履歴書の自己PRの具体例と効果的な文章構成
自己PRを書くにあたっての文章の構成方法をご説明します。例文も一緒にご紹介しますので、ご参考にして頂ければと思います。自己分析と文章の「素材」の考え方については、「書き方で差がつく自己PR方法」を参考ください。自己PRとしてはよくない例文と、それを改善した例文の具体的なポイントを見ていきましょう。
例文・文章構成
自己分析で文章の素材となる内容をあげましたが、次に文章としてまとめあげていかなければいけません。とは言っても、前ステップ「書き方で差がつく自己PR方法」で決めていった順番にそって書くだけですので、文章の流れは難しいことではないかと思います。あとは効果的な内容となっているかですが、これは少し気をつけて組み立てなければいけません。
ポイントは以下の4つです。
- 主張がひとつに絞られているか
- エピソードに客観性・具体性があるか
- 判断の根拠が示されているか
- 企業が求める人物像に合致しているか
ここでは同じ素材の悪い例をあげ、よくない点を分析したうえで改善した例文をご紹介していきます。
素材
性格・長所: 進んで工夫をする性格
エピソード:
状況 「チームで商品企画をした」
行動 「サンプルを作った」
結果 「アイディアが形になり納期に間に合った」
学んだこと: 時には考え方を工夫することも大事である
よくない例
この文章は不採用、と決まったことではありませんが、まだまだ伸びしろがある、改善点がみられる文章、という意味で例をご紹介します。
「私は進んで工夫をする性格です。5人チームで○○○向けの△△△の商品企画をしたことがあるのですが、そこで私は出てきたアイディアについて自ら進んで簡単なサンプルを作ってみました。時には考え方を工夫することも大事であるということを学びました。この経験を今後の仕事でも役立てて生きたいと考えています。」
よくない点
- エピソードの具体性が足りないため、この人が「工夫」をした理由がない
- エピソードの結果が書かれていない
- 結果が無いので、学んだことに根拠が無い
- 学んだことに根拠が無いので、文章の流れが切れてしまっている
全体として、「性格」~「エピソード」~「学んだこと・結論」という流れをとっていますし、主張も「工夫する性格」というひとつに絞ってはいるのですが、全体的に根拠が無く、ひとりよがりな印象をうけます。「工夫すること」はプラスイメージのはずですが、この文章ですと勝手に動いているだけの人とも取られかねません。フォローが無いので長所が短所に見えてしまっているのです。
改善した例文
あえて「よくない例文」としてあげさせていただきました文章を、添削してみました。どうでしょう、見比べてみて、どちらのほうが意欲を感じると思いますでしょうか。
「私は進んで工夫をする性格です。5人チームで○○○向けの△△△の商品企画をしたことがあるのですが、会議ではいくつかアイディアがでた所で詰まってしまい、期限が近づくなか切迫していました。そこで私はアイディアのサンプルを作ってみました。紙で作った簡単なものでしたが、イメージが形となって議論が活発となり、無事納期にも間に合いました。時には考え方を工夫することも大事であるということを学びました。この経験を今後の仕事でも役立てて生きたいと考えています。」
改善点
- エピソードの状況を具体的にした
- エピソードの結果を書き加えた
「性格」~「エピソード」~「学んだこと・結論」という流れだけでなく、エピソードの状況・結果も重要となってきます。「工夫する性格」という主張や素材は一緒で、つまりこの人の「人となり」に問題はないのですが、書き方ひとつで印象が変わってくるのです。「考え方の工夫をして良かった」と確信したので、学んだことにもつながりが生まれていますし、全体的にまるくおさまったよい文章となっています。物語を書くわけではないので、良い話を書くということではないのですが、ポジティブな文章にすることで、文章全体にこの人の魅力を印象づけることができます。
あくまで例文ですので参考程度としてもらうのがよいと思います。採用担当者の感じ方もそれぞれで、これが必ず正解というわけではなくひとつの方法論に過ぎないのですが、自己PRの書き方にお悩みの方の助け舟として、ぜひご参考にして頂ければと思います。