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TOEICを就活でアピール!企業が求めるスコアレベル

TOEICを就活でアピールする場合、どれ程のスコアが自己PRとして有効?目指す業界や職種、企業により最低ラインは様々ですが、異動や昇進・昇格の要件としてTOEICスコアを設定している会社もあります。海外勤務や英語力が試される職場への就職を希望するなら、受けておくのが賢明です。

TOEICを就活の自己PR材料にしよう

観光・ホテル業界や航空業界など、将来的に英語力を必要とする業界で活躍したいと考える就活生や転職希望者は少なくありません。そんな方々にとってTOEICスコアは、企業に対し自分の英語力のレベルを数字で明確にアピールできる指針のひとつです。

しかし、ほとんどの資格がそうであるように、TOEICもただ受ければよいというものではありません。では、TOEICを就活の自己PRとして活用する場合、どれくらいのレベルが必要とされるのでしょうか。

企業が社員に求めるTOEICスコアは?

TOEIC テストを実施しているIIBC(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)が、業務遂行のために英語を使用する企業を対象に行った「上場企業における英語活用実態調査」では、68.6%の企業が国際部門での業務遂行のために必要なスコアとして「700点以上を期待する」と回答しています。

また、国際部門に限らず、全社員に期待するTOEICスコアとしては、24.7%が500~595点、20.9%が600~695点と、半数近くが600点前後のスコアを求めているという結果に。国際部門ほどではありませんが、業務上英語を使用する企業への入社を希望するのであれば、最低でも600点以上のTOEICスコアは確保すべきでしょう。

TOEICスコアで異動・昇進・昇格が決まることもある

TOEICが就活で有利な資格となり得るのかというと、必ずしもそう言い切れるわけではありません。しかし、日常的に英語を使用する企業を志望しており、手っ取り早く自身の英語力をアピールしたいのであれば、TOEICを受験して自分のレベルがどれくらいのものかを数値化して把握しておくに越したことはないでしょう。

また、一定のTOEICスコアを異動や昇進・昇格の要件としている企業も少なくありません。IIBCの「上場企業における英語活用実態調査」によると、対象企業のうち15.8%がTOEICスコアを異動・昇進・昇格の要件としていると回答しています。

もし今後TOEICを受けるつもりであれば、「就活で有利になるから」という理由だけではなく、こうした入社後の自分のビジョンを見据えた上で、できる限りのハイスコアを狙っていきたいところです。

TOEICスコアを就活でどのようにアピールした?体験談15

TOEICスコア600点以上を取得している15人から、就活中にどのようなアピールを行ったか、その時の面接での手ごたえなどを調査しました。

600点以上の方のTOEICアピール

TOEICスコアは大まかな英語力の指針程度にアピール

シンイチ(31歳 会社員)


私はIT系の企業に勤める会社員です。TOEICのスコアは650点で、高くも低くもない中途半端なレベルです。このレベルだと、上場企業のようなレベルでは全く通用しませんでした。

従って、英語力としては特に大きな課題にはならないレベルという程度でTOEICスコアを履歴書に書き、他の技術力やビジネススキルを中心にアピールしました。

TOEICはあくまで英語力の目安に過ぎず、私が受けたIT業界では特に重視されておらず、有利になるシーンは低いと感じます。しかしながら、同期でもいますがTOEICのスコアが800以上ある人などはこの業界であまり多くないのでアピールできるのではないかと思いました。

取っておいてよかった650点

れいな(34歳 主婦)


私が受けた企業はホテル業界です。職種は最初から選べないので総合職の一般公募なのですが、その面接でTOEIC650点を持っていることを伝えて英語力をアピールしました。

グループ面接では、誰かが英語のアピールをすると「他の方で得点の高い人はいますか?」と質問されましたが、持っていない方は会話に入れないので受けていてよかったと思いました。私の場合はTOEICと合わせて英検と観光英語検定を持っているのですが、聞かれるのはTOEICの点数が多かったです。

業界上、英語を得意とする学生は多く、面接でも英語をアピールすると何か話して欲しいと言われたり英語で質問が飛んできたりしますが、それにもスムーズに答えたことがポイントにつながったように感じます。

