他己分析を就活に取り入れる4つのメリットやり方は?
他己分析は自分を他人が客観的に見て評価するもので、最近は就活で自己分析をさらに補強するために行われることが増えています。就活で他己分析を行う際のメリットや正しいやり方とその活かし方について紹介しています。
他己分析は自己分析だけではわからないことが分かる
就職活動においては自己分析が大事だとは言いますが、案外自分のことは自分ではわからないものです。そのため、しっかり自分のことをわかって、就活での効果的なアピールにつなげようと「他己分析」に取り組む就活生が多くなっていると言います。
自己分析だけではわからないことも、他己分析を通して見えるようになりますし、自分でわかっていることは一層自信を深めることができるためアピールもしやすくなります。
しかし、自己分析と比較するとノウハウの情報が不足しがちなのが難点です。ここでは就活で他己分析を用いるために、他己分析のやり方と活かし方、メリットについて紹介します。
就活で他己分析を取り入れるメリット
他己分析とは、「他者が自分のことをどう見ているか(分析しているか)に関する情報を集めること」を言います。直接他の人に自分について聞いてみることも他己分析ですし、過去に他者から言われたことを整理してみるのも立派な他己分析です。他己分析のメリットを紹介します。
1.自己分析とのズレを発見できる
他己分析の最大のメリットのひとつが、自己分析とのズレを発見できることです。自己分析をどんなに頑張っても、どうしても主観的な自分の判断になり、自分を過剰に良く見積もったり、悪く見積もったりしてしまうものです。
自分にはコミュニケーション能力がないと思っていても、他者から見るとコミュニケーションが上手に見えていることもあり、客観的に見えている自分の姿と自分の認識のズレを修正し、正確な自己評価をしやすくなります。
2.自分では知らなかった自分の特徴を発見できる
他己分析をすることによって、自分では知らなかった自分の特徴を発見できることがあります。心理学に「ジョハリの窓」というフレームワークがあり、4つの区分を「窓」として、その窓から見える自分を考えるというものです。
- 開放の窓:自分からも他者からも見えている自分
- 秘密の窓:自分は知っているが、他者には知られていない自分
- 盲点の窓:自分は知らず、他者からは見えている自分
- 未知の窓:自分からも他者からも見えていない自分
自己分析が担当するのはいわば開放の窓、秘密の窓の部分であり、盲点の窓から覗いてみることが他己分析であると言えます。自分が思ってもいなかった自分の姿を発見できることがありますが、それは面接官から見える自分の姿かもしれないので、知らなかった自分を認識することで良い方向に変化するキッカケになります。
3.自己分析の結果に自信を持てる
他己分析の結果と自己分析の結果が同じでも、残念に思ったりする必要はありません。自分のイメージと他者からのイメージが一致するようなら、自信をもってその結果を表現することができるようになります。特にストロングポイントは、客観的な評価が加わることで強調しやすくなります。
4.自己PRなどの材料になる
他己分析によって他者からもたらされる意見や言葉は、自己PRの際には自分のアピールを補強する強い材料となります。「私は明るく元気が取り柄です」よりも「私は明るく元気が取り柄で、小学校の頃の通信簿でも『いつも明るく、クラスのムードを盛り上げてくれています』と書かれていました」の方が説得力を感じるはずです。自己評価だけでなく、客観的な評価を交えて話すことは自己PRを補強するために有効ですので、うまく他己評価の結果を活用しましょう。
他己評価のやり方
他己評価はただ行えばよいのではなく、目的をよく考えて行う必要があります。他己評価の目的は、「自分のことを知る」だけでなく「他者からの自分の見え方を知る」ことにもあります。
他己評価をしてくれる人にお願いする
他己評価は自分以外の人にお願いをすることになります。ですが、誰でも良いわけではなく、目的に合わせて相手を選ぶことが大切です。
「自分のことを知る」ことが目的であれば、自分に近しい人の中から選んでお願いするのが妥当です。親しい友人や知人、恋人、家族などにお願いしてみると良いでしょう。
「他者からの自分の見え方を知る」ことも大事です。特に就職活動の面接を意識するのであれば、面識のあまりない社会人の人にお願いするのが最も良いでしょう。客観的に自分の第一印象を知ることができることで、修正・改善していく方向性が見えるはずです。就職課のアドバイザーや、就活イベントのなどの他己分析のコーナーに行ってみる、キャリアアドバイザーなどの専門家を利用すると良いでしょう。
