就活作文や小論文の書き方考え方・書けるようになるヒント
就活の作文や小論文は企業の筆記試験で出題されることが多いです。テーマに沿って、手書きで制限時間内にまとめるにはどうするのか、書き出しから最後までソツなくまとめ仕上げるにはどういう書き方をしたら良いかを紹介します。どうしても書けない就活生のためにすらすら書けるヒントもあります!
就活の論文や作文の書き方を教えて
企業の筆記試験で論文や作文を筆記試験に果たす事業も出てくるようになりました。テーマに沿って、手書きで制限時間内にまとめるにはどうしたらいいのか、書き出しから最後までソツなくまとめ仕上げるにはどういう書き方をしたらよいか、状況によって文体はどうしたらよいのかまで紹介いたします。書く時はボールペンか万年筆で書くこともあるので慎重に!
就活における作文とは何か
近年、中途採用の就職試験でも論文や作文を筆記試験に課す企業も出てきており、重要度が高まっています。常識や教養、処理能力などを見られているので、内容次第では大きく加点され採用に結びつくケースもありますから、最重要項目の一つといえるでしょう。
ウエイトが一番高いのが新聞社で、順に出版、放送、広告と続きます。新聞社は一般常識、英語、論作文と基本は3科目で、やはりそれなりに受験対策をしないとなかなか合格できません。一方、筆記試験のウエイトが低い業種の場合は、英語の試験はないところが多いし、一般常識も漢字テストだけだったりします。職種によっては知識を求められるケースもあります。
就活における作文の大切さ・面接官はどこに注目しているのか
「文は人なり」という言葉がありますが、作文は文章力だけでなく、その人のパーソナリティやものの考え方など、さまざまなことがわかるということです。論作文は、どの業種でも重要な基本科目です。近年、スマートフォンの普及の影響で長い文章を書く機会が少なくなったため、作文力が落ちているという指摘があります。試験会場で書かされる作文は、原稿用紙に鉛筆という形式の会社が多いのですが、パソコンやスマートフォンに頼ってばかりの人の場合は、予想以上に漢字が書けなかったりするのです。そのためには気を付けなければいけないポイントが5つあります。
ポイント1.「熱意」
志望意欲は文章量に比例します。改行が多いなど文章量が極端に少ない場合はこの時点で不合格です。
最悪の事態は悩み過ぎて原稿用紙を全く埋められなかったというパターンです。
文才云々より、仕事に対する処理能力を見られているので、指定した文字数や枚数の9割以上書くようにしましょう。
ポイント2.「文字」
いくら内容が良くても、乱暴な字、読みづらい字、クセ字など外見が悪ければ読む前に敬遠されてしまいます。読む人のことを考えて、下手でも丁寧に書きましょう。また、誤字脱字のある文章も、注意力がないとみなされてしまいますので、注意が必要です。
ポイント3.「形式」
文章としての体裁があるか、文法的に読める文章かをチェックしましょう。主語と述語の関係や内容の趣旨が明確かを見ましょう。また、文体(『です・ます』『である』)が揃っているかを確認しましょう。
ポイント4.「文章力」
理解しやすい、正確・丁寧な文章表現か、全体的なまとまりと構成を確認しましょう。テーマから逸脱した内容になっていないかどうか、一通り読み返してみましょう。
どのようなテーマが与えられても、就活試験の作文であることを忘れてしまってはいけません。必ず「仕事」「働く」ということに関係するような内容にします。
時間制限がある中で書かなければならない上に、文章を書くのが苦手な方に陥りやすい問題は、読み手の存在を忘れて書いてしまうということなので、気を付けましょう。内容がテーマとかけ離れすぎると理解力を疑われます。
ポイント5.「個性」をチェック!
