会社選び

転職回数が多い人でも不利にならない面接での答え方

転職の回数はどれくらいから多いと思われるのか、またどれくらい有利不利に働くのかご紹介します。平均的な転職回数の目安から、派遣やアルバイトは転職回数に含まれるかをまとめました。転職回数の多さを悩むより、自分自身を転職先にアピールすることを考えることが大切です。

転職回数の多さは選考に不利にはならない

転職をする際に最も気になるのが、転職の回数です。経験として書きたいことはたくさんあるのに、転職を多くしてきた結果、見た目はただ転職してばかりのように見える・・・という悩みは、転職を経験した人なら誰でも分かります。

転職回数の多さは、選考に必ずしも不利に働くとは言えません。むしろ、面接での答え方やアピールの仕方を工夫すれば、それがプラスに働くこともあります。転職回数の多さをマイナスに捉える必要はないのです。

転職回数の平均はどれくらい?

日本人の平均的な転職回数はどれくらいなのでしょうか。厚生労働省が調べた離職・転職の状況や転職者の特徴について、男性、女性別に見ていきましょう(注1)。

男性

男性の場合、転職者の60%以上は、定年である60歳頃までの転職回数は多くても1回です。また、30歳から50代半ばの半分以上は、新卒で就職してから一度も転職することなく定年まで定職に就いています。転職の回数は1回なら一般的、2回なら多少多い、3回なら多めといった印象でしょう。

女性

女性の場合、結婚・出産などのイベントが要因で仕事を辞める人、家庭や生活リズムに合わせてシフト勤務や時短勤務が出来る職場に転職する方が多いせいか、男性よりは転職の回数が多めとなっています。実際のデータでは、30歳~50代半ばで全体のおよそ25%の方しか転職回数が0回の人はおらず、転職の回数が1回の人は3割程度となっています。

ということは、計算上残りの45%以上の人は転職回数が2回以上したことがある計算になります。これはかなり希望が持てる数字です。結果的に女性は転職をする人の割合が非常に高い分、転職の回数をそれほど気にする必要はなさそうです。

転職回数は何回から多いと思われるか

一般的に転職回数は何回から多いと人事担当者に思われるのでしょうか。マイナビの取材によると、だいたいどの会社も20代なら3回から、30代なら3~5回から転職回数が多いと感じています。しかし、転職回数が多いと感じる回数はあくまでも目安でしかありません。なぜ「転職したのか」や「なぜブランク期間があったのか」などといった、個人の考え方や理由についてしっかり説明することが出来れば、転職の回数が多くとも決して不利には働かないでしょう。

転職の面接で聞かれる質問は回数が多いほど気になる

転職をするときに気になるのが、「面接で何を聞かれるのか」ということでしょう。転職の回数が多い人ほど気になってしまうものですので、あらかじめ面接で良く聞かれる質問を知っておき、心の準備をしておくといいでしょう。

転職回数が多い人は面接ではポジティブな答え方を心がけよう

転職の面接で質問をされたときは、転職を不利にしないポジティブな答え方を心がけてください。

転職回数が多いことを否定しない

転職の回数が多い理由を問われたら、決して事実を否定しないようにしましょう。自分の転職回数が多いことを認めつつ、これから自分がどのように働いていきたいと思ったから転職活動に至ったという言い方が出来るとベストです。転職をしなければならなかった仕方ない事情があったにしても、決してしてはならないのが、会社や家庭の事情といった外的な要因を理由とすることです。周りのせいにしようとする方にはマイナスイメージを持たれかねません。

転職回数が多いことよりも仕事への向き合い方をアピールする

仕事への取り組み姿勢を問う質問で採用側が知りたいことは、「仕事に対してどのような取り組み方をするか」ということです。今までの仕事に対する姿勢が出るので、普段仕事にどう向き合っているのか、自分でも考えておきましょう。「誰でもできる小さな仕事でも、効率的にこなす方法を考えて取り組んで考えてきました」などのポジティブな答え方がいいでしょう。

正社員として働きたい意欲を伝える

正社員として採用される場合、腰を据えて長く働けるかを企業は見極めようとしています。派遣社員として勤めていた理由を問われたとき、「多くの経験をしたかった」「やりたいことが見つからなかった」などの答え方は好ましくありませんが、これに今後どうしていきたいかというところを付け加えることができるとポジティブに答えることが出来ます。

