就職希望先の企業へのメールは恋文のように想いを込めて書こう
就職活動をしていると、エントリーシートを書いたり、応募する企業ごとに履歴書や職務経歴書を更新したり、一般常識やSPIの試験勉強をしたりと、忙しいことこの上ない状況が続きます。しかし、どんなに忙しくても企業へのメール対応は手抜かりのないようにしなければいけません。
就職活動は恋愛と同じように、筆まめであることが大切です。想い人の記憶に残るアプローチをするように、就職希望先の企業に対しても基本的なマナーを守ってメールを送るようにしましょう。
就職希望先にメールを送るのが初めての場合は、特に不安なことがたくさんあるだろうと思いますが回数を重ねていくうち少しずつ慣れてくるはずです。履歴書や職務経歴書などを書く時と違って、メールの文面を作成するのはつい雑になってしまう・・・そのようなことが無いよう、その企業に対する強い想いを失礼のないマナーとともに伝えたいものです。
就職希望先にメールを送る時の基本マナー
ここからは、就職希望先の採用担当者にメールを送る時の基本的なマナーを紹介していきます。せっかくメールを送るなら、採用担当者に気持ちよく読んでもらい、なおかつ記憶に残るようなメールにしたいものです。ぜひ基本のマナーを参考にして、就職希望先に好印象を与えるメールを送りましょう。
1.OB・OG訪問や面接後はお礼のメールを忘れない
企業へのメールは、相手から送られてくるメールへの返信以外にもうひとつ、対面後にお礼のメールを送ることがとても大切です。対面後のお礼メールとは、例えばOB・OG訪問の際や面接後など、対面後に「貴重な時間をいただき、ありがとうございました。いろいろと勉強になりました。」といった姿勢を伝えることを目的としたメールがありますす。
このようなメールでの挨拶は、対面時に直接かわす挨拶と同じように「当たり前に行うこと」として認識しておきましょう。これを見落としてしまうと、人によっては「失礼な人」とみなされるので、日頃から意識しておいてください。
2.就職希望先にメールを送る際は「礼儀」「敬意」「配慮」を忘れずに
企業に送るメールには細かなルールがあるので、これをしっかりおさえておかないと「常識のない人」とみなされてしまいます。細かなルールと言ってもそれほど難しいことはないので、これから紹介するポイントを見ながら徐々に慣れていきましょう。求人応募者から送られてきたメールで企業が見ているポイントは、主に下記の3点です。
- 「礼儀」
- 「敬意」
- 「配慮」
礼儀:面接対応などに対するお礼、メールの定型が守られているかなどを見る
まずここでいう「礼儀」とは、対面後にちゃんとお礼メールができているか、そしてメールの定型が守られているかというところ、つまり社会人として「当たり前のことがちゃんとできているかどうか」というところを企業はチェックしています。
この当たり前のことができていない人も少なくありません。採用に力を注いでいる人事担当者が血眼で人材を探している中、せっかく優秀な人を見つけても、この「礼儀」が損なわれていると感じれば、採用を見直すことも大いにあるということを念頭に置いておきましょう。
採用担当者としては、内心「そんなことで、せっかくのチャンスを逃さないでほしい」とがっくり肩をおとしていたりしますので、あと一歩のところで残念なことのないよう、後ほどご説明するマナーをしっかりとおさえておくことをおすすめします。
敬意:学びの姿勢があるかなどを見る
次に「敬意」ですが、これは特に相手に直接あって話した際など、少し込み入った話をした場合にアピールしておきたいことをメールに書きましょう。
メールで垣間みえるあなたの人柄は、企業側も実際に働くイメージに紐づけて考えます。そのため、あなたの素直さや学ぼうとする姿勢などメールの文面に落とし込み、少しでも採用担当者の記憶に残るような内容に仕上げましょう。
配慮:就職希望先に対する心遣いを見る
そして最後に「配慮」ですが、読みやすく理解しやすいメールかどうかという点も就職先の企業がチェックしているポイントです。
少しでも意味がわからないと感じたものは、途中で読むのをやめられてしまうこともあります。また、件名や送信するメールアドレスなどを見た時に、誰から何の要件のメールなのかすぐにわからないものは、後回しにされてしまったり、読む前にゴミ箱に捨てられてしまうことも考えられます。
