グループワークをうまく行うコツ就活面接で選ばれるための対策とは?
就職面接にグループワークを取り入れる企業が増えていますが「グループワーク」で採用側がしりたいこととは何でしょう?グループワークって何なのか、グループワークの流れと役割や企業の面接官は就活生のどこを見ているか?と言ったポイントからどんな対策を取ればよいのかを考えていきましょう!
就活面接でグループワークを取り入れている企業が増えている
近年、就職面接でグループワークを取り入れている企業が増えています。もう既に面接を受ける会社から「グループワークをやります」と案内があった方もいらっしゃるかも知れませんね。就職面接の内容としてはまだあまりメジャーではない「グループワーク」というフレーズに思わず戸惑ってしまった方もいるでしょう。
就職面接でのグループワークとは一体どのようなものなのかや、グループワークを行う目的について見てみましょう。
グループワークって何?
そもそもグループワークという言葉は、ソーシャルワーク(Social work)という社会学の専門技法から来ているもの。ひとつの小さなグループ(小さな集団)を作り、それに参加する人にそれぞれ役割が与えられ、与えられた役割を果たすことにより、お互いを援助し合いながら目的を達成する訓練をする―――というのが、本来の意味です。
グループワークに取り組む過程で、様々な問題を周りと協力して解決していく力を磨くことができます。そのことが自分自身の成長にもつながっていきます。
企業が就職面接でグループワークをやる目的
企業が就職面接でグループワークを取り入れ始めたのには、面接だけで就活生の能力を判断するのは難しいと考える背景があります。
例えば、面接を受けるときには一般的に履歴書を用意しますが、それには自分が不利になるようなことは書きたくないのが普通でしょう。また、面接を受けるときにも同じでなるべく面接官の気に入りそうな「答え」を、前もって用意しているものです。面接の本番、面接官の質問に対し就活生が用意していた「答え」でパーフェクトに答えたとしても、時代の流れとともに企業が求めるのは「100点の回答」をお利口に答える従順さよりも、自分で考え臨機応変に対応する力となってきています。
とはいえ、就職面接に来た人たちが実際に一対一ではなく、社会や小さなグループ(集団)に入ったときに、どんな力が発揮できるか?といった面接官が一番知りたい情報を、現状の面接の場だけで判断するのは面接官にとっても難しいことなのです。
会社の中でその人がどんな活躍を期待できそうか?と言った大切な情報を未知数のままで採用を判断するのは会社にとってもある意味リスクですので、面接の場で本当に求める人材を探す目的を達成する意味から、グループワークと取り入れる企業が増えているのです。
就活面接でグループワークをうまく行うための対策
では、就活生は実際に面接で行われるグループワークに向けて、どのような対策を取ればよいのでしょうか。グループワークをうまく行うためのコツを紹介します。
グループワークの形式、流れと役割を知る
グループワークを行う際は、通常5人から6人でグループを組みます。面接官がテーマを提示し、就活生たちにディスカッションしてもらう形式、提示されたテーマに沿った議論の後で成果物を創り出すプレゼン型などもあります。また、いくつかのグループに分けて、グループごとに発表の場が設けられる場合もあります。どのような形式でグループワークを行うかは、企業によって異なります。
グループワークを行う際の各役割に関しては、グループワークを始める前に、企業側が決めている場合もありますし、役割分担をみなさんに話し合って決めてもらう場合もあります(後者の場合は、ここからすでにグループワークが始まっていることを忘れないでください)。
役割は大きく分けて以下のようになります。続いて、それぞれの役割について簡単に解説します。
GWでの役割
・リーダー(ファシリテーター)
・サブリーダー
・タイムキーパー
・書記
・通常にグループワークに参加
リーダーORファシリテーター
