高卒の就活スケジュールは?いつから準備を始めればいい?
高卒予定で就活を行うときのスケジュールをご紹介しています。いつから就活を始めればいいのか、どんな準備が必要なのかが分かります。高卒予定者の就活は自由に企業に応募できる大卒と違い、学校推薦が基本です。高校生は就活を成功させるべく、なるべく早めに準備をして面接に挑んでください。
高卒予定者の求人から採用までのスケジュール
高卒予定者へ対する求人から採用までのスケジュールは、毎年、厚生労働省が周知を行っています。それによると、企業が学校に求人を出すのは6月、学校が高校生に求人票を開示するのは7月、7月から8月に校内選考を実施、高校生が希望の企業へ応募し試験や面接が行われるのは9月、合否の結果連絡はその後1週間前後に学校へ届く流れになっています(注1)。
高卒予定者は大卒のように自由に就活ができない
各都道府県で実施される高等学校就職問題検討会議では、高卒予定者の応募と推薦について、あらかじめ申し合わせ事項を取り決めしています。たとえば、北海道では「10月中までは1人1社制、11月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする」、東京都では「9月中までは1人1社制、10月1日以降1人2社まで応募・推薦を可能とする。ただし、道府県の企業に応募する場合は、応募先の応募・推薦の申し合わせを適用する。」などです。
高卒予定者の就活では、学校が一人の高校生にいくつも推薦枠を与えられない仕組みになっているので、「○○と△△と××を受けたい」と思っても、その中から1社を絞り、「この企業を受けたいので推薦をしてください」と希望を提出し、多数の応募希望者がいれば校内選考を経て応募枠を勝ち取らなければ、応募することさえできません。
応募枠とは
求人票には応募枠が書かれています。応募枠とは、その企業に応募できる人数のことです。例えば、「管内1校1人、管外3校3人」とあれば、あなたの学校から応募できるのは1人だけ、他の地域から応募できる学校は3校ですという意味です。さらに求人数に2人とあれば、その中から2名採用しますという意味です。
指定校求人を知っておこう
指定校求人とは、「○○高校から○○名採用します」と、企業がその高校を指定して求人を出す仕組みのことをいいます。よっぽどのことがない限り採用が約束されていますので、校内選考が通ればほぼ採用は間違いなしと考えてよいです。
ただし、指定校求人を希望する企業は、過去の実績からその高校を信頼し求人を出しています。その背景を考えると、「内定を受けたけれどやっぱりやめた」という内定辞退はできないと考えましょう。入社後も勤務態度が悪ければ、「来年からあの高校からの採用はやめよう」という事態にもなりかねないですから、指定校求人に応募するには覚悟が必要だと思ってください。
推薦をする学校も、「この生徒なら大丈夫」と思って送り出します。指定校求人を出す企業は誰もが就職したいと願う人気の企業であることが多いです。ゆえに、指定校求人の校内選考はさらに厳しいものとなると考えてください。
高卒予定者の就活はいつから始める?
高卒予定者が高卒で就活に臨むと決めているなら、高校に入学した時点から就活が始まっていると考えた方がいいでしょう。高卒予定者は大卒と違い、自分の思い通りに企業に応募することができません。自分が希望する企業に応募したいなら、その前に学校の推薦枠を勝ち取る必要があるのです。
学校の推薦すなわち就職担当の先生に推薦してもらうには、学業が優秀かどうか、生活態度に問題がないか、協調性や積極性があるかなどの性格面を比較検討され、その中で自身が一番でなければならないでしょう。
これらは一朝一夕に手に入れられるものではありません。日頃の行いとたゆまぬ努力、それを欠かさず続けられた人が就活の推薦枠を勝ち取ることができます。早いうちにそれに気づき、それを実行して結果を出した高校生だけが自身が望む就活ができるといっても過言ではないでしょう。
高卒はどんな就活をすればいい?
