就活生に大人気の電力会社に響く志望動機とは
インフラ業界と言うと、就活生にとっては非常に人気の高い業界のひとつですが、その中でも事業規模も大きく、社会への貢献度も多いのが電力会社です。生活を支える基盤インフラとして馴染みが深いということもありますし、経営の安定性や従業員の待遇面でも評価が高く、就活生たちに人気の企業となっています。
他の業界や企業の例と同じく、電力会社のエントリーシートや面接においても志望動機はほぼ確実に問われています。多くの競争相手がいる中で、希望する電力会社の内定を勝ち取るための志望動機について考えてみましょう。
電力会社の志望動機は、電力会社を理解してから作る
電力会社の志望動機を作成する前に注意しておきたいのは、電力会社の事をしっかり調べずに自分のイメージだけで志望動機を作ってしまうことです。
電力会社のことをよく理解してから、志望動機を書くようにしましょう。ここで、電力会社が行っている事業や抱えている問題などを見てみましょう。
電力会社の事業
電力会社では、メインとなる事業はもちろん電力を作り、供給する事業となりますが、実際にはそれだけではなく、その電気を扱う様々な技術を用いて事業を様々に展開しています。リフォーム事業などが有名ですが、それだけではなく、最近は不動産会社と提携してオフィスビルや施設の開発に取り組んでいたり、様々な分野に進出が行われています。安定性が高く、高効率な日本の電力生産・管理の技術を海外に輸出するといった試みも行われており、決して国内の限られたエリアに電力供給を行うのみの企業ではないのです。
電力会社は公益性を大事にしている
電力会社は社会的なインフラを扱っている企業として、公益性が高いと考えられるところで様々に活動しています。様々な教育関連プログラムなどに後援として入ったり、地域のスポーツチームのスポンサーになったりと地域の発展や活性化のために取り組んでいます。
電力会社は難しい問題も抱えている
2011年の東日本大震災以降、原子力発電所に対する風当たりが強まっている中でどのように十分な電力を確保するかという問題もあります。ITデバイスの増加によって必要な電力量が社会的に増加している上、インバウンド事業への積極的な取り組みが展開され、海外からの訪日客の増加が予想される中でしっかり電力を供給しなくてはなりません。
一方で、電力自由化により売電を行う個人や企業の参入、人口減や省エネ技術による電力需要の低下リスクなど、微妙なかじ取りが求められています。
インフラ産業は社会の基盤である一方、社会の変化からの影響を受けるしかありません。その変化によるリスクを軽減するためにも、事業の多角化が求められており、「安定」のイメージとは裏腹に難しい問題も抱えているのです。
電力会社の志望動機の書き方ポイント
電力会社は志望する就活生がたくさんいる会社です。差別化を図りたい電力会社への志望動機を作る上でポイントを整理しましょう。
1.志望動機では待遇面を強調しない
電力会社は従業員への福利厚生や給与・昇給などの待遇が優れている企業が多いことでも有名ですが、だからと言って待遇面を志望動機に挙げるのは控えましょう。こうした待遇面を見て就職したいと考えること自体は妥当ですが、それがその企業を選んだ一番の理由となると「経営的に困った時には助けてくれない」と思われてしまいますし、仕事でハードな状況が出てきた時に辞めてしまわないか不安を与えることになってしまいます。待遇面に触れるなら、あくまでオマケ程度にしておくべきです。
2.志望動機で電力会社で働きたい理由をしっかり伝える
志望動機では、電力会社で働きたいと考える理由をしっかり考える必要があります。大事なポイントは、「電力会社で働きたい理由」はもちろんですが、「他の会社ではダメな理由」についても考えるということです。「ガス会社じゃダメなんですか?」と聞かれても自分の答えがしっかり出せるくらいまで考え、それを言葉にして伝える必要があります。
3.その企業で働きたい理由をよく考える
電力会社と言えばイメージされるのは各地域の大手電力会社になりますが、細かく言えばすでに売電を事業として行っている会社も電力会社だと言うことができます。電力会社の種類が様々にある中で、どうしてその企業を選んだのかをよく考えましょう。これも「他の企業ではダメな理由」と両面から考えるようにしてください。企業理念や担当する地域、実際の事業活動など、様々な面をよく調べて、その企業で働きたい理由を本心から表現しましょう。
4.志望動機では自分の経験や希望との関連性を表現する
