グループディスカッションの練習方法でのポイント6つ
グループディスカッションの練習は、単純にディスカッションの機会を増やせば良いというわけではありません。グループディスカッションの練習方法を詳しくまとめましたので、就活生の方は面接選考で有利になるよう、ディスカッションの練習を通して技術や知識を身に付け、実践で役立てましょう。
グループディスカッションの練習で内定へ一歩近づこう
グループディスカッションの練習を行う時は、とにかくひとつのテーマに対してひたすらディスカッションを繰り返すだけではなかなか上達することはできません。
就職活動が始まりGDに参加する機会が増える一方で、どう練習すべきなのかわからないままグループディスカッションに苦手意識を持ち続けている就活生は、いま一度対策方法を見直してみましょう。
グループディスカッションの事前準備
グループディスカッションの練習を行う前に、まずはグループディスカッションを行う際に重要となるポイントを押さえておきましょう。
1 テーマに関する知識
グループディスカッションを行うために重要なのは、出されたテーマについてある程度の知識を持っているかどうかということです。
就活の際に「IoTについて」というテーマが企業から出された場合、「IoT」というテーマが苦手なテーマであれば議論することが難しいですし、もし「IoT」が何かを全く知らなければ、そもそも意見を出すことができなくなってしまいます。
誰も知らないであろうテーマが出されることは原則ありませんが、志望する業界特有の用語やメディアで話題になっている言葉、時事問題がテーマになることは十分に考えられます。学生でも社会人でも日頃から情報を収集し、知識を身に付けておきましょう。
2 他人の話をヒアリングする力
グループディスカッションは自分の一方的に言えば良いという場ではありません。グループでやるわけですから、他の人の意見や発言を聞く必要がありますし、他の人の話に同調したり、時には反対意見を出しながらディスカッションを行う必要があります。まずは他人の話をしっかりと聞き、理解することを意識しましょう。
グループディスカッションの練習方法6つ
グループディスカッションの練習は具体的にどう行えば得意になれるのでしょうか。
今回は例として「従業員の満足度を上げるためにどうすれば良いか」というテーマについてグループディスカッションを行うことを想定し、練習方法を解説していきます。
1 ニュースから自分の考えを複数出す
定められたテーマに対して、誰も意見を言わなかったり、何も意見が出てこないようでは話になりません。グループディスカッションに限らず、ディスカッションを行う時にまず必要なことは、それぞれ意見を出し、発言をすることです。
グループディスカッションは、自分が好き、あるいは得意なテーマであるとは限りません。ほとんど考えたことのないテーマについてグループディスカッションを行わなければならない場面も想定されますので、ニュースやメディアで何かの情報を確認した際、その情報に対して自分の意見を言う練習を行うと効果があります。
また、意見は一つだけではなく複数の意見を言えるようにしておき、その意見の中はあらゆる立場からの肯定・否定・どちらでもないという意見を出すことができると、より可能性が広がります。
2 思い付いた意見の位置付けを把握する
従業員の満足度を上げるためにできることを考えた時、多くの意見が出ます。GDでは多くの意見を出すことも大切ですが、あまりに意見や議論が右にいったり左にいったりしてしまうと、ディスカッションをすることに時間がかかり、議論の目的も見失ってしまいがちです。
まずは、周りの意見に同調しながら同じような意見を発言し、その意見に付随する意見が出なくなるタイミングで次の意見を出すということも重要なことです。そのためには、思い付いた意見を頭の中で種類別に分ける訓練が必要となります。
例えば、以下のように4つの意見があったとします。
- 仕事を増やしてでももっと給料が増えるようにする
- 給料が減ったとしても、もっと仕事を減らすようにする
- 研修制度を導入し、知識を身に付ける場を設ける
- 資格取得を推奨する制度を導入し、勉強する場を設ける
1と2は仕事量やお金の話、3と4は自己研鑽の話です。
