履歴書は下書きが大事!仕上がりを美しくするポイント
履歴書の下書きをせずにボールペンで書き始めて、些細な書き間違いをしてもう一度書き直しといった残念な経験を、就活生なら誰しも一度はしたことがあるのではないでしょうか。履歴書に下書きは必要なのか、そしてどのようなやり方で下書きをすればよいのかについて解説します。
履歴書に下書きは必要か?
履歴書を記入する際に、下書きをする必要があるかどうかについては、人によって意見が分かれます。まずは、履歴書に下書きは必要か否かについて考えていきましょう。
履歴書には修正液が使えないため、下書きが必要と考える人が多い
最近の就活では、ウェブ上で入力したエントリーシートを送信したり、パソコンで作成した履歴書を送付したりするシステムの企業が増えているなど、採用選考工程のデジタル化が進んできています。その一方で、手書きの履歴書の提出が求められることはいまなお一般的であると言えます。
手書きの履歴書は、油性のボールペンで記入し、誤りがあれば修正液や修正テープを使用することは許されず、はじめから書き直しになってしまいます。そのため、ボールペンで清書する前に、まずは消せる鉛筆で下書きをすることが必要ではないかと考える人が多いということです。
うっかりミスが多い人には履歴書の下書きが有効
履歴書の下書きをするということは、一つの企業へエントリーするのに際して、毎回履歴書を最低二度手書きで記入することになります。これを二度手間であると考える人も多いでしょう。
履歴書を手書きで記入する際は、いかに集中して取り組むかがキーになってきます。一瞬気を抜いたときに、書き間違えてしまったという経験は、就活生なら誰しもしたことがあるでしょう。幼いころから習字を習っていて、手書きで美しく仕上げることに慣れているような人には下書きは不要かもしれません。
しかしながら、大抵の日本人は日常生活で手書きをすることがすっかり減ってしまっています。履歴書をボールペンで記入している途中に気が散ってミスをしやすいと自覚している人、毎回何らかの書き間違いをして結局書き直しを何度もしている人、一発で清書するのは緊張するというような人には、下書きが大変有効であると言えます。
履歴書の下書きで文字の大きさや行間の調整が事前にできる
履歴書の下書きが有効なのは、書き間違いによる書き直しを防止することだけではありません。履歴書を記入する際に、下書きの有無を問わず誰しも内容については事前にまとめていることでしょう。
記入したい分量があらかじめわかっていても、実際に履歴書に記入しはじめると、本文の後半になって記入欄のスペースが足りなくなることが頻繁に起こり得ます。たとえ文字の書き間違いがなかったとしても、文章の途中から文字の大きさが変わったり、無理やりスペースにおさめたりしたような履歴書は美しくありません。
下書きをしていれば、「この大きさの文字で書くと、スペースが足りなくなりそうだから、もう少し詰めて書こう」や「履歴書の記入スペースに対して、この本文は少し分量が足りていないようだ。もう一文だけ内容を追加しよう」といった対策をとることができます。
美しい履歴書を完成させるためには、誤字脱字がないのを大前提として、文字の大きさや行間の詰め方などが全体を通して統一されていることが必須です。
履歴書の下書きのやり方
それでは、どのような手順で履歴書の下書きをすればよいのでしょうか。できるかぎり無駄を省き、最大限の効果を発揮する基本的な下書きのやり方について解説します。
履歴書フォーマットのコピーに下書きする
履歴書の下書きのやり方は、大きく分けて二種類あります。一つ目は、履歴書のフォーマットをコピーしたものに下書きをして、それを見ながら履歴書本紙に清書するというやり方です。二つ目は、履歴書本紙に直接記入する下書きです。
履歴書のコピーに下書きをする利点としては、履歴書本紙には下書きをしないのできれいな状態のまま清書できるということです。下書きを消す必要がなく、履歴書本紙を汚す心配をする必要がありません。
欠点としては、下書きの意味をなさない場合があるということです。履歴書はうっかりと書き間違えることが多いものです。そのため、別紙で作成した下書きを見ながら本紙に清書しても、集中力が途切れたときに書き損じをしかねません。そういった意味では、本紙に下書きをするより効果は低いと言えるかもしれません。
履歴書本紙に鉛筆で直接下書きする
履歴書本紙に直接下書きをする場合は、当然ですが鉛筆を使用します。跡が残らないように気を付けながら、記入欄と書きたい文章のバランスに注意して下書きをしましょう。下書きを始める前に、書きたい内容についてはパソコンでまとめておいたほうが効率的です。
下書きの上を油性ボールペンでなぞる
下書きが完了したら、誤字脱字がないかよく確認のうえ、文字の上から油性ボールペンで清書していきます。下書きをなぞるだけとはいえ、しっかりと集中して取り組みましょう。
しっかりとインクを乾かす
油性ボールペンで清書をしたら、インクが完全に乾くまで待ちましょう。ここでしっかり乾かさなければ、せっかく下書きをして清書をしても、履歴書をインクで汚してやり直しになってしまうおそれがあります。
下書きを慎重に消す
履歴書のインクが完全に乾いたのを確かめたら、鉛筆で書いた下書きを消しゴムで消します。消し残しがあっては台無しなので、よく確認することを心がけてください。
履歴書の下書きする時のコツとは?
