フリーターが面接でよく聞かれる質問とは?
今まで一般的とされていた企業に所属して働くサラリーマンやOLのほか、家業を継ぐのではなく移住をしてイチから始める農業などの第1次産業や、自分の得意なことで独立する起業など、現代社会では様々な働き方が注目されています。
そのような世の中でもあまり良い印象を持たれていないのがフリーターという職業です。定職に就かず自由に生きているというネガティブなイメージを持たれることも多く、定職に就くことは簡単ではありません。
しかし、中には「いつまでもフリーターでいるわけにはいかない」と前向きに正社員を目指す道を検討している方も多いものです。今回は、フリーターが面接でよく聞かれる質問や上手な答え方、服装選びの注意点などを説明していきます。
フリーターとの面接で企業が注目しているポイント
フリーターが正社員として働くためには、まず就活をしなければなりません。履歴書などの応募書類を作成し、企業に提出します。書類選考を通過すると、フリーターにとって難関の面接が待っています。この面接を通過すると内定がもらえ、正社員として就職することができます。
面接で最も重要視されるのは「どういう人物なのか」ということです。応募書類だけではわからない人物像を、企業側は面接を通して掴もうとします。話し方や姿勢、マナーなどを総合的に見て、文字だけではわからなかった「人柄」をチェックしているのです。
また、過去のエピソードを通して「一緒に働いていけるのか」「どの部署でどのような活躍できそうか」といった判断もされているため、自分がアピールできるところはしっかりアピールしておく必要があります。
その他にも、志望動機を通して「成長の可能性はあるのか」という点もチェックされています。フリーターは一般の求職者と違い職歴がないため、スキルや経験不足と見なされています。そのような「ゼロの状態」からの成長の可能性を企業は期待しているのです。
フリーターが面接で注意すべき服装選びのポイント
就活で面接を受ける場合、企業の役員や一緒に働く可能性のある職場の人、後の上司となる人が面接官を担当している場合が非常に多いため、しっかりと準備をしていく必要があります。
特に、面接において第一印象というのは非常に重要な要素です。そして、その第一印象を左右するのが服装です。ここでは、印象が良く見える服装のポイントをいくつかご紹介します。
1 スーツで行く
面接は、求職者が人事や経営者などと対面できる唯一の機会です。ここで第一印象が決まると言っても過言ではありません。職種によっては私服面接となるケースもありますが、基本的にはスーツで行くのが正解です。
スーツにはシワなどがないようアイロンがけやクリーニングは事前に済ませ、清潔感を大切にしてください。服装の乱れは面接において不利に影響することもあります。派手になり過ぎないよう、色味はダークトーンのカラー(黒・ネイビー・グレー)で合わせると良いでしょう。
男性の場合は必ずネクタイを着用し、靴は革靴で行きます。女性はヒール靴を選びましょう。ピンヒールなどの高いヒールは避け、5cm~7cmまでの歩きやすい高さのものを選ぶと良い印象を与えることができます。
また、面接時の服装は、志望度の高さが感じられるような服装を心がけることが大切です。その中でも、応募職種で活躍しているイメージができるような服装で臨むとベストです。
例えば営業マンであれば、シワのないダークトーンのスーツに青色などのさわやかな色のネクタイを着用し、しっかりと磨かれた革靴を履き、丈夫そうなカバンを持つなど、会社に入ってからの活躍がイメージできる服装にするとさらに良いでしょう。
2 自分らしさや個性は封印する
スーツを着る際に「他の人と服装が被るのが嫌だ」という理由で、スーツを「自分らしく」着ようとする人がいます。しかし、スーツは正しく着用するのがビジネスシーンにおけるマナーです。自分らしさを表すおしゃれとして着用することは社会人としては許されません。「自分らしさ」は服装ではなく、志望理由や過去のエピソードで大いにアピールしてください。
