会社選び

転職で後悔しないために知っておきたい6つの予備知識

「転職して本当に良かった」という人がいれば、転職を後悔する人も確実にいます。転職したことを後悔してしまうのは、転職先の会社での不満はもちろん、前の会社と比べての不満点が原因となることもあります。後悔しない転職のためにはどんな注意点があるのでしょうか。

転職で後悔しないためにはどうする?

会社に不満があったから転職したのに後悔してしまう人は少なからずおります。では、転職して後悔しないためにはどのようなポイントがあるのでしょうか?

今の会社に居続けることがいいのか、本当に転職したほうがいいのか。転職するならどのような判断基準を持って転職先を探せばいいか把握する必要があります。環境が大きく変わり、今後のキャリアにも影響を与える転職だからこそ、一回きりの後悔しないものにしましょう。

1 転職先では人間関係を一から築き上げなければならない事を覚悟する

転職すると人間関係をまた一から築き上げなければなりません。これには相当なストレスとエネルギーが必要です。特に未経験の業種だと、年齢にかかわらず同僚は全て先輩になりますし、年下の上司の元で働かなければならない状況は往々にしてあります。

新卒入社の時だと同期がいたかもしれませんが、転職となると同時期に数人採用されない限り、同期という概念はありません。あなたは既に人間関係が構築されている場に飛び込むことになります。

今の会社に入社した当時を思い返してください。人間関係を築き上げるのに苦労しませんでしたか?

退職理由のランキング上位には「同僚や先輩・後輩・上司との人間簡易に対する不満」が確実に入っています。今の会社の人間関係に不満がない人は安易に転職すべきではないでしょう。そこには信頼関係があり、たとえ仕事内容や条件に不満があったとしても、人事部や上司との交渉で変更可能です。

同業他社に転職してみてもやはり、今の会社とは違う組織に属することになるので、注意が必要です。今の会社には同期入社や、年齢の近い人がいるかもしれませんが、転職となるとあなたは即戦力として期待された状態での入社となります。

しかも転職の窓口は空いたポストを埋めるために行われるので、同時期に同年代の人が入社することは稀です。自分が困った時にすぐに相談出来る人間関係ができていないのは相当なストレスとなり、中にはうつ状態に陥ってしまう人もいます。心身のバランスを崩してはなんのために転職したのかが分からなくなってしまいます。

2 実際に入社したら条件が違うこともあると腹をくくっておく

転職する際に必ず目を通すのが求人情報です。そこには、給与、賞与、残業時間の見込み、休日、有給、福利厚生など、労働条件が書かれています。しかし、その条件と全く合致した転職を果たした人は少数派と言えるのが現状です。求人情報でウソをついている訳ではなく、制度としてはあるけれども実際にはその制度が活用されているかは全く別の話なのです。求人情報は参考程度に思っている方が安全です。

気になる会社が見つかったとしたら、なるべく人事部ではなく、現場で働いている人と会わせてもらえるように交渉すべきでしょう。

人事部は他人を評価するのが仕事であって、その人がどのような働き方を望んでいるかまでは考えてくれません。しかし、現場で働いている人と話せれば、実際に働いている方の様子や雰囲気を知ることが出来ます。

さらに、転職活動の時点で、現場の人間を連れてこれない会社に転職するのはリスクでしかないです。本当に求職者のことを考えている場合は、現場の人材を連れてくることなど造作もないことです。転職活動が進み、人事部と交渉出来る段階になったら、「自分が配属されるであろう部署の人と会わせて欲しい」と発言してみましょう。そこでその会社の本性が知ることが出来ます。

3 公務員だからといって仕事が楽なわけじゃない

「公務員は9時5時で終わるから楽でいいなぁ…」と考えている方は、考えを改めなければなりません。そのイメージは過去の話で、今やどの自治体も慢性的な残業が蔓延っています。昔に比べて役所がしなければならない仕事量自体が増えていますし、縦割り行政なので他部署との連絡に時間がかかり、中々スピーディーに仕事を進めることが難しいのが現状です。9時-5時で終われる公務員は今や絶滅危惧種となっており、夜の9時になっても役所の明かりが消えていないことを知っておく必要があります。

配属される職場により、業務内容も勤務時間も全く違います。国家公務員なら全国規模で転勤の可能性がありますし、地方公務員でも職種によって都道府県内での転勤がありえます。

一時期、役所で行われていたクラブ活動への強制加入が問題となりましたが、パワハラまがいの行いは民間の企業同様存在します。年功序列の意識が高く、上下関係に関しては民間企業よりも厳しいと言えます。

楽な仕事なんて存在しないと認識しましょう。事前に業務内容や実態を確認しておかずに、勝手な想像だけで転職を決めてしまうと後悔するのは当たり前です。

4 異業種に転職するならプライドは邪魔になるだけ

後悔しない転職のためには、転職先で「自分が納得できる働きができるか」が重要です。自分の今の仕事に不満があり、やり甲斐を求め業種を変えて再スタートしようという方は数多くおられます。そこで考えられるのが異業種への転職です。

