集団面接の入室マナー5つ
集団面接の入室の仕方は、個人面接とは異なります。はじめての集団面接で焦ってふさわしくない行動をしてしまわないよう、集団面接における入室のマナーを事前によく確認して身に着けておきましょう。
1.集団面接では入室前から気を抜かない
集団面接は、入室前に面接室前の廊下やもしくは待合室、応接室などで待機させられます。同じ企業の入社試験を受ける就活仲間と情報交換をしたくなる気持ちもわかりますが、入室前でまだ集団面接が始まっていないからといってここで気を抜いてはいけません。
志望者同士ぺちゃくちゃと私語をしたり、スマートフォンをいじったりせずに、背筋を伸ばして静かに待機しましょう。入室前の志望者の様子は案外チェックされています。入室前から選考は始まっているものと自覚して気を引き締めてください。
2.先頭の人はノックを3回して入室する
集団面接における入室時のマナーは、何番目に入室するかによって違いがあります。特に先頭の人は前の人を参考にすることができません。はじめての集団面接本番で先頭になり、パニックにならないように、事前に入室時のマナーを把握しておくことが大切です。
集団面接を実施する部屋へ入室を促されたら、先頭の人はドアを3回ノックします。小さすぎても聞こえないし、速すぎると威圧的なノックになってしまうので、ゆっくりとコン、コン、コンとノック音を鳴らしましょう。
3.後ろに人がいる場合はドアが閉まらないように気遣う
入室時のノックは、先頭の人のみで大丈夫です。最後の人以外は、ドアが閉まってしまったり後ろの人がドアに指を挟んだりしないよう、次の人を振り返ってドアノブを受け渡すようなかたちで入室する心遣いが必要です。集団面接にかぎらず、日常生活においてもお店のドアなどを後ろの人のために開けておくのはマナーです。
先頭の人も、他の人も全員、入室時には「失礼します」の一言を言ってから、ドアの前で深くお辞儀をしてから席まで移動してください。
最後に入室した人は、忘れずにドアを閉めましょう。もしもドアを閉め忘れてしまって、面接官から「ドアを閉めてください」と言われてしまうと、それだけでパニックになってしまい、集団面接で十分に力を発揮できなくなるかもしれません。
ちょっとしたマナーを忘れて面接そのものを台無しにしてしまうことがないように、細心の注意をはらうことが大切です。
4.最初に入室した人は一番奥に座る
集団面接で座る順序は、特別な指示がない場合は、最初に入室した人が一番奥の席になり、最後に入室した人が一番手前のドアに近い席になります。入室後に「どこに座るべきなのだろう?」と戸惑うことがないよう、知っておいてください。
自分の席に着いたからと言って、勝手に着席するのはNGです。志望者全員が入室したのを見計らって、面接官から「どうぞお座りください」という声がかかります。その声がかかってから、「失礼いたします」の一言を添えて着席しましょう。
全員が入室するまでは、先に入室した人は自分の席の横もしくは前に立ち、よい姿勢で待機してください。
5.カバンとコートは邪魔にならない場所に置く
集団面接の入室後、カバンは着席前に、椅子の横や足元といった他の志望者にも邪魔にならず、面接官からも目障りにならないところに置きましょう。
言うまでもなくコートは企業の建物に入る前に脱いで裏地を表に出してたたんで手に持ちます。間違っても、集団面接の部屋に入室後、着席前に脱ぐようなことはないようにしてください。
持参したコートは、カバンのうえにさっときれいにたたんで置いてください。ぐしゃぐしゃの見苦しいコートを見せないようにしましょう。
集団面接の退室マナー
集団面接においては、入室だけでなく退室まで気を抜くことはできません。退室のマナーを確認していきましょう。
退室する時は椅子の横に立って挨拶する
面接官から、「それではこれにて集団面接を終了いたします。ありがとうございました」といった挨拶があったら、志望者はおのおのの椅子の横もしくは前に立ちます。「ありがとうございました」と大きな声でハキハキと挨拶をして、そのあとに深くお辞儀をしましょう。
退室する時はドアに近い志望者から退室する
退室の順番は、ドアに近い席の志望者からになります。ドアの前でもう一度、面接官に向かって一礼し、「失礼いたします」と挨拶することを忘れないでください。
最後に退室する志望者はドアを閉める
最後に退室した人は、ドアをきちんと閉めます。カチッと音がするまでちゃんと閉めるようにしてください。
コートは退室して会社の建物外に出てから着る
集団面接が終了したらほっとするでしょう。しかしながらここで気を抜いて、退室と同時にコートを羽織ってしまっては台無しです。会社の外に出るまでが面接であると気を引き締めて、会社の建物の外に出てからコートを着ましょう。
そもそも集団面接とは?
