公務員採用試験に受かるために望ましい志望動機を書こう
「景気の波に左右されずに、安定した生活を送りたい」と考える人が増えてきていますので、倒産の心配が非常に低い公務員の人気が高まっています。市役所職員や県庁職員、公立の幼稚園や保育園などの保育士を目指すなら、どのような志望動機を述べることができるでしょうか。
公務員の志望動機は地元アピールや地域好きアピールはほどほどにする
地元だから○○市の公務員になりたい、この地域が好きだから○○県の職員になりたい、これも立派な志望動機ですが、それをメインでアピールするのは、決して推奨される志望動機ではないと言えます。
例えば、市役所の職員の採用試験には、その市の出身者やその市の大学を卒業した人がたくさん来ますので、「地元だから」といって不利になることはありませんが、有利になることもほとんどないのが実情です。それに加え、「この地域が好きだから」ということも、好きでなければ募集に応じる必要はありませんので、それをメインの志望動機にすることは、思慮が浅い印象を与えてしまいます。
もちろん、地元であることやその地域と自分の関連性について触れることは必要です。地元アピールや地域好きアピールは、文章全体の2~10%位にとどめておくのが賢明でしょう。県庁職員に応募する学生の例文を見てみましょう。
○○県で生まれ、大学進学で△△県に行きました。初めての○○県以外の生活を通して、○○県の住みやすさを実感することになりました。
大学では社会学部で環境工学を専攻しました。都市の環境を美しくし、都市住民に住みやすさを実感してもらうためには、施設の設置だけではなく施設利用法や施設自体の広報活動が必要であることが重要であるという視点から、大学のある△△県でインターンシップを行い、論文作成に経験を活用してまいりました。
論文をまとめる際には、生まれ育った○○県の広報活動も参考にいたしました。調べていくうちに、もっと○○県の行政に携わりたいと言う気持ちが強まっていきました。よりよい環境を県民の皆さまに提供できるよう、施設と広報活動の融合に注目した活動を行っていきたいと考えております。
公務員の志望動機は自分の持つスキルや即戦力の高さをアピールする
公務員採用試験の面接官も、企業の面接官と同じく、スキルの高い志願者や即戦力のある応募者を求めています。スキルの高さや経験量の豊富さ、即戦力となれることをアピールすることで、面接官に良い印象を与えることができるのです。
スキルの高さや即戦力があることを、志望動機に含めるためのフレーズをご紹介します。自分の経験と照らし合わせて独自性の高い志望動機に仕上げて下さい。
- 銀行でのインターンシップ活動を通じて、健全な経営は地方公共団体の大きな課題であることに気付きました。一企業として見た○○県を、さらにゆとりのある経営にするために、インターンシップでの経験と大学で専攻したマクロ経済の知識を活かしていきたいです。
- 高校時代からの障害者施設でのボランティア活動を通じて、障害者福祉の重要性と、障害者福祉の難しさを実感しております。地域と共存できる1人の人格として障害者の自立支援に携わりたいと考え、○○市の職員を志望しました。障害者の福祉を考えることと障害者を支援する人の福祉を考えることを両立させていけるように、経験を活かして働きたいと考えております。
公務員の志望動機は将来的に行いたい活動や希望をアピールする
スキルの高さや即戦力があることをアピールしても、将来的にどのような仕事を行いたいかが見えてこない志望動機では、面接官や人事担当者の心を打つことはできません。将来的展望をしっかりとアピールする志望動機を作成しましょう。
いくつかのフレーズを紹介しますので、各自の経験や希望からよりよい志望動機を完成させて下さい。
- 何でも順位が大事とは思いませんが、順位が人の心に強くアピールするのは事実です。住みやすい街ランキングで全国10位になることを目指し、福祉や地域住民の満足度の向上に努めていきたいです。
- 女性の社会参加を増やしていくためには、保育所の確保と延長保育の充実が緊急課題と考えられます。多くの女性が○○市で働きたいと思ってもらうために、保育所革命と子育て支援を実施して行きたいです。
- ○○県では地域の緑化活動が、ここ何年非常に活発化していると実感しています。地域でできる緑化活動と個々でできる緑化活動をつなげたいとの思いが、○○県の職員をめざすきっかけとなりました。今後もより一層美しいまちづくりを実現するために、大学で学んだ都市計画の知識を活かして努力して行きたいと考えております。
公務員の志望動機はなぜ公務員になりたいのかを具体的に示そう
公務員の採用には年齢制限がある部署があるものの、中途採用や社会人の転職を受け入れる部署もあります。ただし、どの部署であっても志望動機には、前職を退職した理由やなぜ公務員になりたいのかを具体的に示すことが重要です。
面接官は、なぜ公務員になりたいのかを知りたがります。具体的にどのような仕事に興味を持ち、どのようなスキルや経験を活かせるか、また公務員として社会に貢献したいという意欲を示すことが必要です。
また、積極的に中途採用を受け入れている部署もあるため、自信を持って面接に臨みましょう。自分のスキルや経験をアピールし、前職で培った能力や経験を公務員としての仕事にどう生かせるかを説明しましょう。これによって、面接官に自分が即戦力になることをアピールできるかもしれません。