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派遣とはどんなもの?正社員との5つの違い

派遣社員は正社員に比べて自由な働き方ができるのが魅力ですが、正社員の安定性も捨てがたいものがあります。これから就職を控えている方必読の、正社員と派遣社員の働き方を比較してそれぞれの違いを見てみましょう。

派遣と正社員との違いは何?

派遣とは正社員や契約社員、パート、アルバイトのような働き方の選択肢の1つです。派遣という働き方を選ぶ人も多くいて、その人たちのことを派遣社員と呼びます。いったい派遣はどのような働き方を指すのでしょうか。ここでは、正社員との5つの違いから、派遣という働き方の特徴を見ていきましょう。

1.派遣社員は社員ではないけれど、正社員は社員

派遣社員と正社員の違いで一番に思いつくことは、雇用期間が有期が無期かということではないでしょうか。ですが、雇用期間があるかないか、ということの前に忘れてはいけないことがあります。

それは、そもそも派遣で働く人は社員ではないということです。社員というのは企業に直接雇用されている人を指し、正社員や契約社員だけでなく、大きな意味ではアルバイトやパートの方も社員に含まれます。しかし派遣社員の場合は、派遣先の企業と派遣会社が労働契約を交わしているので、派遣先の企業に外注された人材という事になります。

また、派遣社員は企業間の取り決めにより、不適切な人材と判断された場合は期間の途中でも雇用を解除される事もあります。労働条件も派遣社員だけは別に設定されている事もあるので、注意が必要です。

2.派遣は正社員よりある程度自由な働き方ができる

派遣社員としてのメリットは融通の利く働き方ができる点です。希望の職種や勤務地を選んで働けて、異動もありません。さらに、残業の有無も選べるため、正社員に比べてワークライフバランスを取りやすいという特徴があります。

派遣期間が終わった後も、派遣会社が次の仕事を探してきてくれるので再就職も難しくありません。派遣先の会社によっては契約更新してくれる場合もあるため、そうすると働き続ける事もできます。

また雇用形態が外注扱いなので、働いている職場の不満などがあった場合は、派遣会社に申し出る事で企業間のやりとりで解決をしてくれます。

一方で正社員は残業があったり、自分の希望とは無関係の部署に異動させられたりする場合もあるため、派遣社員に比べ生活スタイルに合わせた働き方をするのは難しいかもしれません。

3.派遣は正社員より不安定な働き方になる

派遣社員は正社員とは違い、働く期間が決まっていたり、働く企業の都合で解雇させられてしまう危険性があります。1つの派遣先で長く働きたいと思っても、それが叶わないケースも多いです。

年齢や自信のスキル面でも不安がある方はいつ解雇させられてしまうのか、また、この仕事が終わった後は新しい仕事先に派遣されるのだろうか、その職場は働きやすいだろうかなど様々な不安がよぎるでしょう。

その点、正社員なら自分から辞めるか、何か大きなトラブルを起こして解雇されるかしない限りは職を失うことはまずないでしょう。いつ職を失うかという不安を感じなくて済みます。同じ環境で腰を据えて働きたい人は、正社員が良いでしょう。

4.派遣社員は社員教育を受けられないけれど、正社員は受けられる

派遣社員と正社員の大きな違いの1つに、社内教育が受けられるかどうかが挙げられます。企業の中には人材の成長に大きな投資をしていて、社内セミナーや勉強会など頻繁に開催しているところもあります。

通常、社員はスキルアップのための社内セミナーや勉強会などに参加できますが、派遣社員は外注扱いである為、その社内教育には参加する事ができません。自分で様々な勉強をしながら、スキルアップしていくしかないのです。

5.派遣社員は将来に不安を残す、正社員は将来に対する不安が少ない

派遣社員は様々な企業を短い期間で渡り歩いて働きます。その為スキルが乏しいケースがみられ、新たに正社員としての仕事を探すのが非常に難しくなってきます。

年齢を重ねていくうちに、ますます正社員として採用されにくくなる場合もあります。正社員になるには年齢が若いほど有利になるので、若いうちに派遣社員を辞める人がほとんどです。こうして考えると、派遣は若年者向けの雇用形態なのかもしれません。派遣社員は正社員と違い、自由な働き方ができる代わりに給料も低い場合が多く、将来に不安を残す働き方とも言えます。

正社員になりたい派遣は紹介予定派遣を探してみよう

派遣社員から正社員になるのは、難しいと言えます。なぜなら企業は派遣社員を外注の人材としています。正社員で欲しい場合は別で求人を出すのでわざわざ派遣社員を正社員に向かい入れたりはしないのです。

しかし成績が優秀な派遣社員で、大手企業の正社員に採用されたというケースも実在するので、スキルを磨いておくのも良いでしょう。

また紹介予定派遣という制度があり、これは派遣された企業とマッチした場合は派遣期間終了後に正社員で働く事ができるというものです。

正社員になりたい方は紹介予定派遣を行っている派遣会社を探してみるのも良いかもしれません。

派遣と正社員には大きな違いがある

派遣期間の上限は3年という決まりがあり、これを「抵触日」といいます。

2015年の派遣法改正により抵触日を個人単位で設けられるようになりましたが、その最初の期限が2018年9月末になります。この抵触日を迎えると、派遣会社や派遣先の企業からは直接雇用を提案されるケースが増えるかもしれません。ただし直接雇用の条件が正社員になるのか、契約社員になるのかという決まりはありません。

派遣として働いて3年になる抵触日以降も引き続き働きたい場合は、その旨を派遣社員本人が派遣会社か派遣先に対し申し出る必要があります。