面接官に身振り手振りでプラスの印象を与えるには?
面接で身振り手振りをしたことがある人は案外多いものです。本当のところ、面接で身振り手振りをすることは面接官にどのような印象を与えるのか、誰もが知りたいところでしょう。身振り手振りがプラスになる場合とマイナスになる場合について解説します。
面接官にプラスの印象を与える身振り手振りとは?
面接官にプラスの印象を与えることができる「身振り手振り」とはどのようなものでしょうか。具体例を挙げて説明していきます。
1.アピールしたいときの身振り手振り
面接中の身振り手振りが印象アップにつながる可能性があるとはいえ、始終両手があちこちに動いているようでは、落ち着きがありません。
ここぞというアピールしたい話題のときや、話の重要なポイントにおいて、自然な身振り手振りを加えると、話に深みが増してきます。
たとえば「円滑な人間関係を構築することができます」といったアピールポイントがあるとすると、「円滑な」にポイントを置いて、両手でまるく円を描いてみるような身振り手振りです。
2.形を表す身振り手振り
面接官に対して、自身が話している内容を具体的にイメージさせることができると、その面接はほぼ成功と言ってもよいでしょう。
たとえば、「その機械の大きさが奥行き〇cm、高さ〇cm、幅〇cmぐらいでして……」といった話をしながら、手でそれぐらいの大きさを示してみせるような具合です。具体的な形状を身振り手振りで示してみせることで、面接官が自然とイメージを膨らませることができます。
イメージをうまくすることができた面接官は、「今の志望者の話は明確でわかりやすかった」という印象を持つことでしょう。そのときに、面接官のなかに身振り手振りの印象が残らないこともありますが、それぐらいの身振り手振りが正解と言えます。
面接官の視界と頭の中に無理なく入ってきて、無駄な印象を残さないような身振り手振りが面接では適切です。
3.面接官の話を聞くときは身振り手振りをしないで膝の上に手を置く
自身が話をする際に身振り手振りをしたまま、ラフな位置に手を置いたままになってしまわないよう、注意が必要です。だらしない印象を与えてしまいかねません。
面接官が話や質問をしている最中は、面接の基本姿勢でもある膝の上に手を置く姿勢に戻すことを心がけてください。真剣に集中して話を聞いているというアピールにもなります。
面接官にマイナスの印象を与える身振り手振りとは?
反対に、面接中に身振り手振りをしたことで、マイナスの印象を面接官に与えてしまうのは、どのような場合でしょうか。面接で身振り手振りをしようと考えている就活生は必ず知っておくべき情報です。具体例を挙げて説明します。
指を立てるジェスチャー
講演会などで演者がする代表的なジェスチャーが、指を立てながら話をすることです。たとえば、「1番目のポイントが……」と言いながら人差し指を立てるようなジェスチャーです。
就職の面接においても、論理的な説明の仕方として、「まず一つ目の理由として……」といった話し方を身に着けている人は多いでしょう。この説明に、人差し指を立てるジェスチャーを加えればよいのではないかと考えるかもしれませんが、就職の面接においてはふさわしくありません。
講演会では聴衆を惹きつける力のあるジェスチャーかもしれませんが、就職の面接において同じようにすると、わざとらしさが鼻に着くような身振り手振りになりかねません。胡散臭いセールストークのように見えることもあるでしょう。面接における身振り手振りは、あくまで「自然なしぐさ」となるよう留意してください。
立ち上がったり歩き回ったりする
面接で自己PRに熱が入るあまり、身振り手振りが大きくなってしまうことは十分あり得ます。しかしながら、熱くなって勝手に椅子から立ち上がったり歩き回って説明したりするのは絶対にNGです。
社会人としての一般常識がない人、また落ち着きがない人という烙印を押されてしまうおそれがあります。
面接なのに態度が大きい、もしくはラフすぎるといった印象を与えてしまいます。面接における身振り手振りは、与えられた座席に背筋をのばして座ったままで可能な範囲で行うのが常識です。
大げさすぎる身振り手振り
面接で話しながら、絶えず両手両腕を縦横無尽に振り回すような大げさすぎる身振り手振りは、マイナスの評価となるほかありません。「わざとらしい」「落ち着きがない」と毛嫌いされてしまう可能性が大いにあります。