いずれにしても、表現を選ぶことは大切ですが、必要なことを忌憚なく言ってくれる方にお願いするようにしましょう。
他己分析は多くの人にやってもらうといい
他己分析の人数に決まりはありませんが、多ければ多いほど必要な情報も集まりやすく、その内容の信ぴょう性も高まります。「十人十色」と言いますので、まずは10人を目標にしてみると良いでしょう。他己評価をお願いする際には、友人など同じような属性の人ばかりではなく、先輩や後輩、違う大学の人、面識のない人などいろんな人にお願いできるのがベストです。
他己分析は質問で深堀していく
他己分析では、自分の知りたいことについて相手に質問を投げることで答えを得ます。特に就活においては「自分の長所」「自分の短所」「自分の印象」は必須の質問項目として押さえておき、必要に応じて「向いていそうな仕事」「一緒に働きたいか」「尊敬できる部分」「成長が期待できるところ」「一言で表すならこんな人」などを聞いたり、質問の答えについて具体的なエピソードを聞いたりしながら深堀していきます。
話を聞き出すためには良く聞くことや質問すること、相槌を打つことなども大事ですので、許可をもらった上で録音しておいて、後で内容はまとめるのが良いでしょう。対面ではなく、メールなどで質問を投げて回答をお願いする方法もあります。回答をしてくれた方には、言葉だけだとしても必ず感謝を示すようにするのがマナーです。
他己分析の活かし方
他己分析は話を聞いて終わりではありません。具体的に分析して、活用していくことが大切です。
他己分析の結果をまとめる
他己分析をしたら、その中からキーワードを抜き出してまとめてみましょう。似たような表現であれば、どのような意図をもって使われたかをよく考えて、同じ意味か違う意味かをよく分別します。このまとめ作業は、あくまで機械的に進めるようにして、極力主観を省きます。
親や兄弟の場合には、お説教のような内容が混じることもありますが、「また言ってる」などと軽視せずに、ひとつの意見としてしっかり採用してください。
自己分析の結果と照合する
自己分析で考えていた自分と他己分析の結果を照らし合わせて、ギャップや一致している点を探します。一致している点は就活では面接やエントリーシートの回答に使いやすい部分ですので、覚えたり記録したりするなどして残しておきましょう。
ギャップや改善方法について考える
他己分析の結果と自己分析の結果と比べてギャップがあればその原因を考えます。その原因こそが、自己評価を妨げる正確な自分の困った性質であることも多いからです。
他己評価によってわかった好ましくないことがあれば、その改善方法についても考えてみましょう。すぐに改善できるものもあれば時間のかかるものもありますが、改善できることは取り組んでおいて損はありません。
他己分析は過剰に怖がらなくていい
他己分析というのは、自分について客観的な評価を知ることになりますから怖いものです。実際、厳しい意見が出てくることも少なくなく、それによって穏やかな気持ちでいられなくなることもあります。
最も大事なことは「あなたが他己分析をお願いした相手が、あなたのために時間を削って回答してくれていている」ということです。決して嫌いで厳しいことを言うわけではありませんし、あなたのために時間を割き、考え、言葉にしてくれています。むしろあなたのことを思って行ってくれています。
怖がってしまったり、その言葉によってギクシャクしたり萎縮することがあれば、それは心を込めて回答してくれた方々に対して大変失礼です。厳しい言葉を口にする場合、より悩んで言葉を探していることをよく理解してください。
他己分析は就活のみならず、自分をより良い自分に作る格好の機会ですので、過剰に怖がらず、より良い自分に変化できる機会として希望的に受け止めましょう。
就活の他己分析は自身を知るために効果的
他己分析は、客観的に自分の事を知り、より良い就活につなげるための効果的な方法です。正しい方法で行わないと、就活に役立つ情報が集まらなかったり、せっかく集まった情報を活用できずに自己評価だけをしてしまったりした場合と特に違いがないこともあります。他己分析の目的をしっかり考えながら、効果的に実施しましょう。
就活のみならず、自分を見直すよい機会になりますし、多くの人と改めて交流する機会にもなりますので、ぜひ行ってみてください。