応募準備

IT業界の志望動機はやりたいことを絞り込んで書こう

IT業界の志望動機というと簡単に書けそうなものですが、論理性が高い業界の特徴を理解しているかどうかなど、離職率を下げるために採用試験で厳しいチェックが行われます。IT業界を志望する就活生は志望先企業の特徴を把握し、マッチングを意識した書き方で志望動機を作成していく必要があります。

IT業界の志望動機の上手な書き方

IT技術者が不足していると言われる中、インターネットや対応するデバイスが幼い頃から身近にあったデジタルネイティブ世代が就職する時期に入ってきています。それに伴いIT関連への関心がある人も増えています。

就職活動において先進的な業界のイメージを持たれることの多いIT業界は、志望動機も比較的書きやすい業界のように思われがちです。

しかし、IT業界は離職率が高く、企業側も採用段階から応募者を細かくチェックして、できるだけ採用後の離職を減らそうと努力をしています。応募者側も、IT業界の特性をしっかりと理解した志望動機の作成が望まれます。

志望動機を書く前にイメージしたいIT業界の特徴

IT業界の志望動機を書くためには、IT業界を知ることが大切です。対象をしっかり把握していてこそ効果的なアピールもできますので、まずはイメージの食い違いがないか確認してみましょう。

1 IT業界と言っても実は幅広い業務がある

IT業界と一言で言っても、高度なシステムを開発するような企業もあれば、ITを利用したシステムを販売するだけの販促会社もありますし、Excelなどのソフト内で利用するためのマクロを作ることに特化した会社もあります。

また、パソコンだけでなく、電話、通信ネットワーク、コピー機はもちろん、今や多くのものがITと関わっています。非常に幅広い分野に商品やサービスを提供していますので、可能な限り細分化して考えることが大切です。

2 IT業界は新卒なら求人と経験はあまり関係ない

IT業界は専門的な技術や知識が必要な業界ということで、未経験者としては尻込みしてしまいがちです。

もちろん、専門的な知識や技術があれば良いには良いですが、特殊な分野を除き、新卒では専門知識や技術は絶対必要ということはありません

プログラムひとつにしろ、会社によって書き方が決まっているため、自分のクセがあるプログラミングができるよりも、ゼロから学べる人の方が会社にとっては良いコードを書ける可能性もあります。

また、中途採用だとしても未経験を募集しているところもあるくらいですので、イメージされているほど経験者が有利ということはありません

3 IT業界は常に勉強が必要な業界である

IT業界は常に先進的な取り組みが行われている業界であり、また腕時計や万歩計などインターネットに接続できる様々な生活用品(IoT)に代表されるように分野の裾野を超えた技術の連携が行われていることも特徴となっています。そのため、現在の知識に満足せず、常に新しい知識を取り入れるための勉強が必要な業界です。

厳しいことを言えば、自分の得意としている技術が陳腐化してしまう可能性もあり、常にいくつかの分野に対応できることが望まれます。

4 IT業界と言えど大事なのはコミュニケーション能力

IT業界というとITに関する知識があることが大事だと考えている人が多いのですが、より大切なのはむしろコミュニケーション能力です。

情報伝達を正確にして、複数人で手分けしてひとつのものを作り上げることが大切となりますので、そのためのコミュニケーション能力やルールに関する理解力などが問われます。

また、IT業界において何より大事なのが顧客折衝です。顧客の意向を正しく聞き出し、汲み取り、業務に反映させることが必要となってきます。書類の読み書きに要する時間も長いため、文書でのコミュニケーション能力も大切です。

IT業界の志望動機作成のポイント

IT業界のイメージが頭に浮かんできたら、次はIT業界の志望動機の書き方のポイントを整理してみましょう。

1 論理的に穴がない志望動機にする

ITの世界には論理的な人が多いです。そのため、しっかりと論理的に穴の無い志望動機を作る必要があります

「昔からパソコンが好きで御社に興味を持ち志望しました」という志望動機なら、「パソコンにも様々なメーカーがある中でどうして弊社を選んだのですか?」と再質問されてしまいます。誰でも聞いて納得できるような根拠のある志望動機を作ることが大切です。

2 IT業界の中でもやりたいことを絞りこむ

IT業界は非常に幅広い分野にまたがっており、しっかりと自分の希望する分野や仕事を絞り込んでいかないと、興味の対象がハッキリしません。

「プログラミングに興味があって御社を選びました」では、何をしたいのかがハッキリしません。プログラミングひとつにしても、ソフト開発や組み込み、Webアプリ開発など様々なものがあります。しっかり分野ややりたいことを絞り込み、志望する企業の商品・サービスと合わせていくことが大切です。

