大学3年生が就活に向けて準備しておくべき6つのこと
大学3年生は就活を始める大事な時期です。「まだ3年生だから就職のことは考えなくても大丈夫」という考えでは甘すぎます。早めの準備は他より一足も二足も先に出るチャンスです。限られた時間を無駄にせず、十分な準備で就活に挑みましょう。
就活は大学3年生から始めよう
大学3年生にもなると、将来について少しでも考えるようになるのではないでしょうか。院に進学するか就職するか、専門学校に通ってみるかなど進路はさまざまです。
現役で大学生として過ごしている人の多くは、恐らく今まで進学という道しか辿っていません。しかし、大学を出た先は社会。もう学校などないのです。院に進学すればそのまま研究者になる道もありますが、最終的には就職するという方がほとんどでしょう。
就職するには就職活動、つまり就活が必須事項ということは誰でも知っています。とは言え、具体的に何をどうすればいいか分からない人は多いです。今回は、大学3年生が就活に向けて知っておくべきこと・やるべきことを6つのポイントに分けて解説していきます。
1 大学3年生になったら就活とは何かを考える
就活とは就職活動の略称であり、文字通り就職するための活動を意味します。これまでは行きたい高校や大学へ進学するために、普段の勉強に加え試験対策として過去問を解いたり面接の練習を行ってきたでしょう。就活でも同じように、行きたい企業へ就職するための試験対策や面接練習をします。
しかし、高校や大学の受験と就職活動にはそれぞれ以下のような特徴があり、合否の基準や求められるものが大きく異なります。
高校・大学受験で求められるもの
- 模試などにより自分の学力がどのくらいであるか、レベルを把握することができる
- 学力レベルから判断し、いわゆる“すべり止め”が確実にできる
- 学校の雰囲気に合っているか否かで合否が判断されることはほぼない
就職活動で求められるもの
- 自分のレベルがどの程度なのか、そもそも他と比べるレベルの定義が存在しない
- すべり止めが効くかどうかが確実でない
- 企業との相性が合うかどうかで合否が判断される
2 就活はいつから始める?の答えは大学3年生の今この瞬間から
就活の準備はいつから始めたら良いのでしょうか。先輩たちの様子を見ていると「なんとなくこの時期に動き始めているかな?」という予測ができるでしょう。
実は大学1年生のうちからできることはあります。つまり、今すぐ始めて良いのです。就活準備に着手するのが早ければ早いほど、より多くの情報を得て自分の中に蓄えられ、他の学生に差を付けることができます。
しかし、既に大学3年生になっていて「今さら言われてもなぁ…」という人のほうが多いでしょう。それもそのはず、世間一般的に就活開始は大学3年生からです。大学入学当初からずっと継続して就活準備をしている学生はほんの一握りでしょう。
だからと言って、ここで安心しきってはいけません。実際に就活をしている、または就活し終えた大学4年生からは「もっと早い段階から始めていればよかった」という言葉を聞くことが多いのです。後悔しないためにも、今この瞬間からスタートしましょう。
就活の主な流れ・スケジュール
大学3年生 6月 |
就活サイトがオープン |
---|---|
6~2月 | 自己分析/業界研究・インターンシップ参加・職種・企業研究(~5月) |
3月 | 企業エントリー開始 |
大学4年生 3~5月 |
企業説明会参加・エントリー・ES(エントリーシート)提出(4月~) |
6~9月 | 選考(試験/面接)・内々定通知 |
10月 | 内定式 |
3 インターンシップは高い意識を持って参加する
「インターンに参加すると就職が有利になる」と聞いたことがある人もいることでしょう。実際のところ、企業によっては“インターン参加者採用枠”を用意しているところもあるので、この言葉はあながち間違っていません。
しかし、インターンシップに参加したからといってその企業に就職するとは限りません。「ではそのインターンは無駄になってしまうのではないか」と問われると、答えはNOです。
「就職が有利になる」というのは、「参加したインターン先への就職が有利になる」ということを言っているのではありません。インターンシップを経験することで、たとえ小さなことでも必ず何かを得られるはずです。ただし「周りが行くから自分もとりあえず行くか…」という気持ちで参加すると何も得られない可能性があります。「絶対に何かを得て帰ってくるぞ」という意識を持つことが重要です。
インターンシップ参加の目的
インターンシップは夏と冬で開催時期が分かれており、短期・中期・長期のように企業によってそれぞれ期間が異なります。この期間によって目的や内容がある程度決まっており、短期インターンでは企業説明会と社内見学のようなものが多く、中期インターンや長期インターンでは仕事内容に触れることがほとんどです。
学生にインターンシップに参加する、また企業側が参加してもらう目的としては以下のようなことが挙げられます。
学生側から見た目的
- 就職のミスマッチ(企業と学生の認識・意識のずれ)を防ぐ
- 社会人として働く様子や仕事の内容を具体的に知る
- 仕事に必要な知識や技術を学び、経験することで成長する
- 業界や仕事に関する詳しい話を聞くことで実態を知り、業界や企業への理解度を上げる
- 就活を頑張る仲間とのネットワークを構築し、自分の仕事や就職に対する意識を変える
- 社会人との間に人脈ができ、相談相手になってもらう
- 自分を売り込む場として活用する
- 「あんな人になりたい」というようなキャリアターゲットに出会う
- 自己PRや志望動機のネタにする
企業側から見た目的
- 就労体験の場を提供するといった社会貢献活動を行っている企業としての印象を高める
- 就職のミスマッチ(企業と学生の認識・意識のずれ)を防ぐ
- 仕事の一部を手伝ってもらう
