人気のハウスメーカーへの就職、志望動機で差をつけたい!
ハウスメーカーといえば、就活生たちの中でも特に人気の高い業界で、その企業の知名度も高いことから毎年多くの学生が志望しています。
ハウスメーカーは各社が特徴ある商品を提供している中、中堅ビルダーや地域の工務店などとの競争が常にあり、また人口が減少していき、空き家が増えると言われているため、より優秀な人材の獲得は至上命題となっています。
人気のハウスメーカーに就職したい人は、志望動機で企業側に一目置かれることができれば、内定の確率がグッと高まります。どのような志望動機が良いのか考えてみましょう。
ハウスメーカーはどんな仕事?
まず、ハウスメーカーとは何か、ハウスメーカーはどんなことをしているのか、ハウスメーカーの仕事について理解しましょう。
ハウスメーカーは基本的に大手の住宅メーカーを指す
ハウスメーカーの定義が明確に決まっているわけではありませんが、多くの場合は、積水ハウス、セキスイハイム、大和ハウス工業、パナソニックホームズ、ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)、ミサワホーム、住友林業・三井ホーム、一条工務店、タマホームあたりの大手の住宅メーカーを指します。
特徴としては、全国展開をしているだけでなく、自社で住宅商品を研究・開発し続けながら販売しているということです。単純に規模や店舗数だけでハウスメーカーになるのではありません。
ハウスメーカーは家を建てるための調整が仕事
ハウスメーカーの仕事の範囲は企業によって異なります。住宅を設計したり、住宅を販売したり、建築のための手はずを整えたりするのが仕事です。実際の施工作業はいわゆる「大工さん」の管轄で、下請けの工務店などに依頼することが多いです。家を建てるための調整が主な仕事です。
なお、建物を建築して販売したり賃貸に出したり、またビルなどでテナントを集めたりするのはデベロッパーと呼ばれるもので、同じく不動産を扱いますがハウスメーカーとは別物になります。
ハウスメーカーの仕事は他にももっとある
ハウスメーカーの仕事は非常に様々なものがあります。事務所での営業活動をイメージする人が多いかもしれませんが、建材や工法を開発するための技術職や、工場で様々なパーツの生産に取り組む仕事、設計を行う仕事、事務所の事務職や、モデルルームなどの企画を考える企画職、営業職など様々なものがあります。また、FC展開しているハウスメーカーでは、スーパーバイザーや加盟店開拓・管理などの仕事もあります。仕事を具体的にイメージしながら志望動機を作りましょう。
ハウスメーカーの業界知識は必要?
就職活動のために、住宅業界についての本を読んでみると、様々な業界知識が書かれてあります。そのため、業界知識がないと難しいのではないかと思い、頑張って工法や法律などを覚えようとしている人も多いかもしれません。
しかし、ハウスメーカーの業界知識は必須知識ということではありません。就職することになれば、当然身に着けることを要求される知識ではありますが、就活ではそこまで求められることはありません。
ただし、こうした業界知識なしには各社の違いや戦略などについて理解するのが難しいため、ある程度は目を通しておく必要があります。家の作り方や商品特性などが全く違う場合もありますので、特に営業職を志望する人は各社の違いを理解するよう頑張りましょう。
ハウスメーカーの志望動機の例文
それでは、ハウスメーカーの志望動機の例文を見てみましょう。営業職のダメな例と良い例、事務職のケースを例にとり紹介していきます。
ハウスメーカーの志望動機:ダメな例
ハウスメーカーの志望動機(営業職)
私は、幼い頃に自宅を建築する大工の姿を見て、ずっと家づくりに関心がありました。貴社を志望したのは、貴社の家づくりの考えに共感したからです。
住宅づくりは、広く大きな家、立派な家を作りたいという人もいますが、ライフスタイルや年齢によっては家は狭くても良いという人もいます。それぞれの生活に合わせた家屋を提供するという貴社の考え方に、私もそうだと思いました。
御社は特に都市部に強いという特徴があり、独自の建設技術に自信のある企業です。営業をするものにとって、独自の技術があることが心強いのは間違いなく、ぜひとも御社で働いてみたいと思いました。よろしくお願いします。
