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バイトリーダーを就活の自己PRで上手にアピールするコツ

「バイトリーダー」は就活でもしっかりアピールできる自己PRネタですが、伝え方を工夫しないと思うように評価されない可能性も。就活生はバイトリーダーの経験のアピールポイントを採用側の立場からも見直してみることが大切です。アルバイトの経験を企業側に上手く印象づけるコツを理解しましょう。

「バイトリーダー」は就活の自己PRネタとして効果的?

就職活動の自己PRの内容に頭を悩ませる就活生は多いですが、よく使われるアピールポイントのひとつに「バイトリーダーをしていました」というものがあります。

名前が示すようにアルバイトの中のリーダー格として、他のアルバイトの指導にあたったり、普通のアルバイトと違った仕事をする場合もあり、貴重な経験となるものです。

バイトリーダーの経験をアピールすることは有効ですが、ちょっとしたポイントに気を遣っておかないと、思ったほど評価されないこともあります。企業の採用担当者や面接官の視点から、アルバイトリーダーの特徴を再度チェックしてみることが大事です。

就活でバイトリーダーをアピールしたい学生の心理

バイトリーダーをウリにしていきたい学生の心理には様々な思惑があるものです。しかし、その思惑を示すには多くの場合「バイトリーダー」だけでは足りませんし、そもそも就職活動の面接では実績を求めているのではありません。そのため、バイトリーダーの経験があるということをアピールするだけだと失敗に終わります。

学生は自己PRと言われると、何かにおいて優秀な成績を収めたり、役職などをもらったことをアピールしがちですが、就職活動で求められるのは実績よりも仕事における人間性や将来性ですので、役職だけでなく役職を通して見える人間性に焦点をあてたアピールが必要です。

就活でバイトリーダーをアピールされた企業側の心理

「バイトリーダーをしていました」と言われると、企業側としては若干困るというケースもあります。バイトリーダーという立場は、リーダーを選ぶ基準や職務内容がはっきりしていません。

バイトリーダーというのは企業の採用担当者や面接官から「アルバイトの場で標準以上に頑張っていたのだな」と一定の評価はされる一方、決して希少価値があるというほどのものではありません。特に、これから正社員を目指すのであれば、アルバイトリーダー以上の権限と責任を負うことになるので、過去の実績はあまり意味を持たないのです。

もしバイトリーダーの経験があることをアピールするのであれば、どういう基準で選ばれるのか、何人くらいの中でのリーダーになるのか、他のアルバイトと具体的にどのような違いがあるのかをしっかり説明する必要があります。そこまでアピールができてこそ、企業側にリーダーシップやマネジメント能力の面での期待をしてもらえるようになるでしょう。

バイトリーダーの特徴を理解しよう

バイトリーダーをアピールする際には、バイトリーダーならではの特徴が活かされたアピールをしていく必要があります。どのような特性があるのか、視点を変えながら考えてアピールにつなげましょう。

1 能力・気質から考える

アルバイトと言えど、リーダーともなれば誰でもなれるわけではありません。必要とされる最低限の職務の遂行能力はもちろん、周囲とのコミュニケーションを上手に行うことができることや、仕事に対する責任感、また店長や社員スタッフなど年上の人とのやり取りが上手いことも必要です。

その他、教育や相手の状況の把握に対して関心が高いなどの資質も求められます。そういった能力や資質でアピールできるものがないかどうか考えてみましょう。

2 仕事内容・経験から考える

バイトリーダーだからこそ割り当てられる仕事もあるはずで、その仕事を通して得られた経験は他の人にはない武器になります。シフトの調整ひとつでも、やったことのない人にはその難しさはわかりません。

また、発注や業者対応をする場合もありますし、お金の計算なども扱う場合もあります。一般のアルバイトと違った経験をしたなら、そこから感じているものも違いますから、それをうまくアピールすると良いでしょう。

3 リーダーならではのエピソードで考える

バイトリーダーをしていたことによって生じたエピソードがないか考えてみましょう。たとえば、「閉店後に店長と一緒に食事に行くことになり、店舗の今後の方向性について大人と真剣に話し合う機会があった」という場合もあるでしょうし、「シフトの責任者として病欠などの穴埋めを必死で頑張った」経験があるかもしれません。他の立場だったらやらなかった、できなかったことがなかったか考えてみると、面白いエピソードが発掘できることもあります。

就活でバイトリーダーの経験を上手にアピールするには?

