自己PRでアピールする「柔軟性」を知ろう
どこの企業においても履歴書や面接で、自己PRは必ず求められます。さまざまなアピールポイントが考えられるなかで、「柔軟性」を自己PRの軸となる題材にするにあたって、知っておくべきことを見ていきましょう。
柔軟性とはどのような意味?
就活を進めるなかで耳にする機会が多い「柔軟性」とは、そもそも「柔らかく、しなやかな性質」を意味する言葉です。素材などの物質の柔らかさを指す直接的な意味から、「その場の状況に応じてしなやかに対応できる人」といったように、人物の性質を指すような意味まで持っています。
就活における自己PRとして使用される「柔軟性」という言葉は、言うまでもなく人物の性質を意味しています。たとえば、職場においていつもテンプレート通りの対応しかできない人、凝り固まった考え方しかできない頑固な人などについて、「あの人は柔軟性がないから困ります」といった表現をするのを誰も聞いたことがあるでしょう。
自己PRで柔軟性を採用担当者の印象に残すポイント
柔軟性を自己PRでアピールする際に、意識したいポイントがあります。せっかくの自己PRがマイナスポイントとなってしまっては本末転倒ですから、アピールしたい柔軟性がちゃんと採用担当者の印象に残るかどうかを考えてください。
1.柔軟性が求められている職種であるかよく考える
一般論として、何をするにも、人の性質として柔軟性はないよりもあるほうがよいでしょう。しかしながら、自分が希望している職種にとって、自己PRの軸に据えるアピールポイントとして柔軟性が最も適切であるのかどうかは、よく考える必要があります。
就活における自己PRとは、履歴書では限りあるスペース、面接では限りある時間で自分の強みをアピールする重要なポイントです。希望する職種でそれほど重視されていないのであれば、柔軟性を自己PRに使うのはアピールポイントがずれているととらえられても仕方がないでしょう。
たとえば、警察官や自衛官といった規律を重んじるような職業、マニュアルに沿った確実な対応が求められる職業に応募した際に、自己PRで柔軟性を題材にするのは、それほどアピールになるとは考えられません。
2.面接で矛盾を見せないようにする
就活において、発言や態度に一貫性があるかどうかはよく見られています。「私には柔軟性があります」と自己PRをするからには、面接で柔軟性を感じさせないふるまいをしてしまうような、矛盾を見せないことが重要です。
面接で思いもよらない質問をされた際にしどろもどろしたり、ルーティンから外れたことをするのが不得意のような印象を与える受け答えをしたりしてしまうと、「柔軟性があることを自己PRで主張しているわりに、臨機応変な対応ができない人だ」と判断され、発言に対する信頼性まで失ってしまいかねません。
3.柔軟性を自己PRする根拠となるエピソードをつける
「柔軟性がある」という自己PRの仕方は、ともすれば少しフワッとした、感覚的なアピールという印象を持たれてしまいがちです。「柔軟性がある」は誰でも気軽に言える自己PRとも言えるので、実態のともなわないアピールとならないよう、根拠となるようなエピソードをつけるのは必須です。
新卒であれば、学生時代にゼミやサークル、アルバイトでの実体験に基づいて、転職であれば、これまで仕事のなかで柔軟性のある対応による成功談を添えることで、説得力のある自己PRとなります。
柔軟性をアピールする自己PRの例文
就活の際に、自己PRで柔軟性をアピールする人は多いものです。数ある柔軟性のアピールの中から、履歴書や面接で採用担当者の印象に残る自己PRをするには、どのようにすればよいのでしょうか。例文を挙げてみるので、参考にして自分でよく検討してみてください。ポイントは、実際に柔軟性のある対応をした具体的エピソードを添えているところです。
柔軟性をアピールする自己PR例文(新卒の場合)
私の長所は、柔軟性があるところです。私は大学入学直後より、デパートでアルバイトを継続しています。もともとファッションが好きで、洋服の販売に興味があったので始めたアルバイトでした。
しかしながら、アルバイトを開始して半年が経ち、「食器売り場の人手が不足しているため、服の販売から異動してもらえないか」という相談を上司から受けました。
洋服販売の仕事内容にやりがいを感じていた私は、正直なところ大変悩みましたが、求められている職場へ行くことには大きな意味がある感じ、また、持ち場を異動することで新たな見識を得られるのではないかと考え、同意しました。
