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自己PRでコミュニケーション能力の高さを思わせるポイント

自己PRでコミュニケーション能力があることを題材にするのは、企業のニーズを考えても適当なことです。しかし、曖昧な内容を多く含むため、きちんと絞り込んで考えないと効果的なアピールになりません。自己PRでコミュニケーション能力の高さをアピールする時の作成のコツを紹介します。

就活の自己PRで評価される「コミュニケーション能力」

就職活動中の学生にとって、自己PRは慣れていないこともあり難しく感じることもあります。企業を対象にした多くの調査において、採用で学生に期待する能力として「コミュニケーション能力」が挙げられているため、学生の中にはコミュニケーションの能力の高さを自分のアピールポイントにする人も多くなっています。

しかし、学生の考えるコミュニケーション能力と企業の考えるコミュニケーション能力は違います。アピールのポイントをしっかり絞り込み、効果的な自己PRにするための方法について考えていきましょう。

自己PRでは「コミュニケーション能力」に関する曖昧さをなくす

就活の際に企業に出す履歴書やエントリーシートに書く自己PRで、コミュニケーション能力をアピールする際に、どんなものなのかを正確に理解しておく必要があります。コミュニケーション能力に限りませんが、具体的でない曖昧な概念ほど、アピールはしやすいですが聞き手が抱く印象が、話し手の狙いと大きく離れてしまうものです。

まず、自分の伝えたいコミュニケーション能力を他の言葉で言い換えてみましょう。「プレゼンテーションが上手」「話をよく聞くことができる」「言いにくいことを上手に伝えることができる」などなど、様々なコミュニケーションの形が見えてくると思います。コミュニケーション能力というのは非常に多岐に渡りますから、曖昧にしているとエピソードやアピールも曖昧で、今ひとつ真実味のないものになってしまいますので注意しましょう。

なお、「コミュニケーション」は英語では「communication」と書きます。言葉にする時に「コミニュケーション」と言ってしまう人も多いのですが、細かいところまで注意しておきましょう。

学生が考えるコミュニケーション能力と企業が求めるコミュニケーション能力の違い

就職活動で「コミュニケーション能力をアピールすると失敗する」という話もありますが、多くの場合、その理由は学生の考えているコミュニケーション能力と企業の求めているコミュニケーション能力との間に乖離があるためです。

学生の考えるコミュニケーション能力は「コミュ力」としばしば略され、主には話上手だったり、友達を作る能力やその場の会話を盛り上げる能力・技術などを指しています。こうした力があるのが好ましいことは間違いありませんが、企業で求めているコミュニケーション能力とは少し異なります。

企業で重視されているコミュニケーション能力とは、まず第一に「相手の話を正確に聞き取り理解する力」です。特に最近は営業でもヒアリングやコンサルティングが大事になっているため、相手のニーズやウォンツを正しく理解できる人材が求められています。そして「相手の立場で必要な提案をする力」が求められています。つまり提案力です。ビジネス上のキャッチボールを正確に行う能力がまず求められていますので、その点に注意してアピールするのがコツです。

チームワークを大事にし、周囲と仲良くできるということは決して簡単なことではありませんが、社会で働く以上は前提の能力として考えられていますので、特別にアピールするようなものではありません。

コミュニケーションをアピールする自己PR例文

自己PRでコミュニケーションをアピールする時は、企業側の視点に立って考えることが大切です。コミュニケーションについてアピールする自己PRの例文を見ながら、細かい点を確認しましょう。

コミュニケーションをアピールする自己PR例文1

私は相手の年齢と関係無く、気持ちの良いやり取りをするのが得意です。

大学生のときイベントサークルで合宿などの施設手配を常に担当していましたが、やり取りを密に行う中で施設の方との信頼関係を作っていくことができました。電話をかける時も先方の忙しい時間に重ならないよう、時間帯などに気を遣うよう常に心がけました。ある時は、合宿先に到着したら施設の方に「イメージ通りの好青年」と言っていただき、一日の最後に物品の返却に職員の部屋に伺った際には「一緒に軽く飲みましょう」と誘っていただけるほど打ち解けた関係が作れたこともありました。

特別なことをしている実感はありませんが、相手の立場をいつも考えてコミュニケーションをすることを大切にして社会でも活躍していきたいです。営業職を志望していますので、相手の話を聞きながらよくニーズを把握してコミュニケーションしていきたいです。よろしくお願いいたします。

