自己PRで忍耐力をアピールするときの注意点4つと参考例文
自己PRで忍耐力をセールスポイントにしたいという就活生も多いですが、現代の社会環境では単純に我慢強さを主張するのはリスキーです。企業が求める忍耐力とは何なのかを理解し、そのスキルや性格を他の言葉で上手く表現できないか、自己PRの文章をいま一度推敲してみましょう。
就活で自己PRに忍耐力を扱うならどうアピールすべき?
学生から見れば社会とは大変な環境であり、その中で自分を評価してもらいたいという意図があって、就活中の自己PRとして忍耐力をアピールする就活生は多いです。
しかし、自己PRにおいて忍耐力をそのまま用いるのは少々古いと言った方が良いでしょう。今は辛いことがあっても歯を食いしばって働くという時代ではなくなってきており、むしろ我慢することで病んでしまう人も多く、単純な意味の忍耐力が喜ばれなくなってきているのです。
就職活動の自己PRとして効果的な忍耐力のアピールのためには、どうすれば良いのか考えてみましょう。
本来の「忍耐力」の意味
忍耐力とは「耐え忍ぶ力」という意味で、「耐える」は我慢すること、「忍ぶ」はそれが表に出ないようにするという意味です。つまり、忍耐力がある人というのは、辛いことや大変なことがあっても表に出さない、出にくい人を指します。
ただし、ビジネス上においても、社員を管理するという意味でも、今は文字通りの忍耐力が良い方向にばかり働くことはありません。我慢のしすぎから病気になることもありますし、不満や問題があれば、それを示してくれないとスピーディーな改善ができません。
また、口下手で不満をあまり口にしないというタイプの人が「忍耐力」を自己PRに使うことがありますが、当然正しい意味での忍耐力ではありません。
自己PRで「忍耐力」を語る時は企業が求める形に言い換えよう
「忍耐力があります」と言っても企業が求める忍耐力と自分がアピールしたい忍耐力が一致しなければ自己PRしても意味がありません。企業が求める忍耐力について考え、それを別の形で表現することが自己PRでは大事です。
忍耐力を「最後までやり抜く力」で表現する
社会人として求められるのは仕事の結果です。結果は最後に出てくるもので、90%作った橋でも最後の10%を作らないと橋としては機能しません。
どんなに難しいことがあって辛くても、最後まで仕事をやり抜くのが社会人として求められる特性です。「目的を達成するため」なら辛いことでも耐えられる、という忍耐力が、企業から求められる忍耐力の形です。
忍耐力を「何でも楽しむことができる力」で表現する
忍耐力のイメージからは外れてしまっているように思えるかもしれませんが、企業にとって今一番怖いのは仕事上のストレスなどで体調を崩してしまうことです。
労働問題が各所でクローズアップされている中、行政上の監視も厳しくなっていて、ちょっとしたところから指導が入る可能性があります。
何をしていても、どんな環境でも、あまりストレスを感じることなく何でも楽しむことができる特性がある人は「忍耐力がある」と言っても差し障りがなく、企業にとっては安心して採用できる人材です。
忍耐力を「精神力がある」で表現する
今は肉体的に苦痛を受けるようなことはほとんどありませんが、社会に出ると様々な責任を背負った仕事を任されるようになり、その中で気持ちがくじけてしまったり、調子が出なくなることは多いものです。
自己PRで忍耐力があると言う代わりに、「精神力がある」と表現することによって、気持ちから来る好不調が少ないことをアピールできます。
自己PRで忍耐力をアピールするエピソードの作り方
忍耐力を自己PRする際は、エピソードの作り方が大切です。ここで、エピソード作りのポイントを確認していきましょう。
1 継続年数そのもので忍耐力アピールをしない
部活やサークルを続けた期間そのものが忍耐力をアピールする材料にはほとんどなりません。
体育会やアメフト、ラグビー、強豪校での部活動などのエピソードは、一般的なイメージとして忍耐力も求められますので、プラスに評価されることはありますが、重要なのはサークルや部活を続けていた事実ではなく、そこでの経験やエピソードからいかにして忍耐力アピールができるかです。
2 忍耐力があるエピソードは具体的にアピールする
忍耐力をアピールするためのエピソードは具体的に話をします。この時のエピソードは「大変だったこと」を選ぶようにしますが、その中で最後までやり抜いたり、耐え忍んだエピソードを話すようにしましょう。
3 忍耐力があるエピソードでは出口を明確にする
面接における自己PRでは、話しているうちに結論がまとまらなくなることも多く見られます。大変だったことを話しているうちに、ただの苦労話になってしまい、忍耐力がうまく表現できないケースも少なくありません。
出口を明確にするためにも、また採用側がわかりやすいようにするためにも、エピソードの最初に結論を明示するのが良いでしょう。