3.メールの送信は就職希望先の業務時間内にする
メールが完成したらあとは送信をするだけですが、その際早朝や深夜など早すぎたり遅すぎたりといった時間帯に送るのは避けましょう。電話ではないので、気にしなくてもいいのではないかと思いがちですが、あなたのメールを相手がその日に確認できるよう配慮し、なるべく業務時間中の時間帯に送ると良いでしょう。
ただし相手からのメールは24時間以内に返信するのが鉄則とされているので、もしも気づくのが遅くなった場合は、そのことに対してお詫びをした上で送るといいですね。
4.就職希望先へのメール内に質問事項を書く時は事前調査必須
メール本文に質問事項を書く際は、あらかじめ自分で調べたうえで質問することが大切です。すでに企業のサイトに掲載されている内容を聞くのは、相手に対して失礼にあたります。募集要項や企業情報、もしあればIR情報などを確認し、重複していないか確認してから質問をしましょう。
そのほか様々なケースがあるかと思いますが、メールを受け取る相手に迷惑がかからないかどうかを意識してみると、柔軟に対応できるようになります。
就職希望先へのメールの書き方の具体例
それでは、ここからはメールの書き方について、具体的な書き方を説明しましょう。メールは、一般的に下記のような流れになります。
- 「件名」
- 「本文」
- 「署名」
メールの「件名」は受け取る企業が分かるように付ける
「件名」つまりメールのタイトルは、相手がここを見ただけで何の用件なのか、本文を全て読まずともだいたいのことは認識できるよう、簡潔にまとめましょう。
例えば、その日のお礼であれば「【御礼】~」や、確認をしてほしい資料を添付しているのであれば「【確認のお願い】~」というふうに先頭につけてあげると、より分かりやすくなります。
なお、相手からのメールに対して返信する際は件名は返信ボタンを押した時のまま、特に編集せずに送りましょう。メールを返信すると自動的に「Re:(相手から送られてきたメールの件名)」と編集してくれます。
相手はこれをみて、「前回送ったあの件で返信がかえってきたんだな」と認識するのですが、件名を新たに作成したり、先頭の「Re:」を外してしまったりすると、あとから読み直す必要があった際、メールを探すのに苦労してしまうので、気をつけてください。
「本文」の冒頭部分は企業の宛名・挨拶・自分の名前の順に書く
次に「本文」の冒頭部分ですが、「相手の宛名」「挨拶」「自分の名前」の順で書き始めます。
「相手の宛名」は社名から部署名、そして担当者の氏名まで知っていれば、すべて書いておきましょう。社名は株式会社である場合、先頭か末尾か間違えないようにし(株)や(有)と略さないように注意してください。氏名のあとには必ず「様」をつけることが鉄則ですが、氏名までわからない場合は部署名などに「御中」とつけておきましょう。(指名は分からないけれど担当者が存在するようであれば、「担当者様」と記しても大丈夫です)
「相手の宛名」の例文
○○(会社名)株式会社
○○(部署名)部
担当者 様
なお、上記のように会社名と部署名、氏名それぞれで改行を入れておき読みやすさを意識しておくこともポイントとなりますので、覚えておいてください。
宛名のあとで本文の書き出しがはじまります。
書き出しは「お世話になっております。○○(自分の名前)と申します。」からはじめます。
ビジネスでは名字だけを名乗るのが一般的ですが、就職活動の場合は、あなたのことをしっかり特定できるように名前はフルネームとして学生であれば学校名や学部まで書いておくといいですね。
「挨拶」の例文
お世話になっております。
○○学校○○学部の○○(自分のフルネーム)と申します。
ここまで書いてから、本題に入るという流れとなります。本題もタイトル同様わかりやすく簡潔にまとめて冗長にならないように、また読みやすさに配慮して、一行30文字程度にして適切な箇所で改行を入れるよう心がけてみてください。
「署名」はメールの送り主を表すもの
メールの最後には署名をいれます。署名は、あなたがこのメールの送り主であることを意味するものなので、宛名同様にあなたのことを特定できる内容を書きましょう。また何かあった際に連絡できるよう、電話番号やメールアドレスも忘れずに書くようにしてください。
「署名」の例文
