就活で成績証明書は合否に影響する?何のために提出する?
就活で成績証明書の提出が求められる際、これは何の目的で行われているのか、学校の成績は合否の評価に関係ないのかと気になる就活生は多いもの。就活における成績証明書の提出の意味について、不安な大学生はいま一度確認してみましょう。
就活で成績証明書の提出が必要なのはなぜ?
就活においては「学校の成績は関係ない」とよく耳にしますが、ほとんどの企業においては就職活動のステップの中で成績証明書の提出を求められます。
成績が優秀で特に問題がない人なら心配はありませんが、成績にはあまり自信がないという人にとっては緊張するものです。「万が一でも、成績のために落ちたらどうしよう」と考えてしまうこともありますが、成績は後から変えることができないため、その後もずっと就活で不利になるのではと心配にさいなまれる人もいます。就活において成績証明書はどのような意味を持っているのか知っておきましょう。
成績証明書に載っている情報
成績証明書にはどのような情報が載っているのか、まずはしっかり理解しておく必要があります。成績証明書はいわゆる通知表とは違い、外部に提出する書類という性格を持っており、本人と成績を証明するために必要な情報のみが記載されています。学校によって形式も違っていますのが、おおよその内容は同じです。
個人に関する情報
氏名や生年月日、学籍番号、入学日といった個人に関する情報が記載されています。これは純粋に本人確認のためのものと考えて大丈夫です。就活上関係する点としては、留年などがあった場合には入学日からそれがわかる可能性があるということくらいです。気になる項目がある場合、履歴書やエントリーシートの内容と照合する場合もあります。
取得した単位と成績
成績証明書には、取得した単位とその際の成績が記載されています。基本的に「落した単位」については記載されていません。成績は優・良・可やA・B・Cなどで評価されており、評価の基準点についても記載されている学校も多いです。
生活面などは特に記載なし
学校の通知表や内申書などでは担任教師や学校側の所見や生活面に関するコメントがついていることがありますが、成績証明書は成績を証明するための書類ですので、不必要な情報は入っていません。
大学なら出席日数なども特に決まっていないため、出席状況なども記載がないのが普通です。高校の場合には、出席日数についても記載があることが多く、心身の健康状態などを知る手がかりとなります。
成績証明書からわかること
企業が就活の間に成績証明書を求めるには理由があります。成績証明書からどのようなことがわかるか、企業側の視点から考えてみましょう。
本人の基本情報
成績証明書を通して、応募者がどの学校を卒業した人なのか、その氏名や学部・学科などの本人情報を知ることができます。また、年齢や入学年度、卒業予定年度なども知ることができます。単位取得状況などを考えると、卒業の可否などについても推測ができます。
本人が興味や関心を寄せていること
取得している単位を見れば、どのようなことを学校で学んできたのかがわかります。一方、純粋な学力の評価は基本的にはできません。成績を見ただけでは学校によってカリキュラムも授業や試験の難易度も様々であるために比較できないからです。単位を取得している教科を見て、得意不得意や、興味関心のある分野がおおよそ見えてきます。
職業に必要な知識を持ち合わせているか
職業によっては、必要な前提知識が学校で十分に身に着いていないと教育にコストがかかったり、また普段の会話についていけないこともあります。必要に応じて事前に勉強させたり、研修の用意などが必要かどうかを判断するために成績証明書は良い材料となります。
物事への取り組み姿勢
成績証明書で全てがわかることはありませんが、学生の本分、つまり学生の仕事が勉強であることを考えると、成績証明書には仕事への取り組み姿勢が見えるという見方もできます。人には得意不得意があるのが普通ですから、成績に「可」や「C」があることが問題になることはあまりないですが、成績表のほとんどが「可」や「C」だった場合には取組み方に問題がある可能性が高く、それが仕事ぶりにも出てくる可能性を危惧します。
就活で求められる成績証明書の発行と提出について
企業から成績証明書を求められたら、成績証明書は基本的に学校で発行してもらい、企業に提出することになります。
成績証明書は最新のものを発行してもらう
機械で自動的に作成・交付してくれる学校もありますが、今は改ざんなどを防止するために学校の印をし、封をした状態で渡すところが多くなっています。ほとんどの場合はすぐに出してくれますが、混み合っている場合や数が多い場合には後日の受け取りになることもあります。発行には200~300円ほどの手数料がかかりますので、枚数が多い場合にはしっかりお金も準備しておきましょう。
