自己PRで粘り強さをアピールする際のコツは?
企業の面接やエントリシート等で必ず求められるのが自己PRです。自己PRには様々な回答方法がありますが、ありきたりな回答をしても企業の担当者の印象には残りません。自己PRを通して、自分の長所や特徴をいかに面接官に魅力的に思わせるか、工夫を凝らす必要があります。
今まさに自己PRの方法でお悩み中の就活生に向けて、自己PRで粘り強さをアピールする際のテクニックや答え方のポイントについて解説します。
粘り強さとは
仕事における粘り強さとは、仕事を最後までやり遂げる強さのことです。例えば、なかなか決まらない案件など、障害や困難が目の前に現れても簡単には諦めず待ち続けることができる人は粘り強い人と言えます。
「簡単に諦めない」ということは「責任感が強い」ということでもありますし、「負けたくないという気持ちが強い」「信念が強い」ということでもあったりと、一言で「粘り強い」と言っても様々な意味が含まれています。
企業が就活生に求めている粘り強さとは
企業が学生を新卒で採用している理由は、採用し企業の戦力として育て、長期的に企業の戦力になってもらうためです。企業にとっては、長期的な目線で見て戦力になりそうもなく、長く働けそうもない学生を採用する意味はありません。
企業の採用担当者や面接官があなたの自己PRを見聞きして判断することも同様です。あなたの自己PRを聞いた結果、企業にとって戦力になる人間かどうか、または長く働けるかどうかを判断したいと考えています。入社後は「粘り強い」という自己PRの通り、粘り強く仕事をしてくれて成長し、粘り強く長く働いてくれればそれに越したことはありません。
仕事において粘り強さは必須スキル
仕事は苦難や困難の連続です。特に新人の頃は仕事が遅いことを怒られたり、ミスを上司や先輩から怒られたり、お客様からクレームを受けることも珍しいことではありません。
働く会社によって様々ですが、毎日あるいは毎月同じ処理を正確に速いスピードで処理をしなければならない仕事もあれば、常に新しいことを考えて企画したり生み出したりするような仕事、難易度の高い事務処理を任される仕事、ひたすらお客さんのところに足を運んで営業をしたり頭を下げたりする仕事もあります。
会社や仕事の種類は多種多様ですが、全ての会社に共通していることは、どんな会社に就職したとしても、ただ出社するだけ、あるいは座っているだけでお給料がもらえるということはあり得ないということです。
日々苦難の連続にもかかわらず、簡単に諦めてしまってはどこの会社で働いても長くは続きません。粘り強くひとつのことを続け、難易度の高い仕事でも諦めずに最後までやり遂げる力、つまり粘り強さというのは、どこの会社からも確実に求められるものなのです。
自己PRで粘り強さをただアピールするだけでは好印象にはならない
粘り強さはどこの会社でもどんな仕事であっても確実に求められるものですが、裏を返せば社会人として粘り強いことは当たり前であると捉えられる可能性もあります。
例えば、仕事を粘り強く最後までやり遂げる、辛いことがあっても仕事を放り出さずに最後まで粘り強く対応することは、社会人として当たり前の話であって、どんな仕事を与えても最後までやり遂げられない人や、仕事を放り出してしまう人は企業側としては論外です。
ただ粘り強いということを言うだけでは当然のことを言っているのと同じであって、好印象を持たれることはないということです。むしろ「よくある回答をしているだけ」と、オリジナリティに欠けつまらなく思われることもあり得ます。
自己PRする粘り強さは表現次第で良くも悪くもなる
自己PRで粘り強さをアピールする学生はたくさんいますし、粘り強いことは仕事をすることにおいては当たり前のように求められることでもあり、面接官は聞き飽きていると言っても過言ではなく、ただアピールするだけでは不十分です。
企業の採用担当者や面接官としては、あなたが本当に粘り強いのかということと、どの程度粘り強いのかということを粘り強いという単語だけで読み取ることはできません。