コミュニケーションをアピールした例文1の自己PRですが、コミュニケーション能力を「相手の年齢と関係なく、気持ちの良いやり取りをするのが得意」と言い換えています。

エピソードの内容からは施設先の方との関係性を上手に作れたという様子が伺えますが、冒頭のアピール内容に沿っていくなら、施設の方がどのくらいの年代の方なのかも表記があると良いでしょう。また、「イメージ通りの好青年」がどういった部分からイメージされていた評価なのかも読み取りにくいため、もう少し内容がスッと入ってくるよう整理してみましょう。

「特別なことをしている実感はありませんが」などの謙遜したコメントは自己PRでは不要ですのでカットして、その分を細かい説明に割いた方が効果的です。また、最後の締めの部分が冒頭の内容と距離があるように感じられますので、「気持ちの良いやり取り」の具体的なビジョンがあると良いと思います。

コミュニケーションをアピールする自己PR例文2

私は「相手の立場に立って考える」ことをいつも意識しています。

アパレルのお店でスタッフをしていましたが、割と価格帯が高いお店だったので、じっくりと商品を見て、試着してから購入する方が多かったです。アルバイトを始めた頃は、とにかく売りたいと思って商品の良さを積極的に紹介していたのですがうまく行かず、ある時先輩のアドバイスもあり、お客様の希望を聞き出して必要な部分だけアピールするように接客方法を変えました。自分の知識をアピールするのではなく、「相手の立場で考えて購入をサポートしよう」と考えを大きく変えるようになりました。

接客方法を変えてみると、今までと販売成績がまるで違って伸びるようになり、特に年配のお客様の購入が増え、売れた商品の単価が上がりました。相手が望む情報がわかってくると、提案の仕方もより効果的で、またお客様の満足度も高まることがわかりました。

この経験を活かし、社会でも常に相手の立場になって考えて営業をしていきたいと思います。よろしくお願いします。

例文2は、コミュニケーションを「相手の立場に立って考える」とした自己PRです。

一方的な提案から、「相手に必要な情報を与えて購入をサポートするという形に変えたらうまくいった」ということですが、これはビジネスシーンでも応用が利きそうな内容で高く評価されるでしょう。社会でもこうした営業をしたいというのもわかりやすくて良いです。

冒頭は「相手の立場に立って考える」ことを「いつも意識している」となっていますが、「いつも意識している」という内容がエピソードからは伺えないので、一言でも良いので補足になる内容があると良いでしょう。

コミュニケーションをアピールする自己PR例文3

私は「コミュニケーション能力が高い」人です。

親が転勤族だったこともあり、小学校で2度、中学で1度転校し、その都度友達を新しく作っていく必要がありました。私は転校を重ねる中で、いつも誰と友達になりたいかクラスの様子を見ながら考え、友達になりたい人に近づく方法をいつも考えていました。どんな話題が多いのか、部活動は何か、学校生活への取り組み方などいろんな点を調べ、合わせられるように準備したりしました。1~2ヶ月もすると、希望通りのグループの輪の中に入ることができ、楽しい学生時代を過ごすことができました。

コミュニケーションは即興でできることも大事ですが、準備も大事だと思っています。社会では重要なコミュニケーションも多いと思いますので、相手についてしっかり調べ、できる準備をしてからコミュニケーションを取っていきたいと思っています。よろしくお願いします。

学生が就活の自己PRで「コミュニケーション能力が高い」とアピールする場合には、この例文3のような内容になることが多いです。

友達をどこでも作ってこられたという経験は素晴らしいものですが、ビジネスの場は友達を作る場ではないため、それがアピールとして効果的かはよく検討が必要です。この例では、友達を作るために戦略的に準備している様子が描かれていますが、「コミュニケーション能力」というよりは「計画性や戦略性がある」という表現の方がしっくり来ると思います。こうした準備を考えて実行してきたことは評価されますが、コミュニケーション能力が高いかはこのエピソードからは伝わらないでしょう。

このように、アピールしたいコミュニケーション能力が曖昧になっていると、より良いアピールが可能なのにできないこともありますので注意しましょう。

コミュニケーション能力を自己PRでアピールする時の注意点

コミュニケーション能力は相手に伝わりにくい曖昧な表現になりがちなテーマです。コミュニケーション能力をアピールする時の注意点を確認しましょう。

質問や設問に答えている内容になっているか

コミュニケーション能力があることをアピールするのは良いことですが、質問や設問に正しく答えられているか必ず確認してください。「自由にあなたをPRしてください(300文字)」とある場合に、たとえばイラストで回答したり、箇条書きで100文字程度書いて終わっている人が時々見られます。コミュニケーション能力があると言いながらも、相手が言外に伝えていることを読み取れないなら評価されることはありません。