電力業界や電力会社で働きたい理由というのは、どうしてもある程度情報の種類が限られてしまう面があるため、差異がつけにくい部分です。ましてや多くの学生が応募してくる中では、自信をもって作成した志望動機がかぶってしまう可能性もあります。他の就活生の志望動機との差別化をするためには、自分にしかない経験や自分の希望を、志望動機に織り込みながら表現していくことが大切です。自分と電力・電力会社との繋がりなどを良く考えてみると、気づいていなかった志望動機が出てくることもあります。
電力会社への志望動機の例文
電力会社への志望動機の書き方を、例文を通して見てみましょう。電力会社への就職を希望している人は、ぜひ参考にしてください。
●●電力への志望動機(例)
私が貴社を志望するのは、貴社の事業が地域の発展に大きな影響力を持っているからです。
私は生まれ育ったこの地域が大好きで、もっと発展してほしいと願っています。子供の頃と比べてずっと便利になり、住みやすく豊かさを感じられますが、子供や孫の世代にはもっと良い形で継承したいと願っています。
地域に密着し、地域を豊かにすることに貢献できる企業を軸に企業を探す中、貴社を見つけ、地域の発展の基盤となっている電力を整備・供給することを通し、また様々な形で地域の開発に関わることのできる魅力的な仕事だと強く感じられました。
学生時代に様々なボランティア活動にも参加しましたが、どうしても目先の地域貢献に終わりがちで、長期的に大きな規模での活動は難しく感じました。貴社の一員として、10年20年先を見据えた地域への貢献ができればと考えています。よろしくお願いいたします。
電力会社の志望動機では、地域に根差した事業であり、地域の発展に貢献しているという点を挙げる人は多いです。オーソドックスではありますが、電力会社が常に力を入れている部分ですから悪い印象を持たれることはありません。
電力会社への志望動機では、「誠実さ」が表現上のポイントになります。「地域の発展に貢献したい」という言葉は企業研究から導き出すことは難しくありませんが、いかに誠実にその気持ちを打ち出すことができるかで、受ける印象は大きく変わります。
ここでは「地域が好き」で「発展を願う」と言う内容に加え、「子供や孫の世代」「10年20年先を見据えた」と長期的な視点で地域の発展を考えている様子がうかがえます。そしてその視点は、短期的な活動に終わってしまいがちなボランティアの経験から来ていることがわかります。こうした独自の視点からの電力会社の事業を見つめていくことで、誠実さの伝わる志望動機になります。
電力会社の志望動機には好まれる人材像を加えよう
電力会社の志望動機においては、好まれる人材像が入っているとより良い印象を与えることができるようになります。全てを入れるのは難しいものの、自分の性格に合っているものがあれば取り入れてみましょう。
チャレンジ精神があること
「安定」のイメージの強い電力会社ですが、技術的に経営的には常に新しいチャレンジをしています。メインとなる電力ひとつもいかにエネルギー効率を高めコストを下げるかが大切ですし、経営安定化や地域貢献のために事業が広がる中、挑戦する精神がある人材が求められています。
誠実であること
「誠実」というのは「まじめで真心があること」を意味しますが、人々の暮らしを支えるインフラ企業にはこの誠実さが求められます。問題があればしっかり謝罪もし、いち早い問題の解決にあたる気持ちが大切な仕事であることは、昨今の様々なニュースなどからも伺えると思います。
主体性があること
電力会社では、主体性をもって問題の発見や解決に取り組むことができる人材が求められています。トラブルが発生した時に、他人任せにしていると問題が広がり影響も大きくなるのがインフラ事業の特徴です。主体性をもって仕事に取り組める人材は、どの業界でも重宝されます。
電力会社への志望動機は誠実であることをアピールしよう
電力会社に志望する理由は、その会社が社会にとって重要な役割を果たしていると感じるからです。電力会社は、私たちが日常生活で当たり前に使っている電気を供給することで、社会の発展や生活の質を向上させるために不可欠な存在です。
私は、そのような重要な役割を果たす電力会社に携わり、社会に貢献することができることに魅力を感じています。そして、私が電力会社で働く上で最も重要だと考えるのは、誠実さです。
誠実さは、お客様や社会に対する責任を果たす上で不可欠な資質だと考えています。私は、自分が担当する業務に対して真摯に取り組み、正確で正直な姿勢で仕事を行い、お客様や社会の信頼を得られるように努めます。
また、電力会社は社会にとって責任ある企業として、環境保護や地域貢献活動などにも積極的に取り組むことが求められます。私は、そのような企業の責任に熟知し、自分自身も社会に貢献することが大切だと考えています。誠実さとともに、責任ある行動を心がけ、電力会社とともに社会に貢献することができることを願っています。