入社後、人事の採用を担当することになり、受験希望者が多い場合は600点以上保持していない人は選考に進めないということが発覚し、改めて就職活動前に何度受験して点数を伸ばしておいてよかったと感じました。

700点以上の方のTOEICアピール

TOEICを活かし、英語で面接を行った話

ざびえる(28歳 経理職)


私は以前転職活動をした時、TOEIC720点を保有していたので、それをアピールしながら転職活動を行っていました。

希望職種は経理職であり、特に外資系志望という訳ではありませんでしたが、大企業である場合は事務系職種でも海外子会社とのやり取り等で英語を活用する事があります。そういったことを考え「今後は英語力を仕事の中でも活かしていきたい」とアピールしていました。

ある面接の時に日本語で英語力についてアピールしていた時、面接官が「私も英語を喋れるので、少し英語で会話をしてみませんか?」と振られ、急遽英語での面接をする事になりました。

質問内容は志望動機・自己PR・将来の夢などの簡単な内容ではありましたが、予定になかった英語面接だったのでかなり焦ってしどろもどろになった部分もありましたが、無事面接を終えて内定を頂きました(同時期に他社からも内定を頂いた為、入社はしていません)。

600あれば十分

さら(27歳 客室乗務員)


航空会社の客室乗務職を受けました。スコアは740点です。航空会社は最低ライン600点が多く、600ちょっとの応募者が多いようです。

私の場合は「リスニングが430、リーディングが300というスコアでリスニングに自信があり、外国人のお客さんの要望を聞き取れる自信があります」「リーディングが悪いですが、海外経験の経験から会話力に自信があるためカバーできます」とアピールをしました。「確かに聞く能力は高いですね」と反応がよかったです。

また、「スピーキングは測れない試験なので、自己PRを英語でお願いします」と、英語を話すように受験者全員が言われました。サービス業のため、結局はスコアよりもスピーキングと聞く力が重要だったようです。スコアは600以上あれば十分な気がします。

語学留学の経験

せいか(22歳 専業主婦)


TOEICスコア750点です。エアライン業界、主にフライトアテンダントの就職試験を受けた経験があります。基本的にエアライン業界は国内企業だと応募資格はTOEIC550点以上、外資系の企業ですと600~700点以上が条件です。

TOEICのスコアを自己PRに入れる際には具体的な数字にして現実的な話をするように心がけました。私はアメリカでの語学留学に一年行っていたのですが、どのような勉強をしてスコアを伸ばしていったのか、例えば私の場合は毎日現地の友達とひとつトピックを決めて、それについて討論を英語でするなど、日常生活に積極的に英語を取り入れるようにしました。

英語に関係ない一般的な企業なら500点あればいいかなと思いますが、外資系などを狙おうと思うと750以上は最低でもあったほうがいいなという印象にあります。

英語でスキルアップ成功

あい(35歳 保育士)


外国人向けに英語で指導している保育園に転職しました。今のスコアは880点ですが当時は750点後半だったと思います。

就活中ではなぜ日本語ではなく外国語がいいのか、どんなことを学びたいのか、文化の違いなどにはどのように対応できるかなどをアピールしました。初めて受けた時のスコアはとても低かったので、そこからどのように対策をして当時の点数まで上げることができたのかなど、ただスコアを伝えるだけではなく、それまでの努力の過程もアピールしました。

企業にとっては英語が話せて保育の経験があったので欲しい人材とマッチしたらしくすぐに決まりました。仕事では外国人も一緒に働いていますが日常会話程度の英語力でなんとかなります。650点くらいあれば有利だと思います。

スコアに見合う実力を

アビゲイル(32歳 事務職)


私は観光業のホテルを受けました。当時のTOEICスコアは730点でした。

年配の面接官だったりすると、TOEIC自体を知らない方もいてアピールには苦労しました。TOEICの目標点数のために努力したこと、それから目標を達成するためには粘り強く頑張ることができることをアピールしました。

中には「よく勉強したんですね」と評価してくれる会社もありましたが、TOEICスコアだけ良くても、実際に英語を使える実践力をつけておくべきだと思います。英語を含め、他人とのコミュニケーション力が重視されていると感じました。

