自己PRで「好奇心」をアピールするのは難しい?
就活の面接やエントリーシートで自己PRを求められた際、好奇心旺盛な性格を自分のアピールポイントとしてエピソードを作成する人は多いもの。今は個性の時代ですから、様々なところに好奇心を持てるのはとても良いことで、企業からも好感を得られるでしょう。
しかし、そんな好奇心を自分のウリにしたいと思っている人も多いのも事実。競争が激しい中で、就活で成功するためには、どのようなネタをどのようにアピールしていけばよいのでしょうか。
「好奇心旺盛」というのは企業にウケる自己PR
社会人になれば、また転職すれば、新しい環境で、初めて触れる知識や機械、ルールなどが様々にあるものです。目新しいものに対して興味をもって学べるかは今後の成長に大きく影響します。従って、好奇心旺盛な人は、企業側からするとほしい人材と言えます。新卒の就活生であればなおさらそうです。
好奇心旺盛な人は仕事に対する意欲も高いだろうと予想ができますし、またその意欲によって成長するポテンシャルを秘めていると判断することができます。
自己PRとして好奇心を扱う際のポイント
好奇心の自己PRは有効であることがわかりました。では、どのようにアピールするのが良いのか、ポイントを整理しておきましょう。
1 好奇心があることが伝わる内容にする
好奇心がある人だと思えるよう、説得力と具体性をもって話をすることです。また、基本的に好奇心がある人というのは、何かを行った経験などを楽しげに話すものです。話し方を見ているだけでも「作った好奇心」は見抜かれることがありますので注意しましょう。
2 好奇心を仕事に活かせるイメージが浮かぶ自己PRにする
あれこれと好奇心があるのは素晴らしいことです。しかし、自己PRでは、好奇心がどの方向を向き、どのように企業の戦力として役立つと思っているのかを具体的に表現しましょう。企業が採用したいのは好奇心のある人ではなく企業の役に立つ人材ですから、その点を間違えないように気を付けることが大切です。
3 好奇心が成功につながった工夫・努力を具体的に説明する
「好奇心があるからうまくいった」という経験はなかなかないもの。成功に導いたきっかけはその好奇心だとしても、実際の成功を生むのは工夫や努力です。好奇心をきっかけに、どういった工夫や努力をしたのかがしっかり伝わるようにするのがコツです。
4 好奇心がもとになった経験から何を学んだのかを考える
様々なものに関心を持って色々な経験をしても、それで終われば意味がありません。企業が求めるのは経験をもとに学び成長できる人材です。好奇心の多い人は経験するチャンスが多いのですが、一方でその中で学ぶことができなければ、好奇心はあれど成長力のない人とみなされてしまいます。このイメージを植え付けられると就活では大きく不利になりますので、経験と学びがセットになるように普段から意識してネタを作っておくと良いでしょう。
5 好奇心があることが活きる企業・職種にアピールする
自己PRは大前提として、その企業・職種に合うように行うべきです。単調な事務職などにおいて、好奇心をアピールしても活かす機会がないので、他の職場にしてもらった方が良いと企業側が判断する場合もあります。
好奇心があることは良いアピールですが、必ずしもどの職種でも活かせるかはわかりません。自分の考える好奇心と職種の紐付けが明確になるようにしましょう。
自己PRとして好奇心を扱う際の注意点
好奇心をアピールする際にはいくつか気を付けたいことがあります。以下は特に失敗しやすいポイントなので、気をつけるようにしてください。
1 好奇心の強さを競わない
「好奇心旺盛である」という自己PRをする際、注意したいのが好奇心の強さを競ってしまうことです。企業の採用面接は、好奇心ナンバーワンを決める場ではありません。面接官は、応募者が好奇心をもってどのような反応や考え方、行動をするのかを見ていますので、好奇心のアピールに終始しないように注意してください。
2 「趣味が多い=好奇心がある」ではない
趣味と好奇心は違います。趣味が多いことを羅列して、自分は好奇心があるとアピールする人がいますが、それはあくまで趣味が多いことであって、新しいことに対して興味や関心を持てる保証にはなりません。逆にもう好奇心が枯れてしまっているのではないかと懸念されないように、上手なアピールが必要です。
3 好奇心旺盛なだけでは足りない
好奇心旺盛な人の方が、ビジネスにおいて様々な情報を得て活かしてくれそうなイメージがあるのは事実です。
しかし、好奇心というのは社会人として当然持っていてほしい要素でもあります。好奇心旺盛なだけでは企業が喉から手が出るほど欲しい人材には映りませんので、プラスアルファのアピールポイントも考えておくことをおすすめします。
好奇心を扱うする自己PRの例文
実際に好奇心を扱う自己PRの例文を見ながら、より良いアピールを考える練習をしてみましょう。ここでは、趣味の観点と専門外の知識・技術に対しての観点から、2パターンの自己PR例文を紹介します。
趣味の視点から見た好奇心の自己PR例文
好奇心を活かした人脈作り
私の長所は、好奇心が強いところです。
