グループディスカッションで落ちるのはなぜ?
グループディスカッションは現代の就職活動において避けては通れないもの。4~6人くらいの少人数のグループで与えられたテーマについて話し合い、時間内に議論をまとめて結論を導くこのスタイルの選考は、多くの企業が選考の初期段階で採用しています。比較的大人数を同じルールの元で比較することができ、人間性も垣間見えるために効率の良い選考方法です。
グループディスカッションを取り入れている企業は少なくなく、グループディスカッションが苦手な人はそれだけ就活で不利になります。毎回グループディスカッションで落ちる人は、何が良くなかったのかを振り返り、GD対策を考えてみましょう。
グループディスカッションの目的と評価基準
グループディスカッションで落ちる人のことを考える前に、まずは、グループディスカッションによる選考の目的と評価基準について理解しておきましょう。
グループディスカッションをする目的
選考ですから、目的はもちろん「応募者を振るい分ける」ということにあります。その中でグループディスカッションを行う理由は、大人数を一緒に選考できることに加えて「コミュニケーション能力が見える」「貢献する意識(=仕事への参加意欲)が見える」「人間性が見える」といったメリットがあるからです。
一言でいえば、仕事を実際にした時のイメージが持てるのがグループディスカッション選考をする目的です。グループディスカッションに何度も落ちるということは、社会人としての働き方に不安を感じさせる何かがあるということです。
グループディスカッションの評価基準
評価基準は会社によって多少違いがありますが、「グループの議論にどれだけ貢献したか」という点になります。ここで注意すべきなのは、グループの議論への貢献が求められているのであって、グループがどのような内容の発表をしたかではないということです。
当然、議論の内容が深まれば良いアウトプットが出てきますが、それ自体よりもプロセスを評価されています。また、どんなに良いプロセスでレベルの高い発表をしてもテーマにそぐわないものとみなされると評価されませんので注意が必要です。
グループディスカッションで落ちる人に足りないもの
グループディスカッションに落ちる人は、ディスカッションでの貢献度が不足している可能性があります。
貢献というのは「何かの仕事をした」ということではなく、「役に立った」ということです。「何かの役割をその時間で無難にこなせばいい」というアルバイト感覚でいると落ちてしまいます。試験官はグループディスカッションを客観的な視点から眺めて、様々な角度から貢献度を見ています。役割よりも与えられた役割での貢献を心がけましょう。
グループのメンバー全員が落ちる場合は、それぞれが議論に貢献できず、そのグループの議論が破綻している場合や、議論の跡があまりに感じられない平凡な雰囲気や結論で終わった場合です。最後の発表にグループメンバーのすべての命運がかかっているわけではありませんが、グループの雰囲気や参加姿勢は非常に重要なポイントとなります。
グループディスカッションで落ちる人の共通点8つ
グループディスカッションで落ちやすい人の特徴を8つ挙げますので、自分が該当していないかチェックしてみてください。
1 自主的にグループディスカッションに参加していない
グループディスカッションで落ちるのは、自主的にディスカッションに参加していない人です。発言数は一つの尺度になりますが、何かを決定する際に他人に任せる人やじゃんけんで何でも決めようとする人などは自主的に参加しているとは言えません。「仕事や発言のターンが回ってくるなら対応する」といった受け身の姿勢は、将来の仕事の姿勢と受け取られ評価を落とす原因となります。
2 ディスカッションというよりも競争してしまう
グループディスカッションのゴールは、グループでの議論によってひとつの結論を導くことです。しかし、議論して結論を出すことよりも、自分のアイデアを通すことに執着したり、否定的な意見には強く反論する人もいます。全体に貢献するよりも、競争意識が強すぎるタイプの人にありがちな行動です。
同じグループの人は、少なくともこの選考の段階では採用枠を争うライバルではなく、共に選考の通過を目指す仲間です。互いに発言を引き出し、活発な議論の時間を作ることが大切です。
3 ディスカッションで自分の世界に入ってしまう