○○学校○○学部
○○(自分のフルネーム)
電場番号
メールアドレス
なお、署名はインターネットでいろいろなデザインのテンプレートを探すことができます。なるべくオフィシャルなデザインで余計な装飾のないシンプルなものを選んで、参考に使ってみましょう。
就職希望先にメールを送る時の例文
就職希望先に送るメールの具体例をここであげておきますので、是非これを参考にしてメールを作成してみてください。
件名:
【御礼】○月○日の面接について ○○大学○○(自分のフルネーム)
メールを開く前に誰から送られてきたメールなのか相手がすぐにわかるように、件名の末尾には、大学名とあなたのフルネームを入れておくことがポイントです。
本文:
○○株式会社
○○部○○課
採用担当 ○○様
いつもお世話になっております。
○○大学○○学部○○学科の山田太郎です。
先日の面接では、貴重なお時間をいただきありがとうございました。
本題の冒頭には、何の用件で連絡をしたのか一文で伝えておきましょう。対面した場合は、上記のようにその時の御礼を、日程調整のメールであれば、「○月○日の面接について、日程を調整させていただきたく、メールをお送りいたしました。」といった一言からはじめれば、相手もストレスなく、スムーズに読み進められるので、最後までしっかり読んでもらえると思いますよ。
ここから本題~
また次回お会いできることを願っております。
今後とも宜しくお願いいたします。
上記のように、文末にもあなたが入社を希望していることをアピールできる一言を添えておくとさりげなくアピールできるのでおすすめです。
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○○大学○○学部
山田 太郎(ヤマダ タロウ)
TEL:×××-××××−××××
e-mail:×××××@×××××.jp
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署名に記載する項目は上記だけでも問題ありませんが、もし企業から資料の送付などが考えられる場合は、住所も記載しておきましょう。
こんなメールはNG!就職希望先にメールを送る際の注意点
顔文字を使ってはいけない
(>▽<)bのような顔文字の使用は絶対NGなので、企業へのメールには使わないことが鉄則です。時折、若い人事担当者がくだけた印象を与えるために使用しているのを見かけますが、通常ビジネスシーンで使うことは失礼にあたりますから、絶対に使わないようにしましょう。
カジュアルすぎるメールアドレスは使わない
「happy@〜」など、カジュアルなアドレスは避けましょう。また、あまり知られていないドメインのメールアドレスも、迷惑メールと見なされてしまいかねません。
もし普段使っているメールアドレスがそのようなくだけたものであれば、就職活動用に別途アドレスを取得しておくことをおすすめします。
半角カタカナや記号は使わない
半角のカタカナや半角記号(例:!や?など)は使用しないよう注意してください。これは機種依存文字といって、場合によっては文字化けを起こすこともあります。就職希望先の企業に送ったメールが文字化けを起こすことのないように、注意しましょう。
件名を入れ忘れない
件名を入れずにメールを送ってしまわないよう気をつけましょう。メールを書く時は最初に件名は必ず入れてください。
LINEなどSNSを日常の連絡手段として使っている人の中には、自分の書き込みに件名を入れる習慣がないため、就職希望先の企業へのメールに件名を入れ忘れることも多いです。メールを開かなくても、件名を見ただけでだいたいの用件が把握できるようにしましょう。
就職希望先にメールする時は定型を守り、企業への気遣いを忘れないことが大切
就職希望に送るメールを書くのは、慣れるまではとても時間がかかってしまうだろうと思います。けれど今回紹介したメールの基本マナーをおさえて、シチュエーションごとにオリジナルの型を作ってしまえば、メール作成の時間も短縮できます。その分、就職希望先の企業に対する想いをしたためる余裕も生まれてくるでしょう。
定型通りにメールを書くことだけに集中してしまうのではなく、企業側にどのような自分の想いを伝えたいかということと共に、採用担当者が読みやすい文面を意識することが大切です。