最後の難問がこの「個性」です。採用担当者はテーマに対しての答えを求めているわけではなく、あなたの考えを知りたいのです。自分の意見や考えがきちんと述べられていることをしっかり確認しましょう。
作文も誰でも書けそうな一般論を綴るのではなく「自分の考え」がしっかりと盛り込まれていることが読み手に伝わる事を心がけましょう。
こだわるべきポイントは「好かれる文章で無難な自分をアピールする」ことではなく「自分の考えを持ち、伝えることができる一人の大人」ということを分かってもらうことなのです。
ポイント6.「理解力があるか」
他にも、「理解力があるか」「臨機応変な対応力があるか」「論点がブレてはいないか」を見られています。
旭化成がES(エントリーシート)で課題として出題するなど民間企業全般で出てくるものです。しかし、対策を十分に行う学生が少ないので大差がつきやすいのが実情です。対策が遅れている学生さんにとっては、作文での失点が致命傷になり、早急な対策が必要になります。
文末の「ですます」にするか「である」で行くかはケースバイケースで考えましょう。こういう文章は読んでもらう相手がハッキリわかっているのですから、その相手に適した書き方を心がけることです。
就活で出題される作文のテーマの意図と書くポイント
作文とはもともと抽象的なテーマが多いのが特徴で、「空」「道」「家」とか、抽象的なテーマで自由にどんな内容でも書けます。狭義の作文の特徴は「ネタを3本用意しておくと、どんなテーマが出題されても対応できる」と言われています。物語る能力が試されているので、テーマに応じて体験にもとづいた、その人なりの結論を導き出すことが必要になります。
『将来の目標』に関するテーマ
- ○年後の自分
- どのような人になりたいか
- 私の職業観
- 将来の夢/目標
- やってみたい仕事
- 志望動機
出題意図とポイント
入社後に実現したいことや将来の夢を書かせるテーマは出題率がとても高いです。やってみたい仕事や将来成し遂げたいことなど、具体的なビジョンが描かれているかどうかが重要なので、その「企業」でどのような仕事をするのかを理解する必要があります。様々な年代への社会人訪問などをしていると書きやすいでしょう。仕事に対する目的意識を見ることで、その人の意欲や企業研究の深度や可能性がわかるので最大限の力を注ぎましょう。
『過去の経験』に関するテーマ
- 学生時代に力をいれたこと
- 学生時代の部活動の話
- これまでに最も打ち込んだこと
- 仕事で一番頑張った時の話
- 趣味等で没頭した経験
- いちばん感動したこと
- 小さな感動、初めてが成功した時の話等
- 学生生活で得たもの
- これまでに苦労したこと
- 友人の距離感、家族の距離感に対する考え等
出題意図とポイント
これまでの経験から志望者の過去の実績や考え方や生き方、価値観や性向を知ろうというのが出題意図です。どのようなことに取り組んできたのか、どのような目標を設定し、その目標達成のためにどのような努力してきたのか、また、その経験を社会でどう活かそうと思っているのかを明確にしましょう。そこから得たことを「企業」でどう生かせるかを企業は見ているのです。
マスコミ以外の企業では表現力や独自の切り口があるかどうかということよりも、論理的に書けているかどうか、気づきや発見があるかどうかを重要視します。
『抽象的』なテーマ
- 最近のニュースで関心を持ったこと
- 最近読んだ本(映画)
- 抽象的なテーマ(○○について:夢・友情・ふるさと・情熱 etc)
- 三題噺(○○、××、△△の3つの語句を使って文章を書いてください)
出題意図とポイント
広告、出版などマスコミ系の業界ではこのようなテーマが多く見受けられます。もちろん一般企業でも大切です。作文では独自の観点や表現力が問われます。ですからテーマに沿うように書く内容の焦点を絞り、自分の何を見たいのかを理解し、伝えたいことが伝わるように意識し書きましょう。その上で「企業」の立ち位置を理解しているかが問われています。日々の時事問題に留意しましょう。ただし偏り過ぎた意見は危険です。
就活の作文の書き出しは「序論・本論・結論」の構成で考える
無理をして起承転結を考えるより、「序論・本論・結論」という三つの構成で考える方がはるかに効率的です。まず書き出しと最後を注意深く書きましょう。
最後の話はここでは省略しますが、書き出しは説明的にならないことがポイントになります。