しかし、異業種への転職が成功するのは若い人の方が多く、年齢が上がるに連れ異業種への転職成功率は下がっていきます。受け入れる側もスキルよりは求職者の性格や将来性を考えて採用するからです。いわゆる「青田買い」をしてくれるのが20代の転職と言えるでしょう。

異業種への転職とはいえ、現職の経験が全く役に立たないかといえばそうではありません。営業やマーケティング、管理や企画、事務やIT技術系やコンサル業務の場合は、前職のスキルをそのまま発揮することができ、企業によっては異業種からの転職者を歓迎する傾向もあります。「特に資格を持っていないから…」と思いがちですが、コミュニケーション能力も立派なスキルです。自分の今までの働き方を思い返すと、必ず強みとなるスキルがあるはずです。

「自分が持ってるスキル」を把握しておくことは転職する際には絶対に必要です。現在では雇用対策法により募集要項において年齢制限を設けることは違法となっています。もう若くないからと諦めず、自分の経験とスキルを発揮できる職場を選びましょう。

現職の社歴が長い人が異業種へ転職する場合には、邪魔となるプライドは捨ててしまいましょう。業界未経験のあなたは10歳年下の先輩の元で働く可能性が十分あります。仕事において年齢は一切関係無く、全ては成果で判断されると思って下さい。年下だとしても業務経験者の先輩ですから、業務における必要な知識はあなたよりも確実にあります。分からない事があれば指導してくれるのが先輩です。年齢を意識せずに先輩として接することで、職場にも馴染めますし、スキルアップできるのですからプライドは必要ありません。

5 第二新卒は決して転職に有利ではありません

新卒で就職した人が1年から3年程度でやめた場合、第二新卒として分類されます。新卒時に就職できなかった・しなかった場合は既卒として第二新卒とは別として捉えられる場合もあります。

新卒枠によって毎年新卒者を採用する企業があります。第二新卒は新卒枠として就活することはできるのかというと、中途採用枠にて先行される場合が多くなります。新卒枠として選考してくれる企業もありますが、ライバルが現役となると採用を勝ち取るのは難しくなります。

雇用対策法の努力義務として、3年以内の既卒者は新卒者として扱いとあり、奨励金もありますがあくまで努力義務です。第二新卒枠がある企業もありますが、決して多くはありません。

未だに日本では3年未満で退職した人に対しての風当たりが強い風潮があります。かといって「採用してもすぐにやめてしまうんじゃ…」と不安になる採用担当者の気持ちも分かります。IT系など転職を繰り返して着実にスキルアップするという業界もありますが、経験が必要とされる業界だと短い就労期間は不利と判断されかねません。

逆に言えば就労期間が短かったとしても「何を成し遂げ、どんなスキルが身についたか」ということがハッキリしていれば、次の転職に有利とも言えます。

既卒と違って社会人経験者の若い第二新卒は、一定のビジネスマナーを取得しており、まだ若いことから手のかからない新人として重宝する傾向もあります。退社理由と、転職理由がしっかりしていれば、新卒枠とは違いますが年齢の高い経験者よりも転職が有利な場合もあるので、熱意を持って転職活動に励みましょう。

第二新卒がはじめての転職で成功するためのポイント

6 転職は自分の現状の満足点と不満点を整理してからにする

そもそも転職しなければ、今の不満は解消できないのでしょうか?まずは満足点と不満点を整理しましょう。

今の仕事で満足している点はなんでしょうか。仕事内容は納得できますか?人間関係は良好ですか?労働条件・給料は満足していますか?

働いていると、つい悪い部分だけが目についてしまいますが、改めて考えると良い部分は沢山あるでしょう。不満点のみにスポットを当ててしまうことこそリスクであり、冷静な判断ができなくなってしまうので避けなければなりません。

あなたが不満と思っている部分を、今の会社で解消するのは難しいですか?労働条件は昇進のタイミングで変わりますし、人事部・上司との交渉で変更可能な場合もあります。仕事内容であれば、配置転換を人事部に申請することも出来ます。

ご自身のキャリアプランを少し長い目で、何年という単位で考えてみることから始められてはいかがでしょうか。そうすることで、大局的な思考で人生について考えることが出来ます。一時の不満にさいなまれたからといって、安易な転職はおすすめできません。どうしても不満で転職を決意するレベルなら、退職を伝える前に辞める勢いで上司や人事に相談してみた方が得です。

転職で後悔しないためには今の自分を客観的に見てみることが大切

転職とは人生の大きな分岐点となります。人間関係も労働条件も仕事内容も全てが変わるので、人生そのものが変わります。だからこそ慎重に考えなければなりません。現在の環境に不満があるとしても、それが一時的に忙しいだけなのか、慢性的なシステムの問題なのかをしっかりと見定める必要があります。

今の会社に不満を持つのであれば、満足している点も必ずあるはずです。常に不満ばかりに囚われてしまうと、転職先でも不満点が気になり後々後悔する転職となってしまいます。まずは一度立ち止まり、現在のご自身の環境やキャリアプランを客観視することで、落ち着いた判断が下せるはずです。