就活中は適度な息抜きが成功のカギ
就活中は自分の欠点と向き合ったり、自分を否定されていると感じてしまう機会に多く直面する時期。特に近年では、企業によっては圧迫面接を行うところもあり、「応募者のストレス耐性をチェックするため」など圧迫面接の目的はさまざまですが、何度もそういったシチュエーションに遭遇するとなると、精神的にも肉体的にも疲弊してしまうのは間違いありません。
それでも「そんなのは周りだって同じだ」とやる気を奮い立たせて頑張る学生たち。しかし、身も心もボロボロの状態で試験を受け続けても、自分の望む結果はなかなか出ないことでしょう。最悪の場合、就活うつに陥ってしまうケースも考えられます。そうならないためにも重要なのが就活中の適度な息抜きです。
就活の息抜きにはどんな過ごし方がおすすめ?
就活中の息抜きが重要といっても、どんなことをして過ごせばよいのかわからないという方もいることでしょう。ここでは、就活中の息抜き方法としておすすめの過ごし方を紹介していきます。
1 おいしいものを食べる
「この応募書類を完成させたらあのお店のケーキを食べる」など、自分の好きなものやおいしいものを食べてリフレッシュするのは非常に効果的です。食べ過ぎは身体によくないので、「○○したら」「××できたら」といった一定の条件を課すとよいでしょう。
2 友達と会う
就活中は友達との距離感も微妙なものとなりがちですが、どんな状況であっても本音を言い合えたり、慰め合えるような存在がいるのであれば、友達と会ってみるというのもお互いにとって良い息抜きとなるでしょう。何か就活に関する悩みを抱えているなら、相談してみると客観的なアドバイスをもらえる可能性もあります。
3 趣味に没頭する
就活が煮詰まってきたと感じたら、息抜きが必要と判断して自分の趣味に没頭するのもおすすめの息抜き方法です。料理やスポーツ、ゲームなど、気分転換になることであればどんな趣味でも問題ありません。
4 カラオケに行く
カラオケで大きな声を出して就活のストレスを発散するのもよい息抜きとなります。友達と行ってワイワイ騒ぐもよし、一人で行って熱唱するもよし。試験で面接官に嫌なことを言われたときなど、マイクに向かって思いの丈をぶつけたり、曲に合わせて踊って思い切り身体を動かせば、就活疲れした心もスッキリします。
5 予定を入れない日を作る
就活中はたくさんの予定でスケジュールを埋めてしまいがちですが、それでは身体も疲れて脳も働かなくなります。もし可能であれば、週に一日でも良いので予定を入れない日を作るよう心がけましょう。その日の過ごし方は自由ですが、就活関連の予定は何も入れないようにし、身も心も十分な休養をとらせる日としてください。
6 散歩に出かける
就活中はお金がかかる時期ですが、散歩であればお金もかからずスキマ時間にも息抜きができます。
散歩のルートは自分の好きな場所で問題ありませんが、自然豊かな公園などがおすすめです。忙しいとなかなか気づきにくい四季の移り変わりを感じられたり、鳥のさえずりに耳を傾けたりと、ホッと心が癒されることでしょう。
7 飲みに出かける
お酒が好きな方であれば、パーッと飲みに行くのも良いでしょう。もちろんですが飲みすぎは厳禁です。くれぐれも次の日に差し支えない程度の量にとどめるようにしてください。
8 読書・映画鑑賞をする
就活一色となった脳内を塗り替えるには、本を読んだり映画を観たりするのも良い息抜き方法です。本や映画の世界に入り込み、少しでも就活から離れることで気持ちがリフレッシュします。
就活中の息抜きについて社会人10人に聞いてみた!