就活でバイトリーダーとして働いた経験を上手に自己PRするためには、いくつかのポイントがありますので押さえておきましょう。

1 相手をよく考えてアピールする

就活生は多くの企業に応募して受験するため、自己PRも使いまわしてしまうことが多いです。しかし、基本的に企業と学生は一対一の関係の中で面接を行っているため、どこにでも使っているような自己PRはどうしてもピントがズレてしまいます。

会社によって求められている人材像は異なります。それに沿ったアピールをバイトリーダーの経験を通して行う必要があります。

2 立場ではなく自分をアピールする

バイトリーダーをアピールする人の自己PRでは、「そのバイトリーダーがいかにすごいか」「バイトリーダーとしていかに実績を挙げたか」のアピールで終わってしまう場合があります。

もちろん、これらも自己PRの要素としては必要ではありますが、自己PRにおいて企業側が知りたいと考えているのは能力や実績ではなく、今後付き合っていく上での人間性です。能力に関しては、むしろその話し方や、求めている内容が的確に表現されているかがチェックされています。エピソードの中で立場や能力・実績をアピールすることにこだわらないよう注意してください。

3 リーダーとして出した成果をアピールする

リーダーとしての成果は、周囲の雰囲気や売上、離職率など様々なところに現れてきます。可能なら、自分がリーダーになって取り組んだことによってどのような成果が出たのかもアピールしてみると良いでしょう。企業側としても、社員としての仕事への取組み姿勢がイメージしやすく、効果的なアピールとなります。

4 経験から学んだことをアピールする

面接や履歴書では、アルバイトリーダーという貴重な機会を得たことが問題ではなく、その機会を通して他の人には得られないような学びや気づきがあったかが重要です。

学びや気づきの内容というのはいわば「伸びしろ」であり、良い経験をさせることで大きく成長が期待できるかを示します。何を考え、何を行って、何に気づいたかをよく整理し、それが入社後にどのように仕事に活かせるのかを考えてみてください。

バイトリーダー経験を扱った自己PR例文

実際にバイトリーダーの経験を自己PRとした場合、どのようにアピールするとよいのでしょうか。

就職活動の自己PR

私は学生時代に、ハンバーガーショップのアルバイトリーダーをしていました。その際に培った「調整力」が私の強みだと考えています。

全体ではパートの方も含めると80名くらいのアルバイトが在籍しているため、3人のリーダーが定められていたのですが、私は学生アルバイトのシフト管理を中心的に任されていました。

同じ学生という立場だとしても、学校や学年が違えば状況は全然違います。また、各自には生活上求めるアルバイト代というものがあって、限られたシフトの枠内で時間的にもお給料としても満足させるのは簡単ではないことを知りました。一年目はなかなかうまくいかず、店長や先輩にも何度か泣きついたことがありました。

二年目はもっとうまくやろうと思って、学生アルバイト一人一人にしっかりヒアリングし、年間の大まかな学生たちのスケジュールを見える化することに成功しました。テスト期間や夏休みなどによるシフトに入れる人数の期待値の変化がわかりやすく、穴埋めできそうな人も効率的に探せましたし、学生の手が足りない場合はパートの方にも事前にお願いできるようになり、シフトがしっかり回りました。

こうした経験を経て、調整は全体の都合だけでなく、一人一人と向き合って行ってこそうまくいくことを感じました。社会人になれば多くの調整でビジネスが動くと聞いていますが、基本を忘れずに関係者一人一人からしっかり意見を聞きながらやっていきたいと思っています。

自己PRとしてバイトリーダーを経験した話ですが、かなり踏み込んだ形でシフト管理に携わったことがわかります。店舗を持ち運営しているような会社であれば、アルバイト管理も必要になりますが、そうしたところで非常に活躍できそうだとイメージできるでしょう。
調整は社会人でも難しいものですが、経験から大事なことに気づいたことが高く評価されます。

自己PRでは「バイトリーダーならでは」を伝えよう

自己PRにおいて「バイトリーダー」をアピールする場合には、「バイトリーダーだった」ことではなく「バイトリーダーならでは」の経験や気づきなどをアピールしましょう。それが企業側にとって聞きたいポイントであり、またエピソードに希少性や面白さをもたらします。

アピールするべきポイントを間違えなければ、アルバイトリーダーは他の学生との差別化につながりますし、唯一無二の自分をアピールする最高の素材にもなります。伝え方のポイントを押さえて上手にアピールしましょう。