スケジュール上、学校で書類の発行を受けるのが難しいタイミングもありますので、できれば発行してもらう時に多めに発行しておくと良いでしょう。また、自分でも成績証明書の内容はしっかり確認できるように、手元に1部は残しておくと良いです。ただし、成績証明書は基本的に最新のものが望ましいため、直近3ヶ月以内に発行してもらったものを使うようにします。
成績証明書は原本を提出するのが原則
成績証明書を提出する際は、基本的に郵送はもちろん、手渡しの場合でもしっかりと封筒やクリアファイルに入れて渡すようにします。封筒に入れておく場合には、添え状(郵送なら送付状)を一緒に入れておくのがマナーです。
企業から提出を求められた場合には、原本を提出するのが原則です。そのため、原本を自宅で保管しておいてコピーを提出するということはしません。また、学校側で封がされた状態で渡されている場合は、封がされた状態のまま封筒に入れて提出します。
もしもタイミング上、提出が間に合わない場合には、状況が判明したらできるだけ早く企業の担当者にその旨を連絡し、指示を仰いでください。この場合はメールなど一方的なものにせず、できるだけ企業の就業時間中に電話で連絡して確認を取りましょう。
就活で企業から求められる成績証明書は面接の材料になることがある
成績証明書が最初から求められることは少なく、選考が進んで最終面接などの前に提出というところが多くなっています。成績証明書の内容を面接の中でも質問することがあるからです。
専門とあまりにも違う内容の単位を取得している場合にはそのことについて聞かれることがありますし、逆に仕事の上で必要と思われる分野についての単位がない場合には、知識が全くないのか問われる可能性があります。
成績が芳しくない場合には、成績について圧迫面接を受けることになったり、卒業の見込みについて確認されることもあります。
留年や休学などがあり、入学年月日と卒業年月日が標準的な期間でない場合にはその点についても確認される可能性が高いです。
成績証明書が面接の内容に関係していることがわかっていれば、想定質問に対して答えを準備しやすくなります。良い成績であればどのように学業を頑張ったのかを簡潔に説明できるように準備し、悪い成績であればどうして成績が悪かったのかを前向きに説明できるよう準備しましょう。
個別の科目の内容について突っ込んで聞かれることは、研究職などでない限りほとんどありません。大学院生が就職活動をする場合には、科目や専門の研究について尋ねられることもあります。
就活で成績証明書は採用に影響する?
就活において成績証明書が人事評価に影響するのかについては、多くの企業が「影響しない」としています。
学業成績は学校や教員によって評価が違ったり、教えている内容も統一されていません。全国一律の内容で試験をしているわけではありませんので、その成績を評価することにあまり意味はないと考えられています。
企業が成績証明書を求めるのは、応募者のことを詳しく知りたいからです。実際、成績証明書から得られる情報は仕事を今後一緒にしていく中で大事な情報を提供してくれることもあります。しかしそれは評価のための情報ではなく、あくまで応募者の人格や学業への態度、興味関心に関する情報です。
成績証明書の内容で評価されることはありませんが、成績証明書の内容から気になって点に関して質問された場合に、十分に納得させられる説明ができないなら、その場合は評価でマイナスされる可能性はあります。逆に、抜群に良い成績であれば、評価してもらえることもあるでしょう。
成績よりも評価につながることが多いのは、成績証明書を通して見える書類の扱い方や、提出が間に合わない時などの報告・連絡・相談、マイナス面を突っ込まれた場合の対応力です。これらはいずれもビジネスで必要な能力であるため、評価の対象となることがあります。
就活の成績証明書について過剰に心配しないことが大切
成績証明書は、就職活動においては履歴書やエントリーシートと並び、必須書類のひとつではありますが、その内容について過剰に心配することはありません。成績について痛いところがあると気になってしまいますが、企業はそれほど気にしておらず、質問をしたとしてもそれに対する反応を見ているだけということが多いです。
成績証明書が就活の成否を左右することはほとんどなく、面接や話の材料となった時に、どのような受け答えをするのかがより重要です。心配しても過去の成績は変えられませんから、変えられる受け答えを考え、前向きに対処しましょう。