20~30代の社会人の方10名に、就活中によくしていた息抜き方法について教えてもらいました。
20代の方の就活中の息抜き
一人カラオケで熱唱
まつ(22歳)
私は田舎である地元の中小企業に集中して就活をしました。しかしながら大学が地元からかなり離れており、新幹線を使い、往復で20000円ほどかかっていました。そのため、電話で面接の日が指定されるたびにかなり落ちこんでいました。そのたびに一人でカラオケに行き、1時間熱唱しました。その他にも、ラーメン屋や定食屋に行き、あまり行かない地域で美味しいものを食べまくりました。
就活が行われている場所にはなかなか行く機会がありません。そのため、いい機会だと思って遊んでいました。
就活中は周りの友人が大企業に受かった、就活が終わったなどと聞きたくない情報が耳に入ってきます。そんな時には、趣味に没頭したり美味しいものを食べるなど、息抜きをすると心に余裕が生まれると思います。
私の息抜きの方法
さくら(25歳)
専門的な短大に通っていたので、進むべき道は決まっていました。しかし、求人を見ていてなかなか自分に合うようなものがなく落ち込んでいました。給料が良くても仕事時間が長かったり、逆に仕事時間が良くてもボーナスがなかったりと迷ってしまうのです。周りの子達は次々と決まっていって余計焦って落ち込んでいたというのもありました。
そこで、就活中の息抜きとして、友達とカラオケによく行っていました。声を出したり笑ったりすると自然とストレスを発散することができます。
周りの内定が決まってきて焦ることもあると思いますが、妥協はせずに自分が行きたいと思ったところへ行くのが一番です。
就活仲間を増やす
なな(29歳)
結婚で遠くに引っ越したため、転職することになりました。新婚だったので、すぐに産休に入るなどと思われがちで書類の段階で落ちることも少なくありませんでした。
私は就活中の息抜きとして、ハローワークや役所が実施しているセミナーやジョブカフェなどでの相談を活用しました。一人で就活すると孤独感に苛まれることも多いですが、就活仲間を増やしたり、相談員さんと話したりすることで一人ではないと勇気が出ます。
また、誰と話をしたりすることは良い息抜きになりました。このことは、就活情報をもらった以上に私の就活に役立ったと思います。就活を一人で頑張りすぎず、制度を活用し息抜きしながら就活すると辛さを和らげることができると思います。
悩んだ時には思い切って相談
みい(24歳)
就活中は、何かと落ち込むことが多かったです。何社も受けて落ちてしまったことはもちろん、ついつい周りと比べてしまい、自分はダメだと思ってしまったことが1番の原因でした。みんなはスイスイと内定を頂いている姿や、一緒の面接会場にいる人たちのすごいところを見せつけられてしまい、自信を失くしかけてしまいました。
そんな時、お世話になっている大学の先生と話す機会がありました。自分の気持ちを正直に話すと、先生はアドバイスをくれました。やはり、何年も大学の教員をやっていることもあり、そのアドバイスは的確で、勇気をもらえることができました。
落ち込んだ時には自分の信頼できる先生に相談するのも1つの手だと思います。恥ずかしがらず話してみると、違った視点が見えて、就活にも役立てることができると思います。
街にあるスタバで就活疲れを癒す
かりんとう(24歳)
就活とは、ある意味人生で一番過酷な事かもしれません。私も20社ほど受けましたが、お祈りメールしか来なかったり、圧迫面接を受けたりしてたくさん落ち込みいっぱい泣きました。就活はやめることができないけれど、辞めたいと思うほど苦しんだ時にしていた息抜き方法を紹介します。
私が実践していたのは、面接が終わったあと、ご褒美としてスタバに立ち寄ることです。スタバは店舗数が多く、駅周辺を歩けば大概見つける事ができます。1つのドリンクが500~600円前後と高めなので頻繁に飲むことのできない学生にとっては本当にご褒美でした。
店内には、パソコンを開いて仕事をしているサラリーマンや子連れの主婦などたくさんの人がいます。そんな人たちを見ていると、「悩んでいたり、落ち込んでいるのは自分だけではないのかも」と思えます。
就活は大変で辛いものですが、この体験は今後絶対役に立つ日がやってきます。圧迫面接やお祈りメールに負けずに頑張ってください。
就活中は適度な息抜きが必要です
れい(25歳)
新卒の就活のときは上手くいかなくて落ち込むことが多かったです。特に辛かったのはエントリシートが中々通らなかった時と集団面接やグループディスカッションで他の人に気圧されてしまった上手く発言できなかった時、志望度の高い企業に落ちてしまった時などです。
悩みすぎてしまうとエントリシートを書くのが手につかなくなってしまったり、面接で緊張しすぎて上手く対応できなくなってしまうので、就活で落ち込んだ時は他のことをして切り替えるようにしていました。
私がよくしていたのは美味しいものを食べに行くことです。就活中は友人を誘ってよくランチに行ったりしていました。その時に友人と情報交換ができ、悩みの解決にもつながるので一石二鳥です。就活中に好きなことを我慢しすぎるとストレスが溜まって上手くいかなくなってしまうので、やはり適度に休憩を入れた方がよいです。