作文の冒頭部分で内容が分かるようにテーマの定義付けを明確にして冒頭でインパクトを与えることができれば、その後も興味を持って読んでくれる可能性が高まります。有名な漫画家で「こち亀」の作者の秋本治氏は、ストーリーは最初の3ページで決まると言います。そこでグッと読者を引き付ければ、一気に読み進めてくれるとの事ことです。
間違いなく有効な「技」は「前置きは要らない」ということ。就活は「ビジネスの入り口」に皆さんを立たせるものです。ビジネスの世界で求められるものとは「スピード」と「結果」、ここで言うなら「答えを早く出せ」ということです。これを常に念頭に置いて下さい。
私にとって仕事とは「人の役に立つこと、社会の役に立つこと」だと認識しています。一人ひとりが自分の仕事を一生懸命することにより、社会がより住みやすくなると思っています。私の役割を考え、私のすべきことを全うするのが私の仕事上のポリシーです。
私にとって、仕事は自分自身を成長させていく為のものと考えております。ただ報酬を得るための手段ではなく、周りとのコミュニケーションの取り方、接し方、仕事の進め方、取り組み方等、色いろな面で勉強になることが多く、その一つ一つを吸収して糧にしていこうと思っています。
自分を成長させてくれるという点で仕事にかなうものはないのではないでしょうか。円滑な人間関係を築くコミュニケーション力、困難を克服する精神力、新しいことを学ぶ楽しさ、誰かのために働く喜び、これらはすべて仕事から学びました。
就職試験の本番の作文の流れ・書き方
まず全体の時間配分を考えましょう。
制限時間は800~1000字(原稿用紙2~3枚)で60分程度が標準です。決められた条件で時間をどのように使って完成させるか考えましょう。
出題されるテーマは様々です。客観的な論拠に基づいて自分の意見を述べるためには、背景知識が必要となります。普段から自分の興味・関心のある分野だけでなく、社会の動きに注意して、新聞、雑誌、インターネットをチェックしましょう。
また、文章力は簡単には身につきません。自分でテーマを設定して文章を書く練習をし、それをノートにまとめておくなどして、準備しておきましょう。
作文で時間を割く部分は「本論」
最初に書き出しと、最後の行、エンディングを考えるのですが、一番時間を割くのは本論ということを念頭に置きましょう。いちばん言いたいことですね。序論で触れた内容がより広がるように、出されたテーマに対する自分が考える核心に触れていきます。
5W1Hを明確にして、自分の意見・立場を述べましょう。またその意見を裏付ける根拠も忘れずに盛り込みましょう。
1.作文はタイトルと内容を一致させること
文章の構成を考えずに書き始めるとタイトルの内容が一致しないまま文字数に達してしまうということがよくありますので、十分気を付けましょう。
2.作文の文字数は90%埋めること
作文を書く時は、最低でも与えられた文字数の90%は埋めましょう。本当に就職したいのか、やる気を疑われます。
3.作文を書くテーマは一つに絞り、脱線しないようにする
文字数稼ぎに必死になりすぎて、テーマに合わないエピソードを入れたり、結論がいくつもあったりするのはNGです。
4.作文には段落を入れる
場面が変わるときは、段落をわけましょう。論旨の展開がわかりやすくなります。段落の文頭は一字空けることも忘れずにチェックしましょう。
5.文体を統一すること
「~だ」「である」の常態の文章でかまいませんが、「です、ます」調の敬体の文章を混在させないこと。
6.誤字脱字に注意する
「こうだったはず」と思い込みで書いたり、当て字や固有名詞のまちがいは禁物。誤字脱字はマイナスポイント評価になります。
7.文中にやたらと漢字を使わない
書き慣れていない人ほど、漢字を使いたがります。読みにくくなり、文章もかたい印象になるので使わないようにしましょう。必要以上に固い文面もNGです。
8.作文は文字数制限を守る
800字までと言われたら、800字以内でまとめましょう。制限を超えないように文字数をカウントしながら書いてください。
9.一文は70字以内に収める
一文が長くても、文章力があれば読みやすい文章になります。しかし書き慣れてない人が長い一文を書くと、ムダに長くなったり、内容的に破綻してしまったりすることがあります。一文はなるべく短くしましょう。
10.作文は丁寧な字で書く
字が上手でない人でも、丁寧な字を心がけましょう。丁寧に書いたか、雑に書いたかはひと目でわかります。
「これまでに最も打ち込んだこと」
