転職の面接で話す退職理由の例文・前向きな印象を与えるポイント

転職の面接で、退職理由はかなり重要であると言えます。面接官にとってその人がなぜ前職を辞めたのかはとても気になるところなのです。ですから、どれだけ深く突っ込んで聞かれても自然に答えられるようにしておきましょう。

転職の面接で話す退職理由の例文・前向きな印象を与えるポイント

転職する時の面接では退職理由をきちんと考えておこう

転職での面接にあたって、必ず退職理由を問われることになります。そこで迷ったり、戸惑ったりしてしまうと面接官に不信感を与えることになってしまいます。退職理由は面接官を納得させられるものであり、かつ不自然ではないものである必要があるため、事前にしっかりと考えておきましょう。

面接の場で考えて答えよう、と思っていると絶対に失敗してしまいます。面接において、退職理由は面接官が知りたいことの中でもかなり重要なところです。ここでは、転職時の面接に向けて、考えておくべき退職の理由の上手な答え方を見ていきましょう。

退職理由別の答え方例文をチェックしてみよう

それでは、さっそく転職の面接時に聞かれる退職理由の答え方例文を紹介します。今回は「人間関係」「職種を変えたい」「残業や休日出勤の多さ」という3つの退職理由別に、答え方の例文を挙げているので、転職の面接で退職理由をどう答えようか考え中の人は参考にしてください。

人間関係が退職理由の場合の答え方

人間関係

退職理由が人間関係ということは珍しくはありません。ですが、それをそのまま面接官に伝えてしまうと、人付き合いが下手な人なのかな、チームプレイができない人なのかな、と思われてしまいます。人間関係が退職理由だった場合の例文を見ていきましょう。

人間関係が退職理由の時の答え方例文

前職では個人での売り上げ競争が激しく、常に職場がぎすぎすとした雰囲気に包まれていました。そういった環境ではなく、もっと皆で一丸となってひとつのプロジェクトに打ち込めるような仕事をしたいと考え、退職をしました。これからは、周りの人達との連携を大事にしながら仕事を進められる環境を大事にしていきたいと考えています。

前職では同僚や先輩とのぎすぎすした関係があったことを素直に認めてしまいましょう。その上で、それはあくまでも個人的な問題ではなく、この例文のように、仕事上仕方なく生まれてしまった環境によるものであるということをわかってもらえるような答え方をしなければいけません。

職種を変えたいことが退職理由の場合の答え方

職種を変えたい

職種を変えたいという退職理由の場合には、そのきっかけになったことを述べるとよいでしょう。自分がなぜ職種を変えようと考えたのかをじっくりと考えてみてください。それでは、例文を見ていきましょう。

職種を変えたいことが退職理由の時の答え方例文

前職では、事務職として仕事に従事してきました。もちろんやりがいは感じていたのですが、営業部の人が売り上げを伸ばすことに対して高いモチベーションを持ち、さまざまな工夫を凝らしていることを知った時に、裏方からサポートするだけではなく自分も表に立ってお客様に接していきたいと考えるようになりました。

職種を変えようと思った理由は面接官が気になっているところですから、きちんと回答できるようにしておいてください。ただし、前職にやりがいを感じなくなったから、といった言い方をしないように気をつけましょう。すぐに仕事へのやる気を失ってしまう人だと思われてしまいますから、前職でもきちんと仕事に励んでいたことを伝えるのは忘れないようにしてください。

残業や休日出勤の多さが退職理由の場合の答え方

残業

残業や休日出勤などの多さが退職理由だということもあるでしょう。その場合には、それを改善するために自分が努力したということを転職時の面接で伝える必要があります。それでは例文を見ていきましょう。

残業や休日出勤の多さが退職理由の時の答え方例文

前職では毎日残業が続き、休日出勤も当たり前になっていました。上司に認めてもらえればそれもなくなるかと考え、売り上げを伸ばすために努力し前年度より、結果的にチームで成功を収めました。ですが状況は全く改善されず、もっと自分の頑張りを正当に評価してくれる会社で力を発揮したいと考え、退職しようと思いました。