1と2のように仕事やお金についてディスカッションをしている最中に3と4のような別の話題を出してしまうと混乱してしまうため、思い付いた意見がどう分類されるかを常に考えておきましょう。
3 ディスカッション内容を簡単に可視化する
グループディスカッションは複数人で行うため、多くの人の意見が出ることに伴い、何の議論をしているのか分からなくなる可能師があります。
全て頭の理解でまとめることができるのであれば問題はありませんが、頭の中だけで整理しきれないときや慣れていないうちは、紙に書いて可視化するのがおすすめです。紙に書くときには、簡潔に分かりやすく書くことを意識しましょう。
例えば、「従業員の満足度を上げるために、給与を増やす・休みを増やす・賞与を増やす・福利厚生を充実させる」という意見が出た場合、ディスカッション中に手書きしていると書くことを意識しすぎて議論に参加できなくなる可能性があります。こういった場合は、「給与・賞与・休暇・福利厚生」のように簡潔に書いたり、全てをまとめて「待遇向上」という言葉でまとめる練習をしましょう。
また、肯定的な意見も否定的な意見も全て箇条書きにすると、後から見た時に頭の中が混乱してしまう可能性があるため、肯定的な意見は左、否定的な右、というように書く場所を分けておくようにしましょう。
4 ディスカッション内容をまとめる
グループディスカッションは、ディスカッションという行為自体が目的になってしまいがちですが、本来のゴールはディスカッションすることではなく、テーマについて考え、ディスカッションした結果をアウトプットすることです。
例えば、以下のような2つの意見が出たとします。
1.仕事を増やしてでももっと給料が増えるようにする
2.給料が減ったとしてももっと仕事を減らすようにする
ディスカッションをした結果、全員の結論が満場一致で「仕事が減ることが従業員の幸せ」ということであれば、2が答えになりますが、うまく意見がまとまらないこともあります。
このケースで言えば、従業員によって、1に満足する人もいれば、2に満足する人がいる場合もあります。しかし、1と2の意見は相反する意見のため、両方を結論として出すと答えが矛盾してしまうため、上手にまとめる必要があります。
「従業員によって満足に感じるポイントが違うため、従業員の希望によって仕事量を調節できるような制度を導入する」というように、1も2もカバーできて矛盾もしていない結論にまとめる訓練をしましょう。
5 反対の意見を考える
多くの場合、一つの意見には反対意見というものが存在します。
例えば「従業員の満足度を上げるために、子供がいる人には子供手当を出すべき」という意見があったとします。これは、子供がいる人にとってはもらえるお金が増えて満足度が上がるため満足度が向上するように思えますが、「子供がいる人には子供手当を出すべき」ということは、反対に考えれば「子供がいない人には手当がない」ということになり、不公平感が生まれる可能性もあります。
また、「仕事の給与は本人の仕事の能力で決めるべきだ」と考えている人にとっては子供がいる人には子供手当を出すべき」という意見は、「子供がいることと仕事の能力は関係がないのに手当が支給される」ということに、不満足につながりかねません。
このように、反対の意見を考えると意見の幅が広がっていき、ディスカッションしやすくなります。
6 決められた時間で一定の意見を出してまとめる
グループディスカッションは制限時間が決められており、その時間内でディスカッションを終わらせ、結論を出す必要があります。そのため、決められた間に意見を出し、出した意見をまとめるという能力が必要になります。
練習する時は本番よりも少し短めの時間を設定して練習しておくと、本番でも余裕を持つことができるでしょう。
グループディスカッションの練習には業界知識や思考力が必須
グループディスカッションの練習を行う際、まずは出されるテーマに対しての知識がないとディスカッションを行うことはできません。また、テーマに関する知識を持っていたとしても、そのテーマについて考える思考力がなければディスカッションを行うことはできません。
グループディスカッションを上手に行うことだけではなく、採用担当者に面接で評価されて内定をもらうためにも、業界知識や思考力は必須になります。日頃から業界に対する知識を深め、一つのテーマに対して考え意見を出す練習を繰り返し行いましょう。