今でこそ「本当にこんなことやっていたの?」と聞かれるぐらい逞しく見えない体格になってしまいましたが、学生の頃は自らの極限に挑むかの如く歯を食いしばって重いバーベルやダンベルを持ち上げてウエイトトレーニングをしていました。
きっかけは中学生の頃、腕相撲をクラスメイトとやる時に、あまり力持ちじゃないから無理しなくていいよ、と言われた事です。その時は本当に悔しくて仕方がありませんでした。そこである日少年雑誌の広告でエキスパンダーの広告を見つけたのです。そこにはひ弱で女の子にバカにされていた少年がここまで逞しくなった、というストーリーの漫画が描かれていました。感動した私は、そこでなけなしの小遣いをはたき、エキスパンダーを購入しました。
それからは中学生から大学生になる今まで遮二無二歯を食いしばって肉体改造にいそしみました。その甲斐あって中学と高校では騎馬戦の馬の上に乗っかって自慢の力を使って敵軍をやっつけました。私はそれで嬉しくなってよけいにウエイトトレーニングにのめり込み、20数キロの鉄アレイを持って両腕を鍛えたり、腹筋を百回以上したりして自分の身体を鍛えたのです。大学に進学してからジムに入会してより設備の整ったところでトレーニングをするようになりましたが、周囲には自分ほどハードに鍛える人はいませんでした。
ウエイトトレーニングを続けてきて体力を身に着けたのはもちろんですが、それ以上に得た大きな財産は、粘りという不屈の精神だと思います。トレーニングが本当に辛い時、逞しくなるろうと歯を食いしばってこなしていくうちに、体力ばかりか精神も認められるようになったのです。
今では就職活動が忙しく、トレーニングは休止状態ですが、今はいい就職をして絶対に素晴らしい仕事をするという気持ちで奮闘しています。
これが私がこれまで最も打ち込んだことです。
(以上800文字)
就職試験の時に出題される作文の出題意図や論文との違い
入社試験で出題されるのは作文だけではなく論文もあります。総称して論作文といいます。
ここで論作文と言うのは論文、作文を総称した言い方なのですが、細かく言うとさまざまな形式があります。
例えば新聞社の場合、記者職は論文で、営業職は作文と、職種によって科目が違うことが珍しくありません。あれ、論文と作文って違うんだと、ここで初めて知った方は、まだマスコミ就職についてあまり準備をしていない人かもしれません。
実はマスコミの試験科目というのはこの10年以上、かなり進化し細分化してきているのです。同じ会社でも職種によって科目が違うのは珍しくありません。考えてみれば職種別採用の場合は、職種によって求められる適性も違うので試験内容が異なるのは当然の事です。
作文を出題する理由
作文は一般常識、総合的な知識、情報収集力、論理的思考力、コミュニケーション能力等を同時に試すことが出来て、総合的な知識、思考力を試すため。もう一つはその分野に関しての知識を試すためです。
一般的に前者である場合が多いです。
要するに日頃から文章を書いている人か、少なくとも日頃から自分でモノを考え相手に伝わるように発信している人しか良い文章は書けません。
そのため先述したように作文はそれら(一般常識、論理的な思考力、コミュニケーション能力)が備わっているかどうかで大きな差が出ます。
就職試験で出題される小論文の対策
企業の筆記試験では、小論文の問題が出題されます。
小論文とは、ある命題に対して、イエスかノーかを答えるもので、問われたことに対して自分の意見を述べて、相手を説得させるための文章のことを言います。
論文は時事的テーマか、または社会的キーワードが出題されます。「格差社会」とか「政権交代」などが一般的です。そういう社会的キーワードをどの程度理解しているか、自分の考えを論理的に展開することを求められるのです。
考える能力と、その考えに筋道を立てて説明する力が試されるので、テーマに沿った論理展開、結論に至る過程に矛盾がないかがチェックされます。
よく出題されるテーマとして「自分に関すること」や「職業・会社に関すること」また、政治や社会に関する時事問題などをつかった抽象的なものまであります。
小論文の場合は雛形があるので、誰にでも書けます。したがって、小論文は雛形さえ覚えれば簡単に書けるのです。
以下に出題の例と出題意図・ポイントをまとめたので、それぞれ人事担当者がどこを評価しているのか把握した上で筆記試験に臨んでみてください。
『自分』に関するテーマ
- 自己PR
- 私の強み
- 長所/短所
- 私の信条
出題意図とポイント