高卒で就活に挑むなら、まずは規律正しい高校生活と学業を頑張ることを心がけてください。そして、自分の好きなこと、自分がやりたいこと、興味のあることを早めに見つけて楽しむことが大切です。興味のあることを楽しんでいれば、やがてそれが自分の進むべき道につながっていきます。
やりたいことが見つからない人は、なんでもいいので気づいたことを調べる習慣をつけるようにしてみましょう。校内選考で「さてどちらを推薦しようか」と先生が迷った時、どんなことにも興味を持って積極的に取り組める人は目に留まります。
大学生のように興味のある企業をリサーチしたり、先生を通じてOBの話を聞いたりするのもいいですが、自分磨きを心がけるようにすると、人とは違う自分をアピールすることができます。まだ10代ですから、先生にも企業にも、どんなことでも一生懸命に取り組んでいる姿が魅力的に見えるはずです。
高卒の就活体験談
ここからは、高卒で就活に挑んだ体験談をご紹介していきます。先輩たちの努力を知って、ぜひ自分の就活に役立ててください。
悩みを共有できる人がいなかった
涼菜(26歳 総務)
私は、高3の春頃から活動を始め、10月頃には内定を頂けました。合計5社の会社を受け、2社から内定を頂きました。そして現在も、その新卒で入った会社で働いています。
私が大変だと思った事は、書類の書き方や会社への電話のかけ方、ビジネスマナー等、学生の内は必要なかった事を、一気に沢山意識して要求された事です。就活するのだから当たり前の事なのですが、当時はまだ何も知らなかったので、本当に苦労しました。
さらに、私の周りはほとんど進学希望者ばかりで、高卒就活の悩みを共有したり、話を聴いて貰ったりできる同級生が居なかった事も辛かったです。
アドバイスとしては、高卒就職を希望する気持ちが少しでもあるなら、早い内からビジネスマナーや敬語、挨拶や職場での振る舞い等について勉強しておくことをオススメします。早ければ早いほどいいので、頑張ってください。
実力主義の会社ならハンデにはならない
ぎん(34歳 運送業)
高校卒業しフリーターをしていましたが、二十歳までに就職を決めようと誕生日を迎える半年程前から、就職活動を始めました。当時はインターネットもそれほど普及していなかったので、就活の媒体としては、ハローワークと求人情報誌とありましたが、私はハローワークに通わず求人情報誌で活動を行い、フリーター時代の経験を生かそうと販売業を中心に就活を行いました。
酒屋、洋服店、家電量販店など計10社面接をこなし、その10社目のスーパーマーケットの面接にてようやく内定を頂き、めでたく就職することになりました。高卒で入社した私でしたが、先輩社員もほとんどが高卒だったので、特に学歴差別等はなく丁寧な対応で温かく育てて頂きました。
しかし残念ながら、様々な事情が重なり退職をしましたが、高卒でもしっかりと働ける自信が付きました。高卒での就職活動は、確かに大卒の人たちに比べ大変ではあります。
しかし、仕事に対する真摯な思いと実力主義な会社であれば、決して跳ね返せないハンデではありません。自分の良さをしっかりと自覚し、そして若さを武器に就職活動に挑めば、やがて花も咲くでしょう。
範囲を広げて就職活動をした方がいい
シンバ(22歳 パート)
私が就職活動を始めたのは、高校3年生の夏からで終わったのは11月ごろでした。就職活動中に受けたのは、ホテル旅館業の5社です。就職をした会社は今年の6月で辞めました。理由は、ストレスからくる病気と先輩からのセクハラでした。
就職活動で大変だったことは、栃木県のホテルや旅館は大きく有名なところになると、県外からの就職者を対象とし面接はしますが採用はしないことと、高卒用の求人が少ないことでした。
これから高卒で就職活動をする高校生に向けた私からできるアドバイスは、一人暮らしや寮暮らしができるなら、近隣だけでなく広い範囲で就職活動を考えた方が、就職がしやすくなると思います。また、資格を出来るだけ多く取ると、就職できる確率があがるような気がします。
気楽に考えればいい
ツカサ(26歳 営業)