30代の方の就活中の息抜き
つらい就活を乗り切るためには
taka(31歳)
就活で辛い事は山ほどあり、それが続くと精神的に病んでしまう事もあります。例えば年齢制限かかかって応募できない、書類で落とされる、圧迫面接で心が折れる、そして不採用通知がまた届く…私は全部経験し、それが続くたびに「一生就職できないのでは」と泣いた経験もありました。
そんな時には「その会社とは縁がなかったことが分かって良かった」と割り切り、次の求人を探しました。そして、求人が見つからない日は息抜きをする日として、自分の趣味である釣りに没頭しました。
その後はある日突然大当たりの求人と出会い、気が付けば入社していました。結局そこが一番居心地が良いと感じています。もし就職活動が上手くいかず予想以上に長引いて心折れそうになっても、「そのうちいい会社見つけてやる」と前向きに、適度に息抜きをするのがおすすめです。
友達の大切さを実感します
キャスバル(31歳)
専門学生時代、就活中によく落ち込むことがありました。そもそも、私は医療系の資格を取得するための学校に行っていました。最終学年になるとそれぞれが実習の合間を縫って就活を始めます。
しかし、就活を始めるためには、まずテストの成績である程度の点数を取る必要がありました。頭のいい子達はあっさり点数をクリアしている中、私はなかなかボーダーラインを上回ることが出来ずに焦っていました。やっと就活を始められる頃には、志望していた職場の採用人数が少なくなっており、みんなが内定をもらうまでに受ける面接の3倍の面接を受けました。
それでも、周りに同じ境遇の友達とカラオケなどでストレスを発散出来たおかげでなんとかモチベーションを保つことができ、やっとの思いで内定をいただくことが出来ました。時間がないからとがむしゃらに頑張ることも大切かもしれませんが、1人で悩んでいても、ストレスが溜まっていく一方なので、発散することは重要だと思います。時間を見つけて友達と遊ぶことが、私にはいい結果をもたらしてくれたのだと思っています。
自然の中に自分を置くと目が覚めます!
よっちゃん(33歳)
就活を20年前にしていましたが、待遇の違いから訳が分からなくなってしまったことがあります。会社の見学会の時点で、「某大学の学生はこちらのエレベーターを、それ以外の学生はこちらを使ってください」などの差別化を図る会社があったのです。
優秀な人材を獲得したい会社は当然ですが、ここまで差別化を露骨にするのはいかがなものかと思い、名のある会社がそれをしていると今までのイメージが崩れていきました。そのうち、自分がどのような会社に行くべきか、何をやれば良いのかバカバカしくなりました。会社に足を運んで嫌な気分になって帰ってくる毎日にウンザリしたのです。
手を進めようにも進める気さえ起きなくなった際に、全て忘れて多摩川へ散歩に行こうと思いました。日曜の晴れた日に、一日居てもいい。時間を忘れようと。2時間ほどの散歩でしたが、流れる水を見て日常のことが全て流れて気分がリフレッシュされ、「とにかく駒を進めよう」という気分になりました。就活の時期だけでなく、働いてからも悩んでしまった際は、川でも海でも山でも自然の中に身を置くようにしています。自然に癒されて、見失った自分が必ず帰って来ます。
何も考えずリラックスする日を作りました
うめさん(30歳 事務職)
資料請求をしても同じ大学の男子学生には送られてきているのに、自分には送られてこなかったことがまず傷つきました。また、面接では、いじわるな質問をされること自体より、柔軟に答えることができない自分の経験値のなさにショックを受けました。自分の能力のなさに気付かされ、自分を必要としているところなどないように思えました。
しかし、振り返ると自分は大学の入試に合格することを目的としていただろうか、大学に入ってこんなことを勉強するということを目的にしていたはずだと思い始めました。大企業でいい会社に入ることが目的ではなく、自分がどんな仕事をしたいかということを考えなければと思うようにしました。
私の場合は最初、希望ではない会社に入りましたが、そこでいろいろなことを吸収し、それがつながって当初の希望に近い職場で働けています。どんな場所にいようとも自分を活かす道は自分で作れます。就活中は視野が狭くなってしまいがちなので、一度リセットして、何も考えない日を作るのがおすすめです。
就活は上手に息抜きして乗り切ろう
就活中には適度な息抜きが必要ですが、もちろん息抜きしてばかりというのもよくありません。
息抜きをする際には、「この日一日だけ」「毎週土曜日の午後」と、息抜きの時間をいつからいつまでと決めておくのが鉄則です。ダラダラと過ごすのを防ぐことができるとともに、決められた時間内で息抜きをするため、「就活が終わっていないのに息抜きをしている自分」への罪悪感もなくなります。
就活中は上手に息抜きをして、モチベーションを長く維持してきましょう。