就活生の新常識「Webセミナー」を知ろう
就活では、説明会に行きその企業の売りや特長をチェックすることが一般的でした。しかし、近年においてはインターネットを用いて行われる「Webセミナー」が就活生の間で人気となっています。現実世界で会うわけではないため気軽に参加できるとのことで、実施する企業も増え続けています。
社会の常識というものがコロコロ変わるように就活生の常識というものも逐一変わっていきます。この変化に追いついていくというのは社会人として先輩にあたる企業の従業員や役員です。就活生たちの間でどのようなことが盛んに行われているのかについて敏感にならなければ、優秀な人材の確保もままなりません。
人材確保のためにも若者たちが好んで使うWebセミナーというサービスがどのようなものか理解し、企業としてどのようなイベントを開催していくべきか考えておく必要があるでしょう。
そもそもWebセミナーとは?
Webセミナーというのは一種のマーケティング戦略でもあります。必要な人材を全国各地から集客するには、Webセミナーによるイベントを開催して参加させることが重要となります。
Webセミナーとよく似た言葉としてウェビナー(ウェブとセミナーとの造語)やオンラインセミナー、eラーニングなどがあります。それぞれが講師を呼び勉強会やセミナーを行い全国各地、いつでも、どこでも均一的なサービスを受けることができます。これを用いて企業は遠隔地にいる仲間のレベルアップやコミュニケーションをとることも可能です。
中でもオンラインセミナーとWebセミナーには共通する部分が多い言葉です。この二つに共通することは遠隔地にいる特定の人材に好みの情報を発信できるという点にあります。両方とも勉強会を意図して使う場合もありますが、説明会の内容でビギナー向けの情報発信や自社の情報を発信することを主目的にしているところも多いです。
Webセミナーと一般的な説明会の違い
Webセミナーが現在の就活生におけるトレンドであるならば、従来の現地参加型のセミナーと何らかの変化が表れていなければなりません。もし同じものであるならばいずれ融合され、区別のつかないものとなってしまいます。しかし、この2つの違いというものは明確に存在しているのです。
「数多くの企業を見て選ぶ」という難題を克服できる
現在のセミナーと従来の説明会の一番の違いとして、時間的自由度と地理的制限の緩和が挙げられます。
就活生に対して投げかけられるアドバイスのひとつに「多くの企業を見て自分に合った企業を選ぶ」というものがありますが、このアドバイスはほとんど中身のないものといってもおかしくありません。従来の現地参加型の説明会の場合、それを実践するのがなかなか難しいためです。
従来の説明会の場合では、各企業から講師を派遣して宣伝することでアピールできましたが、遠隔地にいて参加できなかったり、他企業との説明会と重なってしまって見ることができないということも十分に考えられます。
しかし、現在の説明会方式であれば遠隔地にいようが、時間が被ろうが関係なく会社の情報を受け取ることができます。しかもチャットができるWebセミナーであれば時間制限を気にすることなく気軽に質問を書き込むことも可能ですので、比較的多くの質問を求めることができます。
Webセミナーの種類は2種類
Webセミナーは現在確認されているもので2種類あります。目的としては同じですが、何に対してwebセミナーを行うかで選択肢が変わり、選択肢があることでさらに柔軟な使い方ができることになります。
1 個々人に合わせたオンデマンド配信
オンデマンド配信を使うことで、時差や地理的な違いを考えずに情報発信が可能となります。時間に追われてしまう就活生の方に対してもオンデマンド配信にすることで隙間時間に新たな情報を手に入れることができ、個々人に合わせた情報取得の経路を作ることができます。
ただし、オンデマンド配信の際にはあらかじめ教材や資料を用意しておくことが多く、視聴する前に教材や資料を取得しておくことが必要になります。また、情報が一方通行になってしまうため視聴者のモチベーション維持が難しいというのも課題になっています。
2 地理的条件をクリアするライブ配信
生放送をする上で講師や運営側が管理するべきこととして日程調整があります。日程調整は単なる時間だけではなく場所も踏まえて考えなければなりません。しかし、ライブ配信にすることで場所という地理的条件を考えずに行うことが可能となりました。ライブ配信では参加者の反応を逐次伺うことができるためモチベーション維持も可能となります。
ただし、ライブ配信の場合では時間的制約がそのまま残ってしまいます。そのため、日程調整の中にある日時を決めるということが非常に重い要素となります。
Webセミナーのメリット
webセミナーのメリットは多くのものを提供してくれますが、大きなメリットとしてまとめると次の2つに分けられます。
- 時間と金銭の節約
- 説明会を手軽にする
オンライン上でセミナーを開催することで、時間制限というものが大きく緩和されることになりました。なぜならば自分が住んでいる地域から出ることなくセミナーを受けることができ、場合によっては深夜や早朝に開催することも可能だからです。
また、遠隔地から来てくれる就活生は就活のための宿泊費や交通費もネックな存在です。面接に行くのならばまだしも受けるかどうかも決まっていない会社に多額の投資をするのは馬鹿げていると感じる就活生も多いことでしょう。オンライン上で説明会を行うことで、こうした多額の投資をカットすることができるのです。
通常、説明会に行くことにはいくつかの負担がかかりますが、オンライン上で処理することで全て解決できるわけです。派生的に説明会というものが手軽になり、複数個所の説明会に行っても苦にならない工夫ができるようになりました。
Webセミナーのデメリット
Webセミナーは万全なものではなく改善の余地もいくつかあります。確かに説明会や勉強会などにかかる負担を大きく削減してくれるものではありますが、そこには一定の制限がかかってしまいます。
必ずインターネット接続ができなければいけませんし、他人と対面すると言ってもそこは一種の電脳世界で会って現実世界ではありません。「説明会と言っても、得られたのは企業のホームページで述べられている情報とそこまで変わらない浅い内容だった…」というケースもあったりと、webセミナーでは生の情報が手に入りにくいという点を頭に入れておくべきでしょう。
もちろん、生の情報というのは人が話すから分かるというわけではありません。本当に入社したいのであれば人が好さそうな社員がいるだけでは決定打にはならず、どんなデザインの会社でどのような雰囲気が漂っているのかを確認することも必要です。
Webセミナーは企業側にもメリットがある
従来のセミナーでは開催者が会場や部屋を準備しなければなりません。会場設営や資料準備だけでも結構疲れるのに開催後には撤去作業があり、かなりの重労働となってしまいます。資料準備に関しては資料作成に始まり、大量の資料印刷と仕訳をしなければなりません。また、参加者に対する筆記用具や飲み物などの準備をする必要もあります。
セミナー開催当日には来場者の確認をしつつ席の案内もしなければならなかったりと、こうして運営されているのが企業の説明会であること、多くの労力が支払われていることに注意しなければなりません。
しかし、Webセミナーにすることで大きな手間や労力を要する会場設営を行う必要はありません。その気になれば会場のデザインは瞬時に完成します。セミナーの講師はカメラに向かって話をするだけで、失敗した箇所に関しては取り直しや編集が可能ですので情報操作も比較的簡単です。
資料に関しては、データ化したものを事前に配布することもできます。参加状況はweb上で確認でき、録画した内容は使いまわしができるため、情報に均一性を持たせることが可能です。
Webセミナーは新世代就活生の常識になっている
従来の説明会というものは廃れ始めている、というよりも限界が見え始めています。時間的かつ地理的な制約がある以上はそれを打破できるものを用意しなければならないからです。
ただしwebセミナーに関しても万全のサポートができるわけではありません。企業側はしっかりと住み分けをしたサポートを実施し、就活生もそれぞれのサポートの限界を把握した上で活用することが大切です。