この例文のように、残業がなくならないことに対してだけではなく、自分の努力が正当に評価されないことに対しても不満に感じたということを退職理由として述べましょう。自分の頑張りを見てほしいと思うのは当然のことです。その思いを転職の面接で伝えることによって、この人は努力ができる人だと思ってもらえます。

転職の面接時に退職理由を上手に伝えるポイント

職場の人間関係や勤務体系など退職理由は人それぞれで、前職に何かしらの不満を感じて転職を決意する人も少なくありません。転職時には、ネガティブな印象を受けることが多い退職理由をできるだけ前向きな印象に変えて上手に面接官へ伝えることが大切です。そこで、転職の面接で退職理由を上手に伝えるポイントを見てみましょう。

退職理由が後ろ向きではないことをアピールする

退職理由が後ろ向きではないことをアピールする

「前職では6年間、営業事務を担当していました。その中で、営業という職種に触れる機会が多くあり、とても魅力を感じるようになりました。そのため、営業事務ではなく、実際に現場に足を運んで、営業としてお客様の声を聞き、よりよいサービスを提供できるように努められる仕事をしたいと考えています。」

この例文は、退職理由が営業という職種に魅力を感じたためであることが面接官に伝わるようにアピールしています。前職で何かトラブルや不満があったわけではないということもわかってもらえるでしょう。

前職の仕事を通じて、更に自分がやりたい仕事を見つけられたというふうに伝えることが上手な答え方のポイントです。前職での仕事が何となく嫌だった、飽きてしまったというような後ろ向きの退職理由を述べるのは絶対にやめましょう。マイナスなイメージを与えてしまうどころか、不採用になってしまうことは間違いありません。

退職理由で前職に対する不満は言わないようにする

退職理由で前職に対する不満を話す面接者

転職時に退職理由を伝える場合、最も重要、かつ基本的なことですが、前職に対する不満は決して口にしてはいけません。退職理由として、前職に対する不平・不満を挙げるのは、大きなイメージダウンになります。

応募者の前職に対する不満を聞いた面接官は、「この人はどこに行っても悪口を言う人だろうか」「ネガティブな人だ」「仕事に前向きに取り組む姿勢が感じられない」などと捉えてしまいます。たとえ自分自身が悪くなかったとしても、前職の悪い面は口に出さないようにしましょう。

過ぎたことへの不満よりも、この先どのように活躍できるかといったことを語った方が面接官のウケは確実にいいでしょう。面接の場ではあくまでも前向きな回答をすることを心がけるようにしてください。

退職理由には自分の努力が見えるようにする

面接で前職の実績を数字を上げて話す人

「前職では常に前期よりも売り上げを伸ばすためにお客様の下へ足を運び、結果を出し続けました。その諦めない力を御社のような製造業での営業部門で発揮したいと考え、応募いたしました。」

この例文のように、自分が前職でどういった努力をしたかが面接官にうまく伝わると、退職理由は更にリアリティーを増します。面接官は応募者の前職の社名だけを知っていても、具体的な仕事ぶりは知りませんから、自らの努力は転職時の面接で実際に自分の口で伝えなければいけません。

数字を持ち出すことができる職種の場合、具体的に数字を示すことができればいいでしょう。「売り上げを何パーセント伸ばすことができた」というような話ができれば、「努力をした」ということの説得力が増します。

そういう経過を経て、自分の力を御社で活かしたいという流れに持って行くのが基本的な流れです。何の努力もしてこなかった人よりも、企業が努力をしてきた人材を欲しがることは当然でしょう。

転職に至った理由・経緯をできるだけ具体的に話す

どうして転職をしようと思ったのかは、退職理由と重なる部分が多いですが、理由も含め転職の経緯もできれば詳しく面接時に伝えておきましょう。「スキルアップのため」「自分にできることの幅を広げるため」「身につけたスキルを活かし新しいことに挑戦するため」など前向きな理由で、ハローワークに通ったり、転職エーシャントに登録したりして転職活動をしたというように具体的に話しましょう。

面接官にできるだけポジティブな印象を与えながら、転職の理由や経緯は具体的に話せるようにしておく必要があります。質問された時にパッと答えられるように、話す内容は事前にまとめておきましょう。

