栄養士の志望動機は本気度を見せる書き方がポイント
栄養士の志望動機では、周囲と差別化し、また企業に本気度をうまく見せることが大切です。文章を書くことが苦手な人でも、好印象を与える志望動機が作成できるように、重要なポイントについて整理して紹介します。
栄養士を目指す人の本気度が伝わる志望動機を書こう
就職活動の中で、栄養士のように特定の資格がなければ働くことができない仕事を選ぶ場合、資格があれば大丈夫だと漫然と考えている人は多いです。しかし、志望動機や自己PRなどの設問に対してしっかり回答することができる人は、栄養士としてだけでなく、社会人として企業や医療機関が欲しい人材でもあり、より優先的に採用されます。昨今は従業員の不祥事が話題になることが多いため、しっかりした人材がどの組織でも求められています。栄養士を目指す人の本気度が伝わる、賢い志望動機の作成方法について考えてみましょう。
栄養士の志望動機で大事なのは「自己分析」と「企業研究」
栄養士の志望動機作成では、「自己分析」と「企業研究」が重要になります。それは、他の人と差別化し、本気度を示すためです。
自己分析
自己分析が重要なのは、「自分を中心にして」栄養士の仕事やその企業との相性を考える必要があるからです。自分が栄養士を目指すようになった理由や、食や健康に関する関心を考えてみましょう。また、企業のどんな所が自分に合っていると感じたのか、企業に自分が貢献できる所など、「自分」を中心にして志望動機を考える材料になります。
企業研究
企業研究が重要なのは、「企業を中心にして」就職したい理由を考える必要があるからです。栄養士の採用を行っている企業はたくさんありますが、その中でどうしてその企業を選んだのかを明確にしていく必要があります。企業研究を行うのは、単なる社会勉強のためではなく、自分がその企業に入りたい理由を探すためです。給与や福利厚生といった待遇面だけでなく、企業の考え方や大事にしていること、また提供している商品・サービスから、魅力的に感じる部分を探してみましょう。
栄養士の志望動機で必ず書くべき内容
一般的に志望動機では、必ず書くべき内容が決まっています。できるだけ全部を網羅できるように意識して志望動機を考えてみましょう。
どうしてその業界を選んだのか
栄養士と言っても、その活躍できるフィールドは実に様々です。自分がどうしてその業界を選び、そこで栄養士として活躍したいと考えているのかについて考え、表現しましょう。
どうしてその企業を選んだのか
栄養士として働くことのできる企業はたくさんあります。多くの企業の中からどうしてその企業を選んだのか、理由を明確にしておきましょう。
栄養士として企業に入ってのビジョンややりたいこと
栄養士として働く中で、自分が何をしたいのか具体的に考えてみましょう。ただ「働ければ良い」と考えている人よりも、「栄養士としてこういう仕事がしたい」という意欲を見せることで、いっそう本気度が伝わります。
栄養士の志望動機の例文
栄養士の志望動機の例文を見ながら、細かい部分を確認していきましょう。
栄養士の志望動機の例文1
私は、「食育を大切にする」という貴園の考え方に共感して志望しました。
私は大学のイベントサークルで様々な人と食事をする機会がありましたが、多くの人が食事や栄養を適当に考えていたり、作り手や食材の生産者に感謝する心が無いことに驚きました。話を色々していると、家族と食事をする機会が小さい頃から少ない人ほど、その傾向があることがわかりました。私は祖父母まで同居している家で、塾通いなども無く育ちましたので、家族で食事をする機会も多く、祖父母や両親を通して食育を受ける機会が多かったのだと思います。食は命を支え、周囲に対して優しい心を育てる原点だと思っています。
貴園では、野菜を子供たちと作ったり、地域の伝統食を食べてみる経験をさせたりと食育への取り組みがあるのが魅力です。子供のうちにしっかり食育をしていくことは、自身や周囲を思いやれる優しい子を育てる上で必要不可欠です。私も共に子供たちの成長の助けになりたいと思っています。
一つ目の栄養士の志望動機です。ここでは、幼稚園や保育園をイメージした内容となっています。
栄養士の仕事の基本は栄養管理ですが、最近は「食育」の広まりに伴って、栄養士にも食育への意識が求められることが多くなっています。この志望動機では、園における方針である「食育を大切にする」ことへの共感を通し、食育への意識が高いことをアピールし、動機としています。