リーダー(ファシリテーター)は、全体の進行をバランス取りまとめるのが主な役割です。リーダーといっても、自分を主張するのではなくむしろ、参加者のすみずみまで目を配り、発言の少ない参加者には発言のチャンスをふったり、逆に発言をしすぎる参加者には自己主張を抑えてもらうなどの調整をしながら時間内にグループワークを終わらせる能力が求められます。
一番の花形的な役割には見えますが、全体を考えることが仕事となり、最終的なとりまとめを行うので難しい役割と言えます。発言力に自信がある方は、通常に参加する方が力を発揮できるかも知れません。
サブリーダー
サブリーダーは、グループの人数が多い場合の、ファシリテーター・リーダーの補佐としての役割を持ちます。就職面接ではほとんどが初めての顔を合わせとなることの多い中、議論を取りまとめるリーダーの役割は、ときに重荷になってしまう場合もあります。
その中で、タイムキーパーがきちんと時間を計れているかどうか、制限時間の声掛けのサポートや、書記は問題なく進められているかの確認などやることはたくさんありますが、サブリーダーも通常参加者としての役割を兼任することもあるので、マルチな能力を発揮できる方には、適任かも知れません。
タイムキーパー
タイムキーパーは、その名の通り、グループワークの進行時間を計り、定期的に経過時刻の声かけをする役割を持ちます。時間を計るだけとはいっても、実はこれにもとても大切な役割があります。
基本的にタイムキーパーの声掛けで、グループワークの進行をして行くのはリーダーの役割ですが、議論の状態によってはそれが難しくなる場合もあります。あまりにも白熱している場合や、逆に盛り上がりに欠ける場合、タイムキーパーが「経過時間」の声掛けのタイミングを工夫することにより、進行の流れを変えることもできるからです。
例えば、もう制限時間が迫っているのに、議論にまとまりがなくなってしまっている場合など、大き目の声で時間の声かけをしたり、声掛けのタイミングを多くしたりしてみるなら、参加者は、時間を意識し今一度協力体制を整え議論をまとめる必要があることに気づくかも知れません。
書記
書記は、グループワークの記録をします。
紙に筆記で記録する場合もありますが、現在では、パソコンを使用してタイピングでの記録をする場合も少なくありません。いずれにしても、集中力と傾聴力が大切になってきます。
ひたすら参加者の発言を記録するのが主ですが、取った記録が議論のまとめに有効に使用できるかどうか、後々の資料作りに使えるクオリティであることが求められます。
記録をしながら発言者の特徴も観察しますので、聞き落されがちな重要な情報を拾い上げる機会もあるでしょう。自分から話すより人の話を聴く力に自信がある方はチャレンジしてみるのもよいかも知れません。
通常の参加者
上記の役割を持たずに、グループワークへ参加するのが通常の参加者です。
もし、グループワークの役割を参加者全員で決めるとなった場合、自分から立候補される方も多いでしょう。特にリーダーの役割は、採用で高評価につながり易いという印象を持たれがちなので、希望する方も多いようですが、実はその判断は正しくはありません。
発言力やアイデア出しを積極的に行えるなら、通常の参加者として十分にその能力を発揮された方がよいと思います。決まった役割が与えられていない分、グループワーク中は自由に発言し、他の参加者と十分に意見交換する時間が与えられます。
グループワークの中で自分に出来る役割と出来ない役割を見極める
人には適性というものがあります。自分の適性に向いていない役割に無理に挑戦しようとしても、すぐ上手にその役割を果たせるものではありません。グループワークをやる際には、リーダーやサブリーダーなどそれぞれが何らかの役割を担うことになります。苦手な役割に挑戦する姿勢も大切ですが、自分の適性を伸ばし自分の適性分野で力を発揮することも大切です。
ですから、グループワークをやるにあたっては、自分のできる役割とできない役割を認識したうえで、強みを伸ばしていくようにしましょう。
グループワークでの企業側のチェックポイントを知る
実際、みなさんがグループワークに参加されているとき、採用者は一体みなさんのどのようなところを見ているのでしょうか?それは主に、以下の点があげられます。
グループワークでの採用者のチェックポイント
・協調性があるかどうか?
・与えられた役割をきちんと果たしているか?
