応募準備

自己PRで努力家な性格をアピールする伝え方ポイント

自己PRで努力家であることをアピールする人は比較的多く、また企業側も好意的に受け取っています。しかし、正しいアピールの仕方を知らないとせっかくの長所も評価や内定につながりません。上手な努力家アピールのためのポイントについて紹介します。

「努力家」を自己PRすると企業の反応がいい

就職活動の自己PRは定番の質問であると共に、就活生たちにとっては悩ましい質問でもあります。エントリーシートを目の前にして、筆が止まって小一時間という人も多いと思います。そんな自己PRで学生側からも企業側からも人気があるのが「努力家」という長所です。

自己PRで努力家ぶりをアピールする人は、エピソードも面白いものが多く、実際現場でもしっかり努力して先輩たちをキャッチアップしてくれるという期待がありますし、また精神的にもタフで地道に頑張れる人が多いといいます。就活で人気の「努力家」をうまくアピールする方法を考えてみましょう。

企業が自己PRで「努力家」を好む理由

企業は努力家という自己PRをする応募者に対して好感を持つ傾向があります。その理由を2つ紹介していきます。

成長が期待できるから

即戦力としての雇用を考える中途採用と違い、新入社員として学生を採用するのは将来の成長を見込んでのことです。当然、何もしないで成長できることはありませんから、努力ができる人であることは成長を期待させてくれる重要な性質です。そのため、企業は努力家を好む傾向があります。

エピソードが面白い

自信のないエピソードは、客観的でぼんやりした内容になることが多いのですが、努力をしたという方向性のエピソードは体験から具体的に、また自信をもって話してくれるので内容的にも面白く、また人格面が表れますので選考のための情報も多く、たくさんの数を見る企業の採用担当者からも興味・関心をもって見てもらえます。

自己PRしたい「努力家」には2つのタイプがある

「努力家」というと「努力ができる人」ということになりますが、努力には大きく「瞬発型」と「持続型」があります。どちらのタイプの努力家か、しっかり理解した上で自己PRをすると、ブレがないアピールができるようになります。

瞬発型の努力家

瞬発型は短期間に集中的に努力をすることによって、一定の成果を挙げることを得意とする人です。「学校の試験前だけは毎日16時間机に向かっていた」など、緩急のある努力ができるのが特徴で、仕事においても成果を出すことが多いのはこのタイプが多いと言われています。

持続型の努力家

瞬発型のように短期間に猛烈に集中して努力するのではなく、持続型は長期間継続的に努力ができるタイプです。覚えるべき知識量が多いバックオフィスのスタッフや、研究開発に携わる人に特に求められる資質です。このタイプの人は、評価とは無関係に地道な努力を続けることができるので信頼を集めます。

「努力家」をアピールする自己PR例文

「努力家」をアピールする自己PRの例文を見ながら、自己PRのポイントを整理します。紹介する例文は3つです。

「努力家」をアピールする自己PR例文1

「努力家」をアピールする自己PR例文1

私は目標達成に向けてどんな努力をも惜しまずにできるのが強みです。

学生時代は野球部でエースになるために、毎日の練習に加えて朝夕1時間ずつの個人練習を行い、またオフでもジムで計画立ててメニューをこなし続けました。努力の甲斐あって、大学2年の時にはエースとなり、球速も最速で145kmをマークしました。

学生時代を通して、努力が力になり、自信の源になると感じています。社会人になっても、最初はすぐに芽が出なくとも地道な努力を重ねて部内のエースと呼ばれるようになりたいです。

この例文1は努力家であることをアピールする例文ですが、この例文のような例が実際の就活でも多く見られます。

一見きれいにまとまっているように見えるのですが、具体的にどのような努力をしたのかがわかりにくく、また成果も客観的に見て理解できるように表現されていません。練習量が多いのはわかりますが、どのような計画のもとでどういう練習を行ったかが示されていたり、球速も大学入学時のスピードや大学生投手の平均的な速さがわからないと、成果をはかりようがありません。