沖縄に旅行に行った際に、「やちむん」とい現地の焼きものがあり、それに興味がわいて体験講習を受けたら、面白くなって近くの窯元まで行っていろいろ学ぶようになりました。工房の人とも仲良くなることができ、今も良い関係を続けているのですが、沖縄に行くたびに工房を訪れ、職人の方々と親しく交流させてもらい、やちむんのプレゼントもいただいたりしました。人間国宝と言われる▲▲先生にも紹介していただいて、今度一緒にお皿を作らせていただけることになりました。
好奇心から始まったやちむん探索でしたが、思わぬ人脈の広がりを感じることができました。社会に出ても、好奇心を活かして様々なことを学びながら、会社に役立つ人脈を構築していきたいと思っています。
好奇心の話で大事なことのひとつが着地点なのですが、このエピソードでは「好奇心があったことで人脈が広がった」という形で好奇心が社会で役立つだろうことが明確にわかります。営業職などでは便りになりそうです。普段聞きなれない「やちむん」がネタとしても面白く、好奇心のある人に聞こえるのではないでしょうか。
専門外の知識・技術に対して好奇心を持った自己PR例文
友人間の何でも屋さん
私は、昔からなんでもやってみたい性分で、興味を持ったものに関してはどんどんやってみるようにしています。若干凝り性なところもあり、何かに打ち込むとある程度できるようになるまではハマりこんでしまうのですが、おかげで多くの技術がつきました。
DIYに興味があって、家のちょっとしたものを直すところから始まって、ホームセンターなどの講習に通っているうちにベッドも自作するようになりましたし、また古着のリメイクなどもできるようになりました。家電製品やインテリアも好きで雑誌を見たり電器屋を見て回るうちに、室内のインテリアやリフォームもある程度できるようになりました。
おかげで、友人の部屋のレイアウト変更やサークルの部室のリフォームなど、いろんな仕事が舞い込んでくるようになり、友人間では何でも屋のように言われています。
今は専門外ですが電機工事士の勉強をしており、こうしたスキルを伸ばせないかとチャレンジ中です。新しいことを覚えるのが楽しいので、御社でも多くのことを学び、事業の発展に貢献できたらと考えています。
趣味でいろいろやっているうちに、いろんなスキルが身に付いたという話です。よくある話ではありますが、この話の良いところは締めの部分です。ただの多趣味、何でも屋ではなく、今も成長意欲をもって新しいことにチャレンジしている様子が伺えます。こういう性質の人は会社に入っても続けて成長してくれると期待を持たせます。
好奇心にプラスしたい4つの自己PRポイント
好奇心だけでは自己アピールとしては弱い部分もあります。好奇心に加えて何か別の自己PRポイントをプラスできると、採用担当者からの評価が上がります。それらのポイントをいくつか紹介します。
1 行動力
好奇心がある人に欲しいのは、興味があるで終わらず、それを実際に行動に移して学んだり実行する行動力です。好奇心だけでなく、行動力もあることをアピールできると活発な印象を与えます。
2 分析力
好奇心に加え、分析力のある人は今後の成長が期待できる人です。経験したことがどんどん成長の糧になっていきますので、将来が楽しみという印象を与えることができます。
3 自主性
好奇心は他の人から出てくるものではなく、自発的な感情です。そのため行動も自発的になりやすいものです。実際には誰かの後押しがないといけない場合もありますが、自主的に行動することができることをアピールできると印象が良くなります。
4 成長意欲
好奇心があるだけでは、それがどの方向に使われるのかわかりません。大事なのはその好奇心をもって成長したい、貢献したいという意欲です。これが見えるように好奇心を使うとより良いアピールになるでしょう。
好奇心の自己PRは他の要素を織り交ぜながらアピールしよう
好奇心を自己PRでアピールする際には、他の要素と織り交ぜて表現することが大切です。単に好奇心があると言っても、それだけでは自分自身の魅力をアピールできない場合があります。そのため、自分がどのようなことに興味を持っているのか、何を学んできたのか、どのような経験をしてきたのかなどを紹介しながら、それらを通じて自分自身がどのように成長し、どのような貢献をできるかをアピールすることが重要です。
例えば、自分が好奇心を持っていることに関連する業界や職種についても知識を深め、自己PRに取り入れることで、自分自身の魅力をより引き出すことができます。また、自分自身が興味を持っていることが、新しいアイデアや提案につながっている場合もあります。そのような場合は、自己PRの中でそれらを紹介し、自分自身がどのように問題解決やビジネスに貢献できるかを具体的にアピールすることが大切です。
ただし、好奇心をアピールする際には、他の要素も忘れずに織り交ぜることが重要です。例えば、自分自身のスキルや経験、人格的な魅力など、他の自己PRの要素と結びつけて紹介することで、より説得力のある自己PRになります。また、企業側から見た自分自身の強みや魅力を考慮しながら、自己PRを構築することが大切です。これらの要素をバランス良くアピールすることで、自己PRの魅力を最大限に引き出すことができます。