3 生半可にIT業界に飛び交う専門用語を使わない

話を理解する上では用語を知っていることは大切ですが、いざ使う側になると理解の中途半端さが目立ち、かえって伝えたいことが伝わらない可能性があります。

「ITを広く見て携わることができる上流工程に取り組んでいきたいです」と説明しても、「上流工程」は「顧客との打ち合わせ」「システムの設計」「要件定義」など、多くの部分を含みますので、かえって何がしたいのかわからないと感じさせてしまいます。

ITに関する知識を見せようと専門用語を使う人も多いですが、専門用語は志望動機の中ではあまり使わない方が良いでしょう。

4 志望動機は経験から語る

IT業界に限ったことではありませんが、志望動機は自分の経験をもとにしたエピソードがあると説得力が増します

「大学の授業で、実験結果を分析するためのプログラムを作成し、計算の正確さとスピードに感激して、業務改善のためのソフトウェア開発に強い興味を抱いた」というようなエピソードなら、真実味もありますし、また同じ業界で働いている人としても嬉しく感じるでしょう。

IT業界への志望動機の例文

IT業界への志望動機の例文を挙げていきます。実際に自分で作成する際の参考にしてみてください。

新卒者のIT業界の志望動機

IT業界への志望動機(新卒の場合)

御社の開発している●●スケジューラーのアプリを私は大学4年間にわたって使ってきましたが、他のアプリよりもずっとインターフェイスが使いやすくとても気に入っています。

御社の開発しているWebアプリは、どれもユーザーの使いやすさに配慮したアプリであり、私もこのようなアプリを開発できるアプリ技術者になりたいと思い、御社を志望するようになりました。

大学時代の専攻は心理学でしたので、アプリ開発については知識がなく現在eラーニングで勉強を始めたところですが、必ずや追い付いて、御社の戦力になりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

自分もアプリ開発をしたいという気持ちがストレートに表現されています。志望する企業の商品・サービスを実際に使ったことがあるというのは強い動機になります。

また、「自分で勉強する」という行動特性は、IT業界で生き抜くためには必須とも言えるものです。未経験者であることは教育に余裕のない企業ではNGとなる可能性もありますが、自分でも勉強しているという点はプラス評価になります。

履歴書の志望動機は未経験の場合どう書く?コツと参考例文

中途採用者のIT業界の志望動機

IT業界への志望動機(中途の場合)

私は前職で保険の営業をしており、営業のためのSFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)などに大変助けられたと感じています。

今回も同じ営業畑での就職を希望しているのですが、今までの仕事の中で多く活用してきたIT分野の営業は、より実感をもって営業活動ができるのではないかと思い、業界は違いますが挑戦してみたいと思いました。

御社は多くの業務支援用システムを取り扱っており、私もいくつかの商品は実際に使ったこともありますので、ユーザー目線の営業ができるのではと考えております。

ITに関する知識はまだまだ不足しておりますが、先輩方のご指導ご鞭撻を仰ぎつつ、様々な業界で培った営業ノウハウを武器に御社に貢献していきたく存じます。よろしくお願いします。

中途採用でIT業界へ志望した場合の志望動機です。こちらはIT業界の営業職ということで、基本的には営業スキルがあれば問題がないのですが、「なぜあえて別の業界に飛び込んだのか」という疑問に先回りして回答する形になっています。

入社後もしっかりとIT知識を学んでいきたい姿勢も見せており、他の業界で培われたスキルにも期待できます。

営業職の志望動機の書き方アピールポイントは3つ

IT業界の志望動機は志望企業とのマッチングに注意

IT業界の志望動機を書く際には、自分自身が持っているスキルや経験と、志望企業の事業内容や文化についてよく考え、そのマッチングについて注意することが重要です。自己分析と企業分析を踏まえ、以下の点をアピールすると良いでしょう。

自分自身が持っているスキルや経験が、その企業の業務やプロジェクトにどのように貢献できるか具体的に述べることで、企業側に自分のアピールポイントを伝えることができます。また、志望する企業の理念や価値観、取り組みに共感していることを具体的に表現することで、企業とのマッチングをアピールすることができます。さらに、その企業で働くことによって、自分自身が成長できると考えていることを、過去の経験やスキルアップに関する事例を交えて説明することが重要です。