エントリーシートってどう書いたらいいの?
就活を始めると会社によってはエントリーシートを提出するように求められることがあります。普段の生活ではなじみのない言葉です。今回はエントリーシートの説明と、採用につなげるための書き方のコツをご紹介します。
まずはエントリーシートの基本事項をチェック
「エントリーシートって何?」というあなたは、基本的事項を知ることから始めましょう。どうしてエントリーシートを書くのか、よくある疑問についてお答えします。
エントリーシートは企業が独自に作った履歴書のこと
エントリーシートとは企業が独自に作った履歴書です。市販の履歴書では答える内容が限られています。特に新卒の場合は過去の実績もないので会社側の聞きたいことがあまり入っていません。
そこで独自のエントリーシートを作ることにより、企業が求める人材とマッチしているかどうかをチェックすることができるのです。
エントリーシートはインターネットで送信する場合が増えてきた
企業にエントリーシートを提出するときの方法として、郵送の他にインターネットを利用して送信する場合もあります。会社側もチェックしやすく、応募者もパソコン入力で簡単に送付できるので楽です。
会社の応募フォームに入力する方法もありますし、メールにファイルを添付する方法もあります。どちらの提出方法かは会社によって異なるので、会社が指定する方法で履歴書を送信しましょう。
エントリーシートで面接する応募者を絞り込む
エントリーシートで一次選考をして、面接する応募者を決める会社もあります。応募者が多い会社では、全員分の面接を行うのに相当の費用と時間を費やすことになります。
二次試験や面接の前の段階、書類選考として用いられることが殆どで、つまり「絞込み」に使われることが多いのです。とはいえ、考え方は企業により様々で、大手の企業であれば非常に多くの応募があるため、ある程度見込みをつけてから面接等を持ちたいと思う企業もあります。さらにに、ウェブ上での応募などを用いて求人数や人材の幅を持たせて、そこから絞っていくほうが良い人材を発見できると考えエントリーシートを採用している企業もあるのではないでしょうか。
簡単に送れるウェブ上での応募ですと「とりあえず送ってみた」という応募者もいるため、エントリーシートには本当にやる気のある人だけをふるいわける狙いもあるのです。
エントリーシートのフォーマットは統一されている
履歴書とエントリーシートの違いで忘れてはいけないのが、フォーマットが統一されているということです。求人の志望動機、自己PRの様式を同じにすることで、履歴書のようにまちまちな雛形のものと比べて、それぞれの比較がしやすくなります。
前述の通り、エントリーシートは求人倍率の高い企業で採用されています。大部分の企業ではフォーマットの決定と同時に、「選考基準」も決定していることが多く、同時ではなくとも選考時点では、エントリーシートを審査する担当者の間で基準を統一して行なうことがほとんどです。決められた基準で見ていきますので、1枚のシートに使用される時間は数分から数十秒、1分以内ということが多くなります。
エントリーシートには企業独自の設問がある
自己PRや志望動機以外にも企業独自の設問があるのもエントリーシートの特徴です。希望する業界ならではの質問やバラエティに富んだ質問をされることもあります。実はこれらの項目で聞き出したいことというのは、多くの場合、志望動機か自己PRかのどちらかになります。
一見ユニークな質問でも、その裏側を考えると、企業の求める人物像を読み解く力、あるいは社会的常識などを問われていることに気づくでしょう。エントリーシートに記載された企業独自の設問でも、あなたの志望する意欲が試されています。間違っても、「ありますか」という質問に「ありません」と答えてはいけません。設問内容でよく聞かれるものをピックアップしましたので参考にしてください。
あなた自身のことについての設問
- 長所・短所は何か
- 性格の特徴を説明する(「一言で」「単語○つで」「短歌で」などの指定があることも)
- 人に負けない特技は何か
- 将来の夢は何か
過去の経験についての設問
- これまでで一番の成功体験は?
- 挫折や失敗体験から学んだことは?