当初、食器に関する知識は皆無でしたが、積極的に学ぶうちにその魅力に気付き、現在ではテーブルコーディネートも自主的に学ぶようになりました。
このように、私は臨機応変かつ柔軟に対応することで状況を改善したり、新たな見識を得たりすることが得意です。私の柔軟性のある対応力は、貴社の○○職においても、大変生かせるのではないかと考え、このたび志望いたしました。
自己PRに柔軟性をアピールするにふさわしい職種
どのような仕事をするにしても、「柔軟性がある」という性質はとても重宝されると言っても過言ではありません。しかしながら、なかでも特に柔軟性があることが大きなポテンシャルとなり得る職種があります。希望している職種で柔軟性が重視されているのかどうか、事前によく考えることをおすすめします。
サービス職・接客職
柔軟性があることが求められる職種としてはまず、サービス職・接客職が挙げられます。日々、直接お客さんと接するこれらの職種は、その場でお客さんから求められたことに対して、満足してもらえるように適切な対応をとる必要があります。マニュアル通りの対応しかできない人には向いていない職種です。
営業職
営業職も、サービス職・接客職と同じです。クライアント企業や個人のお客さんの要求に対して、コストやスケジュール、顧客の満足度などに鑑みて、その都度最適な対応をとることのできる柔軟性が求められます。
クリエイティブ職
クリエイティブ職は、常に柔軟な発想が求められます。パターンの決まったデザイン、どこかで見聞きしたことのあるような提案しかできないようでは、しだいに仕事を任せてもらえなくなることは確実です。顧客から方向転換を求められたときに、希望に沿って新たな提案ができるような発想力とフレキシブルな対応力があることが大前提となる職種です。
柔軟性を自己PRすることで期待できる効果とは?
入社を志望する企業の求人に応募し、履歴書もしくは面接において、柔軟性を用いて自己PRをした際に、どのような効果が期待されるのでしょうか。柔軟性をアピールすることで、どういった特長のある人物としてとらえられるのか、考えていきましょう。
コミュニケーション能力が高い人として認識される
「柔軟性がある人」というと、ほがらかな人柄で人当りも柔らかい人というイメージを持つのではないでしょうか。そのような人は、基本的にコミュニケーション能力が高く、職場で誰とでもすぐにうちとけて、相手にあわせていろいろな会話をすることができ、円滑な人間関係を築くことのできる人であると認識されることが多いといえます。
臨機応変な対応ができる人として期待される
柔軟性があることを自己PRで主張すると、想定外の事態が起きたとしても、状況にあわせて最適な行動をとることができる人、つまり臨機応変な対応ができる人であると期待されるでしょう。
ビジネスにおいて、想定外のアクシデントはつきものです。そのような非常事態に動じることなく、適切な対応ができる人を求める企業はとても多く、柔軟性のある人にかける期待も大きいです。
視野が広い人物としてとらえられる
柔軟性がある人は、慣例やマニュアルにとらわれることなく、広い視野をもって物事を考えることができます。つまり、自己PRの題材に柔軟性を用いた場合、視野が広く多角的な考え方を得意とする人物であるととらえられるでしょう。
柔軟性のアピールで印象的な自己PRにしよう
柔軟性は、現代のビジネス環境において必要不可欠な能力です。私は、柔軟性を持ち合わせていることを自己PRでアピールすることができます。
まず、私は柔軟な発想力を持ち合わせています。新しい課題に取り組む際に、従来の枠組みにとらわれず、柔軟な発想をもって解決策を見つけ出すことができます。これによって、問題を解決するために必要なアイデアを生み出し、創造的な成果を出すことができます。
また、私は異なる視点から物事を見ることができる能力も持ち合わせています。これは、異なる立場や文化的背景を持つ人々と共同作業をする場合に大変役立ちます。異なる意見やアイデアを取り入れ、柔軟に対応することで、より良いチームワークを実現することができます。
さらに、私はスケジュールや優先順位の変更に対しても柔軟に対応することができます。急な状況変化にも、冷静かつ迅速に対処し、最善の解決策を見つけ出すことができます。このような柔軟性があることによって、プロジェクトのスケジュール遅れや品質低下を防ぐことができます。