全体で議論をしている最中にも自分の世界に入ってしまう人も落ちやすいので注意が必要です。質の高い発言をしようとするあまり、考えこんでしまって周囲の話を聞いておらず、発言をしても流れに合わないチンプンカンプンな内容を話してしまったりします。
ディスカッションはひとつひとつの意見を土台にして進んでいきます。常に同じグループの人の話を聞くことが成功のカギです。
4 グループでディスカッションしているのに反応に乏しい
ディスカッションで一番困ってしまうのが、自分の発言後にシーンと静まりかえることです。その内容が良かったとしても、メンバーの反応が乏しければ発言しにくい雰囲気になってしまいます。
グループディスカッションでは発言だけが貢献ではありません。反応に乏しい人が多いほど議論も冷たく活気がなくなっていきますので、相槌を打ったり笑顔を作ったり、反応でも雰囲気を作ることがポイントです。
5 態度が悪い
ディスカッションにおいて態度の悪さも落ちる原因のひとつです。
他のメンバーの発言に対する反応がないことも態度に該当しますが、その他にも姿勢が悪かったり、頻繁に足を組み直す、人の発言中に時間を気にしている、言葉遣いが悪い、貧乏ゆすりをしている、他のグループの様子を気にしている、他のグループの議論の邪魔になるほどの大声など、マナー違反の振る舞いをしていないか注意しましょう。
6 ディスカッションひとつひとつの発言が長い
グループディスカッションでは発言数は多い方が積極性を評価されます。しかし、同時に多くの人の意見を吸い上げないとバランスの良い議論になりません。
ひとつひとつの発言が長い人は、積極性は評価されますが、他の人の時間と発言機会を奪い、議論の質を下げてしまいます。普段から短く意見をまとめるように練習しておきましょう。
7 声が小さい
もともとの声量の問題もありますが、発言をするなら周囲に聞こえるように発言することは話者の最低限の責任分担です。周囲がよほど騒がしいわけでもないのに、メンバーに聞こえるかどうかの小さな声で話すのは、メンバーにもストレスになりますし、試験官からも発言の内容に自信がないように思われてしまいます。
8 議論をかき回す
本人は悪気がないのですが、議論をかき回して結果的にグループディスカッションの進行を滞らせてしまう人です。議論好きな人や奇抜な発想を好む人に多く見られ、意見を収束していかねばならないタイミングでひっくり返してしまったりします。グループディスカッションでは制限時間内にアウトプットをまとめることが第一ですので、時間と相談して議論をどこまで深めるかの判断が必要です。
グループディスカッションで落ちる原因には役割も関係する
グループディスカッションについては「リーダーが有利で書記が不利」など、役割によって受かったり落ちたりすると考えている人もいます。
何かの役割を担った人や、積極的に立候補した人が評価されるのはもちろんですが、一方で役割には当然責任が伴います。その責任を果たせないのであればかえって評価を下げることになります。自分のタイプに合わない役回りをすることになると、却って評価されずにグループディスカッションが終わってしまう可能性もあるので注意が必要です。
役割によって落ちる・落ちないが決まるというよりも、役割を与えられたことで自分のグループにおける貢献度が違ってきます。グループディスカッションの練習を通して、自分がどのポジションで最も貢献できるかを知っておくと安心です。
なお、グループメンバーの中での役割分担はありますが、舵取りができないリーダーや記録がうまくできない書記、時間を測るだけで進行管理に参加してくれないタイムキーパーが出てくる可能性もあります。時には役割を無視してでも全体の進行を優先することも必要ですので、完全に丸投げにならないようにしてください。
グループディスカッションで落ちるのは何かを誤解している人
グループディスカッションで落ちる人は、純粋な能力不足によって競争で落ちてしまうことはあまりありません。評価方法やディスカッションのマナー・ルール、貢献するということについて十分に理解できていない可能性が高いでしょう。
グループディスカッションによる選考の場がどういう場なのかがわかれば、それに合わせて何をしていけば良いのかが見えてきます。正しい認識で自分のディスカッションへの参加姿勢を見直してみると、どこに誤解があり、評価を落とす言動になっていたのか理解できるでしょう。