就活に留学経験を活かすには?
就活を有利に進める上で代表的なアピールネタといえば海外留学。就活をこれから控えている方の中でも、学生時代に頑張ったこととして話せるようにこれから留学をしようと考えている就活生も多いでしょう。
もちろん、言語能力を海外留学で大きく向上させてきた方や貴重な経験をしてきた方は間違いなく就活に活かせますが、残念ながら留学に行った人全員が就活に活かせるほどの経験ができるとは限りません。
貴重な経験であるはずの留学も、何となく行って帰ってきただけでは何も得るものはなく、就活の面接などで何もアピールができない、といった事態にもなりかねません。留学を就活に活かすにはどのような留学がいいのか、面接などで留学経験をアピールして選考を有利に進めるポイントをまとめました。
就活に向けて留学を経験しておくメリット
留学経験は就活においてどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
- 言語能力を身に付けられる
- 異文化に触れることで視野が広がる
- グローバルさを実感することができる
- コミュニケーション能力が付く
留学経験を通して言語能力が身に付けられます。英語だけではなく中国語など、広く使われている言語を一定のレベルまで話せるようになっておけばグローバル社会では強い武器となります。
また、異文化に触れることでグローバルさを実感し、視野を広げることはとても重要なことです。日本でもグローバル化が進んでいるとはいえ、島国の関係か先進国と比べるとあまり進んでいるとは言えません。そんな中、海外に出て視野を広くすることで、日本だけではわからないことも多く知ることが可能になります。特に、メーカーや商社などでは海外進出を広く進めているため、このような業界を志望している方は留学経験が必須です。
さらに、コミュニケーション能力を向上させられるという点でもメリットがあります。
海外に行くと考え方の違いから言語の違いといった大きな壁があることで、日本にいる場合と比べより多くの困難に直面することが多々あります。留学で辛い経験を多くする一方、その分だけ自分を成長させられることは間違いありません。
就活に向けて留学を経験しておくデメリット
反対に、留学経験によるデメリットを挙げていきます。
- 費用がかかる
- 中途半端に行くと不利になることもある
- ある程度の期間が必要
留学をする上でまず考えられるデメリットは、やはり費用がかかるということでしょう。就活をするのにもスーツ代から交通費など多額の費用がかかる一方、留学をするとなるとそれ以上のお金がかかります。かかる費用に見合うだけのメリットがあるのか自分自身でよく考えるようにしましょう。
なお、近年ではフィリピン留学が従来の留学に比べ費用が安く人気が高まってきています。非常にリーズナブルな値段で英語留学をすることができるため、是非検討してみてください。
また、留学は中途半端に行くと不利になることもあります。特にこのようなケースは短期留学の場合に多く、日本人が留学先に多くいる環境の場合に目立ちます。そのような場合「言語能力があまり成長しないまま遊んで終わってしまった」ということが多々あるため、却ってボロがでてしまうことがあります。
よくあるケースでは、留学経験があることを面接でアピールした際に外国語での自己紹介などを求められ、うまく話せなかった場合が多いです。ハッタリだけで通用することもありますが、それほど選考は甘くありません。留学する場合は、必ず何かしらの目標を持って行うようにしましょう。
留学にはある程度の長い期間が必要とされることもデメリットの一つです。学生時代といえども留学できるだけの期間があるのは長期休みの時くらいなので、それ以上の期間留学をする際は休学をしたり講義を休んだりする必要が出てきます。その場合、遅れた分のデメリットを留学したメリットの方が上回る必要があります。
就活に活かせる留学とは
具体的に就活に活かすことができる留学経験として、以下のような特徴が挙げられます。
- TOEICスコアのアップなど具体的に成長を数字に示すことが可能な留学
- 自分なりの成長したエピソードが話せる留学
- 目的・動機がはっきりとした留学
重要なのは目的・動機がはっきりしていることです。言語能力の向上だけではなく、「人と話すことが苦手という短所を克服したい」といった動機でも全くかまいません。自分で克服したいと思ったことを、自分なりにどんな苦労があってどんな工夫をし、乗り越え成長できたかを述べられる経験ならば、必ず就活にもプラスにできます。
面接でのアピール例
留学経験を面接などでアピールする場合、以下のようなアピールの仕方ができます。
就活における留学経験の自己PR
私は学生時代に一年間、カナダへ留学しました。なぜカナダへの留学を考えたのかというと、初対面の人と話すことと英語が苦手だったためです。時間がある学生のうちに、一人で海外留学をすることで短所を克服したいと考えました。
カナダでは××大学に通い、日々英語の勉強に取り組むことで400点代だったTOEICスコアを約300点アップさせることができ、現地の方たちとも徐々にコミュニケーションができるようになり短所を克服することができました。
途中、ルームメイトと生活観の違いや文化の違いで険悪になることがありましたが、お互いに慣れない英語でしっかりと自分の意見を口に出すことで何が嫌なのかをはっきりさせ、結果的に良好な関係を保つことができました。
留学から帰国後は、苦手な英語を克服できたことで英語への抵抗感がなくなり、大学で行われた留学生への支援スタッフとして活動することで習得した言語能力をさらに活かし、自身の言語能力とコミュニケーション能力をさらに向上させることができました。
まずは目的や動機をはっきりさせ、それに伴う独自のエピソードを話すことでより自分らしくアピールすることができます。
また、TOEICのスコアなど具体的に数字で示せるものがあれば、客観的に数字で示すことができ、成果がわかりやすくなります。
TOEICは何点くらいから有利?
留学経験者が気になるのが、いったい何点くらいからTOEICのスコアを胸を張ってエントリーシートに書けるのか、ということです。これは難しいところですが、スコアが低すぎるとかえって逆効果になりかねません。
一般的に、グローバルな企業や大企業でアピールできるTOEICスコアは700点台からです。特に英語を必要とする職種、業界では800点以上は必要になってきます。
それ以外の英語をあまり必要としない業種では600点代でも十分なアピールとなることもあり、課長以上の管理職になるための条件として最低TOEIC600点を掲げている日本企業は多いです。
基本的に700点以上のTOEICスコアを持っている方は自信を持って書いても良く、それ以下でも英語をそれほど必要としない業界では600点代でもエントリーシートに書いてしまって問題はありません。
また、留学経験者にありがちなのがTOEFLは持っていてもTOEICは持っていないという場合です。その場合、簡易的ですがTOEFLのスコアをTOEICのスコアに換算できる表がありますので、そういった表を使用して「TOEICスコア〇〇〇点程度」と書く手もあります。
「言語ができる」のは当たり前?
厳しい話ですが、現在はグローバル化が著しく進んでいます。そのため、英語ができることはもちろん、数か国語話せるという学生はまったく珍しくなく、外資系企業や大企業となると言語ができることは当たり前で、さらにそれ以上の経験やスキルが求められると言っても過言ではありません。
大企業の選考を突破するために留学経験を活かしたいと考えている方は、留学に行っただけで満足するのではなく、さらにその経験を活かすということも意識しましょう。例えば、英語を使ったアルバイトや大学での留学生との交流などが挙げられます。さらに留学経験を活かすために、留学後にはこういった活動に参加することを考えてみてはいかがでしょうか。
留学経験を就活に上手く活かそう
留学をするには費用と覚悟、そしてある程度の期間が必要ですが、それ以上に自分自身を成長させる良い機会です。経験した困難や成長は必ず就活とこれからの人生の助けとなります。留学できる環境があれば、目標や目的をしっかりと持って留学してみてください。