自己分析を基にして、自分の適性や能力を把握しているか、また、その能力をどのように活かしたいと考えているのかが問われます。例えば、『自己PR』や『私の強み』であれば、「リーダーシップがある」「積極的である」といったアピールポイントを書き並べるだけでなく、またそれを裏付ける根拠が記載されているか、またそのアピールポイントを仕事にどのように結びつけたいのかなどの点が評価基準となります。
『職業・会社』に関するテーマ
- 学生と社会人の違いは
- 私にとっては仕事とは
- ○○業界の将来
出題意図とポイント
このテーマには、職業観を問うものや志望動機を尋ねるものなどがあります。就職を決めたのはどんな理由からか、それに職業に対する考え方、働くことへの心構えなどをチェックされています。志望動機に関してはどの会社でも通用する内容ではなく、業界・会社・職業選択の理由を明確にすることで、他社との差別化を図りましょう。
『抽象的』なテーマ
- ○○(世界情勢など)についてどう思うか
- 志望業界の状況について
- 地球温暖化と日本の役割
- 尊敬する人
出題意図とポイント
このようなテーマは、独自の観点、論理的思考力が問われます。従って企画職やクリエイティブな職の試験でよく見受けられます。小論文では説得力があるかどうかという点で評価を下していきます。いきなり書き始めないで、最初にしっかり構想をねって、筋道をイメージしてから書き始めましょう。
業種にも全く関係ないような意外な質問をされたときにも、学生が臨機応変に回答できるかを見ています。
時事問題ならニュースや新聞を日々チェックしていればまだ対応は可能ですが、その質問をして何が知りたいんだ?と思うようなテーマを突然出される場合もあります。このような時に、冷静にかつ論理的に回答できることが重要になります。
そんな時は「あなたの得意な分野に無理やり持ち込む」ことによって知識を駆使して論理を展開することで有利になります。
小論文の書き方のポイント
いきなり小論文を書き始めてはいけない
まず、テーマに即した内容にするために、「何を書くか」を列挙します。「10年後の自分」のいる環境、世の中、仕事場、業界、社会……といったように、イメージを膨らませて思いついたことを箇条書きにします。
たとえば2016年現在から10年後と考えたときに2020年に開催予定の東京オリンピックは終了しています。これを境に、日本はどのように変化していくでしょうか。そしてその翌年は、2011年に起きた東日本大震災が起きて10年後ということになります。
このように、テーマにそって想像し、浮かんだことをメモしていくのです。そして、いちばん書きたいことを決めます。そのうえで、印象的な文章にするためには、作文の書き出しとエンディングに注意することも必要です。
書き出しとエンディングをある程度決めてから、書くようにすると展開に悩まずスムーズに書けるようになるでしょう。
書きたい内容が決まったら、書き出しとエンディングを決めます。書き出しは説明的にならないように始めるのがコツです。では、具体的にはどのように書けばよいのでしょうか。
結論の工夫
結論では本論で綴った内容をまとめて、エンディングも書き出し同様、素直な文章より、書き出しや序論部分、タイトルなどとの関係性を意識した文章が望ましいでしょう。
最初のうちはなんとなくこんな感じで、という程度で充分です。古今東西の名著と言われる著作物の書き出しと最後の数行をチェックしてみてください。本屋さんで立ち読みするだけでもいいでしょう。
ルールを守って、書き出しと結論に注意
読みやすい文章には、ルールがあります。まずはそのルールを守ることで伝わりやすい文章になる、ということを理解しましょう。テーマ、タイトルが決まったら、それに関わることを箇条書きにしましょう。その内容をまとめて本論にします。
文章の展開は「序論・本論・結論」とシンプルな文章にすることです。
字数を稼ぎたい場合、急がば回れです。下書き用紙などがあれば真ん中に課題のテーマを書き、そこから線を引っ張って思いつくワードを枝分かれさせていきます。ワードは何でも構いませんので、とにかく数を稼ぎましょう。
そうすると、関係なさそうに見えて意外と使えそうなキーワードがふと見つかることがあります。作文はあくまで自己アピールなので、テーマについて馬鹿正直に答える必要はありません。
鉄板のキャッチフレーズがあればそう困る事はありません。読んでいるだけで情景が浮かぶテクニックは、小説を読んで覚えるのもいいでしょう。
小論文の書き方で最後に大切なことは『書きながら何度も読み返す』ということ!
