転職を考える時に読む本のおすすめをご紹介
一生懸命働いてきたけれど、「このままでいいのか」「自分が本当にやりたい仕事はこれなのか」など今の仕事のことで色々と悩んでいる人もいるでしょう。将来のことを考え、なりたい自分になるためには、転職も選択肢の1つです。
転職することを決めたら希望の業種や職種について調べたり、転職経験がある友人や知人に話を聞いたりと様々な活動をします。そんな中、転職に役立ちそうな本から有益な情報を得られることも少なくありません。
今回体験談を寄せていただいた皆さんが、転職を考えた時に手に取った本は次の7冊です。
- 日本男児(長友佑都・著)
- 放っておいても明日は来る―就職しないで生きる9つの方法(高野秀行・著)
- SE・エンジニアの本当にあった怖い転職話(きたみりゅうじ・著)
- さあ、才能(じぶん)に目覚めよう(マーカス・バッキンガム、ドナルド・クリフトン・著)
- もし僕がいま25歳ならこんな50のやりたいことがある(松浦弥太郎・著)
- 伝え方が9割(佐々木圭一・著)
- 人を動かす(デール・カーネギー・著)
実際に転職活動をする際に読む、いわゆるHowTo本や転職用問題集などを挙げた人はいませんでした。やりたいことを改めて考えるヒントになったり、興味のある職種の体験談を読んだりできるような本が挙げられました。
転職に役立つ本の選び方
一口に転職に役立つ本と言っても様々なものがあり、どれを選べば良いのが迷ってしまいます。しかし、ちょっとしたポイントをつかむと、自分に合った転職本を選ぶことができます。
例えば、自分がどんな仕事をしたいのか、できる仕事は何なのかを模索中の人と、すでに希望の職種が決まっていて、その仕事について詳しく知りたい人とでは選ぶべき本が違ってきます。ここで、転職に役立つ本の選び方を見てみましょう。
自分がやりたい仕事をテーマにした本を選ぶ
転職しようか、転職先はどうしようか迷った時は、興味があること、やりたい仕事をテーマに書かれている本を選んでみましょう。
やりたい仕事がはっきり決まっている場合の選び方
今回の体験談でIT業界への転職を希望し、IT業界で成功した人と失敗した人の体験談が紹介されている本を手に取った人がいました。このように、はっきりと自分のやりたい仕事が決まっている場合、その仕事がテーマになっている本やその職種に就いている、または就いたことがある人の体験談などが載っている本を選ぶことをおすすめします。
やりたい仕事を漠然と思い浮かべている場合の選び方
「絶対この仕事がしたい」と具体的にはっきり決まっているわけではないけれど、子供が好きだから子供と触れ合う職業に就きたいなどと漠然とした考えがある場合、例えば子供とのコミュニケーション術が紹介されているものや、教師経験を持つ著者の本などを選ぶと良いかもしれません。
お気に入りの著者の本を選ぶ
単純にお気に入りの著者の本を選んでみるのも、転職に役立つ本の選び方の1つです。「参考にしよう!」と意気込んで何冊か購入したのに、結局積読本になってしまう人もいるでしょう。お気に入りの著者の本なら、積読本化することも避けられます。
お気に入りの著者なら転職と関係ない本でもOK
体験談では、転職活動中の息抜きに好きな探検家が書いた本を手に取ったという人がいましたが、たまたま読もうと思った本が自分の転職とは無関係に思えるものでも構いません。登場人物の趣味や生き方などの話の中から、それまでとは違った角度からの物事の考え方などを知ることで、自分自身の考え方も変わることがあるからです。
考え方を変えられることで、新しい自分の可能性に気づいたり、転職活動中のイライラや焦りなどが解消されたりするきっかけにもなります。
その他、いつもは小説しか読まないけれど、たまには敬遠しがちなエッセイを読むなど苦手なものにトライしても良いでしょう。このように些細なことからでも好き嫌いを無くしていくと、好奇心も広がり、やりたい仕事の選択肢を増やすきっかけ作りができるかもしれません。
インターネット上の口コミなどで人気の本を選ぶ
数多くの本の中から転職に向けて本当に役立つものを見つけるために、インターネット上の口コミなどを参考にしながら、人気の本を探す人も少なくありません。選ぶ本に迷ってしまった時は、口コミなどで人気の本から、何冊か選んでみましょう。
口コミは参考程度に留める
