公務員浪人になるということは1つの就職戦略
就職する中で安定を求める方は大企業や公務員を志望する方が多いです。なぜ志望するかというと、安定して給料を受け取れる公務員になることで、自らの生活の基盤も大きく揺らぐことが無いからという理由を挙げる人が多いでしょう。
公務員になることは甘くなく、民間企業を受けることとは違った難しさがあります。そのため、残念ながら公務員試験に落ちてしまうことも少なくありません。内定をもらっているなら内定先に勤めるか、やはり公務員を目指して浪人するか…悩むところです。公務員を目指して就職浪人する場合のメリットやデメリットを紹介します。
就職浪人してまでも公務員になりたい人が多い理由
公務員浪人は公務員試験を受ける方全体の内4割程度といわれています。公務員を目指す就職浪人たちは地域密着の仕事が出来ることや、民間企業のように利益だけを追求するような働きをしなくてもよいことに魅力を感じたり、社会保障や年金などの保証が厚く、家族に負担をかけることも少なくなるだろうと感じて就職浪人をしてまで公務員試験を受験する方も多いです。
多くの人が公務員浪人になってしまう理由
なぜ就職浪人をしてまで公務員になりたいと思うのでしょうか。この項では、浪人して公務員を目指す方たちの主な理由2つを紹介します。
民間企業は既卒の採用枠が狭いから
厳しい倍率と試験があるにもかかわらず、多くの人が就職浪人をしてまで公務員を目指すのには理由があります。それは民間企業が新卒と既卒で採用枠を分けてしまい、学校を卒業することで採用リスクを変えているためです。日本の雇用形式ではみんなが足並みを揃えて入社するのが一般的であるため、足並みを崩してまでも入社させる価値のある人材かを見られることになります。
就職浪人をすることで授業料はかからないものの、在籍料を大学に支払うことになります。大学によっては授業料や特別料金を徴収するところもあるので決して安い費用ではありませんが、公務員浪人であれば勉強する費用のみで済み余計な費用はかかりません。
公務員になることを諦めきれないから
浪人を選ぶ理由として「公務員になることが諦めきれない」というのもあります。公務員浪人を決める上で当たり前のことですが、この理由があるために何浪してでも公務員になろうと何年も公務員試験の勉強をしている方がいるのです。
公務員になることで将来は絶対安泰とは言い切れませんが、民間企業に努めるよりも公的なサポートを手厚く受けられ倒産する心配もありませんので、将来に対するリスクの低い公務員を目指される方が多いのです。
現在日本では人口減少や地域活性化が問題となっているため、対策がメインになっている部署もあります。公務員、特に地方公務員は地域密着型の業務が多くあるため、地元愛のある方にとってはとても魅力的な仕事といえます。都会の喧噪から離れて、地方都市で安定した生活を築けるのは公務員の魅力のひとつです。
公務員を目指す就職浪人が公務員試験を突破するための備え
公務員試験の倍率は、応募期間が決まっていることと応募人数が集中することから基本的に10倍以上あると思って間違いありません。あくまでも1つの例ですが、国家公務員採用一般試験(係員級の社会人試験)の倍率が約67倍になったことがあります。
ここまで高くないにしても、一般的な企業に比べれば高い倍率の中で採用を得るには教養試験で高い点数を取らなければなりません。しかし、勝ち残る前にもっと重要な合格最低点という問題があります。合格最低点に満たない場合は、例え人数が不足していても採用されることはあり得ませんので、必ず倍率の高低に関わらずある程度の点数を取らなければなりません。
公務員受験を一度の失敗では諦めない方々は、主に3つの勉強の仕方を取り入れています。公務員になるためには教養試験の他にも面接や小論文を受けなければなりません。公務員試験をパスするには浪人でも勉強を続けることが必須です。
専門学校で勉強する
公務員試験に特化した専門学校は全国各地にあり、公務員試験に必須の科目をカバーしてくれるほか面接や小論文といった、自分では採点のしにくい試験のことまでカバーしてくれます。ほとんどの専門学校は試験問題を解き、そのたびに採点し弱点を見つけていくカリキュラムを扱っています。
逆に手取り足取り教える手厚いものまであり、カリキュラムの違いから費用も20万円から80万円程度までさまざまなプランがあるのでカリキュラムと学費を比べて自分に必要かを考える時間が必要です。
通信講座で勉強する
現在では予備校業務以外に通信講座、オンデマンド講座や専用テキストの販売等もあります。こうしたものを利用する場合は人との接触が極端に減ってしまうため面接対策が出来なくなったり曖昧な知識が出てしまうことが考えられます。
通信講座の費用はそこまで高くなく6万円から10万円程度です。詳しいカリキュラムや費用は、通信講座の資料を請求すれば大体の内容を把握出来ます。