転職理由の本音をポジティブに言い換える4つの例文

退職理由からなぜその会社を志望したかに繋げる

面接官は、応募者が前職をなぜ辞めたのかということだけでなく、どうして自分たちの企業を志望してきたのかも知りたがっているのです。ですから、退職理由をきちんと志望理由に繋げていくべきでしょう。この企業で働きたいと思った決め手を面接官に伝えてください。それは前職でもできたことじゃないか、と思われないように、退職理由を考える必要があります。

そのためには、しっかりと企業研究をして、その企業が何を強みとしているのかを知りましょう。その上で「自分のやりたいことが~の理由で前職ではできなかったけど、この会社でならできる」というふうに、退職理由と志望動機をうまく繋げましょう。退職理由を明確にするのはもちろん、志望動機はしっかり組み立てておくべきです。

転職の志望動機の書き方・魅力的に思われるポイント

退職理由から入社したらどう働いていきたいかを考える

「前職ではさまざまなプロジェクトに携わって参りました。その中で自分の力を知る機会が多々あり、今よりももっとスキルアップしたいと考えるようになりました。ぜひ御社での優れた技術の開発に携わることで、更に自分を高めていきたいと考えております。」

転職の面接では、入社後どう働きたいのかを伝えることも大切です。これも退職理由と繋げて考えていきましょう。この例文では、退職理由は更なるスキルアップ、入社後はもっと力をつけていきたいということが面接官に伝われば問題ありません。

更に深く質問された時には、その企業の特色などに絡めて、自分のやりたいことを述べるのが望ましいでしょう。企業の中でどのように成長し、活躍していきたいと考えているのかをしっかり伝えられるようにしてください。

企業に貢献できることをアピールする

業に貢献できることをアピールする<

転職での面接では、退職理由とともに企業への貢献度も問われます。その企業にどれだけ貢献することができるか、どういった面で役に立つことができるかということをアピールするのが重要となるのです。退職理由または志望理由が納得のいくものであったとしても、それだけでは面接官の心を動かすことは難しいでしょう。特に転職の場合、即戦力として有益な人材を求められることが多いですから、自分が企業に対して具体的に何ができるかを伝えなくてはなりません。

自分の経験を活かしてその企業の強みとしているところを更に補強できる、といったアピールの方法もあります。自分にはこういった経験があるので、それを御社でも活かせるといった流れで話すのが最も自然でわかりやすく、伝わりやすいと言えるでしょう。

企業に貢献できることをアピールするのは就職での面接で必須ですが、転職においては特にそれを意識しておきたいところです。前職を辞めてまで当社を志望してきた理由はなんなのか、と相手企業は思っているわけですから、その疑問を解決するためにも、企業に対し貢献できることきちんと考えておかなければなりません。

転職時の履歴書と面接での退職理由が一致するようにしよう

退職理由は転職の面接時に限らず、履歴書にも書く必要があります。順序としては履歴書に書くのが先になりますから、履歴書に書いた退職理由と、面接で話す退職理由は必ず同じものにしてください。

退職理由がいくつかある場合、違う内容になってしまうことも考えられますが、この二つが食い違ってしまうと、企業側は違和感を覚えてしまいます。そうなれば、信憑性が一気に下がってしまうことは間違いないでしょう。

転職の面接用にわざわざ履歴書と異なる退職理由を話す必要はありませんから、アレンジしようとは思わずに履歴書に書いた退職理由と同じ内容を話してください。どうしても面接の場では「色々なことを言った方がいいのではないか」と思いがちですが、そうではありません。質問を重ねられた時に、情報を追加していけばいいのです。

面接の前にはしっかりと履歴書を読み込み、自分がどのような退職理由を書いたのかを頭に入れておきましょう。そうすると、面接でも違和感のない回答をすることができます。

転職時の面接では前向きな退職理由を述べることが大事

転職するにあたって、退職理由は特に慎重に考えておかなければならない要素のひとつです。面接官はよりよい人材を採用しようとしていますから、退職理由があやふやな人をやすやすと信用しないでしょう。たとえネガティブな退職理由でも、できるだけ前向きな印象になるように内容をまとめることが大事です。

また、ここで紹介した退職理由を上手に答えるポイントを参考に、どれほど突っ込んで聞かれても自然にすらすらと答えられるようにしておきましょう。