TOEICスコアは、アピール材料とするのなら最低でも600点は必要だと思います。英語関係の学科を卒業したのであれば、700点以上あれば評価してもらえると感じます。

800点以上の方のTOEICアピール

就職活動時のTOEICスコアについて

Freesia88(28歳 総合職)


私は航空業界、金融業界を中心に就職活動を行いました。TOEICのスコアは800点です。

国際線の客室乗務員になりたかったので、一般会話の他にもビジネス会話もOKだとの旨をアピールしました。大学生時代に1年間交換留学生としてオーストラリアの大学に留学していたことも一緒に話しました。

国際線に乗るためにはTOEICの点数が高ければ高いほど良いと思うので、特に「すごいね」と言われることはありませんでしたが、金融業界、特に海外支店がある銀行の面接を受けた際には英語が話せることに好印象を抱いてもらったと思います。

航空業界も金融業会も自分の考えをしっかり持って、それを行動に移すことができるかどうかが重視されていたと思います。

一般的には就職時にTOEICスコア600点あればいいと言われているように、最低でも600点は必要かなと思います。海外の方を相手にされるような大企業ではもっとスコアがあれば更に良いのではないでしょうか。

外資系企業では登竜門としてマスト

でこすけ(28歳 営業職)


IT業界の営業職を中心に就職活動を行いました。学生時代のスコアは803点でした。

TOEICスコアは履歴書の資格欄に記載しましたが、スコアそのものより、スコアの取得するに当たっての語学経験を中心にアピールしました。具体的には、学生時代、ボランティアで外国人の観光ガイドを行ったこと、留学経験はないが、自力学習で、スピーキング能力を身に着けたことなどです。

その結果としてのTOEICスコアであるとして自己PRを行いましたが、経験も踏まえて話した場合、人事の方にも納得感を持ってスコアを捉えていただいたような気がしました。単純にスコアが何点というアピールよりも、語学を習得した背景・理由をきちんと問われます。

外資系企業などでは700点がボーダーラインとされることが多いようです。800点あれば、一般的な企業では十分な能力として認めて頂けたと感じました。

コミュニケーションスキルとしてアピール

マリア(26歳 事務職)


自分が受けたのは大手通信業界と大手モノづくりの企業です。新卒の時のTOEICスコアは、820点ぐらいでした。英国に留学したことはありませんが、高校のときからずっと英語の映画を観ていたので、そこそこ点数が取れました。

就活中は周りから見るとやはりTOEICスコアが決め手のようです。とはいえ、会社側が見ているのはスコアの高さだけではなく、コミュニケーションスキルです。自己PRのときには「英語ができる!」と強くアピールし過ぎたら「それ以外は?」と聞かれるのが怖く、英語力と英語を使ってコミュニケーションスキルとしてアピールしました。コミュニケーションスキルがあれば、できる仕事範囲も広くなるねとコメントをいただきました。

就職に有利なのは、受ける企業の社風にもよりますが、現在よく海外に留学してきた人も多くなっているので、グローバル企業を目指すならば、少なくとも700点は抑えておくべきでしょう。

そのスコアでどう自己アピールするかが重要

tnkn(36歳 IT系)


IT系の企業を受けました。英語圏の顧客とも取引のある会社でした。当時のTOEICのスコアは842点で、留学経験があったため基本的な英語の読み書きが可能であることをアピールしました。

英語での対応が必要となる仕事があったため、ある程度の手応えは感じました。ただ、やはり評価されたのはTOEICのスコアというよりも、留学経験の方だったかもしれません。就活におけるTOEICの重要性ですが、個人的にはないよりはあった方がマシという考えです。きちんと専用の対策を練れば誰でも900近くまで上げられると思いますが、実際にその英語が仕事で使えるかということになると、これは全く別問題となるからです。

TOEICは受け身のテストのため、英語で自ら何かを成し遂げるということがありません。スコアが900点あればやや有利かとは思いますが、そのスコアを自身の体験をどう結びつけてアピールするかの方が重要だと思います。

TOEICの力

blackbrain(23歳 営業職)