女性の場合は、パンツスーツとスカートタイプのスーツの2種類あり、選ぶのに迷う方もいるでしょう。一般的にはスカートタイプのスーツで臨むのが良いとされていますが、営業職など外出の多い職業であれば、活動的なイメージをアピールできるパンツスーツを選ぶこともおすすめです。
インナーには白いカッターシャツを選ぶことが多いですが、注意したいのが襟の形です。男性のものと見た目があまり変わらない一般的な襟の形をしたシャツであれば問題ありませんが、襟にフリルのついたシャツは避けましょう。大きく胸元が開いているタイプのものが多いので、お辞儀をしたときに胸元が見えてしまう可能性があります。
3 清潔感のある髪型にする
髪の毛が長い方(目安は肩の位置より髪の長さが上か下か)は注意が必要です。男性で長髪の方は面接前に必ず散髪し短く整えておきましょう。
女性も髪の長い方はスッキリとまとめるようにしてください。髪型は清潔感のあるものであればまとめ方に決まりはありませんが、ポニーテールや低い位置でのお団子スタイルが定番です。前髪が長い方は、横に流してピンで留めるなどしてまとめるとさらに印象が良く見えます。
また、メイクについても、つけまつげや濃い色のアイシャドウ、リップは清潔感に欠けたイメージを与えてしまいます。あくまでナチュラルメイクを心掛けましょう。
フリーターが面接中に高確率で聞かれる質問は?
フリーターが面接を受ける時には、よく聞かれる質問がいくつかあります。その質問に対する答えをしっかり準備することで、難しい質問にもスムーズに答えられるようになります。以下の答え方を参考にすると良いでしょう。
1 「なぜフリーターをしていたのか理由を教えてください」
この質問には、応募書類だけでは判断することが難しい求職者の背景や事情を知りたいという企業側の意図があります。
フリーターという生き方は、正社員として働くよりも責任が発生しません。どれだけアルバイトを真剣に続けていたとしても、「フリーター」というだけで一般企業は求職者に対しあまり良い印象を持ちません。「少しでも嫌なことがあればすぐに辞めてしまうのではないか」「思い通りにいかないと途中で投げ出してしまうのではないか」といったネガティブなイメージを持っています。
そのような企業の警戒を解くためにも、ここでは決して嘘をついてはいけません。何かを隠すことや、話を盛って伝えるのは絶対にNGです。フリーターをしていた本当の理由を素直に伝えましょう。
答え方の例文
- やりたいことがあったので、それを優先したかったから(音楽活動や芸術活動、留学など)
- 就職をする必要性がないと感じたから(嘘をつくよりは素直に答えたほうが良い)
ここで注意したいのは「なんとなくフリーターになった」と答えてしまうことです。考える力がない、目的意識がないといったネガティブなイメージを企業に与えてしまいます。例え本当の理由が「なんとなく」であっても、言葉を言い換えて伝えるようにしましょう。
そして、この理由はあくまで過去のあなたの考えです。これがどういったきっかけで「やっぱり就職しよう」という考えに変わっていったのかを具体的に説明することが大切です。
2 「新卒時に就職活動はしなかったのですか?」
この質問が聞かれる理由は、過去に就職をする意思を持ったことがあるかを確かめるためです。今までフリーターを経験してきて、改めて何がきっかけで就職しようと思ったのかを企業は見ているのです。しっかりと自分の考えを伝えることで、フリーターというネガティブなイメージを払拭することができます。
答え方の例文
- 就活をしていた場合
新卒時に就活をしていたが、目的や目標を持たずに企業に応募していたため内定を頂くことができませんでした。しかし、フリーターを経験し、再度自分のやりたいことや目標を考え直した時、御社の仕事に興味を持ったので応募しました。
- 就活をしていない場合
新卒時には夢や目標が見つからず、就活に踏み切ることができませんでした。しかし、フリーターという立場に立ってようやく正社員として働くことの重要性に気付きました。そして就職活動をしようと様々な企業を探していた中で、御社の仕事に興味を持ったので応募しました。
3 「フリーター期間中に経験してきた仕事を教えてください」