4 持ち前の忍耐力は企業活動に活かすことを考える
ただ忍耐力があるというだけでは自己紹介の域を出ません。就活における自己PRは、ただ紹介をするのではなく自分を売り込む場です。
もし採用されたら、その忍耐力がどのような場面で役立つのかを提案していくことによって、企業側に入社後の活躍をイメージさせることが大切です。
忍耐力を自己PRに使った例文
自己PRとして「忍耐力」を扱った例文を見てみましょう。忍耐力を「最後までやり抜く力」と「言い訳をせずに頑張れる」に置き換えてみました。
忍耐力を「最後までやり抜く力」で自己PRする例文
以下は「最後までやり抜くこと」についてアピールしている内容です。悔しいポジションにも負けずに最後まで続けることができたという経験は、きっと社会でも役立ち、評価もされます。
また、最後までやり抜いただけでなく、そこから得られたものにも目が向いているのもポイントです。
自己PRに「忍耐力」を使った例文1
私の特長は、「最後までやり抜く力」があることです。
昔からこれと決めたことは、最後までやり通すことにしてきました。負けず嫌いでもありますが、昔から父が事あるごとにそう言っていた影響が大きいと思います。
中学、高校と6年間野球部を続けましたが、残念ながら県内では強豪校だったということもあり、一度もレギュラーになることはできませんでした。
後輩が試合に出る中でベンチからひたすら声を出したり、マネージャーと共に記録係を続けるのは、悔しい思いや恥ずかしい思いもありましたが、それでも最後まで続けることができました。
私の年代の野球部の記録にはいつも私の名前や写真が載っていますし、今でも当時のメンバーで後輩と試合をしたりしていますが、最後まで続けたから仲間からの信頼も得られているのだと思います。
特に社会人はひとつひとつの仕事を最後までやりきることが大事だと先輩から伺いましたので、御社に入社してからも、任されたことや、やりたいと思ったことは最後までやりきる、私の特性を生かして頑張りたいと思います。
忍耐力を「いいわけをせずに頑張れる」で自己PRする例文
忍耐にはいろんな形がありますが、自分の不利な状況を受け入れることもまた忍耐が必要です。しかし、企業で求めるのはそれに甘んじるのではなく、それを乗り越えられる人です。
以下の例文は企業の求めるような強い精神力を持った人であることが伺える内容となっています。
自己PRに「忍耐力」を使った例文2
私の長所は「いいわけをせずに頑張れる」ことです。
私は小学生の時に交通事故に遭ってしまい、それから左手の小指が思うように動かなくなってしまいました。
小指というのは小さいながらもとても大事な部分で、ここが満足に動かないと、物を持つ時も力が入らないため、テニスや剣道など、物をもって振り回すようなスポーツでは不利になりますし、ピアノやパソコンなど全ての指を使うものでも不利になります。
もちろん悔しさも感じていましたが、いいわけはせず、他の人と同様に扱ってもらえるよう周囲にもいつもお願いしていました。
私は大学に入ってから軽音サークルに入りました。最初はボーカルでしたが、徐々に楽器にも憧れ、ギターを持つようになりました。小指が上手く動かないためにできないことが出てきたのですが、私は思い切って左利き用のギターで練習することにしました。
右利きの私にはいろんな面でやりにくかったのですが、小指をいいわけにしたくなかったので一生懸命練習し、今ではギターソロまでこなせます。
社会人になればきっと多くの壁もあると思いますが、私は自分の不利な状況に耐え、いいわけをせずに努力して壁を越えていけると信じています。よろしくお願いします。
忍耐力の自己PRは表現を変えて具体的にアピールしよう
まず、忍耐力とは、困難な状況に直面しても、辛抱強く粘り強く取り組むことができる能力です。しかし、単に「忍耐力がある」と言われても、その人が具体的に何に対して忍耐力を発揮できるか、どのような状況で忍耐力を発揮した経験があるかがわかりません。
そのため、具体的な経験を交えた表現を用いることで、自分自身の忍耐力をアピールすることができます。例えば、「過去には、大学時代に卒業論文の研究で詰まってしまった時がありました。しかし、私は諦めずに毎日少しずつ研究を進め、最終的には卒業論文を完成させることができました」というように、具体的な経験を挙げることで、自分自身がどのような状況で忍耐力を発揮したかを示すことができます。
また、具体的な表現を用いることで、自分自身の忍耐力を説得力を持ってアピールすることができます。単に「忍耐力がある」と言われても、その人が本当に忍耐力があるのかどうかはわかりません。しかし、具体的な経験を交えた表現を用いることで、自分自身の忍耐力を証明することができ、採用担当者に自分自身を信頼してもらえる可能性が高まります。