最終学歴は高卒ですが、二年間だけ大学に通っていました。大学を辞めてアルバイトしていましたが、もう20歳だしそろそろ正社員として就職しなきゃと思い就活を始めました。就職活動を始めたのは3月頃で5月には就職が決まりました。
受けた会社は2社で1社目は自動車販売の営業でした。テストと面接をパスして無事に採用となりましたが、そこで扱っている自動車に興味がないことに気づき、辞退しました。
2社目はホームセンター向けの資材を卸している会社で、そこでも営業希望として応募しました。結果はその場で採用が決まり、嬉しくて母親に電話したのを覚えています。
今思えば周りは学生で遊んだりしている中、こうして就活をしていたのは少し辛かったですが、新たなスタートが切れて嬉しかったです。今は別の会社に転職してしまいましたが、最初に就職した会社での経験が生きていると思います。
これから就活をする高校生にアドバイスをするならば、入った会社がブラック企業だったらどうしようとか不安ばかり考えずに、変な会社だったらすぐ辞めればいいやくらいの感じで、気楽に就活をしたらいいと思います。
受けたい会社について調べることが大切
マナマル(30歳 主婦)
私が就活活動を始めたのは、高校3年生の夏頃でした。その頃にはたくさん求人がありました。就職活動が終わったのは、夏の終わり頃でした。他の友達よりは、早く終わった方だと思います。
私が高卒で受けた会社は1社です。入社して1年2ヶ月で転職しました。高卒の就職活動で大変だったことは、敬語でした。私は部活をやっていたので、多少の敬語は、使えると思っていましたが、大分目上の人に対しては、ちゃんとした敬語が使えているか不安で先生にちゃんと使えているか確認してもらったり、面接の練習をしてもらったりしました。
私からのアドバイスは、会社選びについてです。どこの会社がいいとか求人だけでは、分かりづらいと思います。わたしは、アパレル系で働きたかったので受けたのですが、私が配属されたのは子供服で、子供がいない私にはとても厳しいと思いました。
子供服の店舗があることを知らなかったので、自分が受けようと思ったらいろいろその会社について調べ、本当に自分に合っているか確認することをおすすめします。
アピールできるものを身につける
のん(39歳 会社員)
私が就職活動を始めたのは高校3年生の夏休み前でした。当時は超氷河期と言われたころで、高卒の求人に大学生も応募して来ることも多く、自分が行きたいところに応募しても内定がもらえない、学校に来る求人も少ない悪条件ばかりでした。
結局、卒業直前まで決まらず、先生からは進学も視野に考えた方がいいと言われました。10社受けようやく地元のスーパーに内定をもらいました。自分がやりたいと思って入ったところでは正直なかったので、働きながら通信制の大学に通い8年後に別の業種に転職しました。
私が就職活動をしていた当時は、面接の際に未成年としての未熟さやハラスメントに近い質問もされ、面接が終わって泣きながら帰ったこともありました。事前に学校で面接の練習も何度もしましたが、質問の意味がよくわからず答えられないこともありました。商業高校だったので、自分が自身を持ってアピール出来るものがあったのは心強かったです。
これから就職活動される方は、高卒でも自分が自身を持ってアピール出来るなにかを1つは身につけていただければと思います。面接官も人間なので、熱意を伝えることも大事だと思います。
負けないで
れい(25歳 飲み屋)
高校を卒業した3月はじめ頃から就職活動をし始め、希望した一社で就職し、そこで三年ほど勤めましたが、妊娠子育てなどの一身上の都合により、今は違う仕事に勤めています。
私が高卒の就職活動で大変だった事は、卒業校が通信制だった為、全日制と違い、卒業までの間に職業訓練のような指導、資料、面談などのサポートは全くなく、無知なまま就職活動をして、いきなり社会人として就職しなければならなかったことです。
これから高卒で就職を経験される方へ、今は就職難といわれてはいますが、昔と違って今は情報が多様化しています。自身の携帯も使って就職活動に向けてのアドバイス、サポート、就職先の知識を深めていくことが大切だと思います。