販売職の志望動機の書き方で人事の心を掴む7つのポイント
販売職の志望動機はありきたりな内容や学生がアルバイトに応募するようなものになってしまうことも多いもの。社会人として販売職を志望するなら、どういったポイントに気を付けながら志望動機を練るべきなのでしょうか。応募する前にいま一度、重要なポイントや例文を確認してみましょう。
販売職の志望動機作成はアルバイトと同じではダメ
就職活動では面接やエントリーシートなどで志望動機を必ずと言っていいほど聞かれますが、販売職の場合は特に注意が必要です。販売の仕事は、学生でもアルバイトで多く経験することができますが、そのためにアルバイトに応募する場合と同様に考えて志望動機を表現してしまうことが多いのです。
就職はアルバイトと違い、長期にわたって仕事をすることや責任のある立場で働くことを意味しますので、アルバイトに応募するレベルの志望動機では内定をもらうのも難しくなります。
販売職ならではの志望動機の書き方について考えてみましょう。
志望動機を書く前に考えたい販売職の特徴
販売職は誰にでも出来そうとたかをくくらないようにしてください。販売職の志望動機を考える前に、販売職がどういった仕事なのか特徴を理解しておきましょう。
1 直接的に消費者に接することができる
販売職の最大の特徴は、直接的に消費者に接して、その反応を知ることができることにあります。クレームも時には言われますが、直接感謝の言葉をいただいたり、商品やサービスを購入して喜んでいる姿を見ることができるのがやりがいだという人が多いです。
2 販売を通じて人間性が活かされる仕事である
販売職は多くの人に接しながら商品を販売する仕事ですので、良い印象を与えたり、負担のない提案をしたり、さりげない気遣いやサービスなどが求められる仕事です。性格やマナー、雰囲気など人間性が問われる部分が大きく、それだけに魅力ある人も多い職種です。
3 販売したい多くの商品・サービスがある仕事である
販売職と一言で言っても、アパレルから健康食品、化粧品にIT機器など、販売する商品や内容は多岐に渡ります。
企業によって取り扱う商品も様々です。「販売の仕事が好きで」というだけでは特定の企業に応募する理由にならないため気を付ける必要があります。
販売職の志望動機の上手な書き方7つ
販売職の特徴を理解したら、販売職の志望動機を上手に書くためのポイントや注意点もチェックしておきましょう。
1 販売職への興味や気持ちを伝える
販売職では、販売の仕事そのものが好きであるという人が多いです。アルバイトではなく社員の立場になれば、売上や店舗の成績にも一定の責任を負うようになります。
そのため、販売の仕事が好きで自発的に創意工夫ができる人でなければ長続きしません。「好きこそ物の上手なれ」とも言いますが、まずは販売の仕事が好きであるということを伝えることが大切です。
2 どうしてその会社を選んだのかを明確にする
学生のアルバイトでも多くの販売の仕事がありますが、アルバイトなら「人が好きで多くの人に接することができる」「昔から販売の仕事に憧れがあって」などの理由でも通用します。
しかし、販売が好きなだけならどの会社でも良いことになりますから、社員としての就職を考えるなら、その会社を選んだ理由が明確でなければなりません。
商品やサービス、社風や理念など、「その会社にしかない」ものを探してエピソードの中に盛り込むことで、数ある会社から選んだ理由が明確になります。
3 販売職を志したエピソードはできるだけ具体的に書く
志望動機を示すためのエピソードを作成する際には、具体的になるように意識しましょう。具体的というのは、「採用担当者がそのエピソードを聞いて共感することができる程度」と考えると良いでしょう。
実際にあった体験が正しく伝わってこそ、伝えたい志望動機に深みが出ます。5W1Hなどの観点から具体的なエピソードを作成するようにします。
4 販売業に向いていることをさりげなくアピールする
志望動機そのものではありませんが、志望動機のアピールの中に販売業に向いていることをさりげなくアピールしてみるのもひとつの方法です。
具体的には「明るく元気な性格で」「コミュニケーションが好きで」といった自分の性格もさりげなく入れることによって、販売に向いている性格なのだということをイメージさせるようにします。
5 使いまわしができそうな志望動機にしない
新卒の場合には、就活の際に多くの企業を回ることになりますので、できるだけ志望動機も使いまわそうと考える人も少なくありません。
しかし、「企業探しは恋人を探すようなもの」と言われるほど、自分との相性が大事になります。使い勝手の良い汎用性のある言い回しは具体性がなく、「誰にでも気があるように」見えてしまうため、なるべく避けた方が良いでしょう。
