急増するプレゼン面接!準備は大丈夫?
就活の面接内容にもトレンドがありますが、最近のトレンドとして急増してきているのがプレゼン面接です。大手企業や公務員試験などにおいて導入が進んでいますが、この動きは今後多くの企業に波及していくものと予想されています。
プレゼン面接とはその名称の通り、与えられたテーマについて応募者が事前に準備してきたプレゼンテーションを自由に行うスタイルの面接です。プレゼンの準備はもちろん、本番で初めて会う目上の方々に対して持論を展開することは非常に気も遣います。加えて将来を左右する大事な就活の選考ですから、そのプレッシャーも大きいものです。
それゆえに苦手意識の強い人も多いプレゼン面接ですが、逆にしっかり準備していくことができれば採用のチャンスにもつながります。プレゼン面接の準備のノウハウをまとめて紹介します。
プレゼン面接とは
プレゼン面接とは、「自己PR」や「この会社で私が成したいこと」など、企業側から与えられたテーマに沿って、自分の考えを自由にプレゼンテーションし、その後質疑に答えるという面接形式です。テーマは事前に与えられることが多いですが、当日与えられることもあります。
それほど長い時間のプレゼンは必要ないことが多く、3~10分程度のものを求められ、その後10~20分程度の質疑応答の時間があることが多いです。プレゼンテーションの内容はもちろん、レジュメや資料の準備・用意も必要となりますし、指定があれば自分でノートパソコンやパワーポイントなどの準備もする必要があります。
企業がプレゼン面接を行う目的
一般的な質疑応答形式の面接よりも多くの準備や労力を必要とするプレゼン面接ですが、ちゃんと目的があります。
情報社会の今、普通の面接ではマニュアルや対策本のような受け答えも多く見られるようになり、就活生たちの実力が見えにくくなっているのが現状です。そのため、より応募者のオリジナリティや実力があらわになる形の面接スタイルとしてプレゼン面接が採用されているのです。
プレゼン面接では話し方や口調のクセ、振る舞い、仕草が細かく見えますし、論理的思考能力や情報をまとめる力などもわかりますので、現時点でのビジネス上の基礎力も見えてきます。
ただし、プレゼン面接は候補者側にとっては絶好の自己PRのチャンスです。この機会をどのようにアピールに活かすかを考え、ただのプレゼンで終わらないように注意する必要があります。
成功するプレゼン面接の進め方
ビジネスでは成功するプレゼンテーションの形はほぼ決まっています。それは、主張→根拠→結論の流れで進んでいくプレゼンテーションです。
1 言いたいことを主張する
プレゼンテーションで大事なことは「主張」、すなわち自分が何を伝えようとしているのかということです。この時、与えられているテーマも確認して、主張を表現すると良いでしょう。この主張が興味深いほどその後の展開が気になり、プレゼンに引き込むことができます。逆にありきたりだと先読みされて興味が薄れることもありますので注意が必要です。
2 言いたいことの根拠を示す
主張をはっきりさせたら、どうしてそう考えたのかという根拠を整理していきます。根拠を示す際には、必ず具体的な事実や客観的な情報を元に示してください。全てが自分の予想で作られたデータでは信憑性に乏しく、根拠がないと言われてしまいます。
数字のデータがハッキリしているものや、国や地方自治体、大手企業、シンクタンクなどが発表している統計情報、学術論文などは主張の客観的根拠として強い武器になります。また過去の自分の記録(日記や通知表、その他)なども自己PR用の根拠として使えます。
根拠の提示の仕方でその人の論理性が見えてきます。多すぎないように、必要なものをいくつか挙げてスッキリとまとめることが根拠を伝えるコツです。
3 主張したことをもう少し深めて結論づける
最後は結論です。根拠をもとに最終的なまとめを行います。結論で主張を繰り返しただけで終わることがないように気を付けます。「主張」は基本的にワンフレーズですが、結論としてはそれをもう少し深めた形で表現し、それと自己PRや就職と結び付けていきましょう。
テーマ「自己PR」における主張と結論の例
主張:「私は勝負強い男だ!」
結論:「以上のことから、私は『勝負強い男』であると考えられます。この長所を生かし、ビジネス上大事な局面で普段以上の力を発揮して御社に貢献できればと思います。」
プレゼン面接でのパワポ資料の作り方
プレゼン面接で使用するパワーポイントを使った資料作りのポイントを紹介します。実際に資料を作ってみるとなかなか難しいものですので、繰り返し作りながら要領を掴むようにしてください。
1 資料は必要最小限にとどめる
資料作成で注意したいのが、「多ければ良いわけではない」ということです。多くのプレゼンを聞く側としては、時間や労力をあまり取られたくないものです。主張や根拠を伝える際は必要最小限にとどめるようにしてください。枚数やページ数は少なくとも、文字数や情報量が多いものも注意が必要です。
2 文字だけではなく図や画像も使う
文字情報は確認が容易で良いのですが、感覚的に情報を処理することができないために確認する側に負担を与えることになります。そのため、できるだけ直観的に把握できるように図や画像を使い、特に大事な情報についてはしっかり文字情報にもしておきましょう。
3 フォントの大きさや色にも注意