どんな自己PRをしても大抵は他の学生の自己PRと内容が重なってしまうため、他の学生と差別化を図るという意味でも、「粘り強い」という自己PRが採用担当者や面接官の印象に残るようなエピソードを表現し、伝える必要があります。
自己PRで粘り強さを上手く伝えるポイントは具体的に表現すること
あなたの粘り強さを評価してもらえるかもらえないかは、あなたの粘り強さが明確に分かるエピソードを具体的に表現できるかどうかです。
企業の採用担当者や面接官に伝わらない粘り強さの自己PR
サークルでリーダーを務めておりましたが、メンバーがバラバラでまとまりがありませんでした。しかし、持ち前の粘り強さでメンバー一人一人と会話をしてまとめることによってサークルの運営を円滑に行いました。
企業の採用担当者や面接官からすれば、バラバラのメンバーをまとめることにどの程度の粘り強さが必要だったのかが分かりません。苦労した度合いが明確ではないことから、リーダーを務めているのであればバラバラなメンバーをまとめるのは当然の責任であると判断されてしまいかねません。
重要なのは、非常に強い粘り強さが必要とされたということをアピールすることです。普通の人なら諦めてしまっていたことを自分だから諦めずに最後までやり遂げることができたということを表現し、伝える必要があります。
より具体的に言い換えると説得力のある自己PRに!
- 「メンバーがバラバラでまとまりがありませんでした。」→「メンバーがバラバラで日々意見の食い違いからの口論も多く、脱退者が出たりする等、サークル解散の危機を迎えました」
- 「持ち前の粘り強さでメンバー一人一人と会話をしてまとめる」→「初めはメンバーと話し合いの場を設けようとしても拒否されてしまい話し合うことすらできない状況で、一時は『もう解散するしかない』と教授からも言われました」
なお、このサークルが100人以上所属しているような大きな規模のサークルであれば、ほぼ全てのメンバーと話し合って意見をまとめたというだけで、粘り強さという自己PRに対しての説得力が大きく変わってきます。数字で言い表せる部分はどんどん取り入れていくとよいでしょう。
自己PRしたい粘り強さは短所と背中合わせであることを忘れない
粘り強さをアピールするために、具体的なエピソードで説明をしながら企業の採用担当者や面接官を納得させることができれば問題ありませんが、自己PRでアピールする長所というのは常に短所と背中合わせにあります。つまり、過度にアピールしすぎると短所になってしまう可能性もあるということです。
例えば、「粘り強い」という長所を広い意味で考えれば「見切りをつけるのが遅い」「諦めることができない」「一つのことにこだわりすぎてしまう」といった短所とも受け取れます。
粘り強さをアピールするために具体的なエピソードを説明した際に、「大変な困難でも諦めずに粘り強く成し遂げたことは凄い」と感じてもらえるか「そこまで大変な困難なら見切りをつけて諦めるか他の方法を考えた方が良かったのではなかったのか」と思われてしまうかであなたの印象は大きく変わります。
これは決して「粘り強い」の自己PRに限った話ではなく、「粘り強い」ということを自己PRとして扱うのがNGというわけでもありません。しかし、長所をアピールしているつもりがいつの間にか短所と認識されてしまうことのないよう気をつけましょう。
自己PRの粘り強さは長所であることをアピールしよう
自己PRの際には、自分自身の強みや独自性をアピールすることが大切です。しかし、それと同様に、継続的に自分自身をアピールすることが重要です。自分自身の強みや実績を繰り返しアピールすることで、雇用主に強い印象を与えることができます。
面接や履歴書、カバーレターの作成時には、具体的な自己PRのエピソードや実績を挙げることで、説得力のあるアピールができます。雇用主は、実際の能力や経験を正確に評価することを求めているため、自分自身と能力を正しくアピールすることが大切です。
自分自身の強みを継続的にアピールすることで、自己PRの粘り強さをアピールすることができます。雇用主に自分自身の魅力を伝え、強い印象を与えることで、求職者としての自己アピールができます。