会社訪問をする際はマナーに気をつけよう
就職活動は社会人としての将来に大きく影響を与えるもので、しっかりと力を入れて取り組みたいという就活生は多いです。そうした中で、会社訪問は行っておいた方が良いのか悩んでいる人も少なくありません。
選考には直接関係がなく必須ではないとされる会社訪問。しかし、「会社訪問で良い印象を与えることができれば他の就活生と差が出る」という情報もあり、就活という未知の分野に飛び込む学生たちにはちょっとした心配事でしょう。
会社訪問を行う目的や、もし会社訪問をするならどういったマナーに気を付けるべきなのか、アポイントの取り方などをチェックしてみましょう。
就活で会社訪問を行うときはまず目的をしっかりと持つ
本来、会社訪問は学生が企業の担当者や知人にアポイントを取って訪問し、会社の雰囲気を見せてもらったり、会社についての説明を詳しく聞くというものです。
今は就職活動によって内定し、入社をしたとしても、その後にすぐに辞めてしまう人も多く、その原因の多くが「思っていたのと違う」というミスマッチにあります。そのため、採用後のミスマッチを少しでも減らす目的で、説明会等の一環として会社訪問を事前に実施する企業も多くなっています。
会社訪問では、実際に業務に取り組んでいる様子や、会社の雰囲気を直に見ることができますし、またセミナーなどと違い、個人もしくは少人数での訪問機会となりますので、気になったことを質問しやすい雰囲気があります。
選考が始まってから企業に訪問した時の緊張を和らげる効果もあり、選考とは直接関係ないとしても、企業への理解度や、本選考においての気持ちの余裕で差が生まれるようになります。
会社訪問は何社くらいすべき?
自分の中で数を絞り込み数社にとどめるか、多くの会社を訪問すべきか、会社訪問で何社を訪れるか悩む就活生は多いものです。
就活中は他のスケジュールとの兼ね合いもありますから、無理に何十社も訪れることはありません。しかし、「この会社の雰囲気はよかった」「この会社はイメージと違った」など、複数の比較対象があることで見えてくる企業の本質というものもあります。
会社訪問はあくまでも選考ではありませんので、余裕があるのならば数社に足を運び、その中から選考を受ける会社をじっくり選んでみることをおすすめします。
会社訪問に至るまでの主な流れ
会社訪問の目的をしっかりと確かめたら早速行動に移しましょう。会社訪問の主な流れについて紹介します。
会社訪問の時期は就活が本格化する前がベスト
会社訪問はいつでも良いわけではなく、基本的には就職活動が本格化する前に行っておくべきです。採用活動が始まる時期になると人事担当者は他の仕事も手につかないほど忙しくなりますので、その時期は外しておくのがマナーです。
訪問したい会社をピックアップする
訪問先の選定では、自分の興味のある企業をまずピックアップします。知名度で選ぶよりは、就活で実際に応募したいと考えている企業や、関心のある業界の企業を選んだ方が今後の糧になります。
訪問したい会社へ訪問日時のアポ取りをする
希望する企業が会社訪問を募集している場合は募集要項に従ってアポを取ります。募集していない場合は、企業の人事部に問い合わせの連絡をしたり、社内に知人がいるようなら知人を通して会社訪問が可能か聞いてみます。
会社を訪問する
企業訪問で実際に訪問したときには、まず受付で自分の所属と名前、会社訪問で来たこと、そして担当者の名前を伝えて、指示や案内を待ちます。受付が無人のこともありますので、事前に担当者の部署や名前は確認しておきましょう。
担当者と会うことができたら、案内にしたがって時間を過ごします。応接スペースで話をする場合もありますし、実際に企業内を見学して回れる場合もあります。一通りプログラムが終わったら、最後に質問などの時間をもって終了というのが基本的なパターンです。
会社訪問のアポ取りの仕方
会社訪問に興味があっても、アポイントの取り方がわからず敬遠している学生も多いもの。しかし、アポの取り方も一度わかってしまえば怖くありません。
アポを取る相手を決める
会社訪問でアポを取る場合は、社内に知人がいる場合は知人に、知人がいない場合は人事部の採用担当者あてに連絡してアポを取ります。企業によっては人事部が明確にない場合もありますので、その場合は会社訪問を希望する旨と、採用担当者への取次をお願いします。
アポを取るための方法はメールがベスト
アポを取るための方法としては、基本はメールもしくは電話です。
自分の所属などが正しく伝わり、また相手方が検討して判断できるように、会社訪問のアポとしてはメールがベストです。担当者のメールアドレスがわからない場合は、企業のコンタクト用のメールアドレスや問い合わせフォームなどから連絡します。
採用サイトがある場合には、採用担当者の連絡先が公開されていたり、採用関係のSNSのアカウントがある場合もあります。こうした場合には、SNS経由の連絡でも大丈夫です。