フォントの大きさや色にも注意してください。これはオシャレさの問題ではありません。
もちろん、オシャレであることが評価されることもありますが、資料の目的は「情報を伝えること」ですので、独りよがりなオシャレさ不要です。相手に読みやすいフォントを考えましょう。
大きさは環境にもよりますが、プレゼン画面なら最低でも20ポイントを維持し、スタイルはゴシックやメイリオなど見やすいものにしてください。
レジュメの場合もベースの文字の大きさは10ポイント以上を保ちましょう。色の種類は、ベース色・アクセント色など用途ごとに使い分け、3~4色程度に抑えましょう。
4 不必要にテンプレートを崩さない
ページ内に情報を詰め込もうとするあまりに、ページ内の文字や図のスタート位置が微妙にずれていたり、また大きさがバラバラだったりすると、見ている側にストレスを与えることになります。不必要にテンプレートを崩さず、一定のルールのもとで情報を詰め込むようにしてください。
5 アニメーションはできるだけ使わない
演出上どうしてもという所以外では、パワーポイントなどのプレゼンテーションソフトのアニメーションは使わないようにしてください。アニメーションが動いている時間は無駄でしかありませんし、使い方によっては強調するポイントがかえってわかりにくくなりますし、デザインなども崩れてしまいがちです。また、作成に余計な時間を使ってしまいがちです。
6 基本はワンスライド、ワンメッセージ
パワーポイントなどで表現する際には、「ワンスライド、ワンメッセージ」が基本です。
メインになる主張は1枚のスライドに1つのみに限定するということです。多少ページ数が増えるかもしれませんが、ひとつひとつ確実に相手に印象付けることができ、主張がぼやけるのを防ぐことができます。
プレゼン面接を行う時の技術として押さえておきたいポイント
「プレゼン面接」では、プレゼンテーションの技術も重要で、これなしにはどんなにしっかりまとめてきた内容も伝わりません。プレゼン面接は総合力が問われる面が強いので、プレゼンが苦手だという人はしっかり準備しておく必要があります。
1 相手の反応を見ながら進める
プレゼンテーションは自分が主に話すものですが、相手の反応を見ながら伝えていくことが大切です。自分の思い描いた台本があったとしても、相手がちゃんと理解しているのか、聴き手の様子を常に伺いながら進めましょう。言葉のやり取りの有無によらず、プレゼンテーションは本質的にはコミュニケーションであることを意識してください。
2 間の取り方、ジェスチャーにも気を配る
プレゼンテーションでは、自分の主張を伝えるだけでなく、自分の態度も情報として受け取られます。
声の強弱や間の取り方、ジェスチャー、またアイコンタクトやアイスパン(視線の動きや静止時間)などもその人の印象を大きく左右しますので、この点にもしっかり注意を払い演出を考えるようにしてください。
3 口癖に注意する
多く見られるのが「えー」「あのー」などの口癖です。間を取るために無意識に使っていることが多いですが、限られた時間をロスしますし、また面接官からは自信がないように映りますので極力抑えるようにしましょう。
また、「一応」「よって」「要するに」などの言葉を内容と関係なく挟んでしまう人も少なくありません。客観的に誰かにプレゼンを事前に見てもらう機会を作れるなら、そういった口癖もチェックしてもらいましょう。
4 制限時間を守る
プレゼン面接で大事なことのひとつが「時間を守ること」です。アクシデントがあっても無くても、しっかりと時間を守るのが技術です。
練習の段階からある程度、どのあたりまでは何分で進めるという予定を組み、チェックポイントごとに時間の経過を確認しながら進めましょう。時間が不足するようなら、適宜割愛しながら進め、大事な主張や結論がしっかり伝えられるようにしてください。そういった対応力も面接官は見ていますので、プレゼンの失敗よりも対応力が評価されることもあります。
5 ポジティブなプレゼンにする
プレゼン面接ではポジティブにプレゼンテーションを行うことも大事にしてください。
プレゼン面接は自己PRの場でもあります。その時に、ネガティブに聞こえる表現をすると自分はネガティブですと主張しているように聞こえることもありますし、また主張がネガティブならこの人はネガティブな人だと思われます。特に、自分の経験談などはポジティブに伝えないと自信のない人だとみなされてしまいます。
「私はプレゼンテーションが苦手ですが頑張ります」という謙遜の言葉は一切必要ありません。マイナスにしかならないことをあえて言う必要はありませんし、面接官もそれで手心を加えることは一切ありません。
プレゼン面接は準備して臨めば怖くない
面接に限ったことではありませんが、プレゼンテーションは準備8割、本番2割と言われるほど準備の割合が大きいものです。多くの場合は準備に十分な時間が与えられますから、しっかり準備して臨むようにしましょう。そうすれば、苦手な人だとしても十分なパフォーマンスを発揮できるはずです。
準備をしてもうまくいかない理由は「準備のポイントを知らないから」ということに集約されます。上記を参考に、自分のプレゼン資料やプレゼン内容を見直してみるとよいでしょう。社会人になればプレゼンの機会も増えます。後々のための準備としてもしっかり取り組みましょう。