自分磨き

未だに求め続けられる医療事務の資格とその取り方

医療事務資格がなくても医療事務として勤務できますが、レセプトや院内資料といった聞きなれない単語をあらかじめ知っておくとスムーズに働けるようになります。現在80種類以上ある医療事務系資格の中でも、特に役立つ資格と併せて学習方法や合格難易度や医療事務の業務内容などを紹介します。

必要とされている医療事務の資格について知ろう

約40年の歴史を持つ医療事務の資格は、これからも医療現場で必要とされる資格です。患者中心の医療が求められている中では、医師や看護師だけでなく事務への人材を確保することが求められているからです。

この医療事務というものには80以上の資格が存在しており、それぞれに専門知識を求める資格でもあります。女性を中心に人気の資格が揃っており難易度も高くないことから、その門戸を広く開けているといえます。今回はそんな医療事務に関する資格についてご紹介します。

医療事務ってどんな仕事?

医療事務の仕事内容は専門知識を有してなくとも可能なものが多く、幅広い業務内容があります。医療事務の仕事として受付、会計、レセプト業務、カルテの整理、電話応対、予約管理、患者のクレーム対応、院内資料作成、簡単な検査、器械の洗浄、消毒、掃除などがあります。いわば、医療行為以外の業務全般といった方が良いでしょう。花形ではありませんが、病院を運営していくためには非常に大切な業務です。

業務内容の中に、患者さんの負担額を計算して伝えるレセプト(診療報酬明細書)という業務があります。患者さんが負担する医療費は個々人の持つ健康保険の点数によって異なるため、金額をカルテからコンピューターに入力して計算します。また受付業務も医療事務の仕事であり、病院の顔として活躍できる仕事ともいえます。

医療事務の資格は現場で必要なのか

医療事務については特に資格がなくとも仕事は出来ます。医療事務の資格は医師免許や看護師免許のような国家資格ではなく、ほとんどが民間の資格です。一部に公的な検定もありますが、あくまでも技能を持っていると証明するだけの資格であることを忘れないでください。

なかでも財団法人日本医療教育財団の「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)」と、財団法人日本医療保険事務協会の「診療報酬請求事務能力認定試験」は人気であり、医療事務に携わりたい方の多くがこのどちらかの取得を目指しています。技能を証明する資格はそれだけで就活に有利ですので、この2つの資格をまず見てから資格取得を目指していきましょう。

医療事務の魅力

医療事務という職が人気なポイントは6つあります。女性に嬉しい要素が多いため、医療事務が人気の職場であるのもうなずけるでしょう。

医療事務の6つの魅力

  • 働き方が自由
  • 正社員への門戸が広い
  • 子育てとの両立
  • 年齢は関係ない
  • 学歴・経歴は重要ではない
  • 全国で通用

平成23年の時点で18万人以上の医療事務従事者がいます。その数は緩やかに伸び続けており40代や50代の方も資格講座に挑戦している方が多くいます。その多くが医療センターや病院で働いておりますが、今では民間の医療機関も増えてきているためか医療事務職員の働く場も増えているのが現状です。子育てが一段落した方や医療関係の職に就きたいと考えている方はまず資格からその仕事内容を窺ってみましょう。

医療事務資格の取得方法とそれぞれのメリット・デメリット

医療事務資格を取得するにあたっては4つの方法の勉強方法があります。それぞれの資格には特色があるため、内容によって受験内容や難易度に若干の差がありますが、ほとんどが以下の4つの方法で取得が可能です。場合によっては教育機関での決められた課程を修めなくてはいけないものもありますが、ごく少数に留まっています。

このいずれかのパターンで学習した後に各々の資格試験を受験し、合格しなければなりません。例えば医療事務技能審査試験は年12回あり、費用が7500円かかります。また、実技と学科の試験を受けなければなりません。試験後、約1か月で結果が届き、合格後一か月で合格証書が届きます。これで医療事務資格の取得が完了です。

1 予備校で医療事務資格を取得するメリット・デメリット

予備校のメリット

  • 資格試験合格に向けてのカリキュラムが組まれている
  • 学習で分からないところがあれば、その場で質問できる
  • 学習仲間や講師などとの交流の幅が広い
  • 医療事務の現場の最新情報が手に入れられる
  • 就職支援が受けられる