営業職の例ですが、この例はあまり良い例ではありません。
冒頭の志望動機については問題はありませんが、続く内容には具体性が乏しいのが残念なところです。「家づくりの考えに共感」したのは良いのですが、その考えが「それぞれの生活に合わせた家屋を提供する」という部分で、これは今の住宅業界全般で言われていることですので、そのハウスメーカーの志望動機としては弱いです。
また、「都市部に強い」「独自の建設技術」という表現もありますが、それが結局は営業をする上で心強いという、営業サイドの視点となっていることも、新卒の志望動機としてはふさわしくありません。
「家づくりを通し、自分がどのような価値を顧客に提供したいのか」という観点があると、より深い志望動機となるでしょう。
ハウスメーカーの志望動機:良い例
ハウスメーカーの志望動機(営業職)
私は、幼い頃に自宅を建築する大工の姿を見て、ずっと家づくりに関心がありました。貴社を志望したのは、貴社の家づくりの考えに共感したからです。
貴社では、「暮らしに合わせて変化する家」というコンセプトの商品を提案していますが、他社にはないコンセプトで素晴らしいと思いました。ライフスタイルの変化によって、従来のように広く大きな家がよいという考えの人が少なくなってきています。環境への配慮や、顧客ニーズに合わせた住宅づくりを目指す貴社の姿勢に大変共感しています。
貴社は都市部に強く、独自の住宅建設技術を持っている企業としても魅力的に感じています。私は、使えば使うほどあたたかみや味わいの出る木造住宅が好きですが、都市部では圧倒的に鉄骨造りやコンクリートの住宅ばかりなのを残念に思っています。御社の木造住宅は高層階にも対応し、都市部でも木造住宅の良さを感じてもらえるので、ぜひこの商品を広めて都市部の住宅地をあたたかみのある雰囲気にしていきたいと思います。よろしくお願いします。
この例は、先ほどの例と大筋は一緒ですが、より具体的な内容に踏み込んで説明することで志望動機を強く裏付けるものとなっています。
共感している家づくりの考え方として、「暮らしに合わせて変化する家」と住宅商品のコンセプトを持ち出し、また「環境への配慮」や「顧客ニーズに合わせた住宅づくり」という会社の姿勢を挙げて明確にしています。
また、都市部に強いことや独自の住宅建設技術があるという点でも「木造で高層階にも対応」という技術上のウリとなる部分を述べることによって、しっかり企業研究をしてきていることを伺わせています。しっかりした企業研究が、具体的で熱意ある志望動機を作るといういい例です。
ハウスメーカーの志望動機(事務職)
ハウスメーカーの志望動機(事務職)
私は、生活に関わる職場で働きたいと思い、御社を志望するようになりました。
住宅は私たちにとって身近すぎて、その価値があまりよくわからないものです。外部の様々な環境から家族を守り、財を蓄える場でもあり、家族が年を重ねながら成長したり、多くの経験や思い出を蓄えていく大切な場所でもあります。中学生のとき、夏休みの自由研究で住宅の機能について研究して以来、ずっと住宅業界が気になっていました。
大切な場所を任されるハウスメーカーは、大きな期待と責任を任される重要な仕事だと思っています。事務作業のひとつひとつも、顧客の顔を考えながら、期待と責任を背負って行うべき大事な仕事ですし、現場を裏から支える重要な仕事です。就活の中で貴社の応対やスタッフの雰囲気に惹かれ、ここで働きたいと思いました。どうぞよろしくお願いします。
ハウスメーカーでも事務職(一般職)を募集していることがありますが、その場合も志望動機は求められます。
事務職の場合は、事務の仕事を通して何がしたいのかを具体的にイメージしながら志望動機を作ることが大切です。ここでは「顧客の顔を考えながら期待と責任を背負って」と仕事の姿勢について考えていますし「現場を裏から支える重要な仕事」として事務職を単純な作業ではなく、価値あるものと考えています。
企業を選んだ理由については、業界知識がある場合はその企業の特徴やサービスに触れても良いと思いますが、ない場合は単純にスタッフが良かったと言うのもひとつの方法で、暗に「社員の雰囲気が合っている」ことを示すことにつながります。
ハウスメーカーの志望動機で資格の話はしても良いの?