この質問が聞かれる意図としては、今後仕事をしていく中で活かせる経験があるのかどうかを判断しています。フリーター期間中に経験してきた仕事のスキルなどが即戦力として使えるのかどうか、仕事を任せられる器量があるのかを見ています。
ここでは正直に自分の経験を話しましょう。話すときのエピソードは長くならず、わかりやすく簡潔に伝えるように心掛けてください。結論から先に伝えると相手により伝わります。
評価されるポイントとしては、仕事への熱意、体力、継続力、リーダーシップ力、統率力、創意工夫といったところです。接客業の経験があれば対人スキルはすでに身についているため、営業職や販売員の仕事に活かすことができますし、バイトリーダーなどの経験があれば、将来的にリーダーとして活躍してくれるのではないかという期待が持てます。強みになるであろう自己PRポイントはどんどん相手に伝えていってください。
フリーターが面接で注意すべきマナーとは
会場到着時から退室までの一連の流れに沿って、面接時のマナーをしっかり押さえておくことで、面接官にも好印象を与えることができます。「しっかりしている」「仕事を任せられそう」など、フリーターのネガティブなイメージを払拭できる重要なポイントですから、マナーは必ず守りましょう。
1 会場到着時
携帯電話の電源は切り、スーツにゴミなどがついていないか身だしなみのチェックをします。コートなどの上着がある場合は必ず脱いでおきましょう。
2 受付
面接に来たことを伝えます。このとき、約束時間、担当者、自分の名前をしっかり伝えることが重要です。受付が電話対応の場合は、はっきりとした声で相手に伝わるように話すよう心がけてください。いきなり用件を伝えるのではなく、「お忙しいところ失礼します」などといったクッション言葉を使うと好印象です。
3 控室
控室では、他の応募者との雑談は控えましょう。読書や携帯・スマホを触るなどの行為はNGです。なるべく入り口が近い席に座り、呼ばれたらすぐに動ける体制を作っておきましょう。
4 入室時
必ず3回ノックをしてから入りましょう。面接官から「どうぞ」などと言葉をかけられたら「失礼します」と言葉を先に伝えてからドアを開けます。動作と発声の行動は同時にせず、言葉を全て伝えてから動作に移ることが大切です。
5 面接官へのあいさつ
ドアの前(距離が遠ければ椅子の横)に立ち、「■■と申します。本日は貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございます。よろしくお願いします」と名乗ります。
6 着席時
面接官から「どうぞおかけください」と言われたら座ってください。座る前に「ありがとうございます」と一言伝えてから背筋を伸ばして着席するのがポイントです。提出書類があるときは必ず立ち上がって両手で渡します。かばんは椅子の横に置き、椅子と並行になるように置いてください。
7 面接中
面接官の目や顔を見て話しましょう。相手の眉間や鼻など、なるべく目に近いパーツを見るようにするのがポイントです。ずっと見続けると不自然なので、自分が話をする時は適度に目線を外しながら話すとよいでしょう。
また、相手が話している最中は適度に相槌を打つよう意識してください。
8 退室時
椅子の横に立ち、「本日はありがとうございました。宜しくお願いします」と伝えます。ドアの前で「失礼します」と伝えてから一礼し、ドアを開けて退室してください。
フリーターが面接で採用を勝ち取るにはありのままを話す
企業からあまり良い印象を持たれていないフリーターですが、面接でのポイントをしっかりと押さえておくことで就職できる可能性は広がります。大切なのは嘘をつかないことです。自分を良く見せようとして嘘をついても、いずれ必ずバレてしまいます。聞かれたことには下手に取り繕うとはせず、素直にありのままを話すようにしましょう。
企業が最も重要視しているのは、どういう人物なのかという人物像です。話し方や態度、マナーから人間性がわかってしまいます。印象良く見せるためには、まず面接でのマナーをしっかり押さえることが大切です。
また、面接では第一印象が結果を大きく左右します。面接中の受け答えも大切ですが、身だしなみやマナーなど、清潔な印象を持ってもらえるよう準備をしてから面接に臨むようにしましょう。