履歴書の写真にスピード写真は問題アリ?
履歴書には顔写真を添付するのが基本となっていますが、顔写真を撮ろうと思った時に、ほとんどの人にとって選択肢となるのがスピード写真もしくは写真館での撮影です。
就活情報サイトなどではより印象アップにつなげるのであれば写真館が良いという話が多いですが、スピード写真だとしても「履歴書用」などの文字があると大丈夫のように思えるものです。
スピード写真と写真館で撮影する写真の違いや、履歴書に貼る場合の撮影時のポイント、マナーについて考えてみましょう。
履歴書の写真で第一印象が決まる!
写真は採用担当者の目に本人よりも先に入ることになりますので、就活において履歴書の写真は印象を大きく左右する大事なものです。また、画像から読み取れる情報は多く、書類上は好ましい人だとしても、写真を見て不合格となるケースもあります。
顔が良いことや悪いことで印象が左右されるというよりも、ビジネスにおいては身だしなみのマナーや社会常識、印象を与えることに対する考え方や姿勢が表れますので、しっかりした写真にすることが大切です。
履歴書の写真はスピード写真でも大丈夫?
就活で使用する履歴書の写真は、ほとんどの企業ではスピード写真でも写真館の写真でも問題はありません。写真館で撮影した写真は良い写真が多いですが、ある程度の水準を保っていればスピード写真でもマイナス評価になることはありません。
ただし、スピード写真では撮り直しを面倒に思い、上手く撮れなかった写真をそのまま使ってしまう就活生も多く、この場合は明らかに手を抜いている、妥協した写真であることが伝わると評価は厳しくなります。相手に与える印象を軽く考えていることになるためです。
「スピード写真不可」というルールが明示されていない場合には、基本的にスピード写真でも大丈夫ですが、その際には必ずしっかりした写真を撮ることを心がけてください。
スピード写真と写真館の写真の違い
「履歴書用の写真」という目的は同じでも、スピード写真と写真館の写真は違います。どこがどう違うのか、解説していきます。
写真のサイズ
基本的に写真の大きさは、履歴書用なら400mm×300mmが基本となります。スピード写真の場合には、複数のサイズがあってそこから切り取る必要がある場合が多いですが、写真館では履歴書用のサイズに切って渡してくれます。
解像度は基本的に写真館の写真の方が高いことが多いです。もしも履歴書だけでなく大きなサイズでの印刷が必要な場合は写真館を選んだ方が無難です。
写真のレタッチ
スピード写真では写真のレタッチ(補正)はできませんが、写真館の場合は常識的な範囲であれば料金内で対応してくれます。赤目を補正したり、肌荒れを一部補正したり、髪の毛が不自然に飛び出ているくらいならレタッチしてもらえることが多いです。
髪や肌の色を変えたり、顔の特徴が変わるような補正はマナー違反となりますので気を付けましょう。
撮影枚数・撮り直し
スピード写真の撮影枚数は機械によって違っていて、上限内で何度か撮ってみて最終的に1つを選ぶという形になります。撮り直しが可能な回数は1~2回が多いですが、何度でも撮り直せるものもあります。
写真館では基本的にカメラマンが納得できる写真が複数撮れた段階で確認し、プリントする写真を選ぶことになりますので、撮影に失敗するということはまずありません。
所要時間
写真撮影に必要な時間はスピード写真なら、うまく撮れればプリントを含めても5分以内では終了します。撮影の準備に時間がかかっても10分くらいです。
写真館では、カメラマンから説明を受けたり、いくつか撮って写真を選ぶまでおよそ20~30分は見ておいた方が良いでしょう。また、プリントまでにレタッチをする写真館の場合は、受け渡しが後日になることもあります。
費用
スピード写真は500円程度からありますが、今は700円くらいの機種が多く、4枚ほどプリントされた写真を入手することができます。
写真館の場合はカット数にもよりますが、撮影だけでも1500~2000円くらいで、4枚が基本です。プラスしてデータをもらったり補正したり、ヘアメイクなどからお願いする場合には1万円ほどになる場合もあります。焼き増しの際にはプラスして300~400円/枚ほどかかります。
今は写真をスマホで撮影し、トリミングして背景を証明写真風にしてコンビニで印刷できるようにしているサービスもありますが、コンビニの場合は印刷費用が1枚あたり200円になります。
その他
業界や職種によっては、スピード写真不可という場合もあります。
また、CA(キャビンアテンダント)の場合なら、顔写真だけでなく全身の写真なども求められる場合もあり、その場合はスピード写真では対応できません。
スピード写真でも綺麗に履歴書の写真を撮るには?