スラスラ書けるときこそ、注意が必要です。
企業が求める人物像を見極めるために、論文・作文に共通して判断される評価ポイントがあります。
- 論理力
自分の考えを深めていく力 - 表現力
自分の考えを読み手に伝える力慮 - 理解力
テーマを正確に把握する力 - 洞察力
物事の本質を見抜く力 - 発想力
柔軟な発想や斬新な着想をする力
作文や小論文は、日頃から書き慣れておくことが大事です。原稿用紙を用意して、最初は、数行でも良いので練習してみましょう。基本的なポイントを押さえた作文や小論文を書けるようになりましょう。
この小論文や作文というのは面接で上手く話せない・伝えられないトークにあまり自信がない学生が高評価を得られる絶好のチャンスだからです!
つまり、ここでしっかりした文章が書けていれば、あなたの価値観・適性・能力などが企業側にしっかり伝わります。時間内に書き上げることや、長い文章を書くのは難しいですが、手順通りに書けばある程度は上手く書けます。
継続は力!苦手意識を払拭して何度も書く
まずは様々なテーマで自分なりに小論文や作文を書いてみてください。何度か行っているうちに、段々とコツが掴めてくるはずです。必要なのは、現在の才能よりも、継続する力です。
入社試験で作文を書いていただくのは、筆跡(字の上手下手ではなく読める字が書けるか)と性格(素直かどうかは文章にでます)を見るためだという事も忘れないで下さい。面接に進む前に好印象を与えるためにも、対策をきちんと行っておきましょう。
就職前の段階では、変な癖のある文章を書くぐらいならまっさらなスキルで入社してくれたほうが良いと思っている人も少なくないでしょう。業界に入って毎日のように書くことを求められてようやく力がつき、本物の文章力が養われるものです。「筋が通っていて、読者を混乱させない文」であればいいのです。さらにその中に「あなた独自の視点」を忘れないで下さい。そして苦手意識を無くすように心掛けましょう!
毎日できる作文や小論文がすらすら書ける文章力を身に着ける方法
どんなテーマであれ「文章が思い浮かばない!」という人は、以下のような方法で作文がスラスラ書けるようになる練習をしておきましょう。最初は慣れなくて疲れてしまいますが、続けているうちに脳みそが作文脳になってくるのでぜひお試しください。
1.本を読む
自分の考えを上手に文章にできない人は、決して自分の意見がなかったりするわけではありません。ただ文章や活字になれていないだけなので、読みやすいノンフィクション物やライトな啓発本・芸能人が描いたような自著伝など自分が興味あるような本を沢山読む習慣をつけましょう。気合いで長編小説を読むよりも、自分と似たような人が描いたエッセーなどが参考になります。
作文が苦手な人は、難しい文章よりも「話し言葉に近い文体」の本を沢山読んで、自分の頭の中と文章との掛け合いに慣れましょう。本や文章も自分との相性があるので、内容はともあれ「読みやすいな」と感じる文章を探してみましょう。
例えば、NHKはニュース原稿をホームページで公開しています。いまは疎遠になっている地元の話題などを見ながら、表現を確認してみましょう。
2.日記をつける
本を読む習慣がついたら、どんなことでも良いので日記を付けましょう。最初は1文でも徐々にその1文を広げていくようにすると、作文に必要な「書くコツ」を掴めるようになってきます。余裕がない時には、通勤時などに頭の中で文章を組み立てる練習も出来ます。
3.あらゆるテーマに基づいて作文を書く
実際に就職試験の作文の練習をする際には、出題されそうなテーマはもちろん、あらゆる内容の事柄を「仕事」「働くこと」に繋げられるような内容構成を書けるようにしましょう。慣れてしまえばどんなテーマが出されても作文をスラスラ書けるようになるので、まずは「あるテーマに沿って考える」「考えを文章にしてみる」という練習から始めましょう。
4.添削を受け、ストックを持つ