そもそも集団面接とはどのような面接を指すのでしょうか。集団面接のマナーを考えるにあたって、まずは集団面接について確認していきます。
集団面接と個人面接の違いは複数名で面接を受けること
集団面接とは、志望者1名に対して面接官1名ないし複数名で行う個人面接に対して、志望者複数名が同時に受ける面接のことを指し、グループ面接とも呼ばれます。集団面接の面接官は1名のこともあれば、複数名が担当することもあります。
集団面接で面接官は何を見ている?
集団面接は個人面接とは異なり、限られた時間の中で複数名の志望者が面接官からの質問に答えるため、潔くかつ明瞭な回答をする必要があります。要点のはっきりしない回答をダラダラと続けてしまうと、面接官に悪い印象を与えるのは避けられません。
他の志望者が回答しているときの態度も実は厳しくチェックされています。自分のことで頭がいっぱいで、他の志望者と面接官がやりとりをしている間に上の空になっていると、「人の話を聞いていない人」とみなされてしまうかもしれません。
自分の順番が回ってきたときにどのような回答をするか頭の中でシミュレーションしながらも、他の志望者の回答によく耳を傾けるようにしましょう。自分の回答のヒントになるような言葉が聞けることもあります。
集団面接の入室から退室までの一般的な流れ
集団面接は入室の瞬間から、個人面接とは進行の仕方が異なるため、事前に知っておかないと初めての場合、焦ってしまうことが多いです。集団面接の入室から退室までの一般的な流れを解説します。
入室は案内されてから行う
集団面接は、3~5名の志望者が一緒に受けることが多いです。面接室の外で並んで待機し、面接官もしくは人事担当者などから「中へどうぞ」といった声がかかったら、返事をして順番に入室します。
順番に自己紹介と自己PRをする
集団面接では志望者が全員、順番に自己紹介と自己PRをします。回答は簡潔さを心がけてください。
面接官からの質問に答える
面接官から志望者に質問をします。志望者全員に順番に答えさせることもあれば、質問によって誰が回答するか指名される場合もあります。回答したい人は挙手するように指示されることもあるでしょう。
限られた面接時間の中で、複数名の志望者が話し終えなければならないこと、全員の話を聞かなければならない面接官の立場を考えて、簡潔さを第一に考えて回答するようにしてください。
志望者から面接官に質問をする
集団面接の最後は、個人面接と同じように志望者からの質問がないか、面接官から聞かれることが多いです。積極的に手を挙げて、疑問に思っていることを面接官に質問するとよいでしょう。
まれに、集団面接の雰囲気に飲まれて思うように受け答えできなかったと感じた志望者が、「最後にもう1点、アピールさせていただいてもよろしいでしょうか?」といったかたちで、自己アピール時間にしてしまうことがあります。
あくまで質疑応答時間なので、自己アピールに時間を割くのは間違いです。悪い印象しか与えることができません。集団面接中に緊張することなく思う存分自己アピールできるように練習しておきましょう。
終了の声がかかったら順番に退室する
「これで集団面接を終了します」という声をかけられたら、立ち上がって順番に退室します。焦らないで落ち着いて退室しましょう。
集団面接では入室から退室まで見られていると自覚しよう
集団面接には、入室前の待機時間、入室から退室に至るまで、社会人としての立ち居振る舞いの基本が詰まっています。
社会人になると、取引先企業の元へ行ってプレゼンをしたり、打ち合わせを行ったりすることがあります。アポイントメントの時間まで待つときの姿勢や、取引先の担当者が待つ部屋へ入室するときなど、集団面接で培ったマナーが生かされる場面は実は多いのです。
集団面接においては、目の前の志望者が入社した際に自社の社員として外へ出しても恥ずかしくない人間であるかどうかを、面接官に厳しくチェックされています。社会人としてのマナーそのものを見られていると自覚して集団面接に臨みましょう。