- 学生時代に一生懸命取り組んだことは?
- 学生時代に学んだ分野は?
会社のことや就職後のことについての設問
- 会社にどのようなイメージを持っているか
- 会社のホームページを見ての感想
- 持っている資格を仕事にどう生かしたいか
- 入社して数年後にどんな仕事をしていると思うか
その他の設問
- 最近、一番関心を持った出来事は?
- 好きな本、小説、映画等はあるか?その理由は?
- あなたのキャッチコピーを書いてください。
- あなたのセールスポイントを書いてください。
エントリーシートで問われる主なポイント別の書き方
エントリーシートとは何かを学んだところで、書き方について見ていきましょう。連絡先や学歴などは履歴書の書き方と同じでOKです。エントリーシートでは、特に次のポイントが合否に関係してきます。それぞれのポイント別に、書き方のポイントをご紹介します。
- 志望動機
- 自己PR
- 文章力
- 社会的常識
これらを書くにあたっては、企業研究を欠かすことはできません。特にエントリーシートでは、企業の「求める人材」を見つけることが重要です。就職活動にあたって、自分の「エピソード」を多く用意したことかと思います。しかし単にそのエピソードを相手に投げただけでは暴投です。企業の「求める人材」というゾーンに向かって投げる、するとエピソードが「アピール」へと変わるわけです。ボールはあります。あとは方向を見定めるだけです。
志望動機は最初に仕事での目標を具体的に書くと意欲を見せられる
志望動機の書き方のポイントは、同じ業種の中でどうしてその会社を選んだのかを具体的に書きましょう。分かりやすい文章を書くための構成例は以下の通りです。
- その業界でやりたいこと、目標を書く
- やりたいと思うに至った体験談を書く
- 目標を達成するためにこの会社を選んだ理由を書く
文章を最後まで読んでもらうには初めの一文が重要です。あなたなりの具体的な目標を考えて書きましょう。「将来性に魅力を感じた」「経営理念に共感した」などの良くある文章では具体性に欠け、何をしたいのか相手に伝わりにくいです。その点最初に仕事で達成したい目標を書くとモチベーションの高さをアピールできるのです。
次に体験談で説得力を持たせ、最後に企業の特徴と自分の目標のベクトルを合わせて文章をまとめます。このように3段落構成で書くと、書きやすくて分かりやすい文章に仕上がります。
自己PRはエピソードをできるだけ具体的に書いて長所を引き立たせる
自分がどんな人間なのかをアピールする絶好のチャンスです。大量の志望者の中でキラッと光るような自己PRを書いて好印象を与えたいですよね。そのためには自己分析と志望する会社について詳しく調べることが重要です。
まず企業研究をして、どのような人材を求めているのか確認しましょう。どんなに自分の良さをアピールしても、希望する仕事と関係なければ採用担当者の目にとまりません。自分の性格や経験の中が、希望する会社の業務にどう役立つのかをアピールできればベストですね。
自分のアピールポイントが決まったら文章に書いてみましょう。初めに構成を考えてから書き始めるとまとまりのある文章になります。よく使われる構成例をご紹介します。
- 結論を書く(「私の長所は○○です」など)
- 長所を生かして課題解決したエピソードを書く
- 長所を活かしてどのような仕事をしたかを書く
具体的なエピソードの書き方次第で、あなたの長所がぐっと引き立ちます。自己PRの書き方のポイントは、問題が起きたときにどのような努力や工夫をしたのか、その結果どんな成果を上げたのかを具体的に書きましょう。枠の最後まで埋まるように文章量を考えて書くと印象がアップします。
結論を最初に述べて、全体的に読みやすい文章を心がける
企業にもよるでしょうがエントリーシートの選考は1シートにつき非常に短時間で行なわれることになります。志望動機や自己PRの書き方や内容はもちろん大事ですが、エントリーシートの「文章の第一印象」という事も重要になってきます。どんなに良い人、どんなに良い内容でも、エントリーシートをパッと見たときの第一印象が良くなければ、かなり不利に立たされてしまうでしょう。