仕事に向けて意気込みが感じられるのは良いのですが、どの企業に対しても同じく言えてしまう内容ですので、企業側としては「本当にウチに来てくれるのかなぁ」と若干不安になります。

全体的に自分目線でアピールが前のめりになっていますので、企業の目線で見直してみて修正してみるともっと良くなります。

「努力家」をアピールする自己PR例文2

「努力家」をアピールする自己PR例文2

私の長所は、コツコツと地道な努力をすることができることです。

小さな頃からベルマークを集めて様々な景品と交換したりと、地道に何かをするのが好きでした。
私は高校の時に生徒会の副会長をしていましたが、何か学校のためにできることはないか考えた結果、新聞に学校や生徒が載った時にはスクラップをすることを始めました。時間のない日や長期の旅行中など難しい時もありましたが、出先で新聞を購入して読んだりしながら、生徒会に入ってからの1年半、毎日行い続けました。卒業式前になって、スクラップブックを校長先生に見せたところ、大変感心していただき、卒業式には私のスクラップブックから学年の記録や軌跡が動画で紹介されました。同級生からも「ありがとう」と多くの感謝の声をもらいました。

私は貴社では経理を希望していますが、日々多くのデータが集まる業務であり、それを地道に処理していくことは簡単ではないと思っています。しかし、だからこそ毎日コツコツと休みなく行い、正確で信頼できる仕事をしていきたいです。よろしくお願いします。

例文2は努力家をアピールしている自己PRですが、就職活動における自己PRですので、仕事につながるイメージを持てるかどうかが重要になります。

この例では「地道な努力」として「新聞記事のスクラップ」をあげていますが、経理の仕事と結びつくかと言われると微妙なところです。決して悪い内容ではありませんが、努力や成果の大きさが見えにくいのもややマイナスです。

自己PRは自分をPRする場ではありますが、大前提として企業から内定をもらうための自己PRですので必ず企業が求めているものを考えながら作成しましょう。「わかってくれるだろう」ではなく、「誰が見てもわかる」内容を目指してください。

「努力家」をアピールする自己PR例文3

「努力家」をアピールする自己PR例文3

私は物事に計画的に取り組むことができる「努力家」です。

私は大学から和楽器のサークルに入り、和琴を演奏しましたが、和琴に触れたのは大学からです。そのため、技術や楽器の知識が非常に不足していました。周囲は幼い頃から経験のある人が多く、最初は後ろめたい気持ちでした。

しかし、素敵な演奏を続けるメンバーたちを見て、自分もそうなりたいと思い、身に着けたいことを2ヶ月の間にひとつ决めて徹底的に勉強と練習をしました。一般の教室にも習いにいきましたし、本も買ってたくさん読み、また経験者に何度もお願いして教えてもらいました。その結果、3年生になる頃には発表会にも出してもらえるようになり、自分が苦労した分、後輩たちによく教えられるようになりました。

貴社は大きなプロジェクトを分割して計画的に管理するノウハウが蓄積されており、学べるものが非常に大きいと思います。私も頑張って貴社のノウハウを学び、計画と管理の対象を自分だけでなく周囲にも広げていきたいと思います。

この例文3では、努力の過程や成果が具体的に示されています。エピソードによって、物事を計画に取り組む努力家である姿が想像できるでしょう。

最後の締めの部分も、企業を意識して書かれていますが、自分の成長のために会社を利用しようと考えているようにも思えますので「自分が何をしたいか」ではなく、「企業へどのような貢献をしたいのか」という視点で書くとよりスマートな締めくくりになります。

自己PRで努力家をアピールするエピソードの書き方ポイント

努力家であることをアピールする自己PRのエピソードは、ポイントをしっかり考えながら作成すると読みやすく、また企業が知りたい情報を含めることができるようになります。

熱心に取り組んだ内容を具体的に伝え「努力家」を自己PRする

自分が努力したことをアピールするとしても、「私はサッカーを頑張りました」だけではどんなにすごい努力をしたとしても伝わることはありません。取り組んだ内容は、具体的に伝えてこそ共感や感動を呼ぶことができます。「サッカーで、レギュラーになるために毎日朝5時に起きて5km走ってシュートを100本打ってから学校に行きました」など、具体的にどのような努力をしたのかを明確にするようにしましょう。