インターネット上の口コミも様々で、参考になるものもあればそうでないものもあります。また、読んでみたい本の口コミが高評価だったので実際に購入したら、それほどでもなかった。それとは逆に評価は低かったけれど、読んでみたらとても役に立ったという場合もあるでしょう。
口コミは、参考程度に留めておくことが大切です。本のあらすじを把握できたり、最初の数ページを試し読みできたりする通販サイトや出版社のサイトなどを利用してみるのも良い方法です。
転職に役立った本の体験談
転職しようか迷っている時、転職活動中に何かしらの本を読む人もいます。本を読んでいる暇があったら、1社でも多くの採用試験を受けたほうが良いという考えもありますが、読書で自分の考えを整理したり、転職に向けての心構えを学んだりすることは決して悪いことではありません。
転職しようか考えていた時や実際の転職活動中に読書をした皆さんに、どんな本を選んだのか聞きました。
転職活動がうまくいかない時の不安解消に役立つ本
新しい仕事を見つけて心機一転頑張ろうと張り切って転職活動を始めたものの、なかなかうまくいかないと本当に転職できるのか不安になってしまいます。転職活動時の不安解消におすすめの本は、こちらです。
日本男児
かっちゃん(27歳 製造業)
転職活動中に長友佑都の『日本男児』を読みました。とても勇気をもらえて、活動中に読んで良かったです。
前の会社を辞めて毎日不安な気持ちを抱いていた時、何かを変えないといけないと思い、この本を手に取りました。ちょうど長友選手がイタリアの名門インテルで頑張っていた頃です。何に刺激を受けたかというと、長友選手も順風満帆な人生ではなかったということ。彼が過去の挫折から今の栄光まで駆け上がったプロセスを知ることができました。こんなにすごい選手でも、泥水を飲んだ時代があったのです。
不遇な時は、修行期間だというような考えに変わってきたのです。無職の期間は辛いですが、この経験が次に活きると思い転職活動を頑張ることができました。そして無事に転職先が決まりました。逆境の乗り越え方をこの本から学びました。
放っておいても明日は来る―就職しないで生きる9つの方法
くらげ(35歳 広告ライター)
私の転職に役立ったおすすめの本は、「放っておいても明日は来る―就職しないで生きる9つの方法」です。著者は探検家の高野秀行さんです。この本を読んだきっかけは、もともと著者の探検を描いた本が好きで、転職活動の息抜きにと手に取りました。
この本の魅力は、一般的なビジネスパーソンのルートから外れた人をたくさん取り上げて、著者が聞き手となり、生き方を聞いているところ。例えば、観光ガイドだったり、会社経営だったり、生計の立て方はさまざま。ですが、どの人物も何だか楽しそうで、悪くない人生を送っています。
転職活動中で、こうでなくてはならないと思い詰めていた気持ちがすごく軽くなりました!普通に会社勤めをする以外の道もありだなと思うことで、肩の力を抜いて転職活動に取り組めるようになりましたね。
SE・エンジニアの本当にあった怖い転職話
ポピー(33歳 製造業)
興味があったIT業界に転職を考えていた20代前半の頃、きたみりゅうじ著『SE・エンジニアの本当にあった怖い転職話』という本を購入しました。著者のきたみりゅうじさんのファンでした。
実際にIT業界に転職をして成功した人、失敗した人の体験談が載っています。自分はこの本以外にもIT業界の本を沢山読んで転職活動していたのですが、ちょうど2008年の金融危機が来てしまい、結局希望は叶いませんでした。
これからIT業界に転職しようとしている人は読んでみてもいいかもしれません。きたみりゅうじさんが書いた他のテーマについての本も面白く、IT業界の経験がない人でも楽しめるのでおすすめです。
転職で迷った時にやりたいことを見つけるヒントを得られる本
今の仕事にストレスを感じていて違うことに挑戦したいけれど、どうしたら良いか分からない時に役立つ本です。本当にやりたい仕事は?自分のアピールポイントは?などが見えてくるでしょう。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう
おゆず(38歳 教育業)
転職をする際、まずは自分自身を見つめ直す時間を十分にとる必要があると感じました。どんな事が好きで、どんな強みがあって、どんな才能があるのか。そんな事を漠然と感じながら、本屋で手に取った本が、マーカス・バッキンガムさんとドナルド・クリフトンが書いた『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』でした。