さすがに写真館と同じようにスピード写真を仕上げることは難しいですが、ポイントを押さえればグッと写真館品質に近づけることはできます。スピード写真でもきれいに履歴書の写真を撮るポイントをチェックしましょう。
1 服装
スピード写真の写真は、暗すぎたり明るすぎたりしてしまいがちです。履歴書で使う写真は、基本的に就職活動と同じ服装で撮影します。顔写真と言われたとしても、顔だけを撮影するのではなく、実際にはバストアップ(胸から上)もしくは肩や首などのデコルテ部分が少し入る程度まで写真に入れるようにします。
そのため、服装はしっかり就職活動と同じスーツスタイルで撮影をする必要があります。見えるところはもちろん、見えないところもしっかり準備して撮影した方が雰囲気のある写真になります。
2 髪型
髪型はできるだけ顔や額をハッキリ出すようにします。スピード写真の場合には、カメラの位置に対して自分の顔が正対しきれていないと、ちょっとした角度がつき、顔が隠れてしまったり暗く見えることがあります。顔を隠さないように髪型を整えることが大事です。
男性は整髪料などでガチガチにしたり無造作ヘアにするのは避けましょう。女性の場合、髪が長い人はまとめて表情がはっきりと見えるようにし、濃いメイクは避けてナチュラルメイク程度に仕上げます。
3 表情
表情は口角(口の両端)をやや上げ、柔らかい表情を心がけましょう。ビジネスだからと硬い表情をしたり、無表情にならないように気をつけます。表情が硬いと気難しい印象を与えるので注意してください。
上目づかいや見下ろすような角度にならないように注意し、真っ直ぐに撮るよう気を付けます。顔が大きく見えるのが嫌、目を大きく見せたいなどの理由で角度をつけたりするのは履歴書の写真としてはふさわしくありません。
4 姿勢
背筋をまっすぐ伸ばしてからカメラの高さを合わせます。背筋が曲がった状態でカメラを合わせると、首が後ろで顔が前になって写ってしまったり、撮影の時だけ背筋を伸ばすと思ったよりも顔の位置が高くなってしまいがちです。
顎を引いて撮影をしますが、顎を引くと顔の高さは思っているよりも若干低くなることが多いため、カメラが目線の少し下にくるようにすると良いでしょう。
5 背景色
背景色を選べる写真機も増えてきていますが、主流は白もしくは薄いブルーです。時々、グレーや薄いピンクもありますが、基本的に背景色は白か薄いブルーが無難です。
肌の色が白い人は、背景も真っ白だと輪郭が見えにくくなりますので、ブルーやグレーなどを使った方が良いでしょう。多少日焼けしている人は、背景は白の方がきれいで健康的に見えます。
6 レフ板
証明写真はカメラの位置調整や表情の角度の調整が難しく、暗い写真になってしまいがちです。特に影が強く出てしまうことも少なくありません。
写真館ではレフ板という光を反射させるための白い板を使って、上からの光を下から反射させて影ができにくくしていますが、それと同じように白い紙やハンカチを膝上に広げておくと影が弱くなり、顔が明るく見えます。目のクマなども目立ちにくくなります。
また、カメラのレンズが汚れていれば、それも写真に反映されますので、撮影前には乾いた布などでレンズをしっかり拭いておきましょう。
7 カラー
スピード写真はモノクロやカラーの写真が選べるようになっていますが、特に指定がない限りはカラーを選ぶのが基本です。
昔は印刷機の性能上、カラーの写真だとコピーなどが上手く行かないことがあったためにモノクロを指定されることが多かったですが、今はカラー写真もきれいに印刷やコピーができるため、カラーの方が良い印象を与えることができます。
履歴書の写真は裏に名前を書いておくのを忘れずに
スピード写真でも写真館での証明写真の撮影でも、忘れがちなのが写真の裏に名前を書いておくことです。
糊付けするため「どうせ見えないだろう」と思われがちですが、郵送中や、企業で書類を扱っているうちに写真がはがれてしまった際、誰の写真なのかわかるようにする効果があります。実際にこうした機会があった場合には担当者も助かりますし、気が利く人という印象を与えられます。
履歴書の写真はスピード写真ではなくできれば写真館がベスト
履歴書の写真は、企業に自分自身をアピールするために非常に重要な要素の一つです。スピード写真は手軽ではありますが、質が低く、印象も悪くなってしまうことがあります。そのため、できれば写真館で撮影することをお勧めします。
写真館での撮影には、プロのカメラマンが撮影してくれるため、光の加減や角度などを調整し、魅力的な写真を撮影することができます。また、写真館では撮影時に髪型やメイクなども手直ししてくれる場合があり、自分自身がより良い印象を持っている写真を選ぶことができます。
ただし、写真館での撮影は手間やコストがかかる場合がありますので、予算やスケジュールに合わせて検討することが大切です。もし写真館での撮影が難しい場合は、スピード写真でも構いませんが、できるだけ質の高いものを選ぶようにしましょう。