コミュニケーションをとった相手のことが書かれているか

コミュニケーションというのは双方向の言葉や意志、情報のやり取りです。しかし、一方的に伝えるのが上手なことをコミュニケーションが上手なことだと思っている場合もあります。「双方向」というのは相手がいるということですので、エピソードではコミュニケーションをとった相手について必ず触れるようにしてください。

面接では面接官からの質問を聞く姿勢に気を配ることも忘れない

面接で自己PRを求められることもありますが、その場合は話すことだけでいっぱいいっぱいにならないように注意しましょう。相手の反応を見ながら、用意してきた内容を補足したり、また話す速度などにも気を遣う必要があります。加えて、内容について質問をされるケースがありますが、その場合の聞き方などにも注意を払う必要があります。コミュニケーションが得意だと感じさせるには、話すだけでなく聞くことも大切です。

自己PRでコミュニケーション能力をアピールする時のポイント

自分にコミュニケーション能力があることをうまく伝えるには、ちょっとしたコツがあります。自己PRでコミュニケーション能力をアピールする時のポイントについて紹介します。

結論から先に伝える

自己PRに限らず、ビジネスシーンでは質問に対する回答は最初に結論を伝えるようにします。結論から先に伝えることによって、答えが明確になります。その後に続くエピソードでその内容を深めるようにします。

コミュニケーション能力があるとは言わない

自己PRとして「コミュニケーション能力がある」は言うのは曖昧ですので、別の表現を用いるようにしましょう。面接やエントリーシートの内容などを踏まえ、最終的にコミュニケーション能力があるかないかを判断するのは企業の採用担当者です。

「コミュニケーションが上手」エピソードは具体的に書く

アピールの中で紹介するエピソードは、なるべく具体的な内容にすることを心がけましょう。特にコミュニケーションが上手であることを示すためには、状況や相手に関する描写が必要不可欠です。簡潔に伝えようとしすぎると、問題と結果だけを伝えて終わってしまいますが、そこから本当にコミュニケーション能力が読み取れるかに注意して見直してみましょう。

持ち前のコミュニケーション能力とビジネスと結びつけて書く

コミュニケーションが得意というだけでは、企業で採用はしてくれません。そのコミュニケーション能力が実際にビジネスで活かされるイメージが大切になります。コミュニケーション能力によって問題解決ができたというエピソードが最も効果的なアピールになり、ビジネスに結びつきやすいです。

自己PRではポリシーを語るのも一つの方法

自己PRにおける一般的なテクニックですが、自己PRでは話のテーマに沿った内容であれば、自分のポリシー(信念、考え方)について一言触れるのも良い方法です。

エピソードにおいて語られる内容は一時的なものですが、自分のポリシーに関する内容が入ることで一時的な成功や考え方ではなく、常に意識していることが伝わります。「言いたいことはぐっとこらえて、まずは相手の話を引き出すことを心がけている」「大事な交渉、話し合いの前には必ず内容を文字にして準備している」など、自分のポリシーをしっかり語ることができれば、行動だけでなく考え方も評価してもらえます。文字数に余裕がある時のテクニックとして覚えておくと良いでしょう。

自己PRでコミュニケーション力について話す際は具体性を大切に!

自己PRでコミュニケーション力について話す際には、具体的な事例や経験を交えて話すことが大切です。例えば、過去に共同作業でチームリーダーを務めた経験や、難しい問題を解決するためにチームメンバーとの円滑なコミュニケーションを取った事例、または社内外の人々との積極的な交流やボランティア活動などもアピールすることができます。

また、自己PRの文章や話し方においても、明確で分かりやすく自己表現することが大切です。相手の話に耳を傾け、適切な質問やフィードバックを返すことも、自分のコミュニケーション能力をアピールする上で重要なポイントです。

最後に、自己PRでコミュニケーション力をアピールする際には、相手にどのようなメリットや価値を提供することができるかも示すことが大切です。例えば、自分のコミュニケーション力によって、チーム全体の生産性やプロジェクトの成功に貢献できるといった点を具体的にアピールすることで、相手に自分のコミュニケーション力の重要性を認識させることができます。