数字をうまく使って「努力家」を自己PRする

努力を具体的に表現するためにぜひとも使いたいのが数字です。「毎日勉強をしました」よりも「夏休みの40日間毎日猛勉強しました」「夏休みの40日間、毎日一日10時間勉強しました」の方がその努力が伝わってくるはずです。数字で努力の量や成果を示すことは、社会に出てからも大事なテクニックですので、自己PRの時から積極的に導入しましょう。

努力の目的と成果を伝え「努力家」を自己PRする

努力家であることをアピールするだけなら努力について説明するだけで良いのですが、企業は就活生たちのエピソードからビジネスパーソンとしての資質を探っています。ビジネスパーソンに求められるのは努力の量や質ではなく、努力の結果生み出される「目的に対する成果」です。ですから、努力家であることをアピールするなら、必ずその目的と成果を伝えるのを忘れないようにしましょう。

もしも、努力に見合った成果がない場合は失敗から学んだことなどを語るのもひとつの方法ですが、別のエピソードを探してみた方が良いでしょう。事情はあるかと思いますが、成果によっては努力の内容も疑われることがあるからです。

仕事のどういう面で努力したいかを述べ「努力家」を自己PRする

努力家であれば、何でも努力してくれるものと思いたいですが、実際には努力できる分野や内容には限りがあるものです。そのため、必ず最後に仕事の中で何について努力をしたいのかを明確にしておきましょう。応募者の興味を知り、また配属や教育などを検討する上でも重要な情報ですので、企業側も目を光らせている部分です。

自己PRでは「努力家」を言い換えて表現することもできる

自己PR冒頭の表現は、「努力家」だけで良いでしょうか。努力ができる人であることをアピールするにも様々な表現があり、違う言葉に言い換えることができます。エピソードの内容と照らし合わせ、自分がしたい表現よりも相手にとって理解しやすい言い換え表現をまずは考えてみましょう。

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色々な表現がありますが、自己PRを作成する時は、まずは「努力家」ということにしておいて、後で全体を見直しながらしっくりくるものを考えて変えてみると効率的に進みます。

自己PRで努力家アピールする時の「資格取得」は自慢にならないように注意する

新卒の就職活動では「資格についてはあまり触れなくても良い」という話があります。

努力をアピールするためのエピソードとして、この資格取得についての話をするのが良いか悪いか気になっている人もいると思いますが、自己PRで努力をアピールする分には問題ありません。

資格をアピールする時に失敗しやすいのは、「資格自慢」になってしまうことで、自分の取得した資格がいかに難関で素晴らしいものかをアピールしてしまうことです。もちろん、その資格を持っていることは素晴らしいのですが、企業が選考で重視するのは資格の難易度ではなく応募者の人間性や将来性です。資格そのもののアピールに終始して、自分自身に関する情報が少なくなるケースが非常に多いのです。

努力家としての自分をアピールするために資格取得について話す時は、資格の話ではなく自分の話にするように必ず意識しましょう。努力の結果、資格を取得できているなら、それはビジネスパーソンとして非常に好ましい経験をしていると感じてくれるはずです。

自己PRでの「努力家」は企業の視点を意識してアピールしよう

企業は、新しいメンバーとして採用する候補者に対して、長期的なビジョンや目標を持ち、自己成長を促す姿勢を持っていることを期待しています。そのため、自分自身が「努力家」であることをアピールすることで、自己成長に対する意欲や、組織に貢献するために主体的に行動する姿勢を示すことができます。

しかし、自己PRで「努力家」であることをアピールする人は多く、企業のウケも良いのですが、自分が頑張ってきたことであるだけに、どうしても自分の目線で語りがちです。就活は企業が求める人材であることをアピールして採用してもらう場ですので、企業の視点を意識しながら、具体的で適切なアピールになるように作成しましょう。