車関係の専門商社で営業として働いています。現在のTOEICスコアは875点です。就職の際に私は自分の英語力を一番の強みとしてアピールしました。

英語力を数字で表してくれるのがTOEICで、相手にも自分の英語力を分かりやすく伝えられたと思います。また、留学経験と合わせて、読み書きだけでなく聞くのも話すのもできるとアピールしました。弊社は海外の企業と取引をする機会が多くあり、そのためTOEICのスコアは選考の際に重要視されていたと思います。スコアを聞かれ、答えた際に反応は良かったです。

周りの人達の平均は750点前後だったのでやはり800点を超えると印象を与えられると思います。また会社にもよりますが私が受けた他の企業では、周りは帰国子女や900点オーバーの人もたくさんいました。海外に強い会社であれば850点は無いとアピールにならないかもしれません。

TOEICのスコアがあるからこそ海外営業

ゆうた(37歳 海外営業)


就職活動時にTOEICを受けまして、880点でした。自動車関係のサプライヤーで海外営業職を募集していたのですが、それまでの海外経験はもちろんゼロ。アピールはもちろんですが、それ以前に帰国子女などではないのに書類通過したのがこのTOEICスコアのおかげだと思っています。

他の面接では「少しだけ英語で会話をしてみてください」というのがありましたが、特に問題なかったですし、むしろ話せない方の前では簡単な自己紹介でも流暢であればかなり話せるように認識してもらえるようなことが多かったです。TOEICは話す試験は原則ないので、実際に話せるという点はTOEICのスコアプラスアルファで重視されているようです。

TOEICスコア700点以上くらいだと、まあ英語ができるという認識を持ってもらえるのではないかと思っています。

TOEICハイスコアは転職時に強みになる

アネモネ(33歳 フリーランス)


私はメディカル業界の事務職に転職しました。現在TOEIC860点を持っています。

就職先では高い英語力が求められていたので面接の際にTOEICハイスコアをアピールしました。独学でTOEICに挑戦したこと、自分には向上心があり、地道に努力する性格だという事もアピールしました。企業側は私のTOEICのスコアに満足していたようです。面接の際に手応えを感じました。

また、私の粘り強く努力する姿勢も高く評価してくれました。企業側は忍耐強く働ける人を求めていたと後から知りました。企業とのマッチングに成功できて良かったです。

英語を使う業務へ転職したいのならTOEIC700点以上あると書類選考から有利になります。TOEICのスコアが低いと書類選考で他の候補者に負けてしまう可能性が高いです。外資系企業を目指すならTOEICハイスコアは必須です。英語の読み書きだけでなく、英語でクライアントと交渉したり、海外にいる社員と話すことがあるのでビジネス英語で会話ができることも求められます。これをクリアできる人は企業側から重宝されます。

900点以上の方のTOEICアピール

TOEICはアピールになるか

やまだ(27歳)


都内の銀行、コンサル、商社、広告代理店等有名な企業を中心に応募しました。TOEICは950点です。英語力のアピールとともに、自分は英語専攻ではなく、留学経験もないのにTOEICで良い点が取れる、すなわち自発的に学ぶ力があるということをアピールしました。

銀行では真面目で向学心があると良い評価でした。コンサルでは帰国子女でペラペラの学生も多く、あまり差別化できませんでした。商社は学力よりも、体育会やサークルなど大規模な団体でリーダーシップを発揮した経験を重視しているようです。受けた中で最も手応えがなかったのが広告業界で、語学力よりも表現力、感性を見られていました。

TOEICは業界によって有利になる点数が異なりますが、700点あったら悪い印象ではない、800点あったら真面目で勉強熱心な学生、900点あったら英語が得意と言っていいくらいの判定だと思います。これは文系の話ですので、理系の研究職など別にアピールポイントがある場合はもっと低くても十分高評価になると思います。

就活はTOEICスコアのアピール次第で印象が変わる

英語力がものを言う業界であれば、就活生のTOEICスコアがどれだけ高いかを重視する企業が多いのは至極当然のことですが、「採用者はそのスコアに至るまでにどういった努力をしたのかそのスキルをどう活かすかといったポイントに注目している」と感じている方も少なくありません。

また、TOEICスコアはあくまでコミュニケーション能力が備わっていないと意味を為さないと言っても過言ではありません。他のスキルと上手く絡めて自己PRにつなげていくとよいでしょう。

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