ふるさとハローワークとは?普通のハローワークとの違いや利用方法

「ふるさとハローワーク」をご存知ですか?静かな地方に暮らしたい人が増えている昨今ですが、心配なのは雇用についてでしょう。一般的なハローワークとは違い、地方の企業中心の求人情報を提供してくれる「ふるさとハローワーク」について、働くうえで知っておきたい労働法と併せてまとめました。

ふるさとハローワークとは?普通のハローワークとの違いや利用方法

ふるさとハローワークで就業支援を受けよう

日本には現在1,718の自治体があり、少子高齢化の影響で多くの自治体が縮小しています。特に地方には規模の小さい地域が多いですが、最近は都会の喧騒に疲れて静かな場所へ引っ越したいと考える若者が増えてきていることから、地方における就業支援は重要視しなければならない事柄でしょう。

今回は就労支援を行うハローワークの中でも「ふるさとハローワーク」についてご紹介します。ハローワークにもいくつか種類があったこと自体知らない方もいるでしょうが、知っておいて損はありません。

ふるさとハローワークとは

ハローワークの相談窓口のイラストと指をさすスーツ姿の女性

「ふるさとハローワーク」はハローワークの縮小版で、「○○市ふるさとハローワーク」や「○○市地域職業相談室」などと呼ばれています。ハローワークは国や自治体が運営していますが、その多くは人口がある程度多い場所に限られているので小さい町にはハローワーク自体がないところが多いのです。これでは先ほどのような若者のニーズや地域社会の発展は難しいため、設置がされたのが「ふるさとハローワーク」です。

ふるさとハローワークでは通常のハローワークと同様のサービスを受けられます。職員や相談員は常駐していますし、就職に関する情報量も同等になっております。そのため、わざわざ遠くにあるハローワークに行く必要はなく、働きながら転職を考えている方も移動に時間をとられなくて済みます。

しかし、やはり通常のハローワークの縮小版のため、雇用保険関連や職業訓練の手続き、求人申込といった一部サービスは受けられませんので、利用の際にはご注意ください。

ハローワークで受けられるサービスとはどんなもの?

ふるさとハローワークの数

日本列島のイラストと日本全国の「ふるさとハローワーク」の設置数

平成29年8月において138か所にも及ぶ「ふるさとハローワーク」が日本全国に設置されています。あなたのお住まいの近くにもあるかどうか、厚生労働省のサイトに載っていますので是非探してみてください。地域によってかなりの偏りがあり、都市部が近かったり人材派遣会社が多くあったりすると少なくなります。

ふるさとハローワークと他のハローワークとの違い

「ふるさとハローワーク」は普通のハローワークとは違い小さな自治体に設置されているため、求人紹介を主な業務としてごくごく小規模で運営しているのが特徴的です。また、小規模ながらも職員が常駐しているためか、平成28年には17万人の利用者がおり、さらなるサービスの拡充が期待されているハローワークです。

本来「ふるさとハローワーク」は都市部よりも規模が小さい地位に住む方々へのサービスを行うことが目的です。現状では、都市部にある通常のハローワークの業務負担軽減という役割がありましたが、今後は本来の目的を果たすために不足する地域に新しく設置される可能性が大きいです。

ふるさとハローワークを利用してみよう

ハローワークで就職先を探す女性のイラスト

近年では人材派遣業者も増えており、魅力的な条件の仕事を宣伝しているため多くの方が就職を決めているでしょう。しかし、謳っている条件が本当に保証されているかどうかは、結局のところ派遣・紹介した会社の信用によります。その点では、ハローワークは国が運用しているということもあり万が一の時の保障もしっかりしているでしょう。

また、ハローワークでは一般の求人では見かけないようなものまでそろえていますので、思いがけず好条件の就職先に巡り合える可能性もあります。「ふるさとハローワーク」では就職まではできないもののその情報を受け取れる場所です。

ふるさとハローワークはハローワークに行く前の下準備

ハローワークへ行く前の下準備として「ふるさとハローワーク」を利用してみましょう。「ふるさとハローワーク」では受けられる行政サービスが限られているため、情報閲覧と職員への相談がメインとなっています。これらは元々ハローワークが行ってきたことですが、業務の集中が過度になると行政サービス自体が行えなくなってしまうため「ふるさとハローワーク」が設置されたという話もあります。