文章の書き方の主なポイントは、次のようになります。また当たり前のことですが、エントリーシートを読み進めていく上で、分かりやすく、根拠が示されていて、矛盾の無い文章の流れであることが望ましいです。
- 結論を最初に、簡潔に述べること
- 適度に改行し、読みやすく、バランスの良い文章にすること
- 充実した密度にすること
ここで、エントリーシートの書き方で注意すべきポイントをいくつか紹介します。文章の書き方のクセが、エントリーシート作成時にも出てしまわないように注意しましょう。
接続詞や修飾語を使い過ぎないようにする
企業の採用担当者が読みやすいエントリーシートにするためには、接続詞や修飾語を使い過ぎないようにすることも大切です。「また」「さらに」「そして」「しかし」などの接続詞を多く使ってしまうと、文章が長くなりダラダラとした印象になります。特に「しかし」を多用した場合は、企業に伝えたいことが文章からは分からなくなることもあるので気をつけましょう。
接続詞のほか、「たくさんの」「いろいろな」などの修飾語の使い過ぎにも注意しなければいけません。書かなくても意味が十分に通じる修飾語はできるだけ削るようにしましょう。そうすることで、文章全体がすっきりします。
曖昧な表現は使わないようにする
エントリーシートを書く際に、「だと思います」「らしいです」などの曖昧な表現をしてはいけません。エントリーシートは企業に自分の熱意や考えを伝えるためのものですから、自信を示す意味でも「です」と断言する言い回しを用いましょう。
略語は使わないようにする
エントリーシートを書く際に、ついやってしまいそうになるのが「略語を使うこと」です。たとえば、「ゼミ」は「ゼミナール」、「バイト」は「アルバイト」というように略さず正式名称を書きましょう。
社会情勢のチェックや企業研究などから社会的常識があることを伝える
文章力も社会人としての基礎能力のひとつですが、その他、ニュースや新聞を見て社会情勢をチェックしているか、あるいは、志望するにあたってきちんと業界研究、企業研究をしているのかどうかといった部分も見られるでしょう。
また、決められた期日までに、決められた文字数の文章を書いて来られるのかどうかを試しているという方もいます。このようなところをしっかり行うことで、企業に自分が社会的常識のある人物だということを、エントリーシート1枚で伝えることができます。
エントリーシートをメールに添付して送信する場合の例文
応募先の企業によっては、エントリーシートを郵送ではなく、「メールに添付して送ってください」というケースもあるでしょう。エントリーシートをメールに添付する場合は、件名と本文を必ず書いてください。件名と本文を書き忘れると、迷惑メールと間違えられる可能性もありますし、メールのマナーがなっていないと思われてしまいます。エントリーシートをメールで添付する際の例を紹介するので、就活生の皆さんは是非参考にして失敗のないように送りましょう。
エントリーシートを添付するメール本文の作成例
件名「エントリーシート添付 ○○大学 ○○(氏名)」
○○株式会社
採用担当者様
お世話になります。
○○大学△△学部××学科4年の木村と申します。
貴社のエントリーシートを添付いたしました。
お手数をおかけしますが、ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
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○○大学△△学部××学科4年
木村 太郎
〒123-4567
東京都○○区△△丁目□□番××号
電話:090-0000-0000
メールアドレス:△△@○○.jp
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エントリーシートは書き方のポイントをおさえて熱意を伝えよう
エントリーシートの基本の書き方についてご紹介しました。エントリーシートで大事なことは、各項目の書き方のポイントをおさえながら、企業に熱意が伝わるように書くことです。
この記事を参考に、あなたの意気込みを文章にまとめてみてください。熱意が伝わるエントリーシートの書き方を習得し、就活がうまくいくよう応援しています。