- 学生をモニターとして市場調査を行う
- 参加者の中から採用候補者を探す
- 企業の製品やサービスの認知度を上げる宣伝につなげる
4 就活に欠かせないのが大学3年生から始める自己分析
自己分析とは、自分の特徴や価値観を把握・分析することで自分の強みを見いだす方法です。
客観的に自分の強みを理解することで、ESや志望動機や面接の自己PRにおいて具体的かつ自分にしかない発言をすることが可能になります。
また、企業に対して強みを見せるだけでなく自分自身も将来の目標や理想を見つけることができ、芯を持って就活に挑むことができるようになります。
自己分析の方法は、自分史を作成してみたりマインドマップを書いてみたりなど様々です。自己分析の仕方を教えてくれるサイトや書籍もあるので、自分に合った分析の方法を探してみてください。
5 業界研究・職種研究・企業研究をする
自分自身について深く理解することも大事ですが、ではその自分がどんな仕事をしていきたいのか考えることも必要です。
まずは似ているようで全て違う、業界研究・職種研究・企業研究のそれぞれの意味を理解しましょう。
業界研究
同じ事業を行っている複数の企業、すなわち「業界」について調べることを業界研究といいます。まずはどのような業界があるかを調べ、興味や関心のある事柄からいくつかの業界をピックアップした後に、各業界の現状・課題・将来性を比較検討し、志望する業界を固めましょう。
職種研究
職種研究とは、企業の中の仕事内容を分類したもの、つまり「職種」について調べることです。
業界研究と並行してどのような職種があるのかを調べ、数年後の自分をイメージしながら、自分がどのような仕事をしたいのかを考えましょう。
企業研究
企業研究は、業界の中にある営利目的の経済活動を行う「企業」について調べることを指します。志望業界、希望する職種がある程度固まってきたら、様々な企業の情報を収集し、それらを比較検討することで志望企業を絞り込みましょう。
6 面接での応募者のマナーと頻出質問をチェックする
企業が用いる選考方法の中で断トツに多いのが個人面接です。「面接試験が苦手だ」という方は多いですが、この道は避けて通れません。今のうちに面接でよく聞かれる質問やマナーについてチェックしておきましょう。
面接を受ける際に守るべきマナー
面接試験を受けるにあたって、就活生として守るべきマナーを以下にまとめました。
身だしなみ
清潔感を第一に考えてください。服装や髪型、爪の長さなど、社会人として基本的な身だしなみができていれば、好感を持ってもらえるでしょう。
訪問時間
遅刻は当然NG、早すぎてもNGです。10分前程度の到着を心掛けましょう。ただし、10分ギリギリを目指して準備するのではなく15~20分前には面接会場付近にいるようにしましょう。
入室
ノックを3回し、入室を促されたら「失礼します」と声を掛け入室します。ドアを閉めたら「よろしくお願いいたします」と挨拶し、一礼すると良いでしょう。着席についても、促されたらカバンを椅子の横に置き「失礼します」と言ってから座りましょう。
面接中
背筋をしっかりと伸ばして座りましょう。質問には目を見てはっきりと答えると好印象です。また、人は緊張すると早口になります。落ち着いてゆっくりと話しましょう。
退室
面接終了の言葉を受けたら、着席したまま「本日はお忙しい中、ありがとうございました」とお礼を言いましょう。席を立って身なりを整えたら、再度「ありがとうございました」と挨拶します。ドアの前で再度深く一礼し、「失礼いたします」と声を掛けてから退出しましょう。
面接でよくある質問5つ
就活の面接においてよく聞かれる質問が以下の5つです。
「志望動機を教えてください」
企業側は企業への熱意、人柄、事業方針とやりたい事が一致しているかどうかを見ています。ここで重要なのが「なぜ御社なのか」という部分です。業界に数ある企業の中で、なぜこの企業でなければならないのかを伝えられなければ、「それってうちじゃなくても出来るよね?」と返されてしまうでしょう。
「自己PRをお願いします」
企業側は持っている能力・強みが企業の求めているものに合致しているかどうかを見ています。基本的に1~3分程度の回答を求められますので、1分、3分バージョンの2パターンを用意しておくと良いでしょう。稀に5分という指示もありますが、不安な方は3分バージョンへの追加項目を考えておくと安心です。
「自己紹介をお願いします」
自己PRでは経験から得た能力や強みを話しますが、自己紹介で話すのは経歴です。時間は大体1~2分と短くコンパクトにまとめる必要があります。自分を一言で紹介するキャッチコピーを考えておくと興味を持たれやすいでしょう。
「入社後にやりたい仕事は何ですか?」
企業側は仕事内容への理解度、仕事に対する価値観、ミスマッチがないかどうかを見ています。これに対してしっかりと答えるには、企業分析を十分に行っておく必要があるでしょう。
「最後に何か質問はありますか?」
企業側は質問力、企業への興味があるかどうかを見ています。この質問に対しての「ありません」という回答は「(興味が)ありません」と同義になるのでNGです。事前に用意しておきましょう。ただし、抽象的な質問やYESかNOで答えるようなクローズドクエスチョンは避けましょう。
大学3年生の就活は今この瞬間から始まっている
大学3年生、大学生活の半分はすでに終えています。3年の3月からスタートすると考えるなら、就活にかける時間はおよそ1年と数か月です。少し大げさではありますが、たった1年ほどの短い時間で、就職してから定年までのおよそ40年間の人生が決まってしまうとも考えられます。
何事にも時間と準備が必要です。時間をかけてよく考えれば焦って適当な企業に入社してしまうことはありません。何が起きても慌てずに対処できるよう準備をしておくと、心に少し余裕を持った状態で挑めます。時間は有限ですので、今この瞬間、できることから始めましょう。