「身振り手振りのわりに大した内容の話をしない」といった評価をされてしまうことがないよう、不自然に大げさな身振り手振りを面接でするのは避けましょう。
面接で身振り手振りをする際に注意すべきポイント
面接に身振り手振りを取り入れようとする場合、面接における身振り手振りが面接官に与えるプラスの印象、マイナスの印象の双方をよく理解したうえでおこなうべきです。注意したいポイントをまとめました。
身振り手振りを評価しない企業もある
今でこそプレゼンや講演会などで、身振り手振りやジェスチャーの大切さは周知の事実となっていますが、日本人は欧米人に比べて、会話中に身振り手振りをあまりしない性質を持っています。
企業や面接官によっては、身振り手振りをしながら話をされることに違和感を持っていたり、いい印象を持っていなかったりする場合があります。
面接に身振り手振りを取り入れようと考えるのであれば、大前提として、面接中の身振り手振りというものを常識の範疇にとらえていない企業や面接官の存在を念頭に置いたうえで対策する必要があります。
面接の本質は身振り手振りで伝えるよりも話す内容であることを忘れない
面接は第一印象が重要であるというのは事実です。笑顔や声のトーン、身振り手振りなどで第一印象をアップさせる努力は、面接突破のキーとなるでしょう。
しかしながら、第一印象にばかり気をとられてしまって、面接の本質を忘れてはいけません。面接とは、あくまでどのような内容の話をするか、面接官とどのようなコミュニケーションの取り方をするか、どのような考え方を持っているかなどといた、就活生の内面が最も大切です。
面接の本質である自身の内面を論理的かつ明快に説明し、そこに笑顔や身振り手振りといった外面の印象アップで磨きをかけるという姿勢を忘れないように気を付けてください。
不自然になるなら身振り手振りはしないほうがよい
大事な就職がかかった面接において、失敗するリスクはできるだけ減らしたほうがよいのは当然のことです。
身振り手振りやジェスチャーになじみがなく、練習してもどうしても不自然になってしまうような人、身振り手振りをすることに意識をとられて面接での会話がしどろもどろになってしまうような人は、面接中に身振り手振りをするのはやめたほうがよいでしょう。
面接における身振り手振りが与える印象とは?
「面接官に対して自分を印象づけるためには、身振り手振りを交えて面接を受けたほうがよいのだろうか?」と考えたことがある就活生もいるかもしれません。癖で面接中にも無意識に身振り手振りをしてしまうという人もいるでしょう。面接における身振り手振りは、面接官に対してどのような印象を与えるのかについて考えていきます。
身振り手振りは面接の評価に大きな影響を与えない
実際のところ、面接で身振り手振りをしてもしなくても、評価に大きな差はないと言われています。良い意味でも悪い意味でも、余程面接官の印象に残るような身振り手振りをしないかぎり、面接の合否にはかかわらないと言っても過言ではないでしょう。
面接官は志望者の身振り手振りよりも、話をしたり聞いたりするときの態度や、話す内容について真剣に評価をしています。
適度な身振り手振りであれば面接の印象はアップする
身振り手振りの有無は、面接における評価に大きな影響を与えないと解説しましたが、適度かつ適切なタイミングで取り入れられた身振り手振りは、印象アップに貢献すると言えるでしょう。
身振り手振りとして意識するよりは、まず面接や人前で緊張しながら話をする際に、自分にはどのような癖があるのかを把握することが重要です。緊張で手足が震えがちな人は、身振り手振りで身体を動かしたほうが、身体のこわばりがとれてリラックスするということもあるでしょう。
自分らしさをうまく発揮できて、面接官にも明るくほがらかな印象を与えられるような身振り手振りとはどのようなものか、第三者に見てもらったり、鏡の前で練習したりするなどして、面接本番までに対策をとることをおすすめします。
面接ではほどよい身振り手振りで印象アップを目指そう
アピールポイントを強調したり、話のイメージを膨らませたりするなど、はっきりとした目的のある自然な身振り手振りは、面接における印象アップに貢献することが可能です。話をするときのしぐさの癖を把握しながら、自分らしくほどよい身振り手振りをマスターし、プラスの印象を与える武器としましょう