エピソードでは自身の経験から、食育が不足している現状に危機感を持っていることが伝わります。惜しむらくは、食育の場として園を選んだ理由があまり明確ではないことです。後で「自身や周囲を思いやれる優しい子を育てる上で必要不可欠」とありますが、唐突な感じがあります。
意図は伝わりますので悪い印象はありませんが、どこかスッキリしない所があると、人事の担当者も消去法でしか選べなくなってしまいます。「この人を採りたい」と思わせるためにも、繋がりがスッキリした明快な志望動機を目指しましょう。
栄養士の志望動機の例文2
私が貴社を志望する理由は、栄養に関心があり、サプリメントを扱う仕事がしたかったからです。
今やアスリートだけでなく、美容や健康を求める一般の人にとってもサプリメントは欠かせないものになりつつあります。しかし、サプリメントを使うことは多くなっていても、栄養素の持っている役割や、必要量などへの知識は不十分です。私は栄養士として、健康食品やサプリメントの上手な使い方を提案していきたいと思っています。
貴社は国内でも有数のサプリメントのラインナップを持つ大手で、働きがいのある職場だと感じました。栄養士としての知識を活かし、貴社の商品を多くの人に使ってもらえるよう頑張りたいです。よろしくお願いします。
二つ目の栄養士の志望動機ですが、今回は健康食品メーカーや薬品メーカーを意識した例文です。
ここでは「栄養に関心があり、サプリメントを扱う仕事がしたい」という志望動機で企業を選んでおり、その中で国内有数のラインナップを持つ企業を選んでいます。
しかし、どうして栄養に関心があるのか、サプリメントを扱う仕事がしたいのかという理由については、このエピソードからは「健康食品やサプリメントの上手な使い方を提案したい」ということしか見えてきません。どうしてそう思ったのか、その根拠が浅いという印象を与えかねません。一般的な内容が多いこともそういった印象を与える原因になっています。
「栄養士だから、知識を活かして働きたい」という気持ちを持つのは自然なことですが、共感できる理由がないままに「知識を伝えたい」という動機にしてしまうと、自己中心的な印象を与えかねないので注意しましょう。
内容はスッキリしているものの、こうした浅い内容に留まっているものは少なくありません。自己分析や企業研究を、一層深く行うことが大切です。
栄養士の志望動機の例文3
私が貴社を志望したのは、食を通して、多くの人に自分の管理に関心をもってほしいと考えているからです。
私は大学に入って一人暮らしをして、最初の1年は病気がちになりました。その原因をつきつめると、やはり食事にありました。お金や食材が無いのではなく、栄養や調理の知識が無かったし、何より自分を管理する意識がありませんでした。決まった時間に食事をしたり、栄養バランスを整えることを母親に言われて取り組んだら、健康も回復し、また肌や髪もすぐキレイになりました。食に関心を持つことは、自分に関心を持つことだと思うようになりました。周囲の友人たちも同じような失敗をした人が多く、もっと食に関心を持つようにアドバイスしています。
貴社は外食業界の中でも、特に食材の安全性に配慮していたり、またメニューの栄養バランスを徹底している企業だと思います。貴社の一員として、食を通して個人が自分自身の健康を気遣ったり、食と自分の関係に気づくためのサポートをしていけたらと思います。よろしくお願いします。
この三つ目の志望動機例文では、自身の経験から、食と自分の関係や、自分を管理する意識を高く持ってほしいと思うようになったことがアピールされています。言葉にまとめるのが難しい所はありますが、できるだけ短くまとめるように工夫しましょう。
志望動機の中で「自分が働く目的」と「企業の特性」がうまくマッチしていると、スッキリした志望動機になりますし、企業側としても採用したい気持ちになります。この例では企業を選んだ理由として「食材の安全性への配慮」「メニューの栄養バランスの徹底」など、食への意識が高い企業であることを取り上げており、働く場として適切であることをアピールしています。
エピソード中の「友人たちに食に関心を持つようにアドバイスしている」ことからも、意識が高く、伝達力があることも評価されるでしょうし、全体的に良い印象を与えるだろう内容です。
栄養士の志望動機を書く時に資格についてはアピールしない方が良い?
