ニートの意味や原因と脱出方法
「ニート」という言葉の語源や由来、知っていますか?どんな人をニートと呼ぶのか日本での定義とそうなってしまう原因を紹介します。ニートから抜け出すための方法も合わせて紹介していますので参考にしてください。
ニートの意味は「仕事も勉強もしていない」人のこと
昨今、「ニート」という言葉が当たり前に聞かれる世の中になりました。ですが、その意味や語源をご存知でしょうか。英語では「Not in Education, Employment or Training」その頭文字を取って「NEET」と略します。
訳すと「教育、雇用、職業訓練に参加していない」という意味ですが、元々はイギリスの労働政策で用いられた語で、日本では、非労働者で、通学も家事もしていない15歳~34歳の者と厚生労働省が定義しました。
このニートという人々が年々増え続けている理由は、何なのでしょうか。ニートになる原因と彼らの特徴から脱出のための方法を考えましょう。
ニートになる原因はちょっとしたつまずきから
ニートになってしまう原因は人によって様々です。「こういうことがあると必ずニートになる」とは一概に言えません。ただこれが絶対ではありませんがニートになってしまう原因として一つ共通点があります。それは、ほんの少しのつまずきです。
中学・高校時代からすでに引きこもりでニートになってしまった人は学校内の人間関係でつまずいたり、学習面でつまずいてしまう場合が多く、学校に行くのが嫌になり、引きこもります。人との接触を避ければ避けるほどコミュニケーションをとるのが怖くなって、家から一歩も出られなくなり、悪循環になるのです。
子供の頃からそういう生活を送っているため、だんだんと引きこもっていることへの引け目や罪悪感も薄れてしまい、成人しても変わろうとすることなくニート生活を送ってしまうことが多いです。したがって、ニートから脱出するのが一番難しいのがこのタイプの人達といえるでしょう。
成人してからニートになってしまう人の理由として多いのが就活疲れだと思います。大学まで難なくクリアしてきたのに、就活を経験して初めて挫折を味わい、面接に受からないことが自分の存在そのものを否定されたと感じて何もかもが嫌になってしまうパターン。
このタイプは高学歴ニートと呼ばれる人達に多いです。その他にも職場の人間関係が上手くいかず引きこもってしまった人や就職した企業がブラック企業で精神的に追い込まれ、鬱などの病気になってしまい、引きこもってしまった人など様々な理由があると思いますが、そのきっかけは些細なものが多いのです。
ニートを脱出するにはプライドを捨てて出来ることからやる
ニートの人達は責任感がなく適当に生きていると思われがちですが、実はとても真面目な人がほとんどです。真面目だからこそ、ちょっとしたことで悩み、落ち込み、殻に閉じこもってしまいます。
彼らには高い理想がある方が多く、その理想を達成できなかった時、強い挫折感を味わいます。「こういう学校生活を送りたい→できなかった」「良い会社に就職したい→できなかった」こんなはずじゃなかったのに…とニートの人達は思います。そして逃避という形で引きこもることを選び、社会との関わりを断絶してしまうのです。
そのような人達を立ち直らせるにはまず、低いハードルを設定することです。自分の部屋から一歩も出ることが出来ない人は、家族が揃う場所で一緒に食事を摂ることから始めます。家族と話をすることで一人で抱え込んでいた問題が解決できることもあるかもしれません。
自分の趣味のためなら外へは出られるけど仕事をする気がない人は、アルバイトやパートのように短時間勤務から身体を慣らすのが良いでしょう。今までずっと殻に閉じこもっていた人間にいきなり就職しろ、フルタイムで働けというのはやはり難しい話です。
ハードルが高すぎると飛び越える前に尻込みして諦めてしまいます。ですから、ニート脱出の第一歩は普通の人なら簡単に出来るようなことからチャレンジすることが大切です。ニートの人は基本的にプライドが高いのが特徴です。自分の現状を正しく理解し、プライドを捨てなければニートから抜け出すことはできないでしょう。
ニートを脱出するには親に甘えるのをやめよう
ニートで一人暮らしをしている人はほとんどいません。彼らは親のお金を頼りに生活しています。働いていないのですからそうなるのは当然ですよね。働かなくても出てくる食事、働かなくても欲しいものが手に入る環境が彼らをダメにしていきます。
「ニートになったのは親のせいだ」と責任転嫁する人がよくいますが、実際親が甘えさせた結果としてニートが出来上がったというのもあながち間違いではありません。しかし、すべての責任を親に押し付けるのは間違いです。親が甘えさせてくれたらそれに全部委ねてしまう本人の責任もかなり大きいです。
ニートから脱出したいなら、親に甘えるのをやめましょう。いきなり一人暮らしをしろとは言いません。まずは食費を少し入れる努力をしてみるとか、欲しいものが出来た時は我慢するか、それを手に入れるためという名目で仕事を始めてみましょう。きっかけはどんなことでも良いのです。
親に頼ってばかりいると「生活する」という当たり前のことを成り立たせるのがどれだけ大変か気づくことができません。一度自分の力で自活してみると、「このままじゃダメだ」と思えるはずです。
ニートを脱出するには就活に有利な資格を取ろう
就活に失敗してニートになってしまった人は一時的に自信喪失してしまっている場合が多いです。そんな時はただ部屋に閉じこもるのではなく、立ち止まっているこの時間を充電期間だと思うようにして、就活に有利な資格を取るための勉強をしてみては如何でしょう。
高学歴ニートの人達の場合は学力に関しては申し分ないのですから、その力を最大限利用して、地道に就職を目指すほうがただのニートになるより賢い選択だと思います。「今、自分は就職するために勉強しているんだ」と思えば、1日中家に居ることに対しても劣等感を感じることはありません。
ニートを脱出するのに大事なのは一歩踏み出すこと
ニートの人は知らず知らずのうちにネガティブに考える思考の癖がついています。本当は今の生活に鬱屈したものを感じているのに、長いこと殻に閉じこもりすぎたせいで自分を変えるのが怖いのです。
ニートから抜け出すために一番重要なのは、あなたの一歩踏み出す勇気と、変わりたいという強い意志です。外の世界は当然傷つくこともあるでしょう。嫌になることもあるでしょう。けれど、社会と関わりを持つというのは素晴らしいことです。
つらいことがある分だけ嬉しいことや楽しいこと、幸せなこともあるはず。今の生活に少しでも不安や苛立ちを感じているのなら、まずは前を向いて、一歩踏み出してみませんか。