予備校のデメリット

  • 受講費用が比較的高くなる
  • 教室に通学する苦労がある

2 通信講座で医療事務資格を取得するメリット・デメリット

通信講座のメリット

  • 資格試験合格に向けてのカリキュラムが組まれている
  • いつでもどこでも自分に合わせた学習が可能
  • 予備校に比べて受講料が安い

通信講座のデメリット

  • 続けるためにはある程度の意思が必要
  • 学習仲間や講師とのつながりには期待できない

3 短大・専修学校で医療事務資格を取得するメリット・デメリット

短大・専修大学のメリット

  • 資格以外の一般教養なども学習できる
  • 就職率が高い

短大・専修大学のデメリット

  • 資格以外のことも学習しなければならない
  • 授業料が高額
  • 卒業までに1~2年かかってしまう

4 独学で医療事務資格を取得するメリット・デメリット

独学のメリット

  • 必要教材だけの出費となるので費用が安い
  • あくまで自分のペースを維持できる

独学のデメリット

  • 教材や実行スケジュールを自分で決める必要がある
  • 学習仲間や講師との交流の幅が狭い
  • 特定の講座を受講する必要にあるものは受験できない
  • 試験に関する情報を入手することは難しい

医療事務資格取得にかかる費用と期間

基本的にかかる費用は受検料の7,500円だけですが、ここに通信講座の費用や教材費がかかります。期間は最短で1か月で、予備校や通信講座であれば50,000円程度がかかります。ほとんどの医療事務資格の試験は毎月あるため、どの月の試験に挑戦するかを予め決めておきましょう。ただし、資格取得ための勉強機関としては4~6か月が標準的な学習期間です。その点を含めて学習期間を確保し、試験問題の傾向を把握するようにしておきましょう。

医療事務資格の種類は80以上もある

医療事務に関する資格については現在80種類以上あります。その中でも認知度が高い7種類の資格があります。その資格は次の通りです。

診療報酬請求事務…レセプト業務従事者の技術向上のための資格
医療事務技能審査…メディカルクラークと言われる医療事務の業務向上と社会的地位確保の資格
医療情報実務能力…無用な診療報酬請求を省き、実務能力を測るための資格
医療保険請求事務者…医療事務全般の専門知識と技能を審査する資格
医療事務管理士技能…「医療事務管理士」という称号が与えられる人気資格
医療管理士認定試験…医療行為の点数化やソーシャルワークカルテの作成に関する資格
医療保険士…病院の会計事務や明細書の作成を行う資格

このほかに多くの資格がありますが、内容によっては重複していることもあるので手当たり次第に受験するのではなく詳しく調べてから学習されることをお勧めします。また、この資格はそれぞれ実施回数と試験場所、および資格受験費用が異なる場合があるので注意してください。

その他の医療事務関係の資格には次のようなものもあります。これらの資格以外にも多くの資格がありますが、無理して就職前にとるのではなく現場の実情を踏まえて取り直すのも良いでしょう。そのため特に人気の財団法人日本医療教育財団の「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)」と財団法人日本医療保険事務協会の「診療報酬請求事務能力認定試験」を始めに受けておくとよいでしょう。

保険請求事務技能検定

医療保険制度や医療用語、薬学の基礎知識が問われる、医療機関に勤務しつつ保険請求事務の専門家として名乗れる資格です。

医療秘書技能検定試験

医療業界における事務のスペシャリストと言われる資格です。秘書というよりも総合案内人(コンシェルジュ)としての意味合いが強い資格です。

医療管理秘書士

病院組織における管理者(院長)などが本業に専念できるよう事務的サポートを行う医療秘書士の上級資格です。

医療秘書情報実務能力

患者をもてなす高い能力を持つメディカルセクレタリースペシャリストであることを認定する医療事務資格試験です。

日本医師会医療秘書

医師が本来の仕事に専念することができるよう、医療事務に関する専門知識と情報処理技能に優れたことを証明すための資格です。

デンタルアテンダント

医療事務の実技内容を円滑に行うことができ、歯科助手としての業務を行うことができる資格です。

診療情報管理技能認定

診療管理業務を行うものとして必要な病名コーディングなどの知識と技能がどのくらいのレベルにあるのかを審査する資格です。

診療情報管理士認定

ライブラリーとしての診療録を高い精度で機能させ、データや情報を加工、分析し活用することで医療の向上をはかる専門職です。

医療事務の資格はたくさんあるけれど本当に役立つのは一握り

非常に多くの資格がある医療事務ですが、本当に役に立つのは一部と言われています。短期間に法改正されたり、病院の決まりが変わったりして、ついて行くのが大変なこともありますが、医療従事者が本業を全うできるようにするのが医療事務職員の仕事です。

病院の「縁の下の力持ち」である医療事務の必要性は年々増してきており、活躍の場も増えています。この機に資格取得から始めてはいかがでしょうか。