしょうか。「もう働かないわけだし、気を遣う必要なんてなし!」という考え方をしてしまってはいけません。
一度は内定をして下さった会社、最後まできちんとした大人の対応を続けるのが社会人のマナーです。特に内定辞退の手紙を送る際には、相手方のご厚意やこちらの誠意を盛り込んだ内定辞退の手紙にする必要があります。
ここでは、内定が決まっていた会社へお断りの旨を伝える手紙のマナーをご紹介します。顔を合わせない相手であっても、「これからお世話になる人」と同じくらい気持ちを込めて誠意ある手紙を送りましょう。
1.内定辞退の手紙を書く前に推薦してくれた人に報告をする
会社や企業の内定をもらうことは、決して簡単なことではありません。時には、大学の教授やOB・OGさんのお力添えがあった上で内定をもらえるケースも沢山あります。
もちろん働くのは自分自身ではありますが、内定のために推薦の手助けをしてくださった方には、必ず内定辞退の手紙を送る前に相談をしましょう。
内定辞退に対する心変わりがない場合であっても、推薦して下さった方の顔を立てなければいけません。知らない間に内定辞退をしていた、なんてことがお世話になった方の耳に後日談として届いては、とても失礼になってしまいます。
必ず自分の内定に携わってくださった方に挨拶やご報告を込めて、内定辞退の手紙を送る前にコンタクトを取っておきましょう。
2.内定辞退の手紙は手書きで企業に誠意を見せる
内定辞退の報告をする際の手紙は、出来る限り手書きでしたためましょう。せっかく内定して頂いたのに断らなければならない申し訳無い気持ちを伝えるのは、パソコンで打たれた文字よりも手書きの方が数段印象は良くなります。
その際には誤字脱字はもちろんのこと、ゆっくりと丁寧に時間をかけて手紙を完成させましょう。適当に気持ちを込めずに書いた手紙は、文字から気持ちが滲み出てしまいます。
3.内定辞退の手紙は嘘を書かない
内定をしてくださった企業に内定辞退の手紙を送る時に注意しなければいけないこと、それは「嘘を書かない」ということです。
相手方に申し訳ないという気持ちが強すぎるばっかりに、「傷つけてはいけない」「ガッカリされたら困る!」などという考えから、内定辞退の手紙に嘘を書いてしまうのです。
特に気を遣いやすい性格の人は、相手のことを考えるばかりにありもしない内容を書いてしまいます。これでは優しい気持ちとは裏腹に、相手には「正直に物事を伝えることができない人」と思われてしまいます。
内定辞退は、必ず起こり得ることです。心苦しい気持ちをきちんとした表現で伝えれば十分にこちらの誠意は伝わるので、無駄な嘘を書いて最後の最後に印象を悪くする必要はありません。
4.内定辞退の手紙の書き出しは内定のお礼から始める
内定辞退の手紙の書きだしは、いきなり内定をお断りする内容を放り込むのではなく、必ず内定をして下さったことに対するお礼や感謝の気持ちを伝えましょう。
例1)「先日は、内定のご通知を頂きまして誠にありがとうございました」
→顔を合わしたことのない相手に対しても、感謝の気持ちを伝えます。
例2)「先日はお忙しい中、貴重なお時間を頂きましてありがとうございました」
→すでに内定後に顔を合わしている相手の方には、このように自分のために時間を作ってくれたことに対してお礼を述べましょう。
5.手紙では考えに考えた末の「内定辞退」だとアピールする
内定辞退の報告をする上で、付け加えると非常に印象が良くなる内容が「考えた末の内定辞退」だということを伝えるフレーズです。もちろん人生に関わる選択を軽い気持ちで選んでいく人は少ないかと思いますが、あえて言葉にして手紙に綴ることでもっと気持ちが伝わります。
例)「何度も考えました結果」
→内定を辞退するかどうするのか、もちろん誰でも頭の中でグルグルと考え悩むものです。そんな心境を正直に、そしてシンプルに伝えましょう。大袈裟に書き過ぎると媚びているように感じ取られてしまうので、あくまでもサラッと書くのがポイントです。
6.内定辞退の理由は、「適性がない」と「方向性の違い」にする
内定辞退の手紙には必ず、「なぜ内定を辞退するのか」という理由を書く必要があります。しかしその理由は、決して相手の企業やこれからお世話になる会社に関する内容を入れてはいけません。
「御社の○○部の○○企画よりも、○○様(他社)の提示して下さった昇進システムに惹かれました」などと正直に書いてしまっては悪印象を持たれるだけです。
内定辞退の理由は、「自分の適性」と「考えの方向性」という2つのワードを使って伝えましょう。これはあくまでも自分に向けられている内定辞退理由になるので、どんな理由が根底にあったとしてもお断りする企業に納得してもらえる内定辞退理由になります。
内定辞退の手紙は最後だからこそ誠意を伝えるのがマナー
内定辞退をする内容の手紙は、ほとんどの場合、相手企業に送る最後の手紙になります。だからと言っていい加減かつ雑な手紙では、これから待っている社会人としての人生もお先が真っ暗です。
最後だからこそ「社会人としてのマナー」が伝わらなければいけないのです。一度は内定まで出して下さった相手方に、精一杯の誠意と気持ちを込めて内定辞退の手紙を送りましょう。