独学で勉強する
独学と他の手段の大きな違いは経費です。独学であればテキスト費用はかかりますが、専門学校や通信講座のように何万もかかりません。また自分のペースで勉強できるため、コツコツやっていける性格や誰かに言われてやることが苦手な方は、独学で勉強することが望ましいでしょう。
最近では公務員試験対策がなされているテキストが多く販売されています。中には元採用官の方や予備校講師の方が執筆した有力なテキストがありますので、独学だからといって専門学校生と大きな開きが必ずしも出るわけではありません。
公務員浪人になるリスク
公務員浪人になるにはリスクが伴いますので、それを踏まえたうえで公務員浪人をするべきかを考えなければなりません。デメリットともいえるリスクは簡単に乗り越えられるような生易しいものではなく、自分の将来がかかっていることでもありますので、浪人をすべきかどうかは慎重に決める必要があります。
働きながら勉強をしなければならないので大きな決断が必要
公務員は非常に倍率の高い試験にクリアして採用されることを目指さなくてはいけません。多くの勉強をし、自分はなぜ公務員になりたいのかを見つめ直すことでなれるものです。なおざりな勉強方法では合格できずに、あっという間に30歳を迎えてしまいます。
公務員浪人のリスク
- 市役所などの臨時職員として働きながら公務員の勉強をする
- 専門学校・予備校に通って来年に向けて勉強する
- 働きながら市役所などの追加募集を待つ
- 諦めて民間企業に就職する
- 民間企業で働きながら公務員試験の勉強をする
上記は、全て民間企業に属するかフリーターとして生計を立てながら公務員を目指すことになります。公務員浪人になった場合は民間企業に勤めることが難しいので、フリーターになることが多いです。しかし生計を立てるために働く分、勉強の時間は減るため悪循環に陥りやすくなります。リスクがあると知ってもなお公務員を目指せる環境にいるのかをしっかりと判断しておく必要があります。
就職浪人にならないように公務員を目指す前に確認しておきたいこと
就職浪人のリスクを回避するために、公務員を目指す前に必ずチェックしておくことがあります。調べておくことでリスクを知り、知ったうえで目指すべきかどうかを判断するためです。
来年もまた公務員試験のために勉強できるか
公務員試験の勉強は、大学受験のように落ちればまた来年に備えて勉強していかなければなりません。勉強の日々に耐えられるだけの気概があるかというのは非常に重要です。来年も同じことをしなければならないのは、精神的な負荷になります。
気力がなければ公務員浪人をしたところで採用される可能性は低いです。また「公務員になりたい」と思っておけば楽だという頭が働いていることもあります。倍率が高く落ちやすい試験に挑む姿は他人から見れば不断の努力をする人物に見えますが、本人からすれば「こう言っておけば周りも何も言わないだろう」と意識的、無意識的に思っていることがあります。
楽だから目指す、という何とも腑抜けた理由で目指していたのであれば、就職が難しくなる前に若いうちに民間企業へ勤めることをお勧めします。
公務員を目指す自分がやっていることを信じ切れるか
あなたが公務員浪人として勉強しているときに周囲の人間は民間の企業に勤めたり、起業をしたり、公務員として働いていたりします。その中であなたは取り残され自信を失ってしまうかもしれません。そんな中でも自分は公務員になるために必死で勉強していて何も恥じる必要などないと言い切れるでしょうか。
そのような考えが持てなければ試験当日に過度なプレッシャーを感じうまくいかないことになるでしょう。そのような負荷は適度であれば功を奏すでしょう。しかし、こうしたプレッシャーをコントロールするところから始めなければなりませんので、それだけで随分なハンデとなります。
公務員として何をしたいのか
公務員も民間の企業と同様にどこの部署に回されるのかは就職してみないことには分かりません。しかし、自分はOOがしたいから公務員になったのだと言えるようにしておかなければ公務員になることは出来ません。またその意気込みがつらい公務員試験に耐えることへつながります。
就職浪人してまで本当に公務員になりたいのか考えてみよう
公務員浪人をしたから就職できないというのは大間違いです。公務員浪人を経験することで何らかのハンデを受けることになりますが一定の年齢制限や必要資格が無ければ民間企業への就職は暗いものではありません。しかし公務員浪人を経験された方は安定志向が強い方が多いため大企業や有名企業へ目が行ってしまい魅力的な中小企業には気付かないためそうしたことが起こります。
視野を広く持って公務員へ浪人してまでも就職したいかよく考えてみる必要があります。