【職務経歴書の書き方】ガイドラインが不明な方へ
転職をする際などに採用会社から、履歴書のほかに「職務経歴書」というものを求められることがあります。文具店を探しても、職務経歴書用の用紙などありません。職務の経歴、さて、いったい何をどう書けばよいのでしょうか、ご説明します。
職務経歴書は様式フリーだから書き方に迷ってしまう
職務経歴書は、履歴書のように用紙があって、そこに書き込んでいくというものではありません。記載する項目やレイアウトなどを自分で決める必要があるのです。どのような内容かといえば、職務の経歴さえ書いてあれば条件を満たしているといっていいでしょう。
例えば、以下のような例です。
氏名:△△ △△
YYYY年MM月 株式会社○○入社
YYYY年MM月 株式会社○○退職
YYYY年MM月 株式会社□□入社
YYYY年MM月 株式会社□□退職
以上
しかし、採用する側からの目から見て、これではどうでしょう。履歴書の項目と変わりませんし、なにより「意欲」が感じられません。履歴書の他にあえて職務経歴書というものを提出するということを考えてみた時に、企業が求めているのは履歴書では書ききれないあなたの経験・経歴を知りたがっているということに気づきませんでしょうか。履歴書にも職歴欄がありますが、そこでは欄が小さすぎて十分には書けません。ぜひこの職務経歴書を用いて、自分の職歴をダイレクトにアピールしてください。
職務経歴書はパソコンで書いた方が読みやすい
職務経歴書については、手書きよりもパソコンで作成した文章のほうが読みやすいという観点が一般的です。特に、就職後にワープロを使った文章作成がある場合は、職務経歴書で文章作成能力をみているかもしれません。また、レイアウトの構成もパソコン作成のほうが格段に早く便利です。
職務経歴書は職歴だけを書けば書けばいいといいうものではない
含むべき項目はどうすればよいのでしょうか。第一に職歴ですが、それだけではいけません。出だしとして全体の要約を設けると読みやすいものになるかと思います。全体の要約には志望動機を含めても効果的です。但し、ここでは長くなり過ぎないように、200字程度としましょう。
自己PRや取得資格・得意スキルなども盛り込むとよいです。自己PRは履歴書のものをコピーしてはよくないです。差別化を考えて、場合によっては複数のピーアールを箇条書きにしてもよいかと思います。
職務経歴書の書き方には2つのタイプがある
文章とは基本的に、5W2Hという概念を意識して書くと内容が充実します。5W2Hとは、when(いつ)、where(どこで)、who(誰が)、what(何を)、why(どうして)、how to(どのように)、how much/many(どれだけ)ということです。職務経歴書も同じで、但し「誰が」というのは「誰に」、つまりターゲットに置き換えます。そして「いつ」にはプラスでhow long(期間)を加えましょう。したがって、職務経歴書は変則5W3Hで書くと良い、となりますでしょうか。
全体のレイアウトとともに、職務経歴のレイアウトも考えなければいけません。経歴を最初から最後まで作文形式で長文ストーリーとして書いても、読み手は読む気をおこさないでしょう。一定のまとまりや切れ目にわけて、ダイジェスト形式で紹介するのが効果的です。そのまとまりをどのように置くかは、ここの職歴、業務形態によって違います。したがって、自分の職歴を考えて、何を切れ目とするのか考えましょう。
ここでは、汎用的に作成できるテンプレートとして、二つのタイプを紹介します。
「ヒストリー型」は事務・営業・管理的な職業におすすめ
会社ごとや配属・昇進ごとに分けた場合の雛形として「ヒストリー型」と名づけます。事務・営業系や管理に適しているのではないかと思いますし、契約社員や派遣社員などで数社にわたって職歴がある場合にも適しています。同様に、アルバイトやフリーターの場合にも有用だと思います。
「純経歴&PR型」は技術系・開発系におすすめ
担当製品やプロジェクトごとに分けて考えた場合の雛形として「純経歴&PR型」と名づけました。これは技術系や開発系、デザイナー・デザイン系に適しているのではないかと思います。
職務経歴書を書く時は読みやすいように配慮しよう
書くときの注意点としましては、履歴書と同様、略語を使用しないということです。株式会社を(株)と略してはいけませんし、その業界特有の用語・表現も控えましょう。同じ専門分野ならよいのですが、分野が違ってわかりにくい専門用語があったとしたら括弧書きなどで補足説明を加えておきましょう。
また、ひとつの文章や段落で主観と客観を混ぜないということも意識しましょう。今書いている文章は、第3者の立場から見た事実なのか、それとも自分の考えをアピールしているのか、様式が自由だとつい混同してしまいがちになりますが、読み手にとっては混乱してしまいます。「~である」「~だった」と「~です・ます」「~でした・ました」の表現も切り替えて、項目ごとに統一しましょう。テンプレートのダウンロードもありますので、あわせて参考としてください。