・自分が責任の持てる発言をしているか?
・自分とは対立する意見への対応はどうか?
・役割の中で積極的に自分をアピール出来ているか?
協調性があるか?
グループワークの議論中に、本題の主旨から逸れて、相手を言い負かすような態度を取ってしまう方がいます。アピールの場だと意識しすぎることで、積極的に自分の意見を主張するのに夢中になりすぎると、しばしばこのようなことが起こります。
このようなことが起こると、時間にロスが生じたり、他の参加者の発言の機会を失わせてしまったりと、良いことはありません。
グループワークで大切なのは、グループワークの主旨から離れないように意識することです。
確かに自分の意見を主張することも大切ですが、グループワーク自体が失敗に終わってしまったら、せっかくの機会が台無しになります。参加者全員との協調性を保ちグループワークを成功させましょう。
与えられた役割を果たせるか?
次に、グループワークで与えられた役割をきちんと果たしているかどうかですが、せっかく役割に立候補したのに、まったくその役割を果たせていなかったとしたら、採用側も評価のしようがありません。
例えば、リーダーに立候補をしたのはいいものの、実際にグループワークが始まると、つい発言者の方へ回っていたり、書記に立候補したけれど記録が全く追いつかないなど、自分で立候補した役割と、自分の適性のミスマッチでこのようなことが起こります。
事前に、自分にはどんな適性があるかを知っておくのが大切です。自分に合った役割で十分に力を発揮しましょう。
発言に責任を伴っているか?
自分が責任を持てる発言をしているかどうかですが、自分から何か意見やアイデアを言うにも、他の人の意見に対し発言するにしても、とりあえずの発言や感情的で難癖のような発言だけなく、きちんと考え発言することが求められます。
感情的な発言や思い付きでの発言が多いなら、グループワークの進行を妨げてしまう場合があります。他の参加者から質問を受けた場合に、返答に詰まってしまうことがないように、自分の意見には、きちんとした筋道を立ててから発言をするようにしましょう。そうすれば、論理的な思考力があることが評価されます。
対立意見(問題発生)への対応はどうか
自分とは対立する意見への対応ですが、これは上記の論理的な思考力にも通じます。きちんと相手の意見を聞き、理解を示し、それに対しどのような対応が出来るかといった、問題が生じたときの取り組みも評価の内に入ります。
自分の意見を押し通すのも大切ではありますが、対立意見を無碍にシャットアウトするのではなく、まずは冷静に相手の意見に耳を傾けるようにしましょう。
グループワークの着地点は全員で協力し生産性を向上すること。安直に「ライバルだから」と対立し自分の意見を押し通すのではなく、生産性のためであるなら対立意見を受け入れる柔軟性も必要です。
役割の中でのアピール力があるか
役割の中で積極的に自分をアピール出来ているかですが、これは与えられた役割で、グループワークへ貢献できているかどうかの評価へつながります。
上記すべてのまとめになりますが、グループワークの最終目的は、自分の能力だけをアピールし、他の参加者を振るい落とすのではなく、ワークを参加者全員で協力し成功に終わらせることです。
立候補した役割と自分の適性がマッチしていれば、十分に力を発揮して(アピールして)グループに貢献しましょう。
グループワーク対策は自分の適性と企業が知りたい点を見極めるのがコツ
最近では、企業側も多様性を持ってさまざまな人材を採用するべきと考えるようになっているようです。グループワークでファシリテーター・リーダーを務められるような人材は、会社をまとめていくのに重要ですし、積極性的な発言やアイデア出しが出来る人材も、会社の発展に大きく貢献できることでしょう。
また、今までは就職活動で不利と言われて来た「内気な性格な方」でも、例えば、グループワークでのタイムキーパーや書記などの役割でより良い目的達成に貢献できれば、企業には必要な人材となります。
グループワーク対策のコツは自分の適性と企業が就活生にしてどんな点を見ているかというところを見極めることです。自分の持ち味を発揮して、それを面接官に評価してもらえるようにしましょう。