栄養士の募集がある場合、栄養士資格があることが前提になりますから、あえて「栄養士である」ことをアピールする必要はありません。
ただし、条件では「栄養士」になっている募集で、管理栄養士を持っている場合にはアピールしても問題はありませんし、「フードスペシャリスト」などの食に関連する資格を持っている場合はそれらをアピールするのも悪くありません。
あくまで「志望動機」ですから、資格をアピールする必要はさほど多くないものの、資格取得に至った過程などは志望動機と上手く結びつけてアピールすることもできます。うまく資格についても触れられると、能力や知識の面でのアピールにもつながりますので検討してみる価値はあります。また、キャリアアップとして資格取得を目指していることなどを盛り込んでアピールすることも可能です。
栄養士の志望動機の構成
せっかくのエピソードで企業にいい印象を与えられるように、栄養士の志望動機では、わかりやすい構成を心がけましょう。
最初に設問への回答(志望動機)の核心を答える
ビジネスシーンでは、質問をされたらその質問にまず答えます。志望動機を問われているのですから、最初に簡潔に志望動機の核心について回答しましょう。詳細な説明は後ほど行います。最初に回答があることで、相手にも意志や考えがわかりやすくなります。
続くエピソードは「自分を主人公」に
続けて、用意したエピソードから志望動機の背景について伝えます。ここで意識しなければならないのは、「自分を主人公にしたエピソードを用意する」ことです。志望動機は、他者や情報が持つものでは無く自分が持つものです。自分の経験や体験などから、エピソードを具体的に伝えて、志望動機が相手にも共感できるように考えてみましょう。
最後に「まとめ」と、「アピール」を入れる
エピソードを伝えたら、最後に志望動機となる内容をもう一度まとめて、加えて入社後の意気込みなどをアピールしましょう。ビジョンを語ったり、自分の特技などに触れても良いです。具体的に職場で活躍しているイメージが採用担当者や面接官に浮かべば、採用もしやすくなります。
志望動機を企業が問う理由
企業が志望動機を問う理由は、採用する人材がその企業に本当に興味を持ち、その企業にとって貢献できるかどうかを判断するためです。応募者がどのような理由でその企業に応募したのか、なぜその職種や業界に興味を持ったのかを知ることで、採用後のモチベーションや定着度を高めることができます。
また、企業側が求める人材像や価値観に合致しているかを確認し、採用後のパフォーマンスを見込むことができます。さらに、志望動機を通じて、応募者の自己分析や自己評価を把握し、適切なポジションやキャリアプランの提案をすることもあります。
そのため、応募者は企業研究を徹底し、自身の経験やスキル、価値観を踏まえた上で、具体的な志望理由を明確に述べる必要があります。また、企業に貢献するための意欲ややる気、将来のキャリアビジョンを示し、その企業で成長していく意欲をアピールすることが大切です。
栄養士の志望動機では自分を主人公にしたエピソードを盛り込もう
栄養士の志望動機では、自分がなぜ栄養士を目指すのか、その背景や経験を交えたエピソードを盛り込むと良いでしょう。自分を主人公としたストーリーで、なぜ栄養士になりたいのかを説明することで、自分の熱意や適性をアピールできます。また、その経験を通じて得た価値観や、今後の目標や取り組みについても触れると、より具体的な志望動機になります。ただし、エピソードを盛り込む場合は、自己PRに過度に偏らないように注意しましょう。