「コミュニケーションがとても好きで、お客様の笑顔が直接見られる販売の仕事に興味があります」というだけなら、どの企業でも使えます。どうしてその企業なのか、理由が明確になるように一社ごとに考えましょう。
6 応募する企業の下調べは最低限行う
企業ごとに取り扱っている商品やサービスは違います。販売職への就職を検討するのであれば、少なくともその会社の商品やサービス内容、商品名などは覚えてから志望動機を書いたり、面接に臨んだりするべきです。
販売業は消費者と接する仕事ですので、自分がアプローチをしようと思えばできる特徴があります。それを怠って中途半端な記述をしたり、商品名などを他社のものと間違ってしまったりすると大きく印象を損ねますので気を付けてください。
7 自分探しのような志望動機にしない
志望動機の中で、「コミュニケーション能力には自信がないが、仕事を通して成長したい」といった表現をする人もいますが、こうした志望動機はアルバイトの応募ならまだしも、就活や転職活動で扱うのはNGです。
企業が社員を雇うということは、個人の目標を達成することが目的ではなく、業務を通して企業に利益をもたらすことです。そのため、心では思っていたとしても、自分磨きや自分探しのために販売の仕事を選んだと思われかねない表現はしてはいけません。
販売職の志望動機の例文
それでは実際に、販売職の志望動機を書いてみます。販売職の志望動機の例文を見ながら、細かいポイントを確認しましょう。
アパレル関係の場合の志望動機例文
アパレル企業の販売職への志望動機
私は販売の仕事に昔から興味があり、学生時代にもファッション関係のアルバイトを複数のお店で行っていました。
働いていたお店でも御社の商品ブランドを取り扱っており、私はとても魅力的に感じていました。デザインだけでなく、素材感の良さが特徴的で、他メーカーにはない魅力があるブランドだと思いました。
また、就職説明会で、社員の方が「着ている時間を幸せにすることが我社の使命である」とおっしゃっていて、その言葉に大変感動すると共に、実際にそれを形にしている素晴らしい企業だと感じ、御社を志望するようになりました。
この志望動機の例文では、アルバイトで販売の経験があることや、また商品に関して知識があることをアピールしながら、志望動機へのエピソードにつなげています。
販売職を募集する企業は競合も多く、違いを見出しにくい面もありますが、この例のように企業説明会などで仕入れたネタを使ってアピールしたり、企業のWebサイトなどの表現を盛り込むようにすると特徴的な内容になります。
健康食品販売の場合の志望動機例文
健康食品の販売職の志望動機
私が御社を志望したのは、御社の掲げる「自分の健康は自分で守る」というコンセプトに大変共感したからです。私は春になると花粉症がひどいのですが、現代の医学でも治せない病気であると知った時にとても驚きました。
医学が発展した現代でも治せない病気があるなら、医者が守れる健康は限られます。それよりも、自分が守れる健康の範囲がずっと大きいと考えています。
健康食品の販売は、自分が守れる健康の範囲を広げるためにとても重要な仕事であり、お客様とのコミュニケーションを通し、一人一人の健康づくりのサポートができればと考えています。
冒頭に志望動機の簡潔な結論があり、わかりやすい構成になっています。その後のエピソードも、自分の体験から販売するべき商品の必要性について自分の意見を表し、仕事を通して「一人一人の健康づくりのサポート」をしていきたいという意欲を示していて、熱意を感じることができます。
販売の仕事をするだけでなく、仕事を通してどのような価値を提供していきたいのかまで言及できると、仕事について良く考えていることが伝わります。
販売職の志望動機では仕事そのものや企業にこだわる理由を伝えよう
販売職においては、お客様との対話や提供する商品・サービスを通じて、お客様のライフスタイルやビジネスに貢献することが求められます。そこで、販売職の志望動機を書く際には、以下の点に注目すると良いでしょう。
まず、自分自身が販売職に向いている理由を具体的に述べることが重要です。例えば、人と話すことが好きである、チャレンジ精神が旺盛である、お客様のニーズを的確に把握し、提供する商品・サービスによって役立てることができるといった点を挙げることができます。
また、志望する企業の商品・サービスや企業理念に共感していることを表現することで、企業とのマッチングをアピールすることができます。さらに、その企業で働くことによって、自分自身が成長できると考えていることを、過去の経験やスキルアップに関する事例を交えて説明することが重要です。
総じて、販売職に対する情熱や志向性、また、志望する企業に対する共感やこだわりをしっかりと表現することが、販売職の志望動機で重視される点です。