アポ時に伝えるのは自分の名前・所属・会社訪問の意思
アポを取る際には、まずは自分の所属を伝え、就職活動に向けて会社訪問を希望する旨を伝えます。
この場合、会社訪問を募集していることが明確でなければ「会社訪問を希望します」ではなく、「会社訪問は行っておりませんでしょうか?」と伺うようにするのがマナーです。その場では判断できない場合もありますので、連絡がつきやすい連絡先を必ず告げるようにしましょう。
タイミングや時間帯などは、企業側の指定に合わせます。会社訪問は企業側からは本来の業務ではありませんので、業務に負担のないように配慮する姿勢が大切です。
会社訪問をする際の基本的なマナー
会社を訪問すると、頭の先から足元までだけでなく、考え方までしっかりと観察されます。会社訪問の流れをつかんだら、会社訪問をする時のマナーを確認しましょう。
事前準備として企業研究をしっかりする
会社訪問が決まっても、事前準備はしっかり行っておかないとせっかくの機会を最大活かすことができません。事前準備としては、企業研究をしっかり行い、チェックしたいことや、また質問事項なども準備しておきましょう。
服装や所持品を準備する
会社訪問とは言え就職活動の一環になりますので、基本的には就職活動と同じような服装や所持品が必要と考えてください。
スーツスタイルで、書類などが入るカバン(A4サイズの書類を曲げずに入れられる程度)、メモ帳や筆記用具は最低限準備します。所属を表すために学生証も持って行ったほうがベターです。
ビジネスマナーの基本を勉強しておく
会社訪問の段階で敬語などしっかりとしたマナーを身に着けるのは難しいですが、少なくとも失礼のないように配慮する必要はあります。
時間に余裕があるなら、ビジネスマナーに関する本を1冊読んでおくと就活本番まで役立ちますのでおすすめです。例えば「コートは建物に入る前に脱ぐ」「促される前に勝手に座らない」などのマナーは、知らないと失敗しますので注意してください。
会社を訪問する時間は必ず守る
会社訪問の約束の時間に遅刻することは絶対にあってはいけませんし、質問がどんなにたくさんあっても本来決められている時間以上に会社訪問の時間を引き延ばすのもよくありません。
担当者が会社訪問で時間を取られることによって、他の大事な業務ができなくなることは大きな損害になりますし、面談などをするための施設を使うこともコストが発生しています。時間に対する意識が低いと思われるとマイナスの評価にしかなりませんので注意してください。
会社訪問を終えたらお礼を伝えるのもマナーのうち
会社訪問が済んだら必ずお礼を伝えるようにします。しかし、お礼と言ってもただ「ありがとうございました」と感謝を伝えるだけではいけません。
会社訪問でのお礼は、忙しい中で時間を割いてもらったことに対して感謝することはもちろんですが、会社訪問を通して気づいたことや、採用試験へのモチベーションが高まったことなどを伝えるのが一番のお礼になります。
感謝されることは企業の利益にほとんどつながりませんが、会社訪問を通して企業イメージが上がったり、人材採用にプラスになったなら企業の利益になるからです。
会社訪問のお礼は、できるだけ翌日の午前中までにはメールで連絡するようにし、宛先は会社訪問を担当してくれた方に送りましょう。メールの中では担当者だけでなく、関わってくれた人が他にもいれば併せてお礼を伝えるようにしてください。
会社訪問は採用に影響しないと言い切れないと心得よう
会社訪問は採用に本当に影響しないのかと聞かれると、一概には言い切れない部分があります。
もし会社訪問の際に好印象を残すことができ、担当者や関係者がそのことを覚えていれば、必ず評価上はプラスに働きます。本選考でも書類提出や面接は、その人の考え方や行動を知るためのものですので、会社訪問の様子を通しても情報を与えることができるからです。
会社訪問で相手に良い印象を残すためには、アポ取りから実際の訪問、後日のお礼メールに至るまで、就活本番のようにしっかりと取り組むことが大切です。逆に悪い印象を残してしまうとマイナス評価になりますので注意しましょう。
会社訪問をしたというだけでは評価はプラスにもマイナスにもなりません。影響があるのは、会社訪問によって与えた「あなたの印象」ということを忘れないでください。
会社訪問で興味のある企業をもっと知ろう
会社訪問は就職活動において必須の項目ではありませんが、会社訪問をすることによって業界研究や企業研究ができたり、企業の雰囲気、就活の雰囲気にいち早く慣れることができるなど多くのメリットがあります。そのため、会社訪問は、就活に自信がないという人ほど行っておいた方がベターです。
評価を有利にすることを狙って会社訪問をするというよりも、自分の就活に関するスキルを高め、度胸をつけるために行うものと考えて、検討してみてはいかがでしょうか。