履歴書の下書きの基本的なやり方を押さえたうえで、履歴書仕上がりと記入の効率がワンランクアップさせるコツを解説します。
見本になる履歴書のコピーを保管する
何枚も履歴書を書いていると、内容としても、文字やバランスの美しさとしても、完成度の高い履歴書を作成できることがあります。そのようなときは、必ず完成版のコピーをとって保管しておくことをおすすめします。
連絡先や学歴といった基本情報に加え、「長所・短所」や「学生時代に打ち込んだこと」といった項目は、どの企業の履歴書にも共通しており、流用することが可能です。履歴書の見本として、完成度の高い履歴書のコピーを利用することで、内容を考えたり下書きをする手間が省けたり、時間短縮につながったりします。
履歴書に筆跡が残りにくい濃さ・硬さの鉛筆を使用する
「鉛筆なんて小学生のとき以来持った覚えがない」といった人も多いのではないでしょうか。大学生以上になれば、日常生活で使用するのは、ボールペンかシャーペン、もしくは文字が消せるペンだという人がほとんどでしょう。
しかしながら、履歴書の下書きでシャーペンは使用するべきではありません。いくら気をつけても、シャーペンの細い芯で下書きすれば、履歴書に筆跡がついてしまいます。消し残しがなくても、少しでも芯の跡がついていれば、その下書きは失敗ということになります。
履歴書に下書きする際には、HBやHといった濃くて柔らかい芯の鉛筆を使用することをおすすめします。書くときも、いつものように力を入れることなく、履歴書に跡がつかないように細心の注意を払いましょう。
なお、Bや2Bなどの鉛筆は濃すぎるため跡が残ったり、こすれて黒くなってしまったりするなど、履歴書を汚してしまうおそれがあるのでおすすめできません。
下書きを消す際はインク汚れに注意する
履歴書に直接下書きをする場合に最も注意すべき事項は、下書きの消し残しを作らないことと、下書きを消す際にボールペンのインクがにじまないようにすることの二点です。
清書に使用する油性のボールペンは、粘り気のあるインクのものは避けるとよいでしょう。いくら乾かしても、上から消しゴムでこすると履歴書を汚してしまいかねないからです。
消せるボールペンで履歴書を書くのはNG
消せるボールペンが普及して久しいです。「消せるボールペンで履歴書を書けば、下書きをする必要もないうえ、書き損じた際も消して書き直すことができるのではないか?」と考えたことのある就活生は少なくないでしょう。
しかしながら、履歴書を消せるボールペンで書くのはNGです。ボールペンとはいえ、やはり見た目が油性のボールペンで記入したものとは異なるので、採用担当者が見ればわかります。ふさわしくないペンで記入した履歴書を送ってきた応募者に対して、よい印象を持つのは難しいと言えるでしょう。
また、履歴書にかぎらず公的な文書を消すことのできるボールペンで記入するのはNGです。こすれて消えてしまったりするおそれも十分にあります。下書きや書き直しを面倒くさがらずに、必ず油性のボールペンで記入しましょう。
下書きで履歴書の仕上がりのレベルアップを図ろう
下書きでは自己PRのコンセプトを明確にすることが重要です。自分がどのような人物で、どのような職務経験やスキルを持っているかを整理し、履歴書を通じてアピールしたい点をまとめます。
次に、履歴書の構成を考えます。一般的には、基本情報、学歴、職歴、資格・免許、自己PRの順に並べますが、自分の状況に合わせて順番を変更することもできます。また、それぞれの項目の内容も詳細に書き出し、細部まで丁寧に作成することが大切です。
さらに、履歴書は見た目の印象も重要です。フォントや文字サイズ、行間などを統一し、美しく整えることで読みやすくなり、見栄えも良くなります。また、余白をうまく活用して、読み手の目を引くようなデザインに仕上げることも重要です。
最後に、下書きの段階では、誤字脱字や文法ミスなどをチェックすることも大切です。履歴書は、あなたが仕事に対する姿勢やコミュニケーション能力を示すものでもあるため、丁寧な仕上がりを心がけることが必要です。