この本は、自分の人生をイキイキと生きる為に、個々の強みを活かす必要性を説いており、実際に本に記載のURLにアクセスする事で、強み発掘テストを受ける事が出来ました。
テストでは、世の中の成功者に共通する34の強みの中から、自分が優位な5つの特性を発見でき、その特性を持つ人間がどういった仕事をするとうまくいくのかを理解することによって、今後どう社会に自分の力を役立てていくか客観的かつ論理的に考える事が出来、非常に有意義だと感じました。
もし僕がいま25歳ならこんな50のやりたいことがある
ミモザ(24歳 保育士)
転職本としておすすめなのは、松浦弥太郎さんの『もし僕がいま25歳ならこんな50のやりたいことがある』です。購入のきっかけは、ちょうど転職を考えた年齢が24歳でタイトルの年齢に近かったことと、項目ごとに読めるようになっていて忙しいときでも必要なところだけ読めると思ったところです。
この本の中で特に印象に残っているところは、やりたくないことは何かを考えるという項目です。転職を考えていたときに、何ができるか何をしたいかばかりを考えていてピンとかないことが多かったのですが、逆の発想を学びました。
例えば前職が営業だった私は、クライアントへの貢献の有無に関わらず商材を売らなければならないというところにストレスを感じていました。でも、そのようなことはしたくない、じゃあ次はどうしようという風に考えるきっかけとなりました。
面接で好印象を与える受け答えの方法を学べる本
転職活動をしている中で、面接に苦手意識を持っている人もいます。面接官に好印象を与えるための受け答えの方法を知りたいなら、以下の本を参考にしましょう。
伝え方が9割
KI(34歳)
転職活動中に読んだのは、『伝え方が9割』という本です。この本で得た知識で、面接官からの質問の返答に、どういう言い方をすれば、面接官に好印象を持たれるかという対策をとることに非常に役に立ちました。
この本を読んで、同じ内容でも話す言葉を選ぶことで、印象を大きく変えられると理解できました。また、面接終盤で必ずある、面接官への質問を行う時に非常に役に立ちます。ブラック企業かどうかを判断するために質問をしたいのですが、直球できくと印象が悪くなります。そこで、「一般的な一日の就業の流れを教えてくだい」といった言い方をすることで、帰りが遅くなるかどうかを婉曲的に質問することができます。
短い時間で、自分のことを伝え、そして相手の会社のことを聞くためのテクニックがつまった本です。
円滑な人間関係を築く方法を教えてくれる本
転職先として接客業など人とかかわる仕事を希望している場合や、職場の人間関係が転職理由の場合には、以下の本を読んでみましょう。周囲との人間関係に不安を抱えている人に読んでほしい1冊です。
人を動かす
さほ(30歳 接客業)
私の転職に役立った本は、デール・カーネギー著「人を動かす」です。私が読んでいた転職本の中でこの本のことが絶賛されており、購入しました。
この本はいわゆる転職本ではありませんが、人の心をつかんで動かすための極意が書かれた名著です。書かれたのはなんと戦前の1937年ですが、現在でも驚異的なセールスを誇る伝説的なロングセラー本です。カーネギーは「人を動かす三原則」、「人に好かれる六原則」、「人を説得する十二原則」、「人を変える九原則」などを、とてもわかりやすい平易な言葉と具体的な例を提示して、説明しています。
この本を読んでから、人と接する際にどうすれば相手を気持ちよく動かすことができるかが少しずつわかるようになり、仕事でもプライベートでも人との接し方が変わりました。新人研修などでも使われている名著です。
転職本は自分の目的に合ったものを選ぼう
一口に転職に役立つ本と言っても、様々なものがあります。ここで紹介したおすすめの転職本体験談を読むと分かるように、転職活動がうまくいかない時の不安解消に役立つ本や企業面接で好印象を与える受け答えを学べる本など、各自の目的に合った転職本を選んでいます。
数ある本の中から転職に役立つものを選ぶには、自分が転職活動を始めるにあたって、または転職活動中に本を読むことで何を得たいのかを明確にすることが大切です。そうすることで、本から「なりたい自分」になるためのヒントをもらうことができ、納得のいく転職活動をしていけるでしょう。