例えば、「正社員として働きたいと考えて求職していましたが、あいにく縁がなく、生活を支えるために派遣社員として働いていました。私には責任を持って仕事に臨む覚悟があります。もしこちらにご縁があれば、派遣社員で働いた多くの経験を活かし、長く勤めたいと考えています」と答えると、正社員として覚悟をもって仕事をしたい意欲と熱意が伝わります。

転職を繰り返したからこそ身につけたスキルをアピールする

スキルに関する質問は、今までしていた仕事からどのような仕事ができる人材なのか、また、熱意ややる気といった部分を見極めるのに聞かれます。きちんと自分の仕事を振り返り、どのような仕事が出来るようになったのか、「パソコンの入力スピードが速くなった」「電話応対が上手くなった」「ビジネスメールの書き方を学んだ」など、自分ができることを分かりやすく答えるようにしてください。小さなことで構いません。今後、身につけたスキルをどのように活かしていきたいのかという点を中心に、ポジティブに答えるようにしましょう。

転職回数は派遣社員の派遣回数を含めてもOK

派遣社員として派遣先に派遣された回数は転職回数に含まれますが、詳細は職務経歴書に書いてください。職歴に書くのは、あくまでも派遣社員として登録した会社、派遣元の会社名です。派遣社員は同じ会社に3年までしか勤めることができないと法律で定められていますので、派遣先が変わるのはよくあることと企業も分かっており、派遣先が複数あったとしても大きな問題ではありません。

派遣社員として働いていた人が転職するうえで大切なのは、「派遣先で就業していた期間」です。あまりにも短期間で辞めてしまった場合などはマイナスに働いてしまうこともあるかもしれませんが、3年など年単位で長期間働いていた場合はむしろプラスに働くと言えます。企業側が見ているのは、長期的に働けるかという点です。よって、派遣された先の回数を転職回数に含めてしまっても問題ありません

転職先の業務に関係がある派遣先の場合は、転職歴と見られたとしても派遣先を職務経歴書の詳細として書き出し、業務内容詳細をしっかり書くことで業務経験有りとしてアピールすることができます。特に専門性のある業務経験であればあるほどアピールすることが出来ます。

パートやアルバイトは転職回数に含まれない場合が多い

パートやアルバイトは、職とみなされないことが多いので、基本的に履歴書に書く必要はありません。ただし、勤務した期間が長い場合や、アピールしたい技術や経験があるなら話は別です。パートやアルバイトであっても転職回数に含め、自分が持っているスキルや経験を職務経歴書に細かく書きましょう。パートやアルバイトの転職回数だけをマイナス要素として捉える会社は少ないです。これから勤めたい会社にどのように活かせるのか、熱意をもってアピールしてください。

海外は転職回数をポジティブにとらえている

欧米では、転職は「自分のスキルアップのために行うもの」というプラスの認識で考えています。転職は自分のステップアップと捉え、当たり前に転職を繰り返しているので、転職回数の多さが問題になることはありません。終身の雇用が保障されていませんから、自分を高く売るためには、自らを磨き、労働市場における自分の価値を高め、転職を続けるしかないのです。

一方、日本は終身雇用制度が崩壊しつつあるとはいえ、いまだに大手を中心に終身雇用を続けている企業が少なくありません。しかし、1960年代から1970年代のような経済成長が見込めない今、生産性が落ちる高齢社員を高給のまま定年まで雇用する体力がある企業はないといえます。これから先、多くの企業は、暗黙の了解で定年まで雇用する制度を見直していかざるを得ないのが現状です。

もう転職回数の多さを気にする必要はない

日本は働き方改革と称して、欧米と肩を並べた働き方を目指す改革を進めています。そうであるならば、近い将来、転職が当たり前になる時代がやってきます。もう転職回数の多さを気にする必要はありません。転職回数の多さより、いかに自分を磨いてきたか、どんな努力をしてきたか、企業にプラスになるどんなスキルがあるのかが問われる時代ですから、自分を高く売り込むために、自らを磨く努力を怠らないようにしてください。

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転職回数が多くなるのが当たり前の時代がやってくる

転職の回数は気にするものではなく、どのように答えるのかがキーだということがわかりました。転職する際には、「なぜ自分は転職したいのか」「どんな仕事がしたいのか」「どんな未来像を持っているのか」といったことをしっかり考えて挑みましょう。転職しながら自分を高めていくのは当たり前と考えてください。ポジティブな考え方を忘れなければ、きっとあなたに合った転職先が見つかるはずです。