事実、「ふるさとハローワーク」で下準備をしてからハローワークで求人応募の手続きをすることで、目的や意思が明確になりスムーズな求職活動ができます。

ふるさとハローワークでは地域密着で生き抜く働き方を相談できる

「ふるさとハローワーク」は通常のハローワークに比べると行政サービスの点で劣りますが、規模の小さな自治体に設置される点と細かな地域区分によって情報が細分化されるという点においてメリットがあります。特に情報に関しては、その地域の中でも相談者に合った求人を選別しやすくなります。

通常のハローワークでは広い地域の職業をまとめて管理しており、業務内容も複雑になっているため、相談者に適した仕事を選ぶというのは時間がかかってしまいます。情報を細分化することで地域に合った仕事というものは出てきており、またその内容も多様になってきております。若者からのニーズにこたえるためには、細分化された情報からその地域に住み続けられる仕事が必要になります。「ふるさとハローワーク」はそうした仕事の情報が見つけやすい場所といえるでしょう。

ふるさとハローワークに相談する前に労働法を確認しておこう

パソコンを使って仕事をする会社員の女性

ハローワークといえども逐一、現場の労働環境を確認できるわけではありません。いちいち会社や企業を見回る時間も人員も割けませんので、どうしてもブラック求人を0に出来ませんので、働く自分たちも身を守る術を知っておく必要があります。今回は意外とあいまいになっている労働法の中から、是非とも知っておいて頂きたい知識をお伝えします。

求人応募のときの注意点

職業安定法第5条の3には「労働者を募集する者(企業)は、労働条件を明示しなければならない」とあります。労働条件とは業務内容、労働契約の期間、就業場所、始業・終業の時刻、所定労働時間以外の労働の有無、社会保険の加入など、多くのことを指します。これらが明示されていない場合は職員に尋ねるか、企業に問い合わせてみるとよいでしょう。

また、実際に働くと契約内容とは明らかに違う場合があります。そうした相談もハローワークで受け付けており、アドバイスをもらえますので万が一のことがありましたらご利用ください。雇用契約書の控えはご自身で大切に保管し、就業規則に関しては常時閲覧する権利が従業員にあるので確認しておきましょう。

賃金に関するルール

給与や賃金にはルールが存在します。アルバイトやパートでは時給換算で支払われますが、そこには最低賃金として定められた金額以上を支払わなければならないようになっています。また、賃金の支払いには4つのルールがあり企業あるいは雇用者は遵守しなければなりません。

  1. 通貨払い(合意があれば振り込み可)
  2. 直接払い(親が子供の受け取りはできない)
  3. 全額払い
  4. 毎月1回以上定期払い

これは労働基準法第24条に記載されていることでありどのような方にも当てはまります。また減給に関してですが、減給の総額は全体の給与の1/10以内であり、1回当たりの減給は1日あたりの平均賃金の半分以内にしなければなりません。

労働制限

職場で仕事をしているサラリーマン達

労働させるにあたり、企業は法定労働時間である1日8時間以内、週40時間以内を守らなければなりません。さらに、時間外労働や休日出勤をさせる場合は以下のことも守ります。下記の内容が満たされているのかを確認してから就労するようにしましょう。

時間外労働・休日労働をさせる場合(労働基準法第36条)

  • 法定労働時間を超えて働かせた時 → 25%以上増し
  • 法定休日に働かせた時(休日労働) → 35%以上増し
  • 午後10時から午前5時まで深夜労働 → 25%以上増し(労働基準法第37条)

ふるさとハローワークは地域雇用を支える場所

「ふるさとハローワーク」は確かにハローワークより規模が小さくできることが限られていますが、それだけに地域の雇用環境についての情報を得やすい場所となっています。全体志向が強いハローワークでは行き届かない行政サービスをするのが「ふるさとハローワーク」です。

「ふるさとハローワーク」では地域の雇用を促進するための情報発信の場であるとともにそこに住む方々のサポートを目的としている面があります。静かな土地で暮らしていきたいという方は是非「ふるさとハローワーク」を利用してみてください。