作文は、わかったつもりになって書いていることが多く、そういった「わかったつもり」に気づいて指摘してくれるのは、身の回りにいつもいる人よりも、あなたのことをあまりよく知らない人であることが多いです。作文を書いたなら、必ず誰かの添削を受けてみましょう。
しかも、自分のことをあまり知らない人や、年配の人、文章を日常的に書く業界の人などにお願いしてみて下さい。
その上で、添削を受けて終わりではなく、一回添削を受けた答案をもとに、最低もう一度は書いてみましょう。
添削を受けながら書く作業を通じて、どんなネタにも転用可能なネタを2,3本持ちましょう。これをストックと言っています。
自分自身の体験で、アピールできそうなものを選び、自己分析を通じて出てきたあなた自身の「ドラマ」を作文として描けるようにしておきます。
何度も添削を受けるうちに、そのストックが、例えば「伝える」というテーマでも「失敗」でも「成功」でも使えるような、より凝縮された濃い内容の文章でストックが完成されていきます。発想力、論旨の展開力を身につけていきましょう。
5.具体的に書くことを忘れない
ここからは応用編になります。
また、具体的に書こうということも大切です。作文の題は「私の友達」「宝物」などといった具体的なもので、書きやすい場合もあります。
しかし、マスコミ業界の企業の中には「発」などと抽象的な1文字を課すものもあります。いずれにおいても、自己体験に基づいてPRをしていくという方針に変わりはありません。
具体的なドラマにちょこっとだけ、ひょっこりとさりげなく「発」の字があるような文章が、意外性もあって読み手の心をつかみます。
こう書くと、技巧が必要なように感じるかもしれません。しかし、先ほど述べた「ストック」を築いておけば、テーマの文字から書く内容を連想するのではなく、「ストック」というコアな自分をアピールできるネタからテーマの文字にすりあわせていくことになるので、それほど難しくはありません。
6.何よりも、数をこなす
練習の回数をこなすことを心がけてください。多く書く。ある文筆業の方がコミュニケーション論やジャーナリズム論の研究所に入るときのことです。選考に際して400字の作文提出が求められました。
お題は「しなやか」
その人はどう書いたら良いかまったくわかりませんでした。私が受け指導はシンプルでした。知り合いの社会人のOBに、とりあえず1本書いて持って行ってみせたそうですが、見た瞬間にダメだしの嵐。「意味がわからない」、アドバイスもせずこう言いました。
「とりあえず、数日中に10本書いて持ってきて」
10本も書けないと思ったそうですがその人は頑張りました。9本目、10本目ともなるとネタが思い浮かびませんでした。しかし、そうして10本書き上げたとき、作文のコツが見えかけたといいます。もちろん、そこからまた直される日々が始まったわけですが、コツが見えるには10本、1本のネタを完成させるには20本は書かないと無理でしょう。
就活の作文や小論文対策はひたすら「読む」こと
就職試験の作文は、決して難しいものではありませんが頭の準備運動をしておかないと、100%自分の意見や考えを文章にすることはできません。せっかく企業に自分をアピールするチャンスなので作文の書き方やコツを身に付けて、納得のいく文章をかけるようになりましょう。練習の回数をこなすことを心がけてください。何よりも多く書くこと。
就活用の文章の「型」を守れば、誰でも受かる文章を書くことはできるはずです。
試験というのは会社や職種によって科目や形式が大体決まっているので、前年どういう試験が行われたかはぜひ事前に調べてください。
それでもどうしても文章が書けない、書ける気がしないという人はまずひたすら文章を読んでください。分厚い本を読めとは言いませんが、雑誌のコラムや個人が書いた少し長めのブログ等でも十分です。
文章をたくさん読むことによって文の構成、書き進め方、まとめ方が分かるようになります。
作文が出題されるだけで敬遠するのは大きな機会損失をしています。
手間を惜しまずしっかり予習をして他の応募者と差をつけましょう。