学生のうちに宅地建物取引主任者(宅建)やインテリアコーディネーターなどの資格を取得し、それを志望動機の中でアピールする人もいます。資格があることによって手当がつく会社も多く、会社側としても住宅業界に関する興味や知識があることがわかります。
しかし、あくまで志望動機はハウスメーカーである企業に対する志望動機です。どうして資格を取得にするに至ったのかという話は本題から逸れていますし、また資格を勉強して興味を持ったという内容だとそもそもどうしてその資格を取得したのかわからなくなってしまいます。
資格の話をすることがタブーということではありませんが、資格取得については業界に興味があるから勉強して取得したという記載に留めた方が無難です。しっかり志望動機を作ったうえで、プラスアルファにするなら強力な武器になるでしょう。
ハウスメーカーの志望動機を書く時はこんなところに気をつけよう
ただいいエピソードを書いただけでは魅力的な志望動機にはなりません。ハウスメーカーの志望動機に関しての注意点を紹介します。
曖昧な内容が多い
ハウスメーカーで取り扱っている商品やサービスは、一般の人から見ればあまり違いがわからないものです。だからと言って、曖昧な内容で企業のことを語らないように注意しましょう。「御社は木造住宅に強みがありますが」と言っても、木造住宅に強いメーカーはたくさんあります。違いをしっかり理解していることがわかるよう、具体的な説明がアピールには必要です。
熱意がない
ハウスメーカーの商品というのは非常に高額な商品です。そのため、「売れても売れなくても良い」という雰囲気で営業したらほとんど売れません。書類上でも面接でも、自分の伝えたいことをしっかり伝える熱意をもって表現することが大切です。熱意がない志望動機は、まず伝わりません。
他社の批判はしない
志望する企業をアピールしようとするあまり、他社のことを批判するのはよくありません。批判的な人だという悪い印象を与えてしまいかねないからです。特に営業職を希望する人は、肯定的な話し方をすることが大事です。
ハウスメーカーの志望動機作成のポイント
志望動機を書く時は、以下のポイントを踏まえて書くといい志望動機になります。ハウスメーカーの志望動機作成のポイントを紹介します。
結論を先にする
ビジネスシーンで作成する書類はすべて、結論を先に書くのがマナーです。最初に結論を書くことによって、相手に要点が伝わりやすくなるからです。話すときも同様で、まずは質問に対する回答を先に述べ、その後に裏付けとなる話などを入れるようにしましょう。
どうして住宅業界なのか
現在、新卒者の離職率はどの業界でも高くなっており、住宅業界でも例外ではありません。業界に対して興味が無ければ、ちょっと大変なことがあると辞めてしまわないか採用担当者は心配します。どうして住宅業界への就職を志望するのかその理由をしっかり述べましょう。
どうしてそのハウスメーカーを選んだのか
同じ業界にはたくさんの企業があり、優秀な人材を獲得するための競争が行われています。そのため、そのハウスメーカーを選んだ明確な理由がなければ、他社に取られてしまう可能性があると企業側は心配します。どうしてそのハウスメーカーを選んだのか、企業のユニークな特色と合致した理由を述べましょう。
自分のアピールを入れる
多くの学生が志望するハウスメーカーでは、ただ志望動機を述べるだけでは多くの志望者の中に埋没してしまいます。自分にしかないアピールを入れることで、企業側に自分を印象づけることができます。ただし、あくまで志望動機ですので、過剰なアピールは本題から逸れますので注意してください。
ハウスメーカーの志望動機は、具体性が勝負を分ける
ハウスメーカーは、お客様の住まいを創り上げることをミッションとしています。そのため、ハウスメーカーに入社したいと思う理由や、自分がハウスメーカーで働くことで何を実現したいのかを具体的に伝えることが求められます。
例えば、自分自身が住宅に興味があり、その中でもハウスメーカーの提供する住まいに魅力を感じているという場合は、なぜそのハウスメーカーに魅力を感じるのか、何が特に魅力的だと感じたのかを具体的に述べることが大切です。
また、ハウスメーカーに入社することで、自分自身がどのように成長し、何を実現したいのかを明確に伝えることも重要です。例えば、お客様の要望に応えるためにコミュニケーション能力を磨く、デザインや機能性の向上に取り組み、より良い住まいを提供するために技術力を高めるといった目標を持っている場合は、それを具体的に述べることが大切です。
具体性を持って志望動機を述べることで、ハウスメーカーの求める人物像に合致していることをアピールできるだけでなく、面接官に自分自身の魅力を伝えることができます。