OB訪問の意味はやるとわかる
最近の就活の傾向としては、OB訪問は当たり前のこととして扱われています。しかし、その本当の意味を深く考えたことがあるという人はあまり多くはないのではないでしょうか。ただ何となくOB訪問をするのでは、せっかくの機会がもったいないというものです。
OB訪問を時間の無駄で終わらせてはいけません。OB訪問を意味あるものにするためにも、きちんとOB訪問をする意味を意識して、訪問するようにしましょう。
OB訪問とは何か?
OB訪問とはOBやOGにアポをとり、実際に企業でどのような仕事をしているのかを教えてもらうということを指します。ここで言うOB、OGとは、自分が属している大学の先輩のことです。なので、ざっくりと言えば先輩にどんな風に働いているかを聞くというのがOB訪問の目的です。
OB訪問をすると志望している企業の実態を知ることができる
OB訪問をすることによって、自分が実際にどのように働くのかという明確なビジョンを持つことができるようになります。もちろん企業研究は十分にしておくべきですが、それだけでは実感を得ることはできません。
OB訪問でOBから話を聞くことで、自分が志望している企業の実態を事細かに知ることができるのです。それは、四季報やパンフレット、説明会からだけでは得られない貴重な情報です。何物にも代えがたいと言って良いでしょう。そういった情報を収集できるというのが、OB訪問の意味だと言えます。
OB訪問をすることで自分の将来像が見えてくる
OB訪問をすることで、自分がどのような働き方をしているのかについてイメージを膨らませることができるようになります。実際にOBの話を聞いていると、自分もこんな風に働くようになるのか、と考えられるため、将来のビジョンを描くことができるのです。
働き方の具体的な構想というのは、なかなか考えられないものです。そういったものはどことなくリアリティーがないものになってしまいがちですが、OBと話してみることによって、何年後の自分はこんな風に働いているのかもしれない、と大体のあたりをつけることができるようになります。
OB訪問をすることで志望動機に厚みを持たせることができる
この企業は何となく気になっていた、というのでは志望動機にはなりません。ですが、OB訪問をすることによって、具体的な志望動機を持つことができるようになるのも大きなメリットのひとつです。自分は、この企業に対してどういった志望動機を持っているのか、どのような角度から企業を見ているのかを意識することができるようになります。
具体的な志望動機を作ることができずに悩むということは、就活生なら誰しもが一度は経験するでしょう。ですが、OB訪問はその悩みを解消するための手助けをしてくれるという意味では、とても良い材料となってくれるのです。
OBだからこそ訪問して企業の嫌な面を聞くことができる
OBの話は、実際にその企業で今働いているという実体験に基づいています。ですから、良い面も悪い面も聞くことができるのです。会社の説明会では、もちろん綺麗な部分、良い部分しか話してもらえません。ですから、もし万が一入社したらブラック企業だった、ということもあり得なくはないのです。
その点、OB訪問で話を聞いてみれば、こういうところが嫌だ、こういうところにはあまりついていけない、といった不満も聞くことができます。そこまでざっくばらんに話さなくても、多少匂わせる程度の話をしてくれることは期待できます。
その会社の欠点を知ることは、OB訪問でしかできません。最近ではネットでの口コミも錯綜してはいますが、それはどこまで信用して良いのかわかりません。その点、OBの話は絶対的な信頼を寄せることができます。そのような情報を得られるというのも、OB訪問の重要な意味でしょう。
OBは先輩だから色々な質問ができる
前述の通り、OBはその企業で働いているため、会社の欠点も教えてくれます。ですが、せっかくOB訪問をしているのですから、悪い面だけを聞いて終わらせるのではもったいないでしょう。OBは先輩にあたる人ですから、多少突っ込んだ質問をしやすいポジションだと言えます。聞きたいことはどんどん質問していきましょう。
例えば、入社したての頃は主にどういった仕事を任されたのか、今はどういったチームでどういうポジションにいるのか、仕事に対してやりがいを持っているか、など、OB訪問でしか聞けないことを聞けるのがOB訪問をする意味です。ですから、実際に働いてみてどうだったか、ということを中心に聞いていくのが理想的です。
特に新入社員の頃は緊張しがちで会社に慣れず、つらい思いをすることが多々あります。そういった時にどう乗り越えてきたなどを聞いてみるのも良いでしょう。自分が聞きたいと思ったことは、率直に聞いていくべきです。せっかくのOB訪問ですから、委縮して聞きたいことを聞けずに終わってしまったということがないようにしましょう。
OB訪問で聞きたいことはあらかじめまとめておく
OB訪問では、OBに聞きたいことをあらかじめまとめておくべきでしょう。いざOBと対面した時に、何を聞けば良いのか頭が真っ白になってしまったというのでは相手にとっても失礼です。このようなことを聞こう、と決めていても、実際にその場に立つと聞きたいことを忘れてしまうというのはよくあることです。
ですから、聞きたいことはメモにまとめておくべきでしょう。そうすれば、OBが答えてくれたことをそこにメモすることもできますし、一石二鳥です。社会人の基本として、何かを教わったり、何かをしたりする時はメモをとるという慣習があります。ですから質問する場面では必ずメモを用意しておきましょう。
OB訪問をすることによって自己分析に繋げることができる
OB訪問をする意味は、自己分析とも大いに繋がっています。自己分析は、自分ひとりでするものではありますが、外部からの刺激を取り入れれば更に視野が広くなります。自分はこういったことが得意だったのか、とか、こういったことに向いていたのか、といったことが、OB訪問を通じて知ることができます。
就活の最初に自己分析をしたまま、ずっと放置していたという人も少なくはないでしょうが、自己分析は就活において重要なカギを握っています。自分に合った企業を見つける上で、自己分析がきちんとできていないと、いざ内定をもらってもあまりマッチした企業に就職することができなくなってしまうからです。
そういった事態を防ぐためにも、OB訪問を活用する意味は十分あります。自分がこの先輩のように活躍したい、というビジョンを持つことができるような企業を志望しましょう。
OB訪問では学生時代に何をしていたか聞いてみよう
OB訪問をする時には、学生時代に何をしていたかを聞いてみると良いでしょう。バイトやサークル活動、ゼミなど、まだどれに力を入れたと言うべきなのか考えあぐねている人は、尚更それを聞いてみるべきです。
OBは就活を乗り越えた先輩ですから、何に力を入れたのかという質問にも答えてくれるでしょう。留学など、今から間に合う可能性がないものは仕方がないとしても、趣味など、自分には考え付かなかったものに精を出していたという人もいる場合もあります。
OB訪問をする意味は、そういったリアルな声を聞くところにあります。学生時代にどういったことをしてきたか、ということはどの本を読んでも書いていませんし、書いてあったとしてもありきたりなものでしかありません。実際にどういったことをしてきたのかという話を聞けるチャンスを逃さないでください。
OB訪問で話を聞くことによってES(エントリーシート)が書きやすくなる
OB訪問をすると、ES(エントリーシート)で志望動機と自己PRの欄が書きやすくなることは間違いありません。志望動機をまとめるのは前述の通りOBから喚起されたものをまとめる自分の力次第ですが、自己PRの欄もかきやすくなるのです。
自己PRは自分の良いところ、長所を並べ立てれば良いというものではありません。自分の長所がいかにしてその企業のために役立つかをアピールするというところです。ですから、OB訪問ではその点についてもしっかりと質問しておきましょう。
その企業がどのような人材を求めているのかについて、OBに尋ねてみるのです。企業が求めている人材というのは、OBが働いている周囲の人たちに共通していることにあたります。どんどん新しい提案を出す人を求めているとか、黙々と作業をこなす人を求めているとか、企業によって求める人材はまちまちです。
OB訪問では、そういった企業の実情を知ることができるという意味があります。しっかりと何を求められているのかを教えてもらいましょう。
OB訪問は面接での受け答えにも役に立つ
OB訪問は、面接においてどのように受け答えをするべきかについても役に立ってくれます。OBが実際に面接でどのようなことを質問されたかということを聞くことができれば、それを大いに役立てることができます。
面接は一発勝負です。参考となる材料はひとつでも多くあった方がいいと言えるでしょう。そこでOB訪問では、面接での雰囲気や、何人での面接だったか、質問はどれくらいあったか、どういったことを聞かれたか、など、聞けることは聞けるだけ聞いておくべきです。
OB訪問をする意味としては、内定をもらうために有益な情報をひきだすということがあります。特に面接での受け答えについては、喉から手が出るほど欲しい情報であると言っても過言ではありません。実際に経験者が目の前にいるのですから、失礼にならない程度に、節度を守って質問をしていきましょう。
OB訪問がそのまま採用に繋がる企業もある
これは一部の企業だけですが、OB訪問がそのまま採用に繋がるという企業も存在します。何度もOBの元へ足を運んで、良い評価を得ることによって内定を勝ち取ることができるという企業も世の中には確かに実在しているのです。
また、OB訪問をしておくことによって、面接時に点数がプラスされるという企業もあります。これはOB訪問をすることに大きな意味があると言わざるを得ないでしょう。OB訪問をすることによって、していない人との間に大きな差が生まれてしまうのです。
もちろん就活生は皆それを知っていますから、結局は横並びになってしまうでしょうが、OB訪問をしなければ出遅れてしまうということには変わりありません。ですから、OB訪問にも評価がつく場合があるのだということを覚えておきましょう。
OB訪問によって自分に足りないものが見えてくる
OB訪問をしたことによって、自分に何が足りないのかを知ることができます。まだ志望動機がきちんと固まっていなかった、とか、これでは自己PRが企業に伝わらない、とか、足りない部分が見えてくるでしょう。
OB訪問は、自分が疎かにしていたものを気づかせてくれるという意味を持っています。もっと丁寧にESを書かなければ一次選考を突破できないだろう、といったことなどを早めに知るためにも、OB訪問をすることは欠かせないでしょう。
OB訪問で気づかせてもらったことは、必ず反映させましょう。せっかく得た情報は、フルに活かすべきです。
OB訪問をした数を選考の基準としている場合がある
企業によっては、面接でOB訪問をした数を問われる場合もあります。これは自社への志望度がどれくらい高かったかを聞いているという意図があります。多ければ多いほど良い、とは必ずしも言い切れません。それは採用担当者がどう受け取るか次第です。
ですが、OB訪問をしておいて無駄だということは絶対にありえないでしょう。やみくもに会っていては意味がないでしょうが、一人一人に誠実に向き合っていれば、それは必ず結果に繋がります。OB訪問は、質問をして知らないことを学ぶという意味を持つだけではなく、実際に選考にダイレクトに繋がっているのだということも意識しておきましょう。
OB訪問をする意味をしっかり考えながら話を聞こう
OBの方々は、忙しい中わざわざ時間を作ってOB訪問を引き受けてくれています。せっかく快諾してくれたのに、中途半端な気持ちで何となく質問をしていては失礼にあたります。それだけは絶対に避けましょう。自分が今、どのようなことを聞くべきで、欲している情報はどういったことであるのかをきちんと意識して、OB訪問をする意味を考えながら話を聞くようにしましょう。そういったコミュニケーションのとり方が、将来社会人になった時の対人スキルとしても現れるのだとも